先日、10年ぶりの日本人宇宙飛行士の募集が終わった。1,000人近い応募があったそうだ。
「視力:両眼とも矯正視力1.0以上(注.裸眼視力の条件はありませんが屈折度等の基準があります……)」
これは、眼鏡やコンタクトで1.0以上ならよいということ。筆者も宇宙飛行士になれる! と喜んだのだが、近視については「屈折度-5.50ジオプトリ(D)以内」という条件も付いている。「ジオプトリ」とは目の屈折度を表す数値。マイナスになるほど強い近視になるが、眼鏡の「弐萬圓堂」(にまんえんどう)の梅津さんによると、「-5.50D」は裸眼視力で0.04ぐらいだとか。誰でもというわけにはいかないが、かなり目が悪くても、宇宙飛行士になれる可能性があるのだ。
近年、宇宙飛行士の裸眼視力の条件はかなり緩和されているという。そのあたりの事情を、JAXA宇宙飛行士健康管理グループの立花さんに聞いた。
「裸眼視力が悪いというだけで、有能な人を落とすのはよくないということです。近年の航空宇宙医学では、軍のパイロットに眼鏡やコンタクトを付けさせた実験などから、矯正視力がよければOKという結論です」
レーシックなどの視力矯正手術も、主にアメリカでの経験から、術後1年以上問題がなければOKだという。しかし、眼鏡やコンタクトを使っている宇宙飛行士が本当にいるのだろうか。テレビでは見たことがないが……。
「今でもいますよ。宇宙飛行士は40~50代が主ですから。近視もそうですが、老眼もありますからね」
さて、宇宙まで行かずとも、世界の大空を飛ぶ航空機の場合はどうか。筆者は「裸眼視力1.0」が最低基準だとずっと思ってきたが……ある航空会社のパイロット募集要項を見てみると、こちらからも裸眼視力の条件はなくなっていた。時代はだいぶ変わったようだ。このへんの事情について、ジャンボ旅客機の現役機長さんであるSさんに聞いた。
「視力条件は何度か緩和され、現在ではコンタクトも認められています。外国人パイロットが増えたので国際基準に合わせたことや、今や『裸眼視力1.0』など、ほとんど絶滅してしまいましたから」
Sさん自身、フライト時は必ず眼鏡を使っているという。また、50歳以上のパイロットのほとんどに、老眼鏡の携帯義務があるという。テレビに出ないだけで、眼鏡のパイロットさんは実は多いのだ。
「一時、航空会社も航空大学校も応募が減ってしまい、レベルが非常に低下した時期があったのですが、現在はかなり優秀な人が集まってきた感じです。眼鏡をかけている人もたくさんいますよ」
航空機の場合は、現在のところ視力矯正手術は認められていない。
(R&S)
・弐萬圓堂HP
・宇宙研究開発機構(JAXA)HP
目の悪い筆者(近視)、宇宙飛行士はとても無理と諦めていたのだが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の募集要項を見てちょっと驚いた。
「視力:両眼とも矯正視力1.0以上(注.裸眼視力の条件はありませんが屈折度等の基準があります……)」
これは、眼鏡やコンタクトで1.0以上ならよいということ。筆者も宇宙飛行士になれる! と喜んだのだが、近視については「屈折度-5.50ジオプトリ(D)以内」という条件も付いている。「ジオプトリ」とは目の屈折度を表す数値。マイナスになるほど強い近視になるが、眼鏡の「弐萬圓堂」(にまんえんどう)の梅津さんによると、「-5.50D」は裸眼視力で0.04ぐらいだとか。誰でもというわけにはいかないが、かなり目が悪くても、宇宙飛行士になれる可能性があるのだ。
近年、宇宙飛行士の裸眼視力の条件はかなり緩和されているという。そのあたりの事情を、JAXA宇宙飛行士健康管理グループの立花さんに聞いた。
「裸眼視力が悪いというだけで、有能な人を落とすのはよくないということです。近年の航空宇宙医学では、軍のパイロットに眼鏡やコンタクトを付けさせた実験などから、矯正視力がよければOKという結論です」
レーシックなどの視力矯正手術も、主にアメリカでの経験から、術後1年以上問題がなければOKだという。しかし、眼鏡やコンタクトを使っている宇宙飛行士が本当にいるのだろうか。テレビでは見たことがないが……。
「今でもいますよ。宇宙飛行士は40~50代が主ですから。近視もそうですが、老眼もありますからね」
さて、宇宙まで行かずとも、世界の大空を飛ぶ航空機の場合はどうか。筆者は「裸眼視力1.0」が最低基準だとずっと思ってきたが……ある航空会社のパイロット募集要項を見てみると、こちらからも裸眼視力の条件はなくなっていた。時代はだいぶ変わったようだ。このへんの事情について、ジャンボ旅客機の現役機長さんであるSさんに聞いた。
「視力条件は何度か緩和され、現在ではコンタクトも認められています。外国人パイロットが増えたので国際基準に合わせたことや、今や『裸眼視力1.0』など、ほとんど絶滅してしまいましたから」
Sさん自身、フライト時は必ず眼鏡を使っているという。また、50歳以上のパイロットのほとんどに、老眼鏡の携帯義務があるという。テレビに出ないだけで、眼鏡のパイロットさんは実は多いのだ。
「一時、航空会社も航空大学校も応募が減ってしまい、レベルが非常に低下した時期があったのですが、現在はかなり優秀な人が集まってきた感じです。眼鏡をかけている人もたくさんいますよ」
航空機の場合は、現在のところ視力矯正手術は認められていない。
が、いずれ緩和されるかもしれない。視力でパイロットの道を諦めていたアナタ、まだ間に合うかもしれませんよ。
(R&S)
・弐萬圓堂HP
・宇宙研究開発機構(JAXA)HP
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