パームサポーターとは?
「本態性振戦」って言葉はご存知ですか?日常でもよく見かける「ふるえ」のことです。 日常生活に問題がなければ、放っておいても大丈夫ですが、字を書くときやコップで水を飲むときなどは不便を感じます。ちなみに「本態性」とは、医学用語で原因不明という意味です。
この「ふるえ」を抑えることができるのが「パームサポーター」です。今回、この「パームサポーター」について、工業デザイナーでもある株式会社菊池製作所顧問の井口さんに、お話をお聞きしました。
開発の経緯
【深澤】まず株式会社菊池製作所さんってどんな会社ですか?
【井口】菊池製作所は、1970年の創業から三十数年、開発・設計から金型製作、試作、評価、量産に至るまでの「一括・一貫体制」を確立し、時計、カメラの量産前の小量産試作を中心に「総合ものづくり支援企業」としてありとあらゆる分野の新製品開発をサポートしてきました。
長年培ってきた知識とノウハウの中に金属とデーターで曲げる技術があり、「この個々の手の形に合わせた装具でふるえが止まるのでは」と思ったところから始まりました。そして、始めに肘に装着するタイプの保持具が開発されました。
【深澤】それが、こちらなんですね。
【井口】はい。4年くらい前に、ある方の腕のふるえを止めるために、(写真Aで)テストを行っていました。そのときに、「腕のふるえが止まるから、そのまま手まで巻いてみてくれますか」とその方に言われました。「なぜですか?」と聞くと、「文字を書きたい」と。その方は、文章を書くことが好きだったので、腕のふるえが止まったように、手にも巻きつければ手のふるえも止まるのではないかと考えたようです。
【深澤】なるほど。
【井口】そこで、くるくるとアルミ素材を手に巻きつけてみると、手のふるえをなんとか抑えることができそうでした。そのときは、商品がピッタリと手に付いていなかったので、素材のアルミを手の形に合わせ機械で曲げる必要がありました。
【深澤】そこから「パームサポーター」の開発が始まったのですね。
【井口】はい。その方の一言がきっかけで、「いいかもしれない、いけるかもしれない」という雰囲気になり、「パームサポーター」の開発が新しいテーマとなりました。後に、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の公募にも申請し採択されました。
写真付きの続きはこちら→手のふるえが止まる「パームサポーター」って何?
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