取り壊し!?のニュースに驚愕!!
神奈川県立近代美術館の鎌倉館が閉館するというニュースにはビックリです。
「鎌倉近美」(愛称)といえば、1951年に開館した、日本で最初の公立の近代美術館。
その建物は、坂倉準三が設計した日本のモダニズム建築の代表的存在です。
当初の情報では「閉館して取り壊し」ということだったので、驚愕もひとしおでしたが、日本建築学会などから建物の存続を求める要望書が提出され、その後の調査などをふまえた結果、建物は保存されることになったそうです。よかった!
(ソース:産経ニュース「神奈川県立近代美術館鎌倉館、耐震補強し建物存続へ」)
美術館の広報にも尋ねましたが、閉館後の建物の利用については未定だそうです。
(注意: 神奈川県立近代美術館には現在、鎌倉館、鎌倉別館、葉山館の3館があります。このうちで閉館するのは鎌倉館だけです)
建物を設計した建築家の坂倉準三(1901-1969)は、20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエの弟子だった人です。
鎌倉館の蓮池に面したテラスは、映画『ノルウェイの森』にも登場しています。
ワタナベくんと直子が再開するシーン。
2009年に開催された「建築家 坂倉準三」展の図録『建築家 坂倉準三 モダニズムを生きる|人間、都市、空間』の表紙も、このテラスの写真です。
最後の機会をお見逃しなく
重要な美術館が閉館してしまうのは残念ですが、万物は流転し、諸行は無常で、一期は一会です。この建物でモダンアートを見られる最後の機会を満喫しましょう。
鎌倉館では2015年7月4日~10月4日まで、最後から2番目の展覧会を開催。
鎌倉からはじまった。1951-2016 PART 2:1966-1984 発信する近代美術館
そしてとうとう最後の展覧会は、2015年10月17日~2016年1月31日です。
鎌倉からはじまった。1951-2016 PART 3:1951-1965 「鎌倉近代美術館」誕生
ちなみに今夏~秋にかけて、坂倉準三やル・コルビュジエに関連する下記の展覧会もあるので、こちらもぜひ。
「ル・コルビュジエ×日本 国立西洋美術館を建てた3人の弟子を中心に」@国立近現代建築資料館
没後50年「写真家としてのル・コルビュジエ」@早稲田大学會津八一記念博物館
平林享子