どうせ今日も観てしまうんだから、ついでに英語も学んじゃいなよ。
時間がない、時間がない、と公言しつつ、なぜかNetflixのマイリストだけはしっかり消化していませんか。このやめたくてもやめられない最優先タスクを、なかなか続かない英語学習と抱き合わせにできる発明が、Chrome拡張機能「Language Learning with Netflix(LLN)」です。
LLNの開発者の1人、David Wilkinsonさんは、「たとえばペルシア語のように、言語によっては教材の選択肢が狭いものもある」とThe Vergeへのメールで語っています。その点、我らがNetflixの字幕は主要言語をカバーしていて、巨人の肩に乗ることで好きな言語が学びたい放題というわけです。
またWilkinsonさんは、「もともと慣れ親しんでいる教材を使って言語を学んでいる人がたくさんいる」ことに気づいたようで、世界一観られている動画配信サービスの教材化を思い立ったのでしょう。これはほんとにそうで、私の周りにもNetflixで英語を学んでいる人は多く(なにを隠そう私もそのうちの1人です)、需要はかなり高いはずです。
実践者として見ても、LLNには欲しいと思っている機能がすべて備わっていて、私達の英語学習を加速してくれることは確実でしょう。
直感的な操作で英語が学べる
LLNの使い方は簡単です。拡張機能のアイコンをクリックして「カタログ」にアクセスしたら、お好きな作品を選んで鑑賞を楽しみましょう。2段構えで字幕が表示される(上段に学習対象の言語、下段には日本語です)ので、翻訳を観ながら耳と目で学習できます。もちろん必要に応じて各字幕をオフにすることも可能です。
単語にマウスオーバーすると意味を表示してくれて、いちいちGoogle翻訳で調べる手間を省いてくれます。また、一般的ではない単語をグレーアウトする機能もあり、ハイライトする単語は学習者のレベルに合わせて調整できます。
もっとも便利だと感じたのは、一時停止やフレーズの繰り返し、前のフレーズを再生…といった再生に関する操作にキーが割り振られていることです。いままで再生バー上の微妙なスクロール調整に苦心してきた身としては、これはほんとに欲しかった機能です。
方向キーでも操作できますが、おすすめは、単語を調べるために右手にマウスを、左手を「A」「S」「D」「スペース」キーにあてて、再生に関する操作を行なうスタイルです。また、フレーズごとに自動で一時停止する設定もあるので、使いやすい方法でどうぞ。
今後実装される機能にも期待大
現時点(2019年4月3日時点)でカタログに表示されている作品は500本。その中にも作品ライセンス権の都合上、日本からは観れない作品も含まれているようです。ただ、いったんNetflixホームに移動すると、カタログにない作品に関してもすべての機能が利用できました。
また、最初開いたときは翻訳字幕のローディングでエラーが発生していましたが、数時間後には拡張機能のアップデートにより解決しています。このように、まだぎこちない面もありますが、アップデートによりどんどん使いやすいものになっていくことでしょう。
LLNは無料で利用できますが、将来的には多言語による音声トラックを有料オプションとして追加する計画があるようです。この機能が実装されれば、たとえば中国語音声で『ハウス・オブ・カード』を再生してシャドーイング…といったことが可能になるはずです。
外国語の学習を兼ねているのなら、毎日Netflixを観ても罪悪感が半減するんじゃないでしょうか。
Source: The Verge, Language Learning with Netflix