TECH INSIDER 2024年12月12日掲載の記事より転載
サムスンは12月12日、Androidスマートフォンの新製品「Galaxy S24 FE」を日本向けに発表した。
発売日は12月26日、公開市場版の直販価格は7万9800円(税込)。通信事業者ではKDDIも取り扱う。
「FE」シリーズは、フラグシップのSシリーズの性能を手頃な価格で提供する製品だ。実際どんな製品なのか、ファーストインプレッションをお届けする。
画面が6.7インチに大型化
S24 FEは、2024年2月に発売された「Galaxy S23 FE」の後継機だ。S23 FEはKDDIの専売だったが、S24 FEは公開市場版も展開される。
S23 FEとS24 FEの大きな違いのひとつは、画面の大きさ。S23 FEの約6.4インチに対し、S24 FEは6.7インチと大型化した。解像度はフルHD+で、画面描画速度は最大120Hz。
重さは約213g(公称値)で、手にしてみるとずっしりとした重さを感じられる。バッテリー容量は4700mAh。
カラーバリエーションはブルー、グラファイト、グレー、ミントの4種類。このうち、ミントは直販サイトの限定カラーとなる。
Galaxy S24 FE | Galaxy S23 FE | |
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発売時期 | 2024年12月26日 | 2024年2月9日 |
CPU | Exynos 2400e | Snapdragn 8 Gen1 |
メモリー | 8GB | |
ストレージ | 128GB | 256GB |
ディスプレイ | 6.7インチ有機EL2340×1080ドット、最大120Hz駆動 | 6.4インチ有機EL2340×1080ドット、最大120Hz駆動 |
背面カメラ | 約1200万画素(超広角)、約5000万画素(広角)、約800万画素(望遠) | |
正面カメラ | 約1000万画素 | |
バッテリー容量 | 4700mAh | 4500mAh |
防水/防じん | IP68 | IPX5、IPX8/IP6X |
販売チャネル | 公開市場、KDDI | KDDI |
トリプルカメラとAI機能で写真が楽しく
S24 FEは背面に、約1200万画素の超広角カメラ、約5000万画素の広角カメラ、約800万画素の望遠カメラを搭載する三眼構成だ。
ナイトポートレート機能や、最大30倍のAIズーム機能などを備える。
サムスンのAI機能「Galaxy AI」を使えば、撮った写真をさまざまな形で編集できる。
写真編集をAIでアシストする「フォトアシスト」のうち「AIスケッチ」を使うと、写真に手書きで加えた線などから、AIが新たなオブジェクトを生成する。
今回は料理の写真に線を引いてみたところ、AIによってソースのようなものが生成された。
「生成AI編集」は、撮った写真の一部を大きくしたり小さくしたり、あるいは切り取って移動させられる機能。
写真の一部を切り取って移動させた場合、切り取ったことで空いたスペースはAIが補完する仕組みになっている。
ほかにも、自撮りした写真からアニメ風やスケッチ風のイラストを生成する「ポートレートスタジオ」などを利用できる。写真の加工パターンがAIによって大きく広がり、撮影後にさまざまな形で楽しめる仕組みだ。
チップセットの性能は「Galaxy S24」に迫る
Galaxy AIの機能は「フォトアシスト」だけではなく、例えばメモの内容を要約する「ノートアシスト」や、メッセージの文面を考えてくれる「チャットアシスト」など、多岐に渡る。
そうしたAI機能を支えるチップセットとして、S24 FEは「Exynos 2400e」を搭載。
サムスンは、2024年4月発売のハイエンドモデル「Galaxy S24」が備える「Snapdragon 8 Gen 3 For Galaxy」と同等の性能を持つとアピールしている。
そこで実機でチップセットの性能を測る「Geekbench 6」と、AI処理性能を測る「Geekbench AI」を実行してみた。
すると、CPUとGPUの性能ではS24がわずかに上回り、AI関連の性能では逆にS24 FEが上回るという結果になった。
S24 FEのメモリーは8GB、ストレージは128GB。防水・防じん性能はIP68に相当する。
S24 FEは、価格を10万円以下に抑えたスマートフォンでありながら、処理能力はハイエンドモデルに近い一台だ。
撮影:松本和大