脱がせて見て分かったサムスンのこだわり! いよいよ発売の「GALAXY Tab」の魅力を徹底分解検証...

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    脱がせて見て分かったサムスンのこだわり! いよいよ発売の「GALAXY Tab」の魅力を徹底分解検証...

    これは十分に真のiPadの対抗馬にもなれそうですね!

    続々と魅力のタブレットが出そろってくる中でも、一番人気で市場を大幅にリードするアップルのiPad以来の高い前評判で世間を賑わせてきた韓国サムスン製の「GALAXY Tab」ですが、実際のユーザー目線での使用感を徹底レビューしたレポートはこちらに譲るといたしまして、やっぱり今回はお待ち兼ねのiFixitの解体新書をチェックしておくことにいたしましょう。

    Androidタブレットの真打ちだなんて言われたりもしてますけど、本当の出来栄えはどうなのよ? そんな疑問を払しょくしてくれる、GALAXY Tabの奥の奥まで丸裸に迫ったiFixitのレポートは、例によって圧巻ですよ。これを読んだら一気に欲しくなっちゃうかもしれませんけど、iPadが先行する市場に満を持して新作タブレットを投入してきたサムスンのこだわりも見えてくる徹底検証を、どうぞ続きからご覧くださいませ。

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    まずは美しいGALAXY Tabのパッケージングから見ていくことにいたしましょう。すでに海外では「iPadキラー」というネーミングまで定着しつつあるGALAXY Tab。今回のiFixitによる徹底分解レポートでも、やはり気になるiPadとの比較検証という視点から、さまざまな新事実が明らかにされていますよ。

    おさらいになりますけど、iPadにはない機能面での最大の強みの中には、GALAXY Tabに搭載されている開発コード名「Froyo」のAndroid 2.2で、Flashコンテンツやアニメーションの閲覧が標準サポートされている点が挙げられますね。このベースとなるOSのAndroid 2.2に、非常に直感的で使いやすいと評判のサムスンが独自に開発を進めた「TouchWiz」のユーザーインターフェース(UI)が見事に組み合わされているのがいいですよね。それからメインメモリーにも、iPadの倍に当たる512MBのDDR RAMが採用されており、なかなかハードウェアスペック面でも攻めてきてますよ~

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    GALAXY Tabの底面には、Androidで特有のUIとなる「メニュー」「ホーム」「戻る」「検索」の4ボタンが装備されていますよ。それにしても、このところ各社から次々とタブレットの新モデルが発表される中で、もうどれを取っても、わりと表面は似たようなデザインになってきましたよね...

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    な~んて思ってたら、いやいやドッコイ、なかなかサムスンは大胆なカラーリングのデザインを採用してきましたよ。これは賛否両論ありそうですけど、GALAXY Tabは裏返せば輝くホワイトカラーのバックカバーになっております。いろいろとiPadと比較されては「似たようなタブレットの新作だ」なんて感想が出るのを避けるべく、外見でもiPadとは目立って差をつけてきた感じですね!

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    底部のUSBドックコネクターに加えまして、GALAXY Tabの本体周囲に並ぶポート類を眺めていきますと、ヘッドフォンジャック、SIMカードスロット、最大32GBのストレージ容量がサポートされているmicroSDカードスロットがありますよ。電源ボタンや音量コントロールボタンなんかもシンプルに配置されていますね。

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    じゃじゃ~ん、こうやって重ねて比較してみるのが一目瞭然でいいですよね。もう何度も取り上げられてきましたけど、GALAXY TabがiPadとは一線を画する最大のアピールポイントといたしましては、そのコンパクトサイズが挙げられます。こうやって見ると、本当に小さいのが分かりますね。

    スペック的に見てみますと、GALAXY Tabのサイズは190.1×120.6×12.0mmとなっており、これは275.1立方センチメートルに値します。一方、iPadのサイズは242.8×189.7×13.4mmとなり、617.2立方センチメートルに値しますよ。実際に並べて両者を比べてみると、思った以上にGALAXY Tabのコンパクトさが際立つような気もしました...

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    さてさて、GALAXY Tabの外回り的な検証はこれくらいにいたしまして、いよいよこれからは本題である内部の分解レポートへと入っていきましょう。その第一歩となるのは、底部のUSBドックコネクターの両脇に隠れている2本のネジですね。決して外しやすいとは言いませんけど、でもそれほど特殊なツールを用意しなくてもGALAXY Tabは分解が可能なモデルとなっているようです~

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    これまでにも数々のデジタルガジェット製品の解体作業をこなしてきたiFixitは多彩なこじ開けツールを取りそろえておりまして、いつもならプラスチック製のオープナーツールの出番なんですけど、今回のGALAXY Tabのパネルカバーの取り外しには、それに加えて、なんとあのギターのピックが大活躍してくれましたよ。

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    やりました! ついに外からは見えなかったGALAXY Tabの内部が初お目見えですね。ちなみにGALAXY Tabの背面カバーはプラスチック製になっているため、通信関連で電波が遮られるといった問題が生じる可能性はほとんどなさそうでした。ややアルミボディーのiPadよりもチープな印象が残ることは否めませんけど、でもおかげでGALAXY Tabは女性が片手でも軽々と持てる軽さがアピールポイントになったりもしてるんですよね...

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    たとえ激安価格で販売されてはいても、さまざまな課題や不満も目立つAndroidタブレットとは大きく異なるポイントの1つに、GALAXY Tabの優れたバッテリー性能が挙げられますよ。実際に中を覗いてみて気づくのは、えっ、ほとんどがバッテリーで占められてるじゃんってことなんですが、ここに今回のサムスンのこだわりも見て取れます。

    4000mAhという大容量リチウムイオンバッテリー(3.7V)は14.8Whの長時間駆動性能を実現しているようで、7時間連続で映画を再生し続けることだって可能と発表されていますよ。まぁ、当然ながら、10時間稼動を誇るiPadには負けちゃうわけですけど、これまたiPadのバッテリーと並べてみますと気づくのは、全重量が81グラムのGALAXY Tabのバッテリーは、重さにしてiPadのバッテリーの55%というコンパクトさに収まっているんです。これで7時間選手のタブレットを完成させてきたのは素晴らしいですよね!

    さらにGALAXY Tabの強みになるかもしれないポイントといたしましては、実際に挑戦するかどうかは別にしましても、頑張ればユーザーが自分でバッテリーを新品に交換することだってできそうな点です。ここまでの分解作業に加えて、バッテリーとパネルカバーを固定している1本のネジを外し、マザーボード上のソケットとのコネクターさえ外せば、それほど取り外し作業も難解を極めるというレベルではありません。iPadとは大きく異なるメリットかもしれませんね~

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    マザーボード上のソケットに固定されているカメラコネクターも簡単に取り外し可能です。iPadにはないカメラを搭載したタブレットとしても、GALAXY Tabは売り込みをかけていますよね。LEDフラッシュが標準装備された3.2メガピクセルの背面カメラは使いやすいんですが、ただ、もし欲を言うならば、ちょっと感動の撮影写真をGALAXY Tabのみで貯め込んでいくのは難しそうですかね。せめて5メガピクセルくらいのカメラ性能は備えてほしかったなぁという感想が漏れる人も少なくないのではないでしょうか...

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    さてさて、GALAXY Tabの心臓部であるマザーボードへと迫るために、どんどんと取り外し作業を進めていきましょう。まずは6種類のコネクターを外していきます。レッドラインで囲まれたヘッドフォンジャックとマイクのケーブル、オレンジラインで囲まれた音量コントローラーケーブル、イエローラインで囲まれたタッチスクリーンのケーブル、グリーンラインで囲まれたコントロールボタンのLEDケーブル、ブルーラインで囲まれたディスプレイのデータケーブルを外せば、あとは7本のネジを外すと、マザーボードが背面のパネルカバーから取り外せますよ。

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    ちなみにマザーボードにセットされている1.3メガピクセルのフロントカメラは、わりと簡単に取り外すことができます。GALAXY Tabにはデュアルカメラが標準で備わるため、アップルがiPhone 4から可能にした「FaceTime」ビデオ通話機能のような利用シーンが手軽に実現するのもうれしいポイントですよね。

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    こちらがGALAXY Tabのマザーボードですよ。レッドラインで囲まれているのは、SanDisk製の「SDIN4C2-16G」NANDフラッシュメモリーで、この分解モデルには16GBの容量が搭載されていましたが、32GBの容量のモデルも選択可能とのことですね。オレンジラインで囲まれているのは「Maxim 8998」で、電源管理のICチップとなっていますよ。

    また、イエローラインで囲まれているのが、今回のGALAXY Tabで力が入っているサムスン製の「S5PC110A01」プロセッサーで、なんとアップルの「A4」プロセッサーにも匹敵する性能が備わっているそうです! このS5PC110A01の中身は1GHzの「Hummingbird」マルチメディアアプリケーションプロセッサーARMの「Cortex A8」プロセッサーがベースのようですよ。そこに同じくサムスン製の「KB100D100YM」が組み込まれ、OneNAND、OneDRAM、モバイルDDRが組み入れられたソリューションになっていますね。ここがiPadキラーを謳うGALAXY Tabの性能の秘密を握っていそうですかね~

    一方、グリーンラインで囲まれているのはInfineon製の「PM9801」で、HSDPA/HSUPA/EDGEのモデムソリューションとなっています。ブルーラインで囲まれているのはWolfson Microelectronics製の超低消費電力が特徴となる「WM8994」オーディオハブコーデック、ピンクラインで囲まれているのはInfineon製の「PMB5703」RFトランシーバーとなっていますよ。

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    今度はマザーボードの裏側を覗いていきましょう。レッドラインで囲まれているのは、これまたiPadにも搭載が確認されていたBroadcom製の「BCM4329」ワイヤレスLAN/Bluetooth用チップです。オレンジラインで囲まれている加速度センサーのSTMicroelectronics製「L3G4200D」ジャイロスコープも見えますね。タッチスクリーンコントローラーにはイエローラインで囲まれたATMEL製の「MXT224」が、GPSレシーバーにはグリーンラインで囲まれたBroadcom製の「BCM4751」が搭載されていますよ。2つのブルーラインで囲まれているのは、ドックコネクターの両脇にセットされたスピーカーです。まずまずの音質を備えていましたね...

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    ところで、GALAXY Tabのヘッドフォンジャックは完全にマザーボードとはセパレート構造になっており、万が一、ヘッドフォンなどを挿したまま落として壊れたとしても、ここだけ取り替えることも可能になっています。このあたりのアプローチも、なんだかアップルがiPadで採用してきた構造と非常に似通っているんですよね。

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    ここで今回の分解作業で最大の難関となったフロントパネルの取り外し段階に突入です。まさに最強ツールとも呼ぶべきヒートガンで結構な長時間にわたって熱を送ることが求められましたが...

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    無事に執念のスーパーTFT液晶ディスプレイの取り外しに成功です! さすがは「スーパー」を冠するTFTディスプレイなだけあって、非常にGALAXY Tabのスクリーン表示は美しくて見やすいですよ。ちなみにGALAXY Tabのディスプレイ解像度は1024×600ピクセルであるのに対して、iPadのディスプレイ解像度は1024×768ピクセルとなっていますが、GALAXY Tabは7インチのディスプレイサイズになるため、実際の1インチあたりのピクセル表示はGALAXY Tabの169に対して、iPadは132となり、GALAXY Tabのほうが上を行っていることになります。まぁ、さすがにiPhone 4が誇る1インチあたり326というRetinaディスプレイの性能には遠く及びませんけどね~

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    いかがでしたか? なんかやっぱり世の中には丸裸に脱がしてみないと分からないことって多々あるもんですよね。とりわけハードウェアスペック面では、決してGALAXY TabもiPadには引けを取らない、ある意味では上回っている分野も少なからずある非常に魅力的な仕上がりになっていることが判明したような気がします。これは間違いなくAndroidタブレットのスーパースターとして語り継がれるモデルにもなっていくのではないでしょうか。

    きっとあとは魅惑のAndroid OSを搭載したタブレットならではのアプリケーションやサービスが続々と出そろいさえすれば、かなりiPadも顔負けの人気だって夢ではないと思うんだけどなぁ...

    iFixit

    Brian Barrett(米版/湯木進悟)