全国の聴覚障害者がスポーツで競う「第58回全国ろうあ者体育大会in群馬」の開会式が13日、前橋市のALSOKぐんまアリーナで開かれた。夏季の同大会は群馬県初開催で、前橋と高崎、太田の3市を会場に選手や手話通訳者ら計1340人が参加し、15日まで11競技でしのぎを削る。同日は日本初となるデフスポーツ中継の実証実験を行い、来年に迫る日本初開催の国際総合大会「デフリンピック」での活用を見据える。
主催する全日本ろうあ連盟の石橋大吾理事長は、1947年に同連盟が伊香保温泉で結成されたことに触れ「ゆかりの深い群馬で開催できることをうれしく思う」とあいさつ。大会を主管する県聴覚障害者連盟の早川健一理事長は「大会を機に手話言語の普及、デフスポーツの理解が進むことを願う」と期待した。
選手宣誓は群馬県選手団を代表し、陸上種目に出場する田井小百合さん、野球種目の星野浩さんが「仲間を信じ、自分を信じ、一戦一戦全力でプレーする」と誓った。県内手話サークルのメンバーらはダンスなどで激励し、出場者は拍手の手話で感謝を表した。
15日のデフスポーツ中継は、手話による実況と解説で試合を生配信する。スポーツ放送に適した手話表現で、聴覚障害の有無にかかわらず同じ内容が同じタイミングで得られるよう工夫を凝らすという。
同連盟は情報アクセシビリティー向上へ期待を寄せ、今回の成果を来年11月のデフリンピックに生かす考え。ユーチューブの県公式チャンネル「ツルノス」で同日午後0時半からサッカーやバレーボール、卓球の決勝戦を配信する。