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2024年12月29日(日)
辺野古 軟弱地盤工事
年末 駆け込み的強行
米側に誇示したい思惑も
官公庁の仕事納めがすぎた28日、防衛省は沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う地盤改良に着手しました。文字通り、年末ギリギリの駆け込み的な強行です。
防衛省沖縄防衛局は地盤改良の工法として、金属製のパイプを海中に打ち込み、内側の砂を固めた「砂くい」を約7万1000本作るというもの。今回着手したのは、その前提として海底に砂を敷く作業です。
大浦湾側には広大な軟弱地盤が広がっています。最深部では海面下90メートルに達し、現在の施工技術では不可能とされています。7万1000本の砂くいを打ち込むことも容易ではありません。
まず手を付けられるところから手を付けて「年内に地盤改良に着手した」とアピールする狙いがあるとみられます。石破茂首相は年明けの1月中旬にも訪米し、トランプ次期米大統領との会談を模索しています。「辺野古移設」の進展を米側に誇示したいとの思惑が透けて見えます。
防衛省は施工が可能な海面下70メートルまで砂くいを打てば、それより深いところは「地盤改良を行わなくても構造物の安定性を確保できる」との見解を示しています。ただ、これについては土木の専門家からも疑問が出ています。しかも、軟弱地盤が海面下90メートルまで達している地点は、わずかな不均一も許されない滑走路の真下です。
最悪、米側は辺野古新基地を承認せず、そのまま普天間基地(宜野湾市)に居座り、辺野古新基地は打ち捨てられる可能性すらあります。技術的・政治的・財政的に破綻している新基地建設の即時中止が求められます。