社長メッセージ
社長メッセージ
日本通信株式会社は、1996年設立の通信事業者です。当社は、携帯事業者から基地局等の設備を借りて通信サービスを提供するMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)事業を、世界で最初に提唱・実現した企業でもあります。政府による携帯電話料金引き下げの方針により、いわゆる格安SIM分野のパイオニアと評価されてきました。しかし、当社の使命は単に料金の引き下げにとどまらず、「安全・安心にビットを運ぶ」ことにあります。PCやスマートフォンはもちろん、自動車や家電、太陽光パネルなど、通信が幅広く活用されるデジタル化が進む社会において、A地点からB地点にデジタルビットを安全かつ安価で運ぶことが求められます。通信はデジタル時代の基盤インフラであり、安全かつ安価であることが、インフラ上で展開されるさまざまなアプリケーションを発展させるからです。
当社は「安全・安心にビットを運ぶ」という使命に対して、2つの基本技術を基に取り組んでいます。1つ目は、当社の特許技術である「無線専用線」であり、この技術を活かした「閉域SIM間通信」です。この技術は、携帯事業者から借りた設備と当社の認証基盤を活用し、特定の地点間でハッキングできない通信を提供するものです。警察機関で採用されているほか、セキュリティが求められるIoT分野を中心に、さまざまな領域で使われています。
2つ目は、インターネット上での安全な通信を実現するために開発した、同じく当社の特許技術である「FPoS(Fintech Platform over SIM、エフポス)」です。スマートフォンに内蔵されているHSM(Hardware Security Module)であるセキュアエレメントに秘密鍵を置き、公開鍵が含まれる電子証明書を発行する仕組みにより、本人性(本人が本人であること)と真正性(本人の意思が本人の意思であること)を担保します。当社はこの技術を用いて電子証明書を発行する電子認証局を立ち上げ、電子署名法の認定を取得しました(当社子会社my FinTech株式会社が2021年11月10日に取得)。FPoS技術は、群馬県前橋市において次世代デジタルIDである「めぶくID」を2022年に発行開始し、その後、北海道江別市や長崎県大村市で採用されるなど、地域や多様な業界に広がりつつあります。
さらに、2026年5月24日のサービス開始を目指し、音声網、SMS網、データ通信網の全てを携帯事業者との接続により実現する「ネオキャリア」プロジェクトを進めています。「ネオキャリア」は、携帯事業者の制約を脱却した、新たなサービスの開発と提供を可能にするものです。
当社は、携帯通信はデジタル社会の基盤中の基盤であり、だからこそ安全で安価に利用できるべきと考え、創業以来、他社に負けないコストリーダーシップを取り続けることを企業戦略の根底に据えています。
これからも、変わらぬ挑戦と進化を続け、社会のさらなる発展に貢献してまいります。皆さまのご支援とご理解を、心よりお願い申し上げます。
日本通信株式会社
代表取締役社長
福田尚久