小説とIT

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の 「夏のピルグリム」 が7月18日に発売になります。初の単行本形式の小説です。
興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。
MENU

Notionに移行してみたけど、やっぱりEvernoteを使い続ける理由

改悪が続いたEvernote

ここ数年でEvernoteの評判はかなり悪化した。2016年に無料プランの使用による端末を2台に制限した。2020年には端末制限にWebブラウザもカウントするようになり、どこでも必要な情報を取り出せるクラウドサービスの長所が失われてしまった。経営を安定したいEvernoteからしたら、端末を無制限に利用できる有料プランを使ってもらいたいための措置だが、この変更は多くのユーザーの反発を招いた。

決定的にEvernoteの評判を悪くしたのが、2020年のEvernoteの大幅アップデートだ。Evernoteはプラットフォームを1から見直し、スマホとPCのアプリをWebベースに変更した。これだけだったら大きな問題にならないが、新しいプラットフォームは更新が遅いなどの多くの問題点があった。最も大きな問題は、プラットフォームが一新されたことで、今まで使えた多くの機能が失われたことだ。印刷機能やエクスポート機能などは、一度失われて後に復活したが、Apple Watch対応など未だに復活していない機能も多い。

あまりのひどさにCEOが動画で謝罪する事態になった。

AppleやGoogleなどの巨人たちと戦うために、売り上げを伸ばしコストを削減したいEvernote社の事情はわかるが、ユーザーには関係がないことで、ユーザーは安くて良いサービスを選ぶだけだ。高くて使い勝手が悪いサービスならユーザーは別のサービスに乗り換えてしまう。

というわけで、12年間以上Evernoteを使用している筆者もEvernoteから移行しようと、OneNoteやNotion、Appleのメモを試してみた。

だが、結局Evernoteを使い続けている。その理由をご紹介します。

f:id:tkan1111:20210619091746p:plain

検索

クラウドメモサービスで最も重要な機能は「検索」だと思う。膨大な情報から必要な情報を素早く抽出する「検索」はメモサービスの生命線だ。

検索機能についてEvernoteに一日の長があると思う。たとえば、Notionは日本語対応していない(2021/06/19現在)。ラベルなどの表記は英語のままでもよいが、日本語検索に対応しているかどうかはとても重要だ。Notionは2021年中に日本語対応すると言っているが、現時点では未対応のままだ。

Evernoteの検索も一時期不安定だったことがあるが、現在は非常に素早く的確に情報を抽出してくれる。

移行作業

12年Evernoteを使っている筆者は1万以上のノートをEvernoteに格納している。このノートをすべて移行するのはとても大変だ。NotionなどはEvernoteから一発で移行できる機能を有しているが、筆者の環境では一部のノートは正常に移行できなかった。

AppleのメモやOneNoteだと、膨大なメモを移行すれば無料ストレージ容量をオーバーするので有料になってしまうし、一部のノートのレイアウトが乱れてしまった。

もし他のサービスへ移行するなら、一部のノートの移行は断念して、新しいノートだけを新サービスへ運用せざるを得ない。Evernoteと新サービスの2つのサービスを併用するのはいかにも面倒だ。

改善されてきた新しいEvernote

プラットフォームが一新された当時は不具合も多く、機能も制限されていたが、半年が経過して不具合はずいぶん解消された。Apple Watchへの対応は復活しないが、iOSのショートカットに対応するなど、新機能も増えてきた。

主にiOS版とMac版を使っているが、ごくたまに検索や更新が滞ることはあるが、致命的な問題は解消されているように思う。

Webベースになったのは悪いことばかりではなく、各端末間の同期はとてもスムーズになった。一方の端末でノートを変更したら、別の端末のノートも素早く更新される。

無料で利用できている

今年になって、10年ぶりぐらいに無料プランへ移行してみた。使ってみて厳しかったら有料プランに戻ろうと思っていたけど、なんとか使えている。Evernoteの無料プランは端末数の制限、月間アップロード容量などに制限がかかるが、過去のデータ容量には制限がない。Evernoteは過去に保存したデータがどれだけ多くても無料で利用できるのだ。

他の多くのクラウドメモサービスがクラウドに保存したデータサイズに合わせて課金されるので、Evrenoteから膨大なノートを移行した場合、他のサービスだと有料になってしまう。

Evernoteは無料(ベーシックプラン)だと月間アップロード容量が60MBなので、なんでもかんでも書類をスキャンニングしたり、Webページをクリップするのは躊躇するようになったが、テキスト文書での利用がほとんどなので、いまのところ上限を超えていない。

f:id:tkan1111:20210619093352p:plain

結局Evernote

将来はどうなるかわからないが、以上の理由により結局Evernoteを使い続けている。EvrenoteのCEOも昨年の不手際には反省しているようなので、今の調子で改善されていけばEvernoteを使い続けることはできそうだ。

ただ、収益を増やすためにEvernoteは、「ホーム画面」や「タスク」などの新機能の使用を有料ユーザーに制限している。無料ユーザーに制限をかけるのは経営上仕方がないことだとは思うが、問題なのはこれらの機能がメニューから削除できないことだ。使えない(使わない)機能がずっとメニューにあるとメニューの視認性が悪くなる。

使うかどうかはユーザーに任せて、不要ならメニューから削除させてほしい。改善されてきたEvernoteだが、カスタマイズ性は低いままだ。メニューの内容もほとんど変更できない。

カスタマイズできるかどうかは使い勝手に大きく影響するので、今後是非改善して欲しいところだ。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は小説家です。
ブロックチェーンなどITを題材とした小説の他に、ミステリー、恋愛物、児童文学など様々なジャンルの作品を取りそろえています。
Kindle Unlimited会員ならすべて無料、非会員の人にも99円からご用意していますので、お読みいただけると幸いです。感想もいただけたら感涙でございます。