婚礼写真を前撮りする撮影スポットとして人気を集めている京都府立植物園(京都市左京区)は1日から、商業写真の撮影を有料化した。撮影をめぐり利用者との間でトラブルが急増しているということが背景にある。園は利用の適正化をめざし、撮影業者からは困惑の声も上がっている。
園内のクスノキ並木は結婚式や成人式の前撮り写真の撮影スポットとして人気を集め、昨年度の商用利用は約3千件に上った。紅葉や桜の時期は撮影が集中し、長時間にわたって撮影場所を占有したり、持ち込みが禁止されているレフ板やライトなどの機材を使用したりするなど、トラブルが相次いでいたという。
有料化では、商業撮影の管理運営全般について入札で決定した結婚式総合プロデュース業者「TAKAMI BRIDAL(タカミブライダル)」(本社・下京区)が担う。平日は1万2千円、紅葉シーズンなど混雑する土日や祝日は5万1千円を撮影業者から徴収し、一定金額を植物園に支払う。学校や幼稚園など教育関係団体や個人は対象外で、植物園が対応する。タカミブライダルの担当者は価格について「京都の寺社仏閣での使用料をベースに組み立てている」と説明する。
撮影業者からは戸惑いの声も上がる。結婚式の前撮りを同園で行ってきた着物レンタル・撮影会社を営む男性(38)は「決定が性急で、申し込みや苦情対応窓口が民間業者に丸投げというのは納得がいかない」と話す。別の撮影業者の男性(32)も「数千円程度なら協力したいが、利用料が想像以上に高額で驚いた」と困惑する。
西原昭二郎副園長は「利用する全ての人が、憩いの場として楽しいひとときを過ごせるよう、ご理解とご協力をお願いしたい」としている。