あなたもノートPCを売ってiPadの購入資金に!
いやいや、まさかの結末でしたね。っていうか、米GIZMODO編集チームの面々も、よもやこんな結論が出せるだなんて思ってもみなかったというのが本音でしょうかね。あの小憎らしいジョブズに頭を下げるだなんて、かなり悔しいジ・エンドではあるんですけど、でも、やっぱりウソはつけません。
iPadに完全に魅せられちゃったんです。しかも、ここまで唸らされる出来栄えとは...
いよいよ日本でもiPad正式発売のお祭りモードへと突入ですけど、その1カ月以上前からリリースされて、すでにもう海外からは見てるだけでもうらやましい限りのiPadブームの大旋風が沸き起こっちゃっている米国内で、米GIZMODO編集チームの中ではジョンソン君が最もiPadを使い倒してくれましたが、ついにノートPCなんぞ不要になっちゃったって処分しちゃいましたよ! 外出中は仕事もプライベートもiPadが1台あれば十分だと確信できちゃったんだそうです。
早くも世にはありとあらゆるガイドブックやレビューが出回るiPadですけど、ボクらが一番やっぱり知りたいのは、実際に使ってみたユーザー目線の正直な感想じゃないでしょうか。そこで今回は、ユニボディーのMacBook Proユーザーだったジョンソン君が、iPadへと完全に乗り換えちゃうまでの一部始終のリアルつぶやきを続きにまとめてみました。
ほぼ取りとめもなく書きなぐっちゃってますし、あくまでも一ユーザーとして、たまたま本当にノートPCなんてiPadで不要になっちゃったという結論に至れただけなのかもしれませんが、このジョンソン君のような意外なiPad絶賛論者が、これから日本でも続々と登場してくるのは、ほぼ間違いないんじゃないかなってギズ編集部では感じてますよ。気になるリアル体験記、ぜひぜひ続きからどうぞ。
まずはいきなりですけど、ジョンソン君ご愛用のiPadケースから...
iPadを初めて買った時に、多くの人が第一印象に感じるであろうことは、なんか思ってたよりも小さいかなって感想ではないでしょうか。いろいろ買う前に頭の中でイメージしてた大きさより、実際の本体サイズはコンパクトに仕上がってる印象ですかね。ただ、やっぱりずっと持ち歩いていると、あの700グラム級の重さが響いてきます。だから、どんなふうにiPadを日々携帯して使っていこうか? このポイントから、じっくりと重視して納得のいくスタイルを自分で確立していったほうがいいですよ。
ちなみにジョンソン君は、やっぱり肩から軽く提げられる革製のショルダーバッグデザインのケースがベストの選択肢だなって結論に達したそうです。こちらの高級牛革製iPad専用ショルダーケース「Shoulder Leather Case for iPad」なんかもお勧めですが、ちょっとカッコつけのジョンソン君は、どこで売ってるのかは秘密という上の写真のようなアンティーク仕様のショルダーバッグにiPadをスッポリ収めて持ち運んでるんだそうです。このスタイルでiPadとどこでも共同生活を送るのは、慣れるとそんなに重さも気にならなくってよいんだとか。
iPadはバリバリのデスクトップマシンとして使えるのか?誤解を避けるために、早目に断言しときますけど、それは絶対に否です。これまでのジョンソン君のPC利用暦(というかMac利用暦みたいなもんですが...)を振り返っておきますと、とりわけ過去5年間はMacにベッタリという生活でした。12インチのPowerBookからスタートしまして、少し前からMacBook Proがメインマシンとなり、自宅ではモニターディスプレイへと外部出力しながら、ほとんどデスクトップPCのようなヘビーな利用スタイルで使いまくってたんですけど、iPadが出るちょっと前に、アップルストアでクアッドコアのiMacに魅せられまして速攻で購入。最近はiMacばかりいじって、よっぽど外出で必要な時以外はMacBook Proは部屋の片隅に眠ってしまってる状態でした。あっ、ちなみにこうした一連のMacのラインナップ以外にも、細々とWindowsマシンもあるにはありますけど、こちらもどうしてもWindowsでじゃないと使えない作業がなければ、めったに姿を現しませんよ。
さてさて、そんなPC利用スタイルのジョンソン君が、このほど米国を飛び出して、あまり行き先は公表したくないってことなので伏せておきますけど、とにかく長期に渡って家を空けて海外を飛び回らなければならない予定が入ってしまいました。iPadが発売されて使いまくっているところ...という状況での初の海外脱出なんですが、ここで重大な決断に迫られちゃったわけですね。
「自宅ではiMacしか使ってませんでしたが、当然ながら、家を長く空けるんですから、この通常のPC利用環境とはお別れです。そして、これまでならばいやおうもなくカバンにMacBook Proを詰め込み、これまたかさばるACアダプターなんかも一緒に入れて旅に出ていたんですけど、一度こうしてiPadがある生活に慣れちゃいますと、今までは普通に持ち歩いていたはずのMacBook Proが異様に重く感じられます。
そりゃぁ、いくらiPadがiPhoneよりは大きくって700グラム級になるなんて言われてても、どんな他のノートPCよりも軽くてコンパクトであることに変わりはないでしょうからね。さりとて、じゃぁ、本当にMacBook Proは置いておいて、iPadだけで長期の生活を強いられ、時には仕事までこなせるものだろうか? これは勇気が要る挑戦でしたね」
そう出発前のことを思い返したジョンソン君ですけど、とにかくあまり深く悩まずに、今回はiPadのみの生活にトライしてみようかなって出かけちゃったみたいです。さすが、その軽いノリが、アメリカンないい感じですよね。
まずはいきなり出国の時に味わえたiPadならではのお得なポイントですけど、米運輸保安局(TSA)は、iPadはノートPCではないので、いちいち手荷物検査でもカバンの中から取り出してチェックを受ける必要はないという通達を出しています。つまり、空港のゲートで、手荷物の中でもノートPCだけは特別扱いで、わざわざ現物を別トレイに出してX線検査機に通さないといけませんが、これがiPadしか持ってなければ不要になるわけです。PCユーザーには意外と面倒なこの手続き、iPadのみだとスイスイ通過ですよ~ん。
この問いの答えは、当然ながら何の作業をこなすことが求められるかで大きく変わってくるわけですが、ここでイエスと答えられるかどうかの最大の分かれ目にもなる必携アイテムに、Bluetooth接続のキーボードが挙げられるでしょうね。
せっかくiPadがコンパクトなのに、一緒に持ち歩くキーボードがバカデカかったら、それはもう何の意味もありませんから、先ほどのケースと同様に、やはりここにもこだわって選びたいところです。iPadに標準対応したキュートに丸められるシリコンラバー製のBluetoothキーボードも出てきてますけど、ジョンソン君が選択したのは、アップル純正の「Apple Wireless Keyboard」ですね。
アップル製品には珍しくというべきか、このApple Wireless Keyboardには、表面にリンゴのロゴマークすら入っていません。それだけとにかくシンプルにコンパクトなキーボードデザインを突き詰めていながら、ジョンソン君の感想では、かつて多用していたMacBook Proのタイピング感覚とさほど変わらない、それくらい快適な使用感だって絶賛です。キーボードのティルトアップも最適ですし、これはiPadと持ち運ぶには最高の組み合わせかもです。ギズ読者の皆さまもお試しくださいね。
1週間に及ぶ外国での滞在期間中に、絶対にジョンソン君が欠かせなかったのは2種類の作業でした。それは、インターネットに接続できる環境下に入ったなら、すぐさま電子メールをチェックすることと、とにかくテキストベースで現地からのレポートを送りまくる必要があったので、バリバリと数千ワードの原稿を打っては保存するというライティングをこなすことです。
もちろんiPad単体でもソフトキーボードの入力環境が用意されてはいますけど、大量の長い文章を打ち込むには、やっぱりいくらなんでも限界があるでしょうかね。通常はiPadのみで利用しつつ、バリバリとライティングが必要になる時だけ、一緒に持ち歩いてるコンパクトなキーボードをササッと取り出してはタイピングモードに入る...。こういう利用スタイルが次第に板についてくる感じです。
ジョンソン君が仕事にも使用した気になるライティングアプリですけど、なんと標準のメモアプリのみだったようですね。ここにドカドカと文章を打ち込んでは保存していく作業を繰り返していたとのことですが、キーボードとの相性も良く、わざわざこれまでのようにMacBook Proを開いては立ち上げてタイピングするというワークスタイルからの完全なる脱却を図れたと大喜びです。欲を言うならば、本当は愛用していたエディターソフトが何かiPadでも使えるといいんだけど、でも、最初から入ってるメモアプリでも十分使えるって太鼓判ですよ。
ちなみに外出先で、とにかく長く長く文章を打ちまくらねばならない時は、もうiPadの液晶画面なんかはどっか横の方へと追いやられ、ひたすら膝のキーボードのみでタイプを続けて、入力されたテキストの確認などは、ロングタイピングの終了後に軽く画面に戻ってチェックするのみという究極のライティングスタイルも、慣れると快適にできるようになったんだそうです。いちいち画面上の漢字変換を確認しなければならない日本語環境だと使えないテクニックかもしれませんけど、これぞ究極のブラインドタッチことタッチタイピングの真髄となりそうですね。こうやってキーボードしか見ない時間が長いほうが、思考が画面に縛られずに良い文章が書けるんだなんてコメントまで飛び出しちゃってますよ! iPadは別の部屋に置いといて、キーボードだけを手に持って作業するライターまで増えてきちゃったりしてね...
せっかくiPadとApple Wireless Keyboardの組み合わせを使用しまくったので、そのレビューも軽くお届けいたしましょう。まず、Bluetooth接続でのタイピング認識レベルですけど、非常に良好でした。メモアプリでの入力中に、キータイプしたはずが認識されないという事態には、何時間使っても見舞われませんでしたね。ただし、一部の他のアプリで相性の悪さも報告されており、例えば、公式のAIMメッセンジャーアプリは、リターンキーを押すごとに固まるなんて現象もありました。iPadとの相性というよりは、各アプリとの相性を疑ったほうがいいのかもしれませんね。
ジョンソン君の1週間に渡る海外でのPC利用タスクは、メールチェックとテキスト入力が中心で、高度な動画編集作業などはなかったことが注目に値します。また、オフィススイートをiPadで使える「iWork 2010」なんかも用意されてますけど、一例といたしまして、あの表計算ソフト「Numbers」でセルをクリックしては次々と数値を入力していくなんて、iPadでは想像するだけでも悪夢でしょう。おまけにコピーペーストを多用する本格編集作業なんかも、やっぱりiPadでやりたいなんて思いません。
でも、そういうヘビーなタスクは、すべて家やオフィスに戻ってからデスクトップ環境でやればいいのであって、あくまでも外出先で絶対に終わらせねばならないことは、これまでに紹介したiPadとキーボードの組み合わせでも十分に完了させられるって人には、もう本当にノートPCは不要となる可能性が高そうです。
「私がiPadを絶賛する最大の理由は、その驚くべきバッテリー寿命の長さにもあります。これだけは、どんなに頑張っても、まったくノートPCでは太刀打ちできない分野じゃないでしょうか。
長い飛行機内での暇つぶしの時間中に、取り込んでおいた動画を数時間再生し、電子ブックで同じく数時間の読書をして、まだ時間が余ったのでゲームなんかもやりこみました。でも、これくらいだったら、バッテリーは半分近く残っているんですよ。とにかく常にバッテリー残量を気にしながらケチケチと使わないといけないノートPCユーザーからすれば、これはもう驚異的ですね! 夜中にフル充電しておけば、日中にバッテリー切れで苦しむなんてことは、ほぼiPadだとないんじゃないでしょうか。
この長所を1つ取り上げるだけでも、iPadがノートPCに劣る他のあらゆるポイントなど、もう重要ではなくなるような気がしています。iPadよりも重い数キロ級の大きなサイズのノートPCを、タッチスクリーンでもないのに高いお金を出して買っては、せっかくパワーを発揮すべき外出先では数時間しかバッテリーが持たない。でも、どうしても自分はキーボードがついたノートPCじゃなきゃダメなんだって人だけが、これからはノートPCを買えばいいでしょうね」
いやいや、本当に言い切っちゃいましたよね。iPad時代の到来後は、デスクトップPCとiPadの組み合わせこそベストチョイスになるのかな~
ちなみにジョンソン君、今回は米国での発売直後の品切れなんかもあって、デジタルカメラから写真や動画をiPadへと取り込める「iPad Camera Connection Kit」の購入が間に合わず、デジカメとiPadとのコンビネーションのスゴサまでは体験できなかったようですが、これが手に入れば、もうなおさらノートPCなんて必要ではなくなるって息巻いてますね。
あとあまりにも長くなってきましたので、ここからの詳細比較レビューは割愛いたしますけど、電子ブックリーダーのKindleなんかも、新聞記事の自動配信などなど、オリジナルの魅力機能があるにはありますが、やっぱりiPadの登場で不要になっちゃったかなって感想のようです。
MacBook ProとKindleを売り払えば、ほとんど新しい出費はせずに楽々とiPadを買い込めますよ
こんなベストな乗り換え購入プランでゲットできるiPadは、どう考えても安くてお得な買い物だと大絶賛評価! わりとGIZMODO編集チームの中でもブラックな辛口批評のジョンソン君だけに、ここまでiPadにのめり込んじゃうとはって、すっかり周囲の皆も驚きのようです。それにしましても、iPadが他のガジェット製品業界の首を絞めまくる超インパクトを与えているというのだけは本当みたいですね。
さてさて、ギズ読者の皆さまはいかがなさいますか? まだまだ買わないよって財布の紐の固い方も多いんでしょうけど、手持ちのPCなどなどを処分して買い換えられちゃうと思えば、並んででも買いたいって気になっちゃうかもね。いざ触っちゃったら、もうお仕舞いですよ。借金してでも買いに走っちゃうのかも~
Joel Johnson(原文/湯木進悟)