修士課程2回生の藤田正海さん(吉田寿雄研究室)が第30回キャラクタリゼーション講習会にて優秀ポスター賞を受賞しました
令和2年12月3日にオンラインにて行われた第30回キャラクタリゼーション講習会において,相関環境学専攻 物質相関論講座の修士課程2回生の藤田正海さん(吉田寿雄研究室)が優秀ポスター賞を受賞しました.藤田さんの発表題目は「エチレンの水素化反応の触媒活性に対する白金ナノ粒子の表面再構成の影響 -XAS その場観察による検討-」でした. 研究概要:「エチレンの水素化反応の触媒活性に対する白金ナノ粒子の表面再構成の影響 -XAS その場観察による検討-」 金属触媒を用いたエチレンの水素化反応は古くから研究がなされており,その反応の活性は触媒表面構造に依存しない構造鈍感反応であることが知られています.しかし,本研究では,触媒反応を行う前の還元処理の条件を変えることにより,反応の活性に違いが見られることを見出しました.さらに,その理由を調べるために,大型放射光施設SPring-8にて,水素ガス流通下におけるアルミニウム酸化物担持白金触媒のXAFS測定を行いました.得られたスペクトルを既報の手法により解析し,水素ガス流通下での白金ナノ粒子上への水素吸着量の定量に成功しました.また,室温条件における水素の吸着により,白金ナノ粒子の構造が変化した実験的な証拠を得ることにも成功しています.これらの結果は,水素吸着が誘起する白金ナノ粒子の構造変化が水素化反応の活性に影響することを示唆するものであり,構造鈍感性の起源に関する知見を与えるものであると考えています. |