2022年12月3日、Live2D社は「コミュニティ」をテーマとした参加無料のオンラインイベント「alive 2022」を開催し、2D業界をリードする企業やトップランナーたちをゲストに招いてのセッションを多数開催しました。本稿ではその中から、プレミアムセッションのひとつ「VTuberを支えるお仕事とは -制作工程編-」のレポートをお届けします。
VTuber2大企業のANYCOLORとカバーが出演
セッションではVTuber/バーチャルライバー(Vライバー)事業に携わるANYCOLOR株式会社とカバー株式会社からアートディレクターが1名ずつ出演し、企業所属VTuberのLive2Dモデルがファンにお披露目されるまでの制作工程にフォーカスしたトークが行われました。
2017年に設立されたANYCOLORは国内最大のVTuverグループ「にじさんじ」をはじめ、海外でもVTuber事業の運営を行う企業で、2022年6月8日に東証グロース市場への上場を果たしました。総従業員数は259名で、2019年には10数名ほどだったデザインセクションのメンバーも、2022年末時点では3倍、4倍という人数に増えているとのことです。
カバーは「ホロライブプロダクション」をはじめとした日本ならではの二次元エンタメコンテンツを世界に向けて発信する企業で、配信システムの開発やVTuberによるライブ配信の運営、所属タレントのグッズやオリジナルソング音楽ライブの企画など、多角的な事業を展開しています。
2社それぞれで衣装やキャラクターができるまで
セッションの最初のテーマは「Live2Dモデルがお披露目されるまでの制作工程」です。最初に回答したのはANYCOLORで、同社では「Vライバーが新たにデビューするまで」と「デビューしているVライバーの新たな衣装ができるまで」の制作工程は大部分が同じもので、以下のようなスケジュール感で行われています。
まずは所属ライバーに入念なヒアリング。ライバーの要望を入念に確認し、時にはANYCOLOR側から「そういう希望であれば、こういったデザインも考えられます」と提案することもあるそうです。
次にデザイン部でライバーの望み通りの衣装を仕立ててくれるイラストレーターを選定。ANYCOLORによる監修を経てキャラクターデザイン/衣装デザインをフィックスさせます。完成したクリエイティブは順次パーツ分け工程、モデリング工程へと移行します。
一方、カバーにおける新衣装制作は、大まかに「企画」、「イラスト制作」、「Live2D制作」、「お披露目」という4つのフローで構成されています。
続いて、各社のフローを踏まえてモデレーターを務めたLive2D社からさまざまな質問が挙がりました。