Webメディアで根強い人気を持つ、Gifアニメ。
Gifアニメとは何枚かの画像を連続させ"ごく短いアニメーション"として表示するWeb向けの技術で、目新しいわけではないが手軽さと共有のしやすさから世界中で楽しまれている。
同じ動きを何度も何度も繰り返すのを見ているとそれだけで笑えてくるし、欧米などではシニカルな表現が好まれる土壌があるので、その嗜好にGifアニメがよく当てはまるということだろう。
そうした中、これまであまり見られなかった作風で、主に海外からの注目を集めている女性アーティストがいる。
Maori Sakai(酒井真織)。
日本在住のイラストレーターで、Gifアニメは1年ほど前に作りはじめたばかりだが、その作品をみた海外のアート系キュレーションメディアやブログからの取材が殺到している。
アート系サイト「MY MODERN MET」の取材でMaoriが語った「美しさは自然や日常の中にこそあります」という言葉は、その後の紹介記事で繰り返し引用され、共感を呼んでいる。
ふふん、というやや醒めた笑いがぎっしり詰まったGifアニメのサイトの中でMaori Sakaiの作品は際立ってみえ、Webを巡回してささくれだった心を柔らかくほぐしてくれるようだ。
日本においては、女性向け情報誌「Hanako」がいちはやくMaori Sakaiの魅力に注目し、今年6月11日発売号の表紙に初めて採用した(※下写真)。
同誌は今年から電子化にも取り組んでいるが、公式インスタグラムでは表紙と同じ絵柄のGifアニメも掲載し、本誌とデジタル媒体の連動を試みている。
ADの川村よしえ(otome-graph.)は、Maori Sakaiについてこう語る。
「イラストを見てときめいたのは15年ぶりくらいです(笑) 圧倒的な写実能力とずば抜けたセンスの持ち主で、10年に一度の逸材だと思いすぐメールをしました。センスの良さは特にgifアニメにあらわれていると思いました。女の子が好きなモノがたくさん集まっているアニメはとにかく乙女心をくすぐられます。見ていて、クスッと笑えて楽しくなる。この、センスの度合いって口で説明できないモノで本当に大切なんです。そして、絵がうまくてもgifアニメのセンスが無い人も多いですし、技術もないですよね。酒井さんはそれを持っているのに、とても謙虚なんです。その人柄も、これから伸びていくと確信し注目しています」
自ら「紙媒体好き」を自認する川村はデジタル化による雑誌ばなれを憂慮するひとりだが、今後大切なのは「歩み寄って、双方を生かす」ことだと考えている。
同誌に限らず、電子化の波に否応なく対応せざるを得ない出版社にとって、紙媒体にもWebにもすんなりマッチするMaori Sakaiの作風は、今後の方向性を探る上でのひとつの答えになるかもしれない。
Maori Sakaiの作品たちは、鉛筆で描かれ、Photoshopで着彩されているという。
もともとグラフィックデザイナーだったMaoriだが、鉛筆で絵を描くのは、学生時代以来なのだそうだ。
「小さい頃から空想好き」だったというMaori。
少女時代からの空想世界が、デジタル画面上をくるくると楽しそうに無限ループし続ける。
(※文中敬称略)
制作中のイラスト。これらをスキャンしてPhotoshopで着彩したのち、flashでアニメに仕上げる。
酒井 真織
フリーランスイラストレーター (日本在住)
1988年生まれ
桑沢デザイン研究所卒業
公式ページ http://maorisakai.com/
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[email protected] (担当者:田中ナオミ)
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Maori Sakai
Freelance Illustrator
Born in 1988.
Graduated from Kuwasawa Design School at Tokyo, Japan.
I'm always looking for new projects so if you have any ideas,please get in touch.[email protected]