コロナ禍で手間も時間もかからない「時短料理」に注目が集まっている。
こうした中、味の素のWebサイト「味の素パーク」に掲載されている、作り方がとてもシンプルで簡単なレシピ「豚ひき肉かたまり焼き」がTwitter上で話題となった。
きっかけとなったのは、Twitterユーザーの「べちか(@10chf)」さんの5月17日のツイート。
「ひき肉の簡単なレシピないかなとググったら味の素がめっちゃシンプルなレシピ載せてて感動した」とのコメント共に、「豚ひき肉かたまり焼き」の画像を載せたのだ。
このツイートは2万4000以上リツイートされ、10万9000以上の「いいね」がつき、「超シンプル」「助かる」などのコメントが投稿されるなど、大きな反響を呼んだ。(6月3日時点)
「豚ひき肉かたまり焼き」の材料は3種類
「豚ひき肉かたまり焼き」の材料は、「豚ひき肉」と「ピュアセレクトマヨネーズ」「片栗粉」の3つだけ。
作り方は、ひき肉をパックに入れたまま「ピュアセレクトマヨネーズ」、片栗粉を加えてよく混ぜ、表面を平らにする。
これを、熱したフライパンに入れ、フタをして中火で焼き、裏返してさらに焼けば、完成。
このように作り方は潔さを感じさせるほどシンプルで、ツイートをしたその日に作ってみたというべちかさんに感想を聞いてみたところ、「美味しかったです。脂がたくさん出るので、ラードの利用法や、さっぱり食べる方法を考えています」ということだった。
「2010年に開発したレシピ」
実はこの「豚ひき肉かたまり焼き」は12年前の2010年に開発されたレシピなのだが、どのような経緯で生まれたのだろうか? また、このレシピがいま話題になっていることを、どのように受け止めているのか?
さらに「豚ひき肉かたまり焼き」と同じぐらいシンプルで簡単なレシピも、味の素の担当者に聞いてみた。
――「豚ひき肉かたまり焼き」のレシピを開発したのはいつ?
これは、味の素社のレシピサイト「レシピ大百科(R)」で毎月更新していた「簡単コーナー」のために、当時の担当者が2010年に開発したレシピです。
その頃、「レシピ大百科(R)」のフリーワード検索で「作り置き」「簡単」が多く検索されていたのに、当時の「レシピ大百科(R)」には、そのキーワードが当てはまらないレシピが多かったので、検索されている(=需要のある)キーワードに合わせたレシピを拡充しており、「豚ひき肉かたまり焼き」もその一つです。
――Twitter上の反響についてはどのように受け止めている?
集まったコメントから「そのまますぎる」「料理初心者でもこれなら失敗しない!」など、シンプルを極めたレシピ名と写真が反響を呼び、「早速つくってみました」というようなコメントまでいただきました。
このレシピの潔さ、すがすがしさが話題につながったと考えており、「簡単・シンプル、だけどおいしい!」というレシピをもっと積極的にお届けしたいと思いました。
特に、今回はご紹介いただいた方のユーモアも相まって、話題になったと認識しているので、当社のアカウントからの情報発信も、ユーモアと共に伝えられたらいいなと思っております。
――12年前に開発したレシピが話題になっていることについてはどう感じている?
常に「ユーザーの皆さまのニーズに寄り添ったレシピをお届けすること」が大事だと、改めて実感しました。当時は、より生活者に寄り添ったレシピを届けたいという思いから、働きながら料理を作っている方の声を実際にヒアリングして、レシピの内容を考えました。
働きながら料理を作っている方や、お料理を担当する方が、夕方の帰宅後、20〜30分以内献立を作りたい、いつも家にあるような食材で作りたい、日々の献立に変化をつけたい、などの声にこたえ、料理をされる方の気持ちに寄り添った、簡単に作れる作り置きの1品として、今回のレシピを開発したという背景があります。
今回の「豚ひき肉かたまり焼き」のように、シンプルな簡便・時短レシピのニーズは、当時に引き続き、現在も高い傾向にあり、だからこそ、話題になったと思われます。
今後も、ユーザーの皆さまのニーズに寄り添ったレシピ・献立提案や情報発信を行うことで、「たべる楽しさ」を体験して頂ける情報をお届けしたいと考えています。
美味しく作るためのポイントは「あまり触らずに焼く」
――「豚ひき肉かたまり焼き」を美味しく作るためのポイントは?
味付けは「ピュアセレクト(R)マヨネーズ」のみと大変シンプルで、フライパン一つで簡単に作ることが出来ます。
フライパンに入れた後は、ひっくり返す以外はあまり触らずに焼くことでポロポロにならずに、お肉のジューシーさを味わうことができます。
――べちかさんは「調理中に出たラードの利用法を考えている」と話していたが、ラードの利用法は?
加熱により油脂の酸化が進んでいると考えられるため、当社としては、再利用はおすすめしません。調理後すぐにお使いいただける場合に限り、キャベツやもやしなどの野菜の炒め油にしていただくと、「豚肉のうま味を含んだ野菜炒め」ができると思われます。
ただ、再利用につきましては、お客様のご判断でお願いいたします。
――「豚ひき肉かたまり焼き」をさっぱり食べる方法は?
定番ではございますが、大根おろしや青じそと一緒に召し上っていただくのもおすすめです。また、レタスやサラダ菜、サンチュなどの葉物野菜で巻くという方法も考えられます。
同じぐらいシンプルで簡単なレシピは「冷奴丼」
――「豚ひき肉かたまり焼き」と同じぐらいシンプルで簡単なレシピはある?
「豚ひき肉かたまり焼き」以外にも、シンプルなレシピは多数、公開しています。
たとえば、「冷奴丼」です。材料は、「絹ごし豆腐」「温かいご飯」「ほんだし」「小ねぎの小口切り」のみ。作り方は、温かいご飯の上に、5センチ角に切った豆腐をのせ、「ほんだし」をふって、小ねぎを散らせば、完成です。
12年前に開発されたレシピを検索需要に合わせた工夫をすることで再び脚光を浴びた「豚ひき肉かたまり焼き」。それと同じぐらいシンプルで簡単なレシピについて、味の素の担当者は他にも「チーズONやっこ」「丸鶏肉まんスープ」「焼き鳥スープ丼」「ソーセージのキャベツロール」「さば味噌レンジ蒸し」「レンジで肉豆腐」「金のネギだく飯」「とろ〜りチーズのズボラハンバーグ」を挙げてくれた。
作り方が気になった人は、ぜひ、「味の素パーク」をチェックしてみてほしい。