イデアス・プログラムでの学習は、開発途上国における社会と経済の諸問題について理解を深め、人々の生活を向上させる方法について知見を得ることを目的とします。開発にかかわる諸問題に関心があり、また体系的な学習を希望する方に対して、学術研究の成果に基づく知見を初学者にも理解できるように講義します。特に、開発に関する専門的な学習をこれから始めたいと考えている方や、国際協力に携った経験をもとに開発途上国の諸問題を学びたいと考えている方を受講生として想定しています。
本プログラムの特徴は、貿易投資、貧困削減、教育、環境、人権、開発援助などの幅広い分野について、最新の研究成果にもとづいた講義を通じ体系的な理解を目指すことにあります。開発途上国における問題の多くは複数の要因が影響した結果であり、一つの分野を知るだけでは不十分です。開発途上国における諸問題を理解するというイデアスの教育方針にもとづいて、まず幅広い分野を概観して、それぞれの問題の関係性を理解することを目指します。最前線で学術研究を行っている講師が、その成果を参照しながら問題の構造について講義し、問題の背後にある複雑な関係性について理解を深めます。
さらに、本プログラムでは、アジア、アフリカ諸国で貿易投資に携わる中堅・若手官僚と一緒に学びます。グループワークやスクーリング講義では、彼らと直接対話し、共同作業を行う機会があります。また、国際開発の現場で働くイデアスOBを招いて話を聞きます。そうした機会に積極的に参加することで、開発援助の実際について経験的に学ぶことができます。
こうした学習を通じて、本プログラムを修了した受講生が、開発途上国の諸問題の構造と解決策について基礎的な知見を持ち、さらに深く専門的に学ぶ準備が整い、将来的に開発問題について自ら考え、意見を持つことができる人となることを目標としています。