46億年の隕石の謎

公園で拾った石が隕石!価値は黄金を超える驚きの発見=オーストラリア

一人のオーストラリア男性は、数年前にビクトリア州のある公園で暗赤色の石ころを見つけ、持って帰りました。その石は堅くて異常に重かったので、男性は石の中に黄金が含まれているとずっと確信していました。しかし、彼はその石を博物館に鑑定に出したところ、石の正体は隕石であることが判明し、その価値は黄金より遥かに上でした。
 
マスコミの報道によると、男性の名前はデイブ・ホール(Dave Hole)といい、普段から金属探知機を手に宝探しを楽しむ趣味を持っています。2015年、彼はメルボルン近郊のメアリーバラ地域公園(Maryborough Regional Park)で、重さ37.5ポンドというとんでもない石を発見しました。石の重さと密度は異常だと言っても過言ではないので、彼はこの石に金が含有していると判断しました。さらに、この地域は19世紀、ゴールドラッシュの中心地として有名だったのと相まって、彼は一層「金が入っている」と確信しました。

石を持ち帰った後、ホールは切断を試みました、しかし、石用の鋸、グラインダー、ドリル、さらにはハンマーで叩いたり、酸性溶液に浸けたりしても、石に傷一つ付けることができませんでした。彼は思わず「こいつはなにものだ」と嘆いてしましました。

石の正体を知るために、数年後、彼はこの謎だらけの石をメルボルン博物館(Melbourne Museum)に持ち込み、専門家に鑑定を依頼しました。職員は超硬合金製のダイヤモンドブレードを使ってやっと石の一部を切り取り、その正体を突き止めました。

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鑑定の結果は驚くものでした、ホールが拾ったこの石は地球上のものではなく、46億年の歴史を持つ隕石であることが判明しました。希少性があるため、その価値は金よりも高かったのです。

メルボルン博物館の地質学者、ダーモット・ヘンリー(Dermot Henry)氏は地元メディアに、「おそらくこの隕石は太陽系の形成を見届けた、太陽系の歴史を探求するための貴重な手掛かりとなる」と説明しました。彼の推定によると、この隕石は火星と木星の間にある小惑星帯から来た可能性が高く、小惑星同士の衝突で弾き出され、最終的に約200年前に地球に墜落しました。

ヘンリー氏によれば、この石は「H5」と分類されている球体隕石で、地球の大気圏に突入した際に「彫刻されたような凹凸のある表面」が形成されたとのことです。

発見地にちなんで、この隕石は現在「メアリーバラ隕石(Maryborough meteorite)」と名付けられています。

ホールはその結果を知り、大変喜び、幸運を実感しました。彼は「隕石を拾う確率は1億分の1、いや、もしかすると1兆分の1よりも低かった。雷に2回打たれる確率よりもさらに低い」と感慨深く語りました。

(翻訳編集 正道 勇)