ゲーム制作チームNOVECT代表の縹けいか氏は、自身のXにて『ファタモルガーナの館』に登場する少女「モルガーナ」のファンアートが、中国の商業施設「上海百联ZX」の屋外看板になったことを報告しました。
ファンの愛が爆発…モルガーナの誕生日祝いに屋外看板化
『ファタモルガーナの館』は2012年にNOVECT(旧Novectacle)が発売したPCノベルゲーム。その後漫画・小説などのメディアミックスや家庭用ゲーム機へ展開、現在は追加シナリオなどを収録した『ファタモルガーナの館 -DREAMS OF THE REVENANTS EDITION-』がニンテンドースイッチ・PS4向けに発売中。プレイヤーは記憶を失った「あなた」として、自らを主と呼ぶ館の女中に導かれながら、屋敷で起きた数々の悲劇を辿って館や女中との関係や自らが何者なのかという謎に迫っていくストーリーが描かれます。
今回報告されたのは、『ファタモルガーナの館』に登場する少女「モルガーナ」のファンアートが、中国の商業施設「上海百联ZX」の屋外看板になった件について。NOVECTやパブリッシャーの宣伝ではなく、モルガーナの誕生日(1月7日)にあわせて作品のファンが施設の広告枠を購入して掲載されたもの。このように自作品にファンの深い愛情を受けた縹けいか氏は、Xにて驚きの声とともに「夢のような体験をさせていただけて感激です」と反応しています。また縹氏が言及されているように海外ではファンが応援で推しを広告出稿することがあり、以前には『ピクミン』ファンがタイムズスクエアに広告を出す事例も見られています。
また『ファタモルガーナの館』が上海で屋外看板になった背景には、高い海外人気が一因として挙げられそうです。もとよりSteam版が日本語のほかに英語、中国語(簡体字)など計7言語に対応しており、ユーザーレビューも多様な言語で書かれています。さらに先述したニンテンドースイッチ版が欧米で発売された際にはレビュー集計サイトMetacriticで一時期メタスコア100点を記録。その後スコアは低下しつつも96点で、2021年の「Best Games on Nintendo Switch」首位を獲得しました。
縹氏は自身のnote記事で高い海外人気が得られた理由に対して、「日本でも同人ゲームとして高く評価をいただいていますが、知る人ぞ知るゲームという感じになっている」「ファタモルガーナはギャルゲー/乙女ゲーどちらの層に引っかかりにくいのでマスを取り込めてない感はあった」と前置きして、海外で『逆転裁判』や『ダンガンロンパ』系の推理アドベンチャーとビジュアルノベルが、一緒にビジュアルノベルのタグでまとめられているので、日本ほどプレイヤー層が分かれていないのが一因ではないか」と分析しています。ただSteamにて4,283件中94%が好評の「非常に好評」を獲得。各国のユーザーレビューの内容でも、重厚なストーリーや美麗なビジュアルへの評価として「芸術」という言葉を用いていることからビジュアルノベルとしての完成度が、多くの人々の心をつかんだのは間違いないようです。そういったファンのひとりが、屋外看板の出稿へと至ったのではないでしょうか。
またNOVECTは新作アドベンチャー『プロジェクトコード“M”(仮題)』を開発中です。