実に残念です...。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2010年12月8日午前、金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入に失敗したことを発表しました。あかつきは日本初の金星探査機として、金星の周りを2年間回りながら、二酸化炭素の大気や硫酸の雲、雷を観測する計画でした。これらの観測成果は地球の気象メカニズムの理解や、温暖化予測などに役立つと期待されていました。
またJAXAはあかつきに対する応援メッセージをインターネットで公募して、集まったメッセージをアルミパネルに転写、あかつきに搭載することに。その際「初音ミク」ファン1万4000人のメッセージ入りパネルも乗る事になるなど非常に盛り上がり、あかつきのミッションは各所から注目されていました。
2010年5月21日にH-IIAロケットであかつきが打ち上げられた時の映像です。胸が熱くなります...。
たまんねぇえカッケーぇぇっ!!
そしていよいよ2010年12月7日午前8時49分、あかつきは約5億キロを旅した末に金星上空へ到着、減速して周回軌道に入るためにエンジンを逆噴射しました。逆噴射を続ける時間は12分間の予定で、減速が足りないと金星をスルーしてしまい、逆に減速しすぎると衝突してしまいます。つまりここがミッション最大の難所なのです。
ところが...。ここに来てあかつきとの通信が途絶えました。金星の陰に入って通信が途切れるところまでは予定通りだったのですが、本来ならば約20分後に通信が回復するはずがなかなか回復しません...。「失敗なのか!?」不安がつのります...。
2010年12月7日午前10時28分、あかつきの公式ツイッターアカウント@Akatsuki_JAXAがつぶやきました。
「うぉぉおお逆転大勝利!!」というわけで見守っていたファンは大歓喜。しかし電波は予定していたアンテナではなく非常用のアンテナから送信されており、何らかのトラブルがあった可能性が...。そしてその直後...。
セーフホールドモードとは緊急時に機体をコマのようにクルクル回転して姿勢を安定させる状態のことです。これは...マジでヤバイかも...。
そして2010年12月8日、「あかつきの金星周回軌道投入失敗」という残念な発表がされました。非常用通信のため、通信速度が遅く状況の把握に時間がかかっていましたが、あかつきから送られてきたデータを調べたところ、逆噴射をした時間が2、3分だけだったことが判明。金星から飛びさる軌道に乗ってしまったそうです。セーフホールドモードに入る際に噴射が止まってしまったと予測されます。残された燃料をすべて使い切っても、金星周回軌道に戻すことは不可能だと判断されたとのことです。
涙。
ただし今のところ機体に故障は見つかっておらず、さらに2016~17年に再び金星に接近する機会があるため、この時にまた金星周回軌道投入に挑戦することを検討しているそうです。
もし、6年後本当に成功したら...。めちゃくちゃ胸熱ですね。どうなることでしょうか。チャレンジはまだ続けて頂きたいものです。
最後に、あかつきのミッションを紹介するビデオを貼っておきますね。
金星探査機「あかつき」の金星周回観測軌道投入(VOI-1)の結果について[JAXA]
金星探査機「あかつき」(PLANET-C)[JAXA]
金星探査機「あかつき」、周回軌道投入に失敗[asahi.com]
あかつき逆噴射 一時通信途絶えるも電波を確認[CHUNICHI Web]
逆転大勝利速報 あかつき 通信復帰 軌道投入成功!!!!!![ハムスター速報]
@Akatsuki_JAXA[Twitter]
初音ミク「あかつき」に搭乗! 種子島で実機を見てきた (1/3) [ITmedia News]
SOMESAT「あかつき」支援部×ピアプロ緊急コラボ[PIAPRO(ピアプロ)]
(鉄太郎)