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2018年11月21日(水)

葉梨法務委員長解任決議案

藤野議員の賛成討論

衆院本会議

 日本共産党の藤野保史議員が20日の衆院本会議で行った葉梨康弘法務委員長解任決議案への賛成討論(要旨)は次の通りです。


 決議案に賛成する最大の理由は、安倍晋三政権が出入国管理法改定案を今国会で何が何でも押し通そうとするもとで、葉梨法務委員長が職権で一方的に法案の審議入りを決めるなど異常な委員会運営を行っていることです。

 改定案は、外国人技能実習制度を大前提としています。法務省は「人手不足」とされる14業種で、技能実習生からの移行が3~8割、多い業種ではほとんど全てだと説明しています。来年4月の施行を急ぐ理由を問われた山下貴司法相は「施行が半年遅れれば、万単位の方々が帰ってしまうから」と答弁しました。新しい制度が、実習生を安価な労働力として使い続けようとするものなのは明らかです。

 今こそ、技能実習制度の実態を明らかにすべきです。ところが、安倍首相や山下法相は「今後の捜査に影響を及ぼす」などといって聴取票の開示を拒んでいます。そもそもこの調査は、実習制度の運用を改善するために2009年の衆・参両法務委員会の付帯決議などで与野党が一致して求めてきたものです。犯罪捜査とは何の関係もありません。「捜査の影響」などという答弁は撤回し、ただちに開示すべきです。

 山下法相は、技能実習生の失踪理由について「現状の賃金等への不満から、より高い賃金を求めて失踪する者が約87%」と答弁してきました。しかし「より高い賃金を求めて」という項目は聴取票にはありません。しかも、その割合は67%から87%に水増しされていたのです。実習生が金目当てで失踪していると描き出す資料のねつ造を行ってきたことは極めて重大です。

 暴力などの人権侵害も実際より少なく発表されていました。言語道断です。審議の前提となる資料にこれだけの誤りが明らかになった以上、これをまず正させること、そして全ての資料を国会に提出させることこそ、委員長の責務ではありませんか。

 法務委員会理事会メンバーが閲覧した聴取票の個票には「週130時間の長時間労働」「残業代が払われない」「暴力」「セクハラを受けた」など、法令違反や人権侵害を示す記述が複数見られました。「月給10万円と言われたが、実は8万円。さらに5万円控除」など、最賃以下が疑われる事例が多数にのぼることが明らかになりました。法務省が先日発表した「最賃以下が22人」など、聴取票の「取りまとめ」にも重大な疑義が生じています。技能実習生の実態把握のためには、個票そのものの徹底的な分析が不可欠です。ただちに国会に提出することを強く要求します。

 同法案については、世論調査でも6割から8割を超える国民が「今国会の成立にこだわるべきではない」と答えています。今国会がやるべきことは、こうした国民の声に応えて、外国人労働者の実態を踏まえた徹底的な審議を行うことです。虚偽答弁を放置し、開示すべき資料も提示させないまま、今国会の成立ありきで突き進む葉梨委員長の責任は重大です。



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