1957年から2009年までインターネット通史を8分で。
アニメーションのドキュメンタリーです。
[訳]
●1957年まで コンピュータは一度にタスクひとつしか処理できなかった。バッチ処理の時代。
コンピュータが大きくなり冷却室に入ると、開発者は直接コンピュータで作業できなくなり、開発者同士を結ぶ用事では専門家が呼び出されるように。手作業だらけ、接続は間接的、バグが頻発、時間のムダが多かった。
●1957年 ビッグ・チェンジの年
コンピュータにリモートから接続可能に。同時にコンピュータを複数の人が使う「Time-Sharing(時分割)」の概念が誕生。
●1957年10月4日 冷戦の最中に旧ソが世界初の無人衛星を打ち上げ、ミサイル攻撃の脅威が強まる。
●1958年2月 これに対抗すべく米国は国防省内に防衛高等研究計画局(DARPA)創設。当時ナレッジの伝達は人を介してのみ行われていたが、これを加速するためDARPAは大型コンピュータネットワークをつくる。これが後の「ARPANET(ARPAネット)」だ。
さらにインターネットの歴史に欠かせない3つの新コンセプトが生まれる。それが「RAND」(米RAND社による軍用ネットワーク)、「NPL」(英NPLによる商用ネットワーク)、「CYCLADES」(仏の科学用ネットワーク)。これとARPANETの4つが、現代のインターネットの基礎となる。
ではまず、最も有名なARPANETの話から。
●1966年 ARPANET開発がスタート
大学は時分割に慎重だったため、メインフレームに小さなコンピュータ「IMP(Interface Message Processor)」を繋げて使っていた。ネットワークの活動はこのIMPがコントロールを引き継ぎ、メインフレームは単にプログラムやデータファイルの初期化だけ担当するようになった。
同時にIMPはメインフレームのインターフェイスとしても機能していた。IMPはネットワークで相互に繋がってるだけだったので、「IMPサブネット」という名で呼ばれることもあった。
最初コンピュータ同士を繋ぐ際、ネットワークワーキンググループが開発したのは「NCP(ネットワーク制御プロトコル)」。後にNCPに代わって登場したのが、もっと効率の良い「TCP(伝送制御プロトコル)」。TCPの具体的機能はファイル転送の認証だった。
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●英NPL
NPLは最初から商用だったため、ユーザー数もファイル転送数も大きくなることが見込まれた。そこでライン詰まりを避けるため、送信側でファイルは小さなパケットに分割して送り、受信側がまた元にくっつける方式が考案された。「パケット交換(Packet-Switching)」の誕生である。
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一方アメリカでは。
1962年 米、キューバに中距離・長距離ミサイル発見。アメリカが射程内だったことから核紛争の危機感が高まる。当時ネットワークシステムは中央一極集中型のアーキテクチャーだったが、全滅を防ぐには分散型アーキテクチャーの開発が急務となる。これならひとつ接続ポイントが損壊しても、残りは生き残れる。
通信はその当時、電波で行っていた。が、これだと核攻撃を受けると電波障害が起こってしまう。直接送るのもいいが、それだと遠くまで届かない。そこで考えられたのが分散型ネットワークのソリューションだった。
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フランス。
CYCLADESはARPANETほど予算がなく、接続ポイントの数も限られていた。注力したのは、別のネットワークとの通信。ここから「inter-net(ネットの間、インターネット)」という言葉が生まれた。
さらにCYCLADESは、コンセプトがNPLやARPANETより先進的で、送信者と受信者の間の通信にコンピュータはもはや介入せず、単なる転送接続ポイントとしての機能を果たすというものだった。
CYCLADESのプロトコルでは全マシンを物理的レイヤーを使って通ってゆき、これがハードウェアにインプリメントされ、結果として受信者と送信者の間が直接、エンド・ツー・エンドの構造で繋がるように。
このCYCLADESのアイディアに触発され、ネットワーク間の互換性の問題も起爆剤となり、あらゆる分野でネットワークの重要性が増す。電話会社が開発したのはX.25プロトコル(月額利用料でサービス経由で通信を実現)。DARPAのTCPは、Gatewayでコンピュータを繋いだ。
国際標準を決める組織ISOが発足し、OSIというレファレンスモデルをデザインする。
TCPはOSIのプレファレンスを吸収、TCP-IPプロトコル登場に道筋をつける。互換性が保証されたTCP-IPでネットワークは一本に統合され、ここにインターネットが誕生する。
1990年2月28日 ARPANETのハードウェア撤去。
しかしインターネットは今も動いている。
Jesus Diaz(原文/訳:satomi)
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