日本教育新聞に『子どものうつと問題行動・不登校の関連』の書評が掲載されました。 - 2025.01.20
変貌する祭礼と担いのしくみ-第二版
祭礼の変貌を描くことによって、祭礼の基盤となる
「担いのしくみ」としての地域社会の変動を描くことを中心課題として、
地域社会の現在と今後の展望と課題を描き出す。
8つの論考を「再構築される担いのしくみ」と「担いのしくみのメンテナンス」の二つの次元に分けて考え、
具体的な祭りの事例もあげながら検討していく。
【執筆者】
牧野修也、中村 圭、武田俊輔、矢野晋吾、夏秋英房、俵木 悟、金子祥之
一、「祭礼の担いのしくみ」を問う理由 / 二、地域社会の領域をどう捉えるか
/ 三、「祭り」と「祭礼」 / 四、地域社会の社会学研究における祭礼研究
/ 五、選択縁化する地域社会の祭礼 / 六、祝祭化する地域社会の祭礼 / 七、祭礼を「開く」とは
/ 八、本書における各論考の位置づけ
第一部 再構築される担いのしくみ
第二章 マンション町衆が担う山鉾町の伝統─京都祇園祭 蟷螂山─
一、祇園祭と町衆 / 二、祇園祭 蟷螂山 マンション町衆の誕生
/ 三、マンション町衆が担う山鉾行事の伝統と神事 / 四、マンション新住民を包括する担いのしくみ
第三章 都市祭礼の興趣とダイナミズムは維持されるのか─祭礼の「マニュアル化」がもたらすもの─
一、本書の課題・祭礼におけるルールとノウハウの継承をめぐる困難
/ 二、長浜曳山祭の概要と調査データについて / 三、祭礼における用益の配分とそのノウハウ
/ 四、柔軟なルールと伝統のダイナミズムを可能にするしくみ / 五、コンフリクトを通じた伝承の困難化
/ 六、祭礼のダイナミズムは引き継がれるのか
第四章 諏訪地域における御柱祭の変化と継承─“観光資源”化と“伝統”のせめぎ合いのなかで─
一、氏子の奉仕から、「見られる」祭礼へ / 二、諏訪地域と諏訪大社・御柱祭の概況
/ 三、“観光資源”化する御柱祭 / 四、拡大するアクターと、“伝統”へのまなざし
/ 五、“観光資源”化と“伝統”のせめぎ合いのなかで
第五章 学校と地域社会の協働による民族芸能継承の試みー川崎市宮前区土橋の事例からー
一、土橋町内会と川崎市立土橋小学校の概要 / 二、土橋小学校と土橋町内会の特性と関係
/ 三、社会教育・生涯学習活動における芸能の伝承
/ 四、学校教育をとおした民俗文化の伝承~土橋小学校の事例をとおして
/ 五、学校教育をとおして民俗芸能を伝承する意味
/ 六、学校と地域社会の協働による民俗芸能の伝承と担い手の育成
第二部 担いのしくみのメンテナンス
第六章 大里七夕踊と青年団の関わりの一〇〇年
一、大里七夕踊における継承のしくみの変容 / 二、地域と事例の概要
/ 三、大正〜昭和戦前期の七夕踊と青年団 / 四、昭和三〇〜四〇年代の七夕踊と青年団
/ 五、平成二〇年以降の七夕踊と青年団(からの離脱)
/ 六、まとめ:責任の分掌のしくみと、その均衡の喪失
第七章 「担い」のしくみを変容させることで継承する集落芸能
─長野県南佐久郡小海町親沢集落・人形三番叟─
一、問題の所在 / 二、本章の対象地の歴史と現況 / 三、親沢人形三番叟の歴史としくみ
/ 四、継承することの意味の変化 / 五、親沢人形三番叟の今後
第八章 祭礼を〈縮小〉させる地域社会─千葉県印旛郡栄町酒直のオビシャ─
一、祭礼をめぐる葛藤と合意 / 二、酒直地区とオビシャ / 三、祭礼規約からみる合意形成
/ 四、改革に揺れる昭和後期の村規約 / 五、新たな担いのしくみを模索する平成の村規約
/ 六、〈縮小〉するという知恵