中央環境審議会 総合政策部会(第78回)議事録.
平成26年11月26日(水)15:00~17:00
三田共用会議所 4階・第4特別会議室
議事次第
- 1.開会
- 2.議事
- (1)第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について
- (2)第四次環境基本計画の第3回点検の進め方について
- (3)環境研究・環境技術開発の推進戦略について(諮問)
- (4)公害防止計画小委員会の廃止について
- (5)その他
- 3.閉会
配付資料一覧
【資料】
- 資料1 第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について(案)
- 資料2 第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について(案)に対する意見
- 資料3 第四次環境基本計画の第3回点検(平成27年)の進め方について(案)
- 資料4 「第四次環境基本計画 第3回点検 重点検討項目」(案)
- 資料5-1 環境研究・環境技術開発の推進戦略について(諮問)
- 資料5-2 環境研究・環境技術開発の推進戦略について(討議)
- 資料5-3 中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置について
- 資料5-4 新たな「環境研究・環境技術開発の推進戦略について」策定の経緯
- 資料5-5 環境研究・環境技術開発の推進戦略について 平成26年度 総括フォローアップ結果(概要)
- 資料5-6 新たな「環境研究・環境技術開発の推進戦略について」の策定に向けた論点と今後のスケジュール(案)
- 資料6 中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置について(案)
【参考資料】
- 参考資料1 中央環境審議会総合政策部会名簿
- 参考資料2 第四次環境基本計画の点検の進め方について
- 参考資料3 第四次環境基本計画の第2回点検(平成26年)の進め方について
- 参考資料4 「第四次環境基本計画 第2回点検 重点検討項
- 参考資料5 第四次環境基本計画と重点検討項目との関係(事象横断的な重点3分野)
- 参考資料6 環境研究・環境技術開発の推進戦略 平成26年度 総括フォローアップ結果
- 参考資料7 中央環境審議会議事運営規則
議事録
午後3時00分 開会
○小堀環境計画課計画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会第78回総合政策部会を開会いたします。
議事に入ります前に、お手元の配付資料の御確認をお願いいたします。足りない資料等ございましたら、事務局までお申しつけいただければと存じますので、よろしくお願いいたします。
また、いつものお願いではございますが、マイクをお使いいただく際には、スタンドにありますスイッチを押してからの御発言をお願いいたします。機械の仕様で同時に4本までしか使用できないとのことでございますので、御発言が終わりましたら随時スイッチをお切りいただきますよう御協力をお願いいたします。
本日は、委員総数28名のところ過半数の委員に御出席いただいておりますので、定足数の要件を満たし、部会として成立していることを御報告申し上げます。
マスコミの方、すみませんが、カメラにつきましてはここまでということでお願いをいたします。
それでは、今後の議事の進行につきましては、武内部会長にお願いいたします。
○武内部会長 本日は、雨の中、皆さんお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
本日は、まず初めに、「第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について」を議題にさせていただきまして、これまで検討を重ねてまいりました点検報告書について、前回の本部会での議論及び先日行いましたパブリックコメントの結果を踏まえた案について御議論をいただきたいと思います。
次に、来年行います「第四次環境基本計画の第3回点検の進め方について」、この点について御議論をいただきます。
また、そのほかの議題として、「環境研究・環境技術開発の推進戦略」、それから「公害防止計画小委員会の廃止」についてお諮りをしたいと思います。
それでは、まず、点検報告書について、事務局から説明をお願いいたします。
○小堀環境計画課計画官 それでは、「第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について」ということで、点検報告書について御説明申し上げます。
前回、第77回の総政部会におきまして、「第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について」ということで、パブリックコメントに付す案について、部会長に一任することとされ、これを受けて、事務局においてパブリックコメントを行ったところでございます。こうした経過を踏まえまして、本日は、第77回総政部会、前回からの変更箇所を中心に御説明を申し上げます。
記述を変更した箇所、主な要因としては3点ございます。第1点が、前回77回総政部会におきまして、委員の先生方から御指摘をいただきました事項への対応というのが1点、第2点目が点検報告書、この原案を各部会において御議論をいただいた後に、一定の期間が経過したことの関係で時点修正を要するところが出てきておりますので、これに関するもの、3点目といたしまして、今般のパブリックコメントに対応するもの、以上3点でございます。
以下、まず、資料1のほうが点検報告書の今の案でございますけれども、これに基づきまして、1点目の前回総政部会における指摘事項を踏まえた修正箇所、それから、2点目の時点修正を行った箇所について御説明を申し上げ、その後に、資料2に基づきまして、3点目のパブリックコメントの状況とこれに対する対応について、御説明申し上げることにしたいと存じます。
それでは、前回の指摘事項につきまして、資料1の点検報告書の案を御覧いただければと存じます。
まず、一つ目が「重点点検分野等の点検」、このⅢのところでございますけど、その中の「3 持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進」についてでございます。57ページをお開きいただければと存じます。「今後の課題」のところでございますが、上から三つ目の「○」でございます。この点につきまして、前回部会において、地域の個性に応じた地域づくりなど中環審の意見具申の視点を明記すべきとの御指摘、それから、基本計画は閣議決定された政府の方針でございますから、各府省の連携が必要である、そういったような御意見があったところでございます。これらを踏まえて修文をさせていただいてございます。
続きまして、上から4番目の「○」でございます。こちらでございますが、事業者による持続可能な地域づくり活動は、ボランタリーでなく、企業利益につながるWin-Winの形で進んでいると。それを支援することができるかが課題であるが、原案は抽象的な記載で、その旨がわかりにくいという御指摘がございました。これにつきましては、御意見を踏まえて、具体化するよう修文をさせていただいてございます。
それから、飛びまして恐縮でございます。Ⅲの「4 地域温暖化に関する取組」でございます。79ページをお開きいただければと存じます。こちらの「今後の課題」のところ、地球温暖化の現状について「目の前の大火事」に例えながら、危機感を持って緩和・適応の両面で地球温暖化対策を進める必要がある旨、また、問題は産業界ではなく国民生活にあるので、低炭素社会に向けた強力な施策を考えなければいけない旨の御意見があったところでございます。
これを踏まえて、まず1番目の「○」といたしまして、IPCC第5次評価報告書により、地球温暖化については疑う余地がないことが改めて指摘されるとともに、我が国においても、近年の猛暑や豪雨等の異常気象の多くは温暖化の影響である可能性が指摘されている。気候変動への国民の関心が高まっている状況を踏まえ、緩和・適応の両面で地球温暖化対策を進めることが喫緊の課題となっていることを認識する必要がある、との記載を追加させていただいてございます。
また、2番目の「○」といたしまして、京都議定書第一約束期間において、特に民生部門からの排出量が増加したことに留意し、取組を強化する必要がある、との記載を追加をさせていただいてございます。
続きまして、上から3番目の「○」でございます。こちらにつきまして、最近生じている再生可能エネルギーのFIT制度の接続拒否に関して何らかの言及ができないかとの御意見がございました。これを踏まえて、ここの3番目の「○」、なお書きのところを追加をさせていただいてございます。
次に、上から4番目の「○」についてでございます。面的なエネルギー利用の促進のための市民・地域・地方公共団体の連携の確保の重要性を指摘する御意見がございました。これを踏まえて修正をさせていただいてございます。
続きまして、飛びまして、Ⅳ、そのうちの「1.各府省等における環境配慮の方針に係る取組状況」についてでございます。資料の197ページをお開きいただければと存じます。こちらのところ、「通常の経済主体としての活動分野」の記述につきまして、前回部会におきまして、その記載内容が簡潔に過ぎて取組内容がわかりにくいとの御指摘がございました。このため、各府省ごとの説明というのは、時間の関係もありますので差し控えさせていただきますが、その前のところ、「(2)環境に関わる政策分野について」、ここの記述の例にならいまして、各府省等ごとに「直近の環境配慮の方針に記載されている環境配慮の取組」、これを列挙するとともに、「直近の自主点検結果に記載された取組(例)」として、その主な取組を取り上げまして、これを表の形で整理する等内容をわかりやすい形式に修正させていただいてございます。
続きまして、報告書全体に係る御意見といたしまして、前回部会におきまして、化学物質対策のところの記述を例示しつつ、テクニカルタームのようなものが説明なしに出てくるなど、それぞれの分野で閉じた内向きの記述になっているとの印象があると。より一般国民にわかりやすくなるように再度のチェックをお願いしたいというような御意見、あるいは、同じテクニカルタームに対して異なる略称が使われているなど文言の平仄がとれていない箇所がある、そういった御指摘がございました。
これにつきましても、時間の関係がありますので、個々の修正箇所を摘示しての説明は差し控えさせていただきますが、再度、全体をチェックした上で、点検対象でございます環境基本計画における表現ぶりとの整合性なども踏まえつつ、テクニカルタームに可能な範囲でこれを解説する注釈を付すとともに、全体として平仄を整える等の対応をしてございますので、この点についても御報告を申し上げます。
続きまして、2点目の時点修正の関係について御説明を申し上げます。
点検報告書につきましては、平成24年度及び25年度を点検対象期間として点検を実施しているところでございますが、各部会が夏から初秋にかけて行うということもございまして、原案取りまとめから一定の期間を経過した結果、例えば、典型的にはⅢ「8.放射性物質による環境汚染からの回復等」のところでございますけども、ここの汚染廃棄物の処理とか、除染等の措置の「現状」に係る記述のように、部会における点検の後にさまざまな動きがございまして、状況が大きく変化した箇所がございます。あるいは、個々の部分で見ますと、部会の審議中には開催予定であった国際会議が、その後、開催されて終わっている等々ございまして、この時点で取りまとめる審議会点検報告書の記述としては、いささか不具合が出てきている部分がございます。
このため、これについても時間の関係がございますので、個々の部分の説明は省略をさせていただきますが、先ほどの全体のチェックとあわせまして、こういった箇所についてもチェックを行いまして、必要な時点修正の修文を行っていることについても、あわせて御報告を申し上げます。
続きまして、3点目のパブリックコメントの関係について御説明申し上げます。パブリックコメントの関係につきましては、資料2として全体をまとめてございますので、こちらを御覧いただければと存じます。資料2の1ページ、頭紙のところにございますとおり、パブリックコメントにつきましては、意見募集期間を10月20日月曜日から11月6日木曜日までということで、環境省ホームページ、報道発表、これに加えまして、政府全体の情報ポータルサイトでございます「e-Gov」のほうにも告知を行いまして、実施をしたところでございます。意見提出方法については、郵送、FAX、電子メール、いずれかの方法ということで行いました。
その結果、個人より3通、団体より2通の合計5通、意見数でいきますと21の御意見の提出がございました。結論的に言いますと、今の案では8つの意見について、これを踏まえた修正を行ってはどうかというふうに考えているところでございます。
以下、パブリックコメントに寄せられました御意見、それとこれに対する事務局の考え方について、個別に御説明申し上げたいと存じます。
この資料2を1枚おめくりいただければと存じます。これが一表になっている整理をした表でございます。ちなみに、左から3番目の「該当部分」の欄にページがございますが、これは資料1の該当ページを摘示したものでございますので、適宜、御参照いただければというふうに存じます。
まず、個別に御説明申し上げますと、1番、2番、こちらが環境報告書に係る御意見でございます。
まず、№1として、点検報告書4ページの「経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進」の箇所について、図表Ⅲ-1-4に関する言及がなされていないが、国際的な非財務情報開示の動向を踏まえ、国内環境報告書の現状について言及することが必要である旨の御意見をいただきました。
これにつきましては、図のⅢ-1-4につきましては、点検報告書4ページ上の「現状」のところの記述にございますとおり、「環境配慮型の商品・サービスに関する情報を示す取組の一つである『環境報告書を作成・公表している企業の割合』は、年々増加傾向にある」という旨の記述を既にしているところでございまして、いただいた御意見については、国内外の非財務情報開示の動向を踏まえながら検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
続きまして、№2でございます。環境報告書に関連して、その情報利用側面に関わる「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則」(21世紀金融行動原則)について、情報開示と関連させて状況の説明が必要である旨の御意見をいただきました。
これにつきましては、いただいた御意見については重要な指摘と認識をしてございますが、今回の重点検討項目が「環境配慮型の商品・サービスに関する情報の的確な提供の取組」でございまして、21世紀金融行動原則は今回の重点検討項目との関連性が間接的と考えられることから、点検報告書の記述については原文どおりとしたいと考えているところでございます。
続きまして、№3から№7まで、次はアセス制度に関する御意見でございます。
まず、№3といたしまして、「持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進」について、我が国における近年災害発生状況を踏まえ勘案すれば、過去の自然災害の履歴等環境影響評価の対象外項目である「防災」を重視した環境影響評価が必須である旨の御意見をいただいたところでございます。
環境影響評価制度は、あくまでも、土地の形状の変更、工作物の新設等の事業の実施が環境に及ぼす影響等について総合的に評価することを通じて、その事業に係る環境の保全について、適正な配慮がなされることを確保しようとするものでございます。したがいまして、御意見の趣旨でございます防災の観点につきましては、防災関連法規の中で適切に対応されるべきものと考えてございまして、点検報告書の記述については原文どおりとしたいと考えているところでございます。
続きまして、№4、太陽光発電の普及に伴う広大な改変による環境影響が懸念されるため、太陽光発電事業に係る環境影響評価の早期実施が必要である旨の御意見をいただいたところでございます。
これにつきましては、太陽光発電事業が、他の環境影響評価法対象の発電事業等と比較して、現時点では、環境影響が著しいとまでは考えられないことから、原文どおりとしたいと考えているところでございます。
続きまして、№5でございます。案件の増加に伴い風力発電事業の環境影響評価の審査の迅速化・効率化が求められていることから、風力発電事業に係る環境影響評価の技術手法の早期整備が必要である旨の御意見をいただいたところでございます。
風力発電事業に係る環境影響評価の迅速化については、点検報告書55ページに記載しているとおり、「風力発電等に係る環境アセスメント基礎情報整備モデル事業」等の取組を行う等するとともに、平成27年度予算の要求も行っているところでございます。
続きまして、№6、環境影響評価技術の向上・改善を目指すために、実務担当技術者の意見を広く聴取する仕組みの充実が重要である旨の御意見をいただいたところでございます。
この点につきましては、点検報告書54ページに記載しているとおり、「環境影響評価の技術的手法の研究・開発等の取組」を進めてございまして、引き続き、実務担当技術者等からの幅広い意見を踏まえつつ、技術的手法の研究・開発等進めてまいりたいと考えているところでございます。
続きまして、№7でございます。我が国の環境影響評価技術につきまして、配慮書の導入等により「入口部分」は改善されているが、事後調査等の「出口部分」の改善のため、事後調査とその解析の充実に力点を移すことも重要である旨の御意見をいただいたところでございます。
これにつきましては、平成25年4月の報告書手続の導入後に、環境影響評価法に基づき事後調査報告書が作成された事例はまだないわけでございますが、今後、事例が出てくることとなってございますので、御意見の趣旨につきましては、今後の業務の参考とさせていただきたいと考えているところでございます。
続きまして、№8と№9、こちらが地球温暖化に関する取組に係る御意見でございます。
№8といたしまして、点検報告書59ページの「現状」の記述のうち、二酸化炭素の排出量について、パブリックコメントの案における前年度との比較ではなく、東日本大震災前と比較して7.6%(約1億トン)の増加となる旨を追記するとともに、原子力発電が温暖化対策に多大な貢献を果たし得ることを踏まえた記載内容とすべき旨の御意見をいただいたところでございます。
これにつきましては、点検報告書59ページの「a」エネルギー起源の二酸化炭素排出量削減対策」の現状のほかに、69ページの「b」エネルギー起源二酸化炭素以外の温室効果ガスの排出削減対策」の「現状」のいずれにつきましても、前年度との比較を記載してございまして、エネルギー起源二酸化炭素排出量の変化につきましては、東日本大震災の前後を含めまして、図表Ⅲ-4-1のグラフで定量的にお示しをしているところでございます。
続きまして、№9、点検報告書79ページの「今後の課題」の上から6番目の「○」についてでございます。「個別の対策・施策の進捗状況について、費用対効果の視点も含めて点検し」とあるが、まずは京都議定書第一約束期間以降に取り組んだ各種対策の費用対効果を明らかにした上で、効果の高い施策から優先的に導入していくべきである旨の御意見をいただいたところでございます。
「京都議定書目標達成計画」(平成20年3月28日閣議決定)でございますが、こちらに掲げられた対策・施策の進捗状況につきましては、地球温暖化対策推進本部として毎年取りまとめを公表しているところでございまして、その中で、「排出削減量の実績と見込み」あるいは「施策の内容とスケジュール」等を明らかにしておりまして、いただいた御意見については、今後の施策展開の参考とさせていただきたいと考えているところでございます。
以下、№10から21まで、こちらは「包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組」に係る御意見でございますが、これにつきましては、専門的・技術的内容を含みますことから、環境保健部会の事務局担当者より御説明を申し上げたいと存じます。
○森下環境安全課長 それでは、10番でございます。「包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組」について、次回の点検では、事業者、NGO、研究者の取組も整理すべきであるというコメントをいただいております。
国の計画でございます第四次基本計画の点検につきましては、計画の中で関係府省の自主的な点検結果を踏まえて実施をするということとされておりますので、関係府省の施策の進捗状況等点検をして、御報告させていただいております。
ちなみに、国以外の主体の取組ということにつきましては、別途、国際的な化学物質管理に関する戦略的アプローチ、いわゆるSAICMに基づく国内実施計画がございまして、その中で、可能な範囲で位置づけるとしておりますので、こちらで整理等を行っていきたいと考えております。
11番に入ります。137ページから138ページのところですが、リスク評価と、それから規制措置というのをA&Bで書いているところがございます。ここで「ともに」というふうに使っておりますが、いただいた御意見では、リスク評価の推進は手段であって、規制措置は目的なので、ともにという同格で扱うべきではないという点と、それから「リスクの判明した」というところは、「著しいリスクの判明した」という記述を前後で統一したほうがいいという御意見をいただいております。記述の同一、「著しいリスクの判明した」ということについては、修正をさせていただきたいと思います。
それから、A&Bという形で書いておりますのは、シンプルに国で取り組んでいること、リスク評価をしていること、それから規制措置を講じていること、これを述べているというところでございますので、そのままの記述とさせていただきたいと考えております。
12番に入ります。取組状況137ページから173ページ、全般に至ることですが、その中に、御質問として、室内空気の問題は環境基本計画に含まれているのか。含まれているのであれば、厚生労働省で検討が再開されたシックハウス問題に関する検討会も取組状況に加えることを検討すべきだというコメントをいただいております。
このシックハウス対策につきましては、従来より、この環境基本計画の中では、環境の観点から取り組んでおります環境省の取組について、記載をさせていただいているということで整理をしてきております。関係各省、さまざまな取組をされておりますが、それもさまざまな観点からということでございまして、環境省が行っております環境の観点からの取組ということを153ページに「環境中の微量な化学物質による影響の評価」ということで記載をするということで整理しておりまして、御了解いただければと思っております。
13番でございます。「有害性評価の推進」、140ページのところでございますが、こちら、いただいたコメントは、農薬取締法に関する取組状況が、有害性評価の推進というところに記載がないがということでございますが、リスク評価、それから有害性評価、ばく露評価、それぞれ推進されている部分について記述をしております中で、ばく露評価と有害性評価、双方やっている、取組を進めているというものにつきましては、リスク評価の推進の中でまとめて記載をさせていただいております。農薬取締法に関する記載については、このリスク評価の推進の中で記載をさせていただいているということでございます。そのようにさせていただきたいと思っております。
14番でございます。こちらは、取組状況141ページから142ページでございますが、表現がミスリーディングではないかということで、「ダイオキシン類をはじめとする化学物質」という記載は正しいけれども、「ダイオキシン類をはじめとするフッ素化合物」という記述は、「はじめとする」というのはどこにかかってくるのかわかりにくいということで、いただいた御意見を踏まえて、「ダイオキシン類、フッ素化合物」という形で、紛れがないように修正させていただきたいと思っております。
続きまして、15番でございます。大気環境の常時監視、取組状況、142ページから143ページにかけてのコメントでございます。二酸化硫黄、二酸化窒素、SPM、PM2.5、そういった環境基準達成率が規制されているが、これについては、この包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組の点検の対象なのかということでございます。対象であるならば、光化学オキシダントを抜く理由はないのではないかという御指摘をいただいております。これらの物質につきましては、包括的な化学物質対策のパートの点検の対象ではございませんけれども、常時監視がされており、環境基準が設定されるということで、参考情報として記載をさせていただいているものでございます。その観点から、光化学オキシダントについても、同様に記載を盛り込ませていただくということで、修正をさせていただきたいと思っております。
16番でございます。大気環境の常時監視、142ページから143ページというところでございますが、ここで、大防法の第22条の規定に基づきまして、常時監視に関する事務処理基準改正でモニタリングの地点が見直されたことも、ばく露評価の推進になるのではないかということでございます。これはいただいた御意見を踏まえて、143ページ以下に書かれているような記述で、しっかり位置づけをさせていただきたいと思っております。
続きまして、17番でございます。取組状況のところで、さまざまな記述があるけれども、年次が一体いつの取組なのかがよくわからない部分があるので修正をということでございます。こちらについては、いただいた御意見を踏まえまして、各取組の開始時期、平成24年度、25年度の取組内容について、はっきりわかるように記載を修正させていただいているというところでございます。
18番に入ります。今後の課題の中に「化学物質と環境に関する政策対話」というのが初めて出てくるため唐突な印象があるが、もし書くのであれば、政策対話の中で議論された内容、4回開催されていますが、記載すべきではないかという御指摘でございます。
化学物質と環境に関する政策対話につきましては、2回目の点検の対象となります「安全・安心の一層の推進」の中で、しっかり対応していきたいというふうに思っておりますので、今回はこのままの記述とさせていただきたいと考えております。
19番、これも表現の修正でございます。「ナノマテリアル」と「ナノ材料」、2種類の用語が使われているが、統一したほうがよいのではないかということで、「ナノ材料」に統一をさせていただきます。
20番でございます。こちら、現状を紹介したところでございます。化学物質審査規制法の取組状況というところの中で、優先化学物質や監視化学物質について記載をしてほしいということで、文書にその旨を記載してもよいということで御意見をいただいておりまして、こちらについては、わかりやすくするために、優先評価化学物質及び監視化学物質の製造・輸入数量の図表を1ページちょっと使って、追記をさせていただくということで手当てをさせていただきたいと思っております。
最後、21番でございますが、この現状のところで、図表の7-13と7-14で、「ほぼ0%」という表現と、それから「ほぼ横ばい」というような表現がございまして、これは両方とも、横ばいの部分が、ほぼ0%に近い横ばいなのかどうかということで御質問をいただいておりますが、図表Ⅲ-7-13につきましては、ここ数年、0%もしくは0.1%で推移をしているということで、「ほぼ0%」と記載しておりますが、図表の7-14につきましては、基準超過率が1%程度であることから、御指摘のとおり、ほぼ0%とは言えないというふうに考えております。用語について1点修正をいただきまして、そのとおりに修正をしたいと考えております。
以上でございます。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明を踏まえまして、本報告書について御議論いただきたいと思います。概ね前回までの総政部会における各委員の御指摘、それから、今御説明のありましたパブリックコメントへの対応が盛り込まれておりますが、これらについて、さらに特段の御意見、御指摘のある方は札を立てていただければと思います。
長辻委員、どうぞ。
○長辻委員 前回、欠席してしまって、今になって意見を申し上げるのは申し訳ないのですが、80ページの生物多様性の保全のところを見てください。(2)「現状と取組状況」の5行目に「COP10を機に生物多様性という言葉の認識度は高まっているが、それが一時的なものとなることなく」という文章があります。ここのところで少しひっかかるところがあります。先の文章は「一時的なものとなることなく、『生物多様性を意識し、行動につなげていく』ということを国民それぞれが自発的に取り組み」と続きますが、これは日本語としては、「ということを」じゃなくて、「ということに」ですよね。
それと、もっと大事なことは、この生物多様性の認識度が「高まっているが」というのではなくて、「高まっていたが」が正しいと思います。といいますのが、これは以前にも気になったところなんですけれども、調査結果では平成23年から25年にかけて3年連続で「知っている」という答えが減っているんですね。「知らない」という回答が増えているわけです。これは、一番大事な生物多様性というメインテーマに関することであり、言ってみれば、生物多様性という概念が絶滅危惧種的になりつつあるわけです。非常に大事なことなので、ここのところはもっと明確に表現して、注意喚起をしたほうがよろしいのではないかと思います。
以上です。
○武内部会長 ありがとうございました。
それでは、末吉委員、お願いいたします。
○末吉委員 ありがとうございます。私も前回お休みしましたので、後出しかもしれません。ちょっと2点ほど意見を申し上げたいんですけれども、一つは、4ページの環境配慮型商品・サービスに関する情報の的確な提供の取組のところなんですけども、確かに、こういう情報提供というのは非常に重要だと思います。消費者に選択を迫るということなんですけれども、もう一方で、情報の種類によっては、ビジネスができない情報の提供というようなのが出ていますよね。例えば、ご存じだと思いますけど、MSCというのがあります。Marine Stewardship Council、これは海の魚とか、そういったものを取り扱うときに持続可能な漁法でとっているか否かの第三者証明です。例えば、マクドナルドはこれをつけているわけですけれども、これをつけているという意味は、消費者にこれは持続可能な漁法でとったんですよという、そういう情報を提供し、消費の選択をしてもらうだけではなくて、MSCをとれない水産業者からは魚は買わないという意味なわけです。
つまり、エコのレベルの情報というのは、どちらがいいのかの選択、比較考量をする情報と言えば言えると思いますけれども、例えばMSCのような情報を出す、出さないということは、ビジネスをするのか、しないのか、できるのか、できないのかのオール・オア・ナッシングの情報にもなってきます。
ですから、これからのことだと思うんですけれども、日本でもビジネスから出る情報の中に、いろんなレベルの情報があるんだと、そういったことを認識していないと、あえて申し上げると、非常にレベルの低い情報の提供で済まされてしまう、そういうことであれば、国際競争上、私は非常に日本が不利になる、そういうようなことを感じます。
それから、今回、重点のところに金融は除かれているようなんですけれども、例えばその情報の中でも投資の分野でこういうようなことが、今、始まっております。年金基金などの機関投資家が、投資している自分たちのポートフォリオが、投資対象企業の生産過程、あるいはいろんな消費過程においてどれほどのCO2を出しているのかの情報、CO2の計測をしようと。それで、その情報を公開しようと。さらに、公開だけではなくて、自分たちの投資ポートフォリオがもたらすCO2の排出量を減らす行動をとろうと。つまり、投資家が投資先企業に、もっとCO2を減らせと、そういう要求をしていく、そういうようなことも始まっております。
ですから、情報の提供というのが、非常に多岐にわたって、単なる情報の提供からビジネスのあり方、プラクティスを変えるような意味を持つ情報まで、非常に多岐にわたっている、そうしたことも、私は念頭に置くべきじゃないかと思っております。
それから、2番目は79ページ、先ほど御説明があったところの二つ目のパラグラフに民生部門の強化の話が出ておりました。これは、これでもちろん間違いではないんですけれども、私は、以前申し上げたことがあったような記憶があるんですけれども、民生部門のCO2排出は、結局は全て消費活動、消費行動の結果ですよね。消費行動というのは、実は全てがビジネスがつくり出す、全てといったらあれで、多分99%が、企業やビジネス、産業がつくり出す商品やサービスの商品なんです。ですから、その産業界のあり方と民生のあり方を大きく線引きをして分けて、民生は民生で増えているからおかしいというような議論は、私はやめたほうがいいと。民生が増えているのは、イコール、企業がつくり出す商品やサービスの消費が増えているという話ですよね。
ですから、これは、産業界の方もよくおっしゃっていますよね。自分たちの製造工程ではたくさんのCO2が出るけれども、自分たちがつくり出した製品の消費あるいは使用過程でたくさんのCO2を減らすことができるんだと。だから、トータルで見ればCO2は減るんだとよくおっしゃっています。これは、英語でカーボン・バランスということで、世界の大企業もそういう手法を使っています。
ですから、これは何を意味しているのかというと、この経済活動を部分部分でちょん切ってしまっても、本当は全体のCO2削減にあまりいいアイデアは出てこないという可能性を示しております。
ですから、ぜひ民生部門のCO2排出の削減を求めるのであれば、その源である商品やサービス、そこにももっといい物をつくっていただきたい、もっと環境にいい物をつくる、それの使い方をどうすればいいのかも含めて、いわゆるライフサイクルの中で問題を議論して解決策を探していくと、そういうようなアプローチがぜひ必要ではないかなと思っております。
以上です。
○武内部会長 ありがとうございました。
崎田委員、お願いします。
○崎田委員 ありがとうございます。私は、前回、地域づくり、人づくりなど発言させていただきまして、かなり修正をいただきました。ありがとうございます。
今、手を挙げましたのは、パブリックコメントを拝見して、ちょうど1ページなんですが、4番目の項目で環境影響評価のところで太陽光発電の普及に関してケアするようにという御意見があって、一応ここに、現在は著しいとは考えていませんが、注視していきますという、このままの内容で内容的にはいいんですが、実は、ここ、やはり今後非常に大事なところになるのではないかと思っています。やはりメガソーラーの認定事業者さんが予想以上に多かったということで、こういうような影響が、今年、来年あたり急激に増える可能性もあるというふうにかなり言われ始めていますので、ぜひ何かのときにきちんとしたデータが出せるようなチェック体制を整えていただければありがたいなという感じがしております。よろしくお願いいたします。
○武内部会長 ありがとうございました。
浅野委員、お願いします。
○浅野委員 崎田委員が、今、言われた点については、またしかるべくアセスの小委員会などで話題にすることが必要かもしれません。条例の中では、太陽光発電施設を既にアセスの対象にしているところがありますが、しかし、今のところはそのような場合でも土地改変を伴うというところに着目しているものが多いようです。ですから、土地改変を伴わないけれども、太陽光発電施設ができるということ自体が環境上の負荷や影響を与えるという問題があるかどうかということを考えるべきであるという点に関しても、実はマスコミから質問を受けているということもありますので、今後考えなくてはいけないのだろうと考えています。
それから、末吉委員からの話は、一々もっともだと思ってお聞きしておりますが、さて修文となると、なかなか辛いものがありますので、議事録にしっかり書いておくこと、それから、民生部門の対策の考え方に関しても、おっしゃることもよくわかっていまして、そのことが既に低炭素社会自主行動計画の中にも書かれていることもちゃんと御発言の中で引用されていまして、御趣旨はよくわかっておりますから、地球環境部会のほうでこの問題は扱うことになりますので、そこで御趣旨を十分に反映させたいt思いますので、ここでの文章の修正についてはできればご勘弁いただければと思います。
さて、私から1点だけ、時点修正をしたほうがいいのではないかなと思った点が出てまいりましたので、それを申し上げておきたいのですが、180ページです。中間貯蔵施設の整備に関して記載されておりますが、これについて、も少し時点修正を加えていいのでじはないかという気がします。衆議院解散直前に「環境安全事業株式会社法」が改正されましたので、さらにこれについては一歩進むことができたこと、地域のご要望にも応えることができる法的な担保ができたということがございますので、その辺のところは少し書き込んだほうがいいと思います。
○武内部会長 ありがとうございました。
中杉委員、お願いします。
○中杉委員 すみません。私が取りまとめを担当させていただいた化学物質のところなんですが、ちょっと今、見ていて気になってしまったんですが、155ページの図表Ⅲ-7-7なんですけれども、ここの一般化学物質というのは、これ、厳密に言うと1トン以上生産している物質の数なんで、1トン未満の数が、これは正確にはかれないんですが、1件ごとになんで、ちょっとそこら辺のところの一般化学物質、優先評価化学物質、監視化学物質と書いてある物について、やっぱり脚注が必要かなというふうに思います。
これ、全体を見ると、化学物質の数というのは減ってきているんだなというふうに読めてしまうんですね。ところが、少量、1トン未満の化学物質の数というのは非常にすごい勢いで増えているというのが現状ですので、そこら辺のところがわかるようにしたほうがいいと思います。少なくともここに、そこのことは断りを入れていただいたほうが誤解がないだろうというふうに思います。
○武内部会長 ほかにございませんでしょうか。
それでは、事務局のほうから回答をお願いいたします。
○小堀環境計画課計画官 最初に、時点修正の関係でございますけど、一度見直して修正をしたんですが、やっぱりその後出てきておるということでございまして、最終的に中環審のほうから環境省宛に報告をいただいて閣議報告するという段取りになりますので、報告時点を前提にもう一度、今、御指摘の点も含めまして、再度見直した形で再度時点修正をさせていただければと考えてございます。
あと、そのほか、個別、では、経済課のほうでお願いします。
○大熊環境経済課長 ありがとうございます。環境経済課長でございます。
末吉委員から御指摘いたしました情報提供の関係で、こうした環境配慮型製品も重要だけれども、それ以外にビジネスができるかどうか、そのものに影響するような事業のやり方についての認証、あるいは投資に関わる情報も重要だという御指摘を頂戴しました。
浅野委員から、今、この中に入れるのはというお話もいただいたところで、まさにそういう状況でございますが、一言だけコメントといいますか、お答えさせていただきますと、まさにおっしゃいますように、投資の関係でさまざまな情報が出てくるようになってきている、そして、それが影響を与えるようになりつつある、非常に重要だと考えております。
この点については、この点検が2年ごとに重点項目を切りかえてやっていく、環境金融については、昨年及び来年、重点項目になる予定、この後ご審議いただく予定と承知しておりますが、そういう予定でございますので、そういう中でしっかり事務局としても検討し、また御意見をいただくことができればと考えております。
また、今年の点検の中でございます、商品・サービスについての情報に当たりましても、今、御指摘がございましたような情報も踏まえて、さまざまな形で取り組んでいくということは重要だと考えておりまして、御指摘を踏まえて取り組んでいきたいと考えております。
以上です。ありがとうございます。
○奥田生物多様性地球戦略企画室長 生物多様性地球戦略企画室長でございます。
長辻委員から御指摘のあった80ページ、「てにをは」ではございますけれども、まず最初の「ということに」というところは修正させていただきたいと思います。
それから、認識度のところにつきましては、これについてはグラフが後ろのほうにございます。実際、COP10の前後、93ページにあります。この図表Ⅲ-5-8を御覧になっていただければわかると思いますけれども、ちょうど平成22年度の1回目というのがCOP10の前のときでございます。それと比べても、平成25年度の段階では、ある一定程度、「知っている」という人数が維持はされているというところでございまして、直近のものでは下がってきているというのも事実です。そこで、御指摘も踏まえて、ちょっとここで「高まっていたが」というと、明らかに過去の話になってしまうというのもいかがかと思いますので、「高まったが」と、高まったという過去の事実をここに記載させていただく、そういった修正で御理解をいただけたらありがたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○長辻委員 私が一番気になっているのは、「減っている」という、それから「知らない」というのが増えているという、この傾向が続いているのが非常に気にかかるところなんですね。ですから、そこの点を十分留意して対策を講じていかないと、肝心要のことが消えてしまうという、それが危ういと思いますので、しつこく申し上げている次第です。
以上です。
○武内部会長 そこは、私が取りまとめの責任者でございますので、私、よく一緒に考えて御意思を踏まえて修文させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○森下環境安全課長 環境安全課長でございます。
中杉部会長から御指摘のありました、非常に量の少ない、少量新規と呼んでおりますけれども、年1トン以下の新規化学物質が増えてきているということは、確かにそうでございます。それ自身は157ページの図表の中で記載をさせていただいておりまして、猛烈な勢いで上昇しているということが見てとれると思っております。ただ、155ページの図表については、対象について明確にしたほうがいいと思いますので、注釈をつけさせていただきたいというふうに考えております。
○大森環境影響評価課長 環境影響評価課長の大森でございます。
崎田委員に御指摘をいただきました太陽光発電については、現在、実情と環境の影響、実際、そのぐらいの影響があるのかというようなところも調べて把握しようと考えておりますので、またデータがそろった段階で、浅野委員からアセス小委という御指摘もありましたけれども、適切な場で御報告できるようにしていきたいと思います。ありがとうございます。
○上田総務課長 総務課長の上田です。
時点修正の話で、例として挙げていただいた日本環境安全事業株式会社法の一部改正法に関する記述、また中間処理に関する記述、この記述が、今のところ10月中旬までということで、その後1カ月分の記述が欠けておりますので、法律の改正を含めて、見直して記述をしたいと思っております。
○瀧口低炭素社会推進室長 地球環境局の低炭素社会推進室長、瀧口です。
末吉委員から民生部門に関連してライフサイクルの中で問題を議論していくアプローチが重要だという貴重なコメントをいただきました。浅野委員、地球環境部会の部会長でもいらっしゃいますが、浅野委員が御指摘されたように、この点、地球環境部会のほうでまた引き続き御議論させていただければと思います。
○武内部会長 どうもありがとうございました。幾つかのカテゴリーに分けられると思います。引き続き、他部会あるいは委員会等で御意見を踏まえてさらに審議していくというもの、それから、これからまた来年度も点検がございますので、そうした場で引き続き皆さんに御議論いただくもの、それから、今、いただいた御意見を踏まえて修文をした上で最終の報告書に反映させるという部分がございます。一番最後の部分について、今日いただいた御意見も踏まえまして修文をさせていただきたいと思いますが、委員会を再度開催するという時間的な余裕がございませんので、誠に恐縮ですが、修文内容については、私にご一任いただければと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○武内部会長 どうもありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
点検報告書の今後の予定について、事務局から説明をお願いいたします。
○小堀環境計画課計画官 点検報告書につきましては、部会長とも御相談しながら、解散等もありまして若干微妙になってございますが、12月中旬を目指して閣議報告ということで進めさせていただければと考えてございます。
以上でございます。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
今、皆さんにこの点検報告書について最終の議論をしていただいたばかりで恐縮でございますけれども、次に第四次環境基本計画の第3回点検の進め方について、それから第3回点検時における重点検討項目について事務局から説明をお願いいたします。
○小堀環境計画課計画官 それでは、第四次環境基本計画の第3回点検の進め方につきまして、資料3、第四次環境基本計画第3回点検(平成27年)の進め方について(案)、それから資料4、第四次環境基本計画第3回点検、重点検討項目(案)に基づきまして、御説明を申し上げます。
まず、資料3を御覧いただければと存じます。こちらが、来年度行うことになります第3回点検の進め方の案を取りまとめたものでございます。まず、その基本的な考え方について御説明をさせていただきたいと存じます。1ページ冒頭の点線の枠囲みの中、基本的な考え方の部分を御覧いただければと存じます。第四次環境基本計画につきましては、平成25年に第1回点検を行いまして、26年、本年、第2回点検を行ったところでございます。
1枚おめくりいただきまして3ページの表を御覧いただければと存じますが、こちらが、25年、26年の点検において、それぞれ対象とした分野ごとに丸を付したものでございます。この表を御覧いただければ明らかなとおり、2回の点検を通じまして、計画にある全ての重点分野等について、一通り点検を行ったという状況になってございます。
こうした経緯を踏まえまして、27年、28年、この後2年間でございますが、その後の施策の状況、前回点検において中環審が指摘した事項の進捗状況を含めまして、全ての重点点検分野等について、再度の点検を行うこととしてはどうかと考えているところでございます。
次に、27年と28年の点検における重点分野等の振り分けについてでございます。例えば、予算措置等を伴う施策などを考えてみますと、中環審の点検報告書の取りまとめが年末になっているということとの兼ね合いで、点検作業の中で行える中環審の指摘への対応というのは、どうしてもこの後、予算要求して、その予算がつくということになると、次々年度にならざるを得ないという状況でございます。環境省が平成25年の第1回点検及び26年の第2回点検の結果を踏まえた取り組みを実施しているかどうかにつきまして、的確に点検を行うという観点からしますと、原則として27年の点検においては、25年の点検と同様の重点検討項目について点検を行う、そして28年の点検においては、26年の点検と同様の重点検討項目について点検を行うという形が効率的と考えておりまして、そのようにしてはどうかと考えているところでございます。
ところで、第四次環境基本計画、24年4月の策定から3年を経過してございます。また、この計画は、計画策定後5年を経過した時点、すなわち平成29年を目途に計画の見直しを行うこととされてございまして、これまでの例に照らしますと、平成28年の点検が終わった後、しかるべき段階で第五次基本計画の策定に向けた検討が始まるということになるだろうと考えられるところでございます。
もとより、この部会で行います点検作業というのは、環境基本計画に基づく施策の進捗状況を対象とするものではございますが、こうした全体の流れを踏まえますと、平成27年の点検におきましては、第四次環境基本計画と実態との乖離のようなものが発生している可能性というのにも留意をする一方で、後には第五次環境基本計画の策定作業の開始が控えているということを意識しながら進捗状況の点検を行う必要があるのではないかということでございます。
こうした観点から、資料1ページの枠囲みのところの「また」以下でございますが、27年と28年の点検におきましては、点検報告書の冒頭に指標等を活用しながら、点検分野全般を鳥瞰する記述を新たに加えることとし、その中で各府省からのヒアリング等を通じて、審議会で行われた議論を踏まえる形で分野に捉われない、大局的・総合的な視点とともに、計画策定後の社会情勢の変化等を踏まえて、何らかの言及が必要か否か、そういったような視点も踏まえる形での記述を行うこととしてはどうかというふうに考えているところでございます。
また、これにあわせまして、各分野の点検におきましても同様に、当該点検分野を鳥瞰するような記述を設けることとしてはどうかというようなことを考えている次第でございます。
以上の考え方に基づきまして、具体的に点検の進め方について御説明を申し上げたいと存じます。点検のスケジュール感につきましては、下の1のところでございますけれども、年末に点検報告書を取りまとめ、閣議報告を行う必要があることから、来年度についても本年度と同様のスケジュールとしてはどうかというふうに考えてございます。
具体的には、資料をおめくりいただきまして2ページの(3)というところにあるとおりでございますけれども、来年4月以降に、まず、各関係府省において自主点検を行っていただく。その結果について、7月ごろまでに中環審においてヒアリングを行う。そして、9月以降、各重点分野の関係部会での点検結果を総合政策部会、当部会のほうに御報告をいただき、パブリックコメントに付す案をご決定いただく。その上で、パブリックコメントを経まして、ちょうど、今日先ほどまでやった作業と同じになりますが、12月ごろまでに閣議報告をすることとなる中央環境審議会としての点検報告書の案を決定いただく、そのようなスケジュール感で行ってはどうかと考えているところでございます。
次に、27年の第3回点検における重点点検分野及び重点点検項目につきましてでございますけれども、資料2の2のところ、それから資料4の記載のとおりでございますが、この内容は、先ほど、大まかなところを御説明申し上げましたので省略をさせていただければと存じます。
最後に、4ページをお開きいただければと存じます。地方ブロック別ヒアリングについてでございます。こちらにつきましても従前より慣行として行っているところでございまして、大体輪番、概ね慣行として、東北、関東、中部、それから関西ブロック、こちらにつきましては隔年で行ってございます。それから、北海道、中国、四国、九州、こちらについては、輪番で実施してきたところでございまして、この例に倣って当てはめてみますと、ちょうど27年のところが網掛けになってございますが、こちらにありますとおり、関東、中部、四国、ここが当たるということでございまして、ここで行うこととしてはどうかというふうに考えているところでございます。
来年度の点検につきまして、私からの説明は以上でございます。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいま事務局から説明のございました第3回点検の進め方並びに第3回点検の重点検討項目などについて、委員の皆さんから御意見を伺いたいと思います。御発言のある方は、席札を立てていただきますよう、お願いいたします。
浅野委員、どうぞ。
○浅野委員 これまで続けてまいりました重点項目を決めて点検をするというやり方は、計画全体を毎回議論しているとどうしても議論が散漫になってしまうおそれがある。やはり細かくきちっと議論していくために、重点項目を決めたほうがいいだろうということでこの方法をとってきたわけですが、それはそれとして十分に成果を上げてきたとは思います。
ただ、もうそろそろ次の環境基本計画を考えるということをも意識しつつ点検作業を進めなくてはいけない段階になってまいりましたので、あまり細かく深堀りの論議ばっかりをやっていると、計画の全体や施策の横のつながりがわからなくなってしまう。それから、委員も交代していきますので、計画をつくったときの委員がずっと残っていればいいのですが、新しい委員が加わってくだされば、新しい感覚と関心事にもとづいてものをおっしゃるということがあるわけですけれども、従来のやり方ですと、どうしてもその発言を封じてしまって、これは、今回のテーマではありませんのでといって、また次にやりますからといってお黙りくださいみたいなことをやってしまうことになりがちです。これでは次の計画の中に盛り込むべき事項や方向性をさぐっていくということの目処が立たなくなってしまうというあせりを感じるわけです。
そこで、次年度は従来のやり方を完全に踏襲するということではよくないなというふうに思いまして、横断的な議論がちゃんとできるように、あるいは、度々出てくるんですけど、計画の中に書いてあることが、もう今時点から見ると不十分だというようなことがいろいろあるわけですね。だから、そこに書かれていることがどれだけやられたかということだけを見ていても困るのであって、こういうこともやるべきだという意見がどんどん出てこないと、次の計画の種がなくなってしまうということがありまして、さらに次年度からは2巡目の点検ということにもなりますので、事務局にただ今御説明をいただいたような整理をしていただいた次第でございます。ぜひ御理解いただければと思っております。
○武内部会長 崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 ありがとうございます。とりあえず、ここ4年間、25年度からの4年間をどうするかと、最初一応決めてやっていますので、流れとしてはある程度安定化してやっていただくのはいいと思うんですが、例えば、今回、復旧・復興についても点検を入れようというときに、後ろの地方ブロック別で東北が入っていないという、こういう状況になっているわけですが、例えば、復旧・復興などはどういう視点の復旧にするかとか、何かそういう全体のことを少し柔軟に考えながら検討するのもいいのではないかということをちょっと感じました。よろしくお願いします。
○武内部会長 ありがとうございました。
末吉委員、お願いします。
○末吉委員 ありがとうございます。ちょっと教えていただきたいんですけど、今、浅野委員のおっしゃったこと、私も全くそうだなと思ってお話を伺っていたんですけれども、その文脈の中で申し上げると、例えばIPCCの第5次評価報告書が完成しましたですよね。あるいは、この評価が、次の評価が終わるころには、COP21で決まっているはずですよね。そういった国際情勢といいますか、この全体を取り巻く環境をどう評価の中に織り込んでいくのか、その辺はどういうお考えになるんでしょうかというのをちょっとお聞きしたいんです。
○浅野委員 私は、もっと全体を通じてという、大きな傘のような総論的な評価をどこかでやっていかなきゃいけないので、それを点検の中でやるべきではないか、そのためには今も指標を使って全部の分野についてその動向を明らかにするという作業をやってはいるわけですが、今はそれがうまく生きていないほうにも思われる。指標は指標でぼんと出されて終わってしまっているので、やはりその指標を見ながら、この計画の持っている全体がどこまでどう行っているんだろうということについては、もう少しちゃんと議論をして、今回点検項目になっていなくても、このことについてはかなり新しい動きがあるとか、これは他の領域、あるいは特に横断領域には当然響いてくることですから、それはちゃんと意識しながら横断領域の議論をやっていかないといけないと思います。横断的な三つ領域に関して、毎年毎年点検するという仕組みをつくっている以上は、環境政策全般にわたることを本当は総政部会できちっと議論するということが必要だと思っていまして、やや今までは必要以上に重点項目のほうに特化してしまっていた。
ですから、末吉委員に発言をされながら、いつもごめんなさいといって封じ込んでいるようなところがあったんですが、それはもういい加減に何とかしなきゃいけないだろうということです。
指標も大分成熟してきましたので、指標を使って全体を見るということとあわせて、そこに記述の形でおっしゃられるようなことを意識しながら書き込むような提言にしていかなきゃいけないのではないかと、そんなふうに考えております。
○末吉委員 もう一度よろしいでしょうか。
大変ありがとうございます。ついでに申し上げたいんですけれども、恐らく、今、世界各国とも、環境問題いろんな政策を打ち始めているんですけども、いろんな視点があると思うんですよね。経済産業を強化して、国際競争力のあるものを持ってリードしていく、21世紀を勝ち残っていくとか、あるいはこういう社会をつくりたいんだと、そのためには、環境政策全般がどういうことになっていかないと困るんだとかですね。
やっぱり国や社会の持つ長期的なビジョンとか、ストラテジーを描きながら、その達成手段の1つとして環境部門をどうしようか、あるいは環境部門からこういう要求が出るから、国のあり方、社会のあり方はこういう姿を目指すべきだとかですね。浅野委員のおっしゃる大きなこの計画の中の何といいますか、全体性ということもさることながら、この環境計画の置かれている日本全体のあり方。ですから、どこかで一度国の社会のあり方、あるいは経済のあり方をこの視点から見たときに、どういう姿を大体描きながら、それを達成するためには、この環境基本計画はどういったものにしていかなきゃいけないのかという、そういった議論も一度ぐらいあってもいいのかなという気もするんですけれども。
○浅野委員 おっしゃることは、そうだろうと思います。総政部会を超えて総会でやってしまったものですから、なかなかその議論が部会の議論に反映されていないという苛立ちを覚えるのですが、武内会長の適切な御指示によって中央環境審議会の意見具申というのを出したわけです。
恐らく、あの意見具申は、ちょうど前期の計画のときの21世紀環境立国戦略のような位置づけになるだろうと思っていまして、それはその後、ずっと前期計画の点検あるいは実施、展開さらには今期計画の策定の段階でも大きな意味を持ってきたわけですが、武内会長のもとでつくられたあの意見具申の考え方を、次の点検では、もっときちっと反映させるということを通して、今、末吉委員がおっしゃったようなことを、中環審としてはもう既に発信済みですから、生かしていくということができるだろうと思っています。
○武内部会長 それでは、事務局のほうからよろしいですか。
○小堀環境計画課計画官 崎田先生からの御指摘についてでございます。復旧復興のところの視点がどうかということでございますが、これにつきましては、先ほど説明をはしょってしまったところでございますが、資料4の4ページのところで、一応の視点というのを掲げさせていただいてございます。もとより、これしかこの観点から見ないというわけではございませんが、そういった意味でいきますと、こういったような視点から見ていくのが1つの切り口になるかなということでございます。
それと、地方ブロック別ヒアリングをいつ東北で行うかという点についても、御意見ございましたけど、復旧復興は当然東北が関係しますし、一方で汚染回復も関係します。27年がいいのか、28年がいいのかというところで、輪番でやると28年なのですが、悩ましいところではございます。
震災関係の重点検討項目をとり上げる際は東北で地方ブロック別ヒアリングを行わなければならないとなると、これは毎年東北でやらなければいけないということにもなってしまいますし、そうなると、ほかの分野、ほかの地方を見る機会というのが減ってしまいますので、そこはなかなか悩ましいところではございますが、前回、25年のときに、東北ブロックをこの奇数回のときにやらなくても、点検作業を行うことができていたということを考えますと、そこまで完全にリンクをさせるまでの必要はないのかなと考えているところでございます。
○武内部会長 崎田さん、不満ですか。
○崎田委員 御趣旨はわかりましたが、例えば、通常のこの地方ブロック別ヒアリングとは別に、もっと簡単な状況でも現状の、いわゆる被災地の現状把握をしっかりやるとか、そういうことをやった上でまとめるというのが、やはり後々の状況把握の的確性にはあると思うので、そういうことを踏まえてやっていければと思います。よろしくお願いします。
○武内部会長 今いただいた御意見のおおよそは、今回の点検の進め方、特に指標を使って、大きなところで新しい動向を踏まえて、全体の概要を記載し、その後、具体的な点検項目に入るというやり方、それから、点検項目については、資料4に示されたような、点検項目について第3回は重点に置くということ、それから、今実際のブロック別のヒアリングの場所等について、東北の配慮については、また別途検討させていただくということを踏まえて進めさせていただくというような方向で、皆さんの御理解を得られたというふうに理解してよろしいでしょうか。
それでは、そのような方向で進めさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。
それでは、次の議題に移らせていただきます。
環境研究・環境技術開発の推進戦略について、事務局より説明をお願いいたします。
○吉川環境研究技術室長 環境研究技術室長の吉川と申します。
資料5のシリーズで冒頭説明をさせていただきます。
資料5-1を御覧ください。
環境省と申しますか、政府全体とも言えるんですが、環境の研究、環境技術開発の推進戦略を中央環境審議会でまとめていただいております。直近のものは、平成22年6月に専門委員会を総政部会の下に設けまして、そこで御議論いただき、最終的に中環審答申としていただいております。
今回新たなバージョンを御議論いただきたく、11月18日に、環境大臣より、中環審会長に諮問をさせていただきました。諮問理由のところをかいつまんで説明させていただきますと、昨今、気候変動問題の対応、災害への対応等、持続可能な社会の構築に向けて、我が国の環境研究及び環境技術開発が果たすべき役割は、一層大きくなっていると。
したがいまして、取り組むべき研究及び技術開発の重点化等を諮りながら、より効果的に推進することが必要となっていると。
このため、新たな戦略はいかにあるべきか審議会の意見を求めるという趣旨でございます。
資料5-2にありますように、その後、総政部会にこの議論を付議いただきました。
資料5-3でございます。中央環境審議会総合政策部会には、小委員会、専門委員会が設置されておりますが、現在この資料5-3の裏になりますが、3ポツ、環境研究・技術開発推進戦略専門委員会という専門委員会が設けられております。過去にもこの環境研究・技術開発に関する事業につきましては、この専門委員会で議論をしてきているところでございます。
後ほど、座長からお話しいただきますが、この専門委員会で御議論いただくことを念頭に置きまして、今回環境省より議論を諮問させていただいた次第でございます。
続きまして、この資料5-4を見ていただきますでしょうか、そもそもこの推進戦略とは、何であるのか、何のためにつくられて、どういうものであるかというところでございます。
これは、もともと環境省が平成18年に中環審に、これも答申をいただきましてから平成22年に改定しまして、今2代目になっているものでございます。これは環境省が中心となります政府の環境研究・技術開発の大まかな方向性ですね、方針等を重点分野ですとか、基本的な考え方、体制のあり方等について意見をいただいているものでございます。
実は、さかのぼりますと、平成11年に、中環審から環境研究技術基本計画というものを答申いただいております。環境庁の時代ですね。環境省になるということで、環境研究の体制を強化するということを念頭に置いて、このような答申をいただいたものかと思います。
その後、そこから数えますと、現在4代目の答申が現行のものになってございます。
これは平成27年度に予定していた目標期間といいますか、対象期間を終えることになっておりますので、今回近年の社会動向、環境問題の動向等を踏まえまして、新たな戦略の御議論をいただきたいというものでございます。
続きまして、資料5-4の2ポツでございますが、この間、22年以降、今日までに政府全体、それから環境省の中等でどのような政策動向があるか、それを推進戦略の議論の背景として考える必要がありますので、それを整理しております。
2ポツに政府全体の動向がございますが、政府としましては、総合科学技術イノベーション会議で、科学技術基本計画というものをつくっておりますが、特に近年は、そこから成長のためのイノベーションを重視した政策を強調しておるところです。
科学技術イノベーション総合戦略というものが平成25年にできまして、26年6月にさらに改定されて、閣議決定されております。そこで、強調されておりますのは、日本の経済再生に寄与するという観点から、原動力となる科学技術イノベーションというのが強調されているところでございます。
具体的には、再生可能エネルギーの供給拡大ですとか、革新的なデバイスの開発といった省エネルギー、それからCO2削減対策について言及がある、あるいは環境技術といたしましては、温暖化ガスの観測といったモニタリングと、その利活用、それから資源循環・再生といったものが具体的に例示をされているところで、そういったものが成長のためのイノベーションに寄与する環境技術の例として示されているところです。
科学技術基本計画自体が28年度、再来年改定ということで、今後、政府の中で議論が進められることになっています。その中でも、この現行の成長のために寄与するというところを念頭に置きまして、今後の議論として、例えば、人材の育成や流動化、組織制度の改革等々が基本計画に盛り込むべきであるということで、現在議論が始められているところでございます。
裏にまいりまして、一方、環境省におきましては、ここでまさに議論されておりますとおり、第4期環境基本計画におきまして、また、今年おまとめいただきました意見具申におきまして、低炭素・循環・自然共生の各分野の統合的な達成を目指す、また、統合的なアプローチの進展を行う。あわせまして、特に近年の社会経済情勢を踏まえまして、地域経済、資源の循環による地域振興・ライフスタイル変革に取り組む必要性などが御提言いただいているところでございます。
科学技術関係につきましても、その中で重要性を指摘いただいているところです。
それから、4つ目といたしまして、制度関係におきましては、環境省では、この平成22年の推進戦略、できましてから毎年フォローアップを作業しております。直近のフォローアップの結果について、また次の資料に出てまいりますので、後ほど説明させていただいておりますが、フォローアップをずっとしてまいりました、そこでの反省事項等もございますので、それを踏まえて、今回議論をいただければと思っております。
また、環境省、国立環境研究所を所管しておりまして、国の環境研究の中核的な機関として役割を果たしていただいているところですが、この長期計画が平成27年で終了しまして、28年度から改定を行うことも予定されております。
これはこれでまた別途、そのための場で議論をいただくのですが、このたび、中環審におきましても、国立研究機関の環境の特区である国環研がどうあるべきかということについて、ある程度、御提言をいただければと考えているところです。
続きまして、資料5-5を見ていただけますでしょうか。
先ほど言及いたしましたフォローアップの結果でございます。22年に現在の答申ができましてから、毎年環境省の委託先に検討会を設けまして、フォローアップの作業をしていただいております。昨年度までは、東京大学の名誉教授の安岡先生、今年度は、放送大学教授の岡田先生に座長になっていただきまして、毎年環境省あるいは文科省といった各省庁の研究に対する資金がどういう環境分野に配分されているか、あるいはそれによってどんなアウトプットが出ているかというところを相談いただきまして、できているところ、まだ足りないところというのを整理いただいています。
この5-5を開いていただきますと、ページ番号が打っておりませんが、3ページに相当するところから、現行の戦略が重点課題を17挙げております。その17の重点課題ごとに、この4年間進展が見られたテーマ、それから今後取り組むテーマ、まだ足りないところといったところがパターン的に整理されております。詳しい説明は割愛しますが、本体は、今回の参考資料6にございます。それを要約したものがこのパワーポイントでございます。それから、資料5-5の最後のページが、個々の研究分野の進展状況とは別に、それを支える研究体制について、実績と今後の課題が整理されているところでございます。
最後、資料5-6を見ていただけますでしょうか。この新たな推進戦略の策定に向けた論点と、今後のスケジュールとして、私ども環境省事務方が考えているものを説明させていただきます。
1ポツ、想定される論点でございますが、これはなかなか不易流行なところもありますが、まずは、人類が直面する環境問題を解決するための環境技術の開発・普及を進めると。それとともに基礎・基盤分野としての環境研究、これも忘れてはいけないということで、戦略的な充実を図るべくと。統合的な環境分野の研究の振興や研究者の育成が不可欠であると。そういうのが前提でございますが、現下の社会情勢や政策動向を踏まえますと、いかに列記してあるような論点が今回の議論の中で、まずは取り上げるべきかと考えております。
1つは、領域融合的な研究・技術開発の推進、これは現行の戦略でも重視しているところですが、なかなかこういうものを実際に研究提案に出していただいて、研究を進めていくのは、なかなか難しいところがございますので、ここをさらにしっかりやっていくためにはどうしたらいいのかと。
それから、2つ目が、地域経済・資源の循環による地域振興・ライフスタイル変革等に向けた取組のあり方、これを促すような研究技術開発のあり方。
3つ目が、地球温暖化対策における研究・技術開発の面からの貢献。
4つ目が、東日本大震災を契機としました災害による環境への影響の把握や、軽減に向けた研究・技術開発。これは私どものほうでは、国立環境研究所が平成28年度から福島に支部を設けまして、そこで災害環境研究を行うセンターを福島県と協力して行うことになっておりますが、そのほか、中間貯蔵関係の技術開発等も予定されているところでございます。こういった研究技術開発のあり方。
それから、5つ目、6つ目にございますのが、今の体制の話としまして、研究開発支援制度のあり方、それから、国立環境研究所の機能強化のあり方といったところが、ひとまず私どもが考えている今回の主な論点かと思っております。
それから、今後のスケジュールでございますが、本日、この諮問が始まったということで、先生方からいろんな方向性の御示唆をいただいた上で、来年1月から半年ほどかけて、専門委員会で御審議いただきまして、来年半ばごろに答申をおまとめいただければと思っております。
このタイミングを考えておりますのは、来年度の例えば私どもの公募による研究資金であります環境研究総合推進費の募集のタイミングなどを考えますと、このころに研究の方向性をいただければ、それが直接反映できるかというところで考えている次第でございます。
しかしながら、一方で、つい1つ前の議題でございましたように、環境基本計画の点検作業で、来年度まさにこの研究・技術開発が重点テーマになっているところでございまして、これは来年いっぱいかけてまとめていただくことになるかと思っております。
少なくとも、その中で、いろんなヒアリング等をされていく情報をいかにこの部会でやられる議論と、この専門委員会でやられる議論を有効にかみ合わせるかというところは、ちょっと工夫をする必要があるかと思っております。
ですので、6月ごろのタイミングをどこに持っていくかというところは、専門委員会を進めながら、また議論をその中で行っていって、と思っておりますが、おおむね半年程度議論をいただければと考えているところでございます。
以上でございます。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
ただいまの事務局からの説明について、委員の皆さんから御意見等をお伺いしたいと思います。
発言のある方は、席札を立てていただきますようお願いいたします。
浅野委員。
○浅野委員 ぜひしっかりした計画、戦略をつくっていただければと期待をしたいと思います。
それにしても、大変予算が厳しいという状況の中で、どうしてもこの戦略で掲げている理念、方向性というものと、財務省と折衝して、実際にお金をもらうということの間のギャップを感じるわけです。どうしても最後、お金がなければ何もできないということになってしまうんですが、財務省がなかなかこの戦略を理解してくださらない。そちらのほうの発想だけで研究費の査定が行われてしまうというようなことがどうもあるようで、実際に研究費の現場を見てみますと、その点での多少の危機感を感じます。
ですから、ぜひ政府全体の中でちゃんと通用するような戦略にしていかなきゃいけないと思います。とりわけ、基盤的な研究がともかくないがしろにされてしまうという傾向があって、それがないと、環境研究はやっぱり先へ伸びていかないと思うのですけども、どうしても当面の政策に貢献するというところに重点を置き過ぎてしまうとそれだけではまずいなと思います。
さらに、このことのまずさは、若い研究者が育ってこないということに現れているように感じられるのです。でき上がった研究者ばっかりがお金を大量にもらうという状態が続いてしまって、今の状況ではなかなか若い人が育たない。
結局、環境研究というものについて、かつてのような情熱を持って取り上げられないということになってしまう。こちらの要求はむしろ分野領域横断的に研究をやっていただきたいということにあるのですが、そんなことをできる人がいなくなって、ますます狭い分野で業績を上げなければドクターがとれませんから、狭い領域でのテーマにしか関心がないという若い人たちの動きと、この制度のギャップがますます大きくなってしまっている、そういうことを現実に感じていますので、これをどう埋めるかということが大きな問題ではないかと思います。
なお、同じように環境研究として環境省の中で扱われているものの中で、環境経済だけは別枠になっていて、そのためにどうも接点がうまくつながっていないという現実があるように思われます。ですから、独立で別に枠をつくられてしまっていて、総合的な検討枠組みからのチェックが働かないというシステムは、どこかで見直さないとおかしくなるんではないかと感じます。
こちらの総合的な環境研究には余り関心を持ってくださらないものですから、こちらの研究での社会科学的な観点が弱くなってしまうという傾向が進んでいます。
それから、もう1点、ここでは国立環境研究所の名前が出ていますけども、多少組織の位置づけは違うのですが、国立水俣病総合研究センターがあって、大変良い研究をやっているのです。特に水俣病条約がこれから動き始めるときに、国水研の役割は極めて大きくなるだろうと思いますが、どうもこの全体としての環境研究の国の枠組みの中で、それだけは外に置かれていて、勝手にやれと放り出されているような感じがある。もっと連携が深まるようにということが必要だと思いますので、戦略の中では、ぜひそのようなものは取り残されないようによろしくお願いしたいと思いますし、本当にいい仕事をしているということが、もっと評価され、多くの人々に情報が流れるようにという工夫も必要だと思います。これは国水研の評価委員会では、たびたび申し上げておりますけども、何しろ弱体で人数が少ないし、設置されている場所が本省から遠く離れているものですから人目につかないという大変困った状態にあります。ぜひ、これをこの際、存在と働きを確認し、これを励ますことができるような戦略としていただければと思います。
○武内部会長 ありがとうございました。
それでは、崎田委員、お願いします。
○崎田委員 ありがとうございます。
私は民間側の人間ですので、環境研究とか、技術開発をしていただく専門家の方とは非常に遠い場所にいる人間なんですけれども、実は、これからのこういう研究というのは、できるだけ現実の社会の課題解決につながるようなところが非常に重要ということで、このところ、いろんなところでそういう技術のところできちんと民間の意見を言わせていただくという機会が増えています。
ですから、今5-4で御説明いただいた、第4期総合科学技術基本計画の策定の専門委員会などにも入り、その後の文部科学省のいろんな科研費に関する審査のプロジェクトなどにも入らせていただいた経験がありまして、そういうことから申し上げますと、資料5-4の一番下に、今後の展開に関しての今後大事になるであろうという視点が(1)(2)(3)(4)とありますけれども、私はこの4番について少し発言させていただきたいなというふうに思います。
それで、(4)のところに、「科学技術イノベーションの協働の深化と地域からの創発の推進」とありますけれども、やはりしっかりとした研究をして、その成果がどういうふうに地域の課題解決につながるかを見るときに、成果が出てから解決の、どうやって広めるかということだけではなくて、やはり研究開発の仕方で、きちんとどれだけ課題のあるステークホルダーとか、地域とか、そういうところを巻き込んで研究をすることで定着させるという可能性があるとか、そういう研究の仕方ということに関しても、かなり課題になっているというふうに考えています。
そういうようなことが、今後の皆さんの検討の中で、きっと大きな課題の1つとして取り上げていただけるのではないかと思って、資料5-6というのを拝見しています。
そうすると、1番の「想定される論点」というところの、最初の丸の2番目、こういう地域経済・資源の循環、循環だけではないですが、地域振興・ライフスタイル変革に向けた取組のあり方とか、こういうところにもつながってくるのかなというふうに思っています。
こういうことを考えるに当たって、先ほどの御説明で、今度の点検にも関係してくるというお話がありまして、私はぜひそこのところをしっかりとつなげていただきたいと思ったのは、先ほど御説明いただいた、資料4の1ページあけた重点検討項目のところの1ページ目の下に「グリーン・イノベーションの進展」というところで、一番下にb)の国が実施した研究・技術開発成果の社会実装状況をきちんと点検するとありますけれども、このときに、ぜひ成果がどう実装されたかというふうに書いてありますが、これをいろんな内閣府とか、農水さんにお願いをするときに、ぜひ成果の実装だけではなくて、実装を目指した研究の仕方とか、あり方とか、そういうところにも配慮があるそういう研究がある場合は、そういうところの様子を出していただくとか、そういう視点も考えて、点検のところのデータを出していただくとありがたいかなというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。
○武内部会長 ありがとうございました。
三浦委員、お願いします。
○三浦委員 ありがとうございます。
私、最近、再生細胞医療の研究と産業化の推進に関してのお仕事をさせていただくなかで、こちらの研究所にもぜひ生かしてほしいということが2点ございます。
1つは、再生細胞医療は、単に厚労省、文科省だけではなくて、経済産業省も相当熱心に産業化に向けて頑張るんだという姿勢で、あちらこちらでプロモーション活動をしており、今どういう研究が、どういうふうに進んでいるのか、どれぐらいお金が要るのかということを相当細かく情報を収集し、発表している姿勢はみならうべきかと思います。
政府が一丸となって取り組みをしていますと、必ず国際的にも情報はキャッチされて、国際間でも、今、日本のそうした産業はどうなっているのかと問い合わせが入ってくるという良い循環ができています。やはり環境についても、先進環境研究立国と言われていますので、もう少し国際的な視野を意識した研究開発推進戦略を練っていただきたいということが1点。
もう1つは、再生・細胞医療は非常に企業の力を重視していて、単に税金で何から何までを賄いましょうと考えていません。企業に対しても、単に研究費を寄附してくださいということではなく、その企業の研究機関を生かし、いかに企業が利するかということも視野に入れながら研究を推進することによって企業はもちろん国の戦略も成熟し、双方で、ある目標をなし遂げていきましょうというような仕組みが徐々にでき上がってきます。再生細胞分野ではそうした機構や法人が立ち上がっています。私は、研究機能の全てを国環研に任せるのは非常に難しいのではないかなと思います。環境分野も多岐にわたっていますので。そういった面では、例えば自動車メーカー、機械メーカー、あるいは食品メーカー、とすぐれた、自らが研究機能を持っている企業ともぜひ積極的にタイアップをして、研究の中身をいろんな人に活用していただけるような、オープンなものにしていっていただきたいと思っております。
以上です。
○武内部会長 ありがとうございました。
山本委員、お願いします。
○山本委員 私は、国立環境研究所にぜひ長期的に取り組んでいただきたい、そういうテーマが二つあるのではないかと、こう思うんですね。今、御紹介いただいたこのフォローアップの中にはどうも出てこないんで、ちょっと気になって発言させていただきます。
その第1は、どうも日本の研究テーマの設定の仕方、問題意識等には、この最悪シナリオということを考えていない、これがどうも私には非常に問題だと思われておりまして、というのは、この地球温暖化は非可逆性、それから、あるところでティッピング・ポイントを超えるかもしれない、これが大変、非常にリスクのある問題でございます。ご存じのようにヨーロッパの人工衛星の観測によって、今、年間、北極・南極で5,000億トンの氷が失われているということがわかってまいりまして、3分の2はグリーンランドで、3分の1は西南極大陸ということで、大変なことが今起きている。この北極圏が急速に温暖化が進んだ場合、そこの氷を保全しなければいけないということで、特に北極圏だけ急激に冷却する必要がある。そこでジオ・エンジニアリングという手法が今提唱されて、これはアメリカ、イギリスは予算をつけて、既に研究開発を行っているわけですね。ですから、そういう最悪シナリオについて、日本のどの研究機関もそういうことを考えていない。研究を行っていない。これは大変大きな私は問題だと思います。さらに、この今回のIPCCの第5次報告書では、初めて明確に、この温暖化が進めばバイオレント・コンフリクトが増えてくると。これはかなり多くの研究がアメリカで行われていて、例えばアメリカでは、平均気温が1℃上がると、1%さまざまなそういう暴力事件とか犯罪が増えるというデータがあるわけですね。ですから、私は、国立環境研には、ぜひあるグループで、この最悪シナリオを常に想定して、長期的将来にわたって研究を行っていただきたい。
2番目の問題でございますが、これも日本の研究は非常に私は遅れているというか、欠けているのではないかと思うのは、この国際社会をいかにガバナンスするか、特にこの環境ガバナンスの問題をどうするか、これは2009年以降、地球的境界条件、それから、さらには社会的な境界条件、その二つの境界条件の内側で問題を把握しなければならないということが、今、欧米では特に、一番基本的な考えになってきつつありまして、したがって、この地球的境界条件、社会的境界条件の中で、いかに国際社会をガバナンスするかと、この問題が極めて重要だということで多くの論文が書かれているわけでありますが、残念ながら日本では、ほとんどと言っていいほどその組織的な取組が行われていない。これは、国連システムがほとんど機能してないということは周知の事実でありますが、ぜひこのガバナンスの問題も、こういう国立環境研のような組織で、ぜひ長期的視野に立って研究をして、国際貢献、あるいは日本の政策決定に貢献していただきたい。
以上、要望を述べさせていただきました。ありがとうございました。
○武内部会長 ありがとうございました。
冨田委員、お願いします。
○冨田委員 ありがとうございます。意見を申し上げる前に1点ちょっと確認させていただきたいのですが、三浦委員も御指摘されましたように、環境分野の研究、技術開発というのは環境省さんだけではなくて他省庁、それから民間もやられているわけですが、この推進戦略はどこをターゲットにしているものかというのがちょっとわからなくなってしまいました。というのは、フォローアップのほうは環境省関係のことについてフォローをされているということですけれども、推進戦略としては、国の推進戦略というふうに捉えていいものかどうか。例えば、こういうことをやったらどうでしょうかという意見を申し上げたときに、これは環境省の分野じゃないですよと言われてしまうのか、言われる可能性があるのかどうか、その点について教えていただけますでしょうか。
○武内部会長 ありがとうございました。
末吉委員、お願いします。
○末吉委員 ありがとうございます。技術のことはよくわからないんですけれども、金融の視点から見ますと、研究や技術開発の成果をどう活用するのかという非常に大きなポイントじゃないかと思っております。そうしたことからすると、ここで生まれた技術が、あるいは研究成果が、先ほどの言葉で言うと社会実装と言うのですか、実際に事業化され、商業化される、その辺のところはここは関係ないんでしょうかと。実は、私が見ている金融の世界から見ますと、新しく生まれる技術をどうやって産業化、ビジネス化するのか、そのために金融が何をするのか、それこそがグリーン金融の一番重要な任務だと、こう思って世界は動いております。そういうのからすると、こういった研究、技術開発の出口戦略として金融技術の研究開発も必要じゃないかと、新しい金融商品がどんどん生まれ始めております。例えば、最近ですとグリーンボンドというのが出て、グリーンビジネスの推進に非常に大きな資金を提供し始めております。そうすると、ここでは、基本的にはハードの技術の開発に限定されているんでしょうけれども、どこかでやはりそれを生かしていくためのソフトの技術開発、その中で私が特に重要だと思っているのは金融技術だと思うんですけれども、こういった面もぜひどこかでカバーできるようにお願いしておきたいと思います。
以上です。
○武内部会長 ありがとうございました。
中杉委員、お願いします。
○中杉委員 すみません、私、ここで唯一、国環研のOBなんですが、そのことに関してはちょっとコメントを差し控えさせていただきます。長年、研究開発に、国の研究予算に対する申請の審査をやってきた経験から、感想めいたみたいな話なのですが、三浦委員、冨田委員が言われていた民間の研究が対象になるのかどうかというところが非常に大きなポイントでありまして、国の研究の課題の審査をやっていて、いつも見ると、やはり二流が来ているなと。要するに非常に先進的なところは、もう民間でやられているのではないだろうかと。国には、その民間が自分のお金ではできないようなものが出てきているのではないか、進出されてきているのではないかと、そういう印象を常に持ってやってまいりました。そういうふうなことで考えると、このフォローアップ全体としてやるときに、やっぱり民間も含めて、どういう状況にあるのかというのを見る必要があるだろうと。この中では入らないのかもしれませんけど、そういう形が必要であろうと。
それからもう一つ、そういう観点でいくと、昔やってはいるんですけれども、実際にやられた研究者が、どれだけ研究成果が活用されたか、これはなかなか難しいんですが、研究者同士で選んでいますので、研究者としておもしろいという観点でいくと採用される可能性がありますと。ただ、実際に見ると、ちょっと最初からどうなんだろうか、実用化ということを考えると、なかなか無理かもしれないなというようなものも結構あります。そういう意味でいくと、実際にどのぐらい、こういうふうなお金を使ってやったのが、どれだけの成果を挙げたのかという評価、これはなかなか、非常に難しい課題ですけれども、やはりそういう視点で物を見ていく必要があるんじゃないかと。私もそのように関わりながらやっていますが、ある意味では天に向かって唾をしているようなところがあるんですが、ちょっと感想めいたことを申し上げて、今後の検討の方向として考えていただければと思います。
○武内部会長 ありがとうございました。
岡田委員。
○岡田委員 ありがとうございます。このフォローアップの結果というのは、最後の表を見ていますと、先ほどどなたかの委員の御質問もあったみたいに、環境省の領域が中心になっていますかという質問がありましたが、それぞれとやや絡むところなんですが、今から16年ほど前ですか、地球環境戦略研究機関というのをつくりました。これは環境政策に関して、いわば政策提言ができるような研究機関を、できれば国際的な研究機関をつくりたいということでつくって、もう16年ぐらいになると思うんですが、これなんかは、この位置づけの中でいうと、もうあそこは別の公益財団法人だから、別に、勝手にやってりゃいいんだということなのか、こういう中で位置づけで、一緒に考えていくべき分野になっているかというあたりはぜひ教えていただきたいと思います。
○武内部会長 よろしいでしょうか。大変多くの御意見、御質問をいただきました。今日、時間の関係もございますので、御意見のほうは、今後、設置される委員会の中の議論に反映させていくというふうな形で対応させていただければと思いますが、御質問もかなりございましたので、室長のほうから回答をお願いいたします。
○吉川環境研究技術室長 ありがとうございます。
御質問、まず冨田先生の、これは環境省の戦略なのか、国全体の戦略なのか、政府の戦略なのかというターゲットの話ですが、戦略自体は、我が国として環境研究、環境技術開発全体として何が足りなくて、何をすべきなのかという観点でおまとめをいただいております。ですので、全てを含むわけですが、ただ、実際にそれを実現する政策手段ということを一方で念頭に置くと、どうしてもその環境省の予算で、環境省の研究費等で行うことというのが中心になったまとめに従来なっているのは確かでございます。ただ、先ほど末吉先生からもありました、例えば金融といった手法を使うですとか、あるいは民間の研究の、三浦先生にありましたような企業の力を活用するといったような切り口をできるだけ入れて、その政策手段も組み合わせて、できるだけ国全体の環境研究の動向について考えると、その中でしっかり、確実に頑張るところは、その国の環境省の予算でできるところと、それから、もうちょっとそれは別の手法で方向性として出すところといったところをつくっていくのかなと思っております。
それから、岡田先生から出たIGESの位置づけでございますが、これ、すみません、全くここに、確かにIGESの話が出ておりましたが、ただ、研究の分野として温暖化関係の、特にその政策のあり方ですとか、国際的なガバナンスのあり方といったところについては、その研究重点分野の中に従来から含んでおりまして、その中で、IGESが例えばやっておるような研究というのは含んでおりまして、実際に、これを踏まえて彼らも研究を進めていただいているところはあるかと思います。ですので、大きなそのビジョンとして、そういった法人も含めた研究開発の方向性について提示をするものというふうに考えております。
そのほか、いろいろ貴重な御意見をありがとうございます。座長からお話がありましたように、含めまして、御意見を踏まえまして、専門委員会での議論に反映させていければと思っております。
○武内部会長 それでは、お手元に配付させていただいております諮問事項について、中央環境審議会議事運営規則第9条に基づき、環境研究及び環境技術開発を重点的に推進するための戦略のあり方に関する調査を行う環境研究技術開発推進戦略専門委員会にて検討いただくということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○武内部会長 ありがとうございました。
なお、中央環境審議会議事運営第9条第2項では、専門委員会に委員長を置き、部会長の指名によりこれを定めるとされております。この規定に従いまして、従前より安井委員を同専門委員会の委員長に指名しているところですので、安井委員長よろしくお願いいたします。
安井委員、よろしいでしょうか。それでは一言、安井委員長のほうから御発言をお願いしたいと思います。
○安井委員 大役でございますけれども、引き続き引き受けさせていただきたいと思います。
実を申しますと、先ほど御紹介のありました前のバージョン、平成22年6月のバージョンも、実を言うと私、委員長でつくらせていただいたものでございますが、先ほどいろいろございます状況のうち、述べられていないことでは、第4期の科学技術の基本計画ができたときにグリーン・イノベーションというのがあったんですけど、いわゆる環境というその取組が基本計画の中から概ね消滅していたということがあるんですね。これ、大変なことで、それもあって、そのいろいろな基盤的な研究が少しおろそかになったかなと。最近、内閣府がやっとそれに気がついて、また少し復活を図っておりますけれども、そんなこともありますので、これは注視をしていかなければいけないと思っています。
あと、細かいことになってしまうかもしれませんが、確かにこの資料の5-6で事務局案が示されておりますけれども、大体こんな方向性かと思っています。全球レベル、地球レベルの気候変動の話、それから災害の話等々いろいろ考えてきますと、やはり全球レベルに加えまして、やはり地域みたいなところでそれぞれの分野、低炭素、循環、自然共生になるのかもしれませんけど、そういった分野がどういった形でうまく一体化して実現されていくかみたいな感じの研究、それが経済活力につながるかになるのかもしれませんが、そういう地域みたいな見方は、やはり非常に重要になっていくのではないかというのが一つの感覚。
一方で、フューチャーアースみたいな、そのICSUを中心としてやられているような世界的な動きもございますので、やはり、地球レベルでの対応というのがやはり重要になってくるだろうというのも一つの感覚と。その中間をどう取り扱うというのが非常に難しいんですけど、とりあえずは、その両端の重要性を重視して、それで多分入っていくのかななんていう気がしておる次第でございます。
先ほど、全く別の件であれですけれども、一旦書いてしまうとこれ改定できないんですね。それで5年前につくったのは、やっぱりもう明らかに古いんですよ。それで、このあたりも、ですからあまり細かいことまで書かないほうがいいかなと逆に今は思っていたりしまして、それで、特に前回ちょっとキーワードを出し過ぎて、こういうキーワードで書くと予算が取れるという、そういう誤解を与えてしまったという悪いことがありましたので、なるべくキーワードは自分で考えろというほうがいいのかな、なんていうことも今考えている次第でございまして、いずれにいたしましても、その過去の問題も一応把握をしておりますし、今いろいろとご注文いただきましたので、委員とともに考えてまいりたいと思います。よろしくお願いします。
○武内部会長 どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
なお、同専門委員会に所属すべき委員、臨時委員及び専門委員についてでございますが、前回の専門委員会の後に退任されておられる方もおられるということでございますので、「中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置について」に基づきまして、事務方と相談の上、私から後日、追加指名等の手続をとらせていただきたいと思いますので、どうぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。
それでは、次に公害防止計画小委員会の廃止について、事務局から説明をお願いいたします。
○吉野環境計画課課長補佐 資料6を御覧ください。総合環境政策局環境計画課の吉野と申します。公害防止計画小委員会の廃止をお諮りすることについて、御説明いたします。
公害防止計画は、環境基本法第17条に基づいて都道府県知事が策定をする計画となっております。計画のうち、公害防止のための下水道の設置、しゅんせつ、客土などの事業につきましては、計画のその部分についた公害財特法に基づく公害対策事業計画として、そこに掲載された事業については国の財政支援を行うという仕組みとなってございます。公害防止計画小委員会では、公害防止計画制度に関しまして、公害防止対策事業計画の同意に当たりまして、各地方公共団体の環境の状況や計画内容の確認を審議いただいてまいりました。直近では、平成24年3月に、地方分権にかかる公害防止計画制度の見直しを踏まえた21の地域の公害防止対策事業計画の同意について、ご審議をいただいております。このときに、対象となりました公害防止対策事業計画ですが、策定年限は5年から10年と比較的長く設定をされましたことから、公害防止計画小委員会については、平成24年3月以降、2年以上開催しないという状態が続いてございます。そのため、平成24年11月の中央環境審議会総会で決まりました2年間開催のない小委員会に当たりまして、原則廃止という手続を事務的にとらせていただきます。そのため、本日、総政部会決定について、資料6にあるように改正をさせていただきたいと考えております。
それでは、今後の公害防止計画制度の運営について簡単に御説明いたします。現在、計画を進めております21の地域ですが、先ほど申し上げましたとおり、計画年限が5年から10年と比較的長く制定されております。そのうち神奈川県、千葉県が27年度まで、富士地域が29年度まで、残り18地域が32年度までの計画期間となってございます。したがいまして、本年度中は延長などの同意が必要となるような事態は見込まれないという状態でございます。平成27年度以降でございますが、公害防止対策事業計画の見直し、延長など大臣同意が必要な手続が協議された場合、前例を見ますと、自治体の予算編成などの予定などとの関係もありまして、中央環境審議会には大体2月から3月に審議をお願いしております。総合政策部会は、その時期、通常開催をしない時期でございますので、大臣同意が見込まれた場合には、その年度の秋口の総政部会で再度小委員会の設置をお諮りいたしまして、手続を進めさせていただくことでどうかと考えてございます。
説明は以上でございます。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
この中環審のルールに基づいて、2年間一度も会議を開催していない委員会については、一応廃止をすると。ただし、今の説明のように必要な事態が生じたら、また、それは小委員会ということで再度立ち上げて審議をしていただくというようなことでございますけれども、これについて、特段の御意見はございますでしょうか。
岡田委員、どうぞ。
○岡田委員 まさに前回の22年のときに小委員長を仰せつかっていたのは多分私だと思いますので、ただいまのご提言は、必要があれば、また再度お願いするということのようですから、私としても支持いたします、賛成いたします。
○武内部会長 ありがとうございました。
ほかに御意見はございますでしょうか。もしないようでしたら、原案のとおり、中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置についてを改正することに御異議ございませんでしょうか。
(異議なし)
○武内部会長 ありがとうございました。
それでは、ちょうどあと5分ぐらいを残して、予定していた議題が終わりましたので、本日の審議は終了となりました。
事務局から連絡事項についてお願いをいたします。
○小堀環境計画課計画官 本日は活発な御審議どうもありがとうございました。今年の点検はこれで終了ということになります。連絡事項ということでございますが、事務局としては、年度内審議予定はございませんで、次回は、先ほどスケジュールのときにお諮りしましたとおり、来年4月以降の開催となる予定でございます。ちなみに、附言いたしますと、中央環境審議会の委員の任期、平成27年2月7日までということで聞いてございまして、今回が任期内最後の総政部会になろうかと存じます。ここで、武内部会長のほうから御挨拶いただければと存じます。
○武内部会長 この2年間、総政部会長を仰せつかってまいりました。折しも私、2年前から中央環境審議会の会長ということで、そちらのほうもやらせていただいておりましたけれども、前会長の鈴木基之先生が、この審議会の運営の効率化ということを考えて、部会の統合、それから、それぞれの部会における委員の人数の制限ということを提案されまして、さらに、石原大臣がそれをさらに加速化させるという方向で見直しがあったわけでございます。そういう中で、この総政部会については、従前はずっとこの辺まで総政部会委員が座っておりまして、1回発言をするとほとんどそれで終わるという、そういう会であって、ややそういう意味で自主的な審議がこれまでできないという状況が2年前までは続いておりましたけれども、今日、実際に皆さんに御審議いただいたことからもわかるように、いろんな点で自主的な議論ができてきたということは、大変私はありがたいことだと思っております。この環境基本計画そのものについては、少し先に、見直すというときには大胆な見直しができるんですけれども、点検という中で、皆さん多少フラストレーションのたまるようなことがあったかと思いますけれども、そういう点も、今後少し改善するような方向で事務局も検討していただけるんじゃないかというふうに思っております。
私は、ずっと総政部会は長いのですけれども、従来はあまり出なかったんですが、出なかったという言い方はちょっと語弊がありますけど、出られなかったんですけれども、今回、ずっと通して出席をさせていただいて大変勉強になりました。また、この総政部会の全体を先導するという視点の重要性も改めて認識をした次第でございます。本当に2年間どうもありがとうございました。また、御縁があればどこかでお会いしたいと思います。どうもありがとうございました。
○小堀環境計画課計画官 ありがとうございました。
次に、事務局を代表いたしまして、総合政策局長の小林よりご挨拶申し上げます。
○小林総合環境政策局長 総合環境政策局長の小林でございます。本日も熱心な御審議を賜わりましてありがとうございました。今、武内部会長からもございましたように、委員の先生方の任期、まだ二、三カ月ございますので、また、いろんな御相談に乗っていただきたいと思っておりますが、総合政策部会としては、実際上、最後になる可能性が高いということで、一言御礼のご挨拶を申し上げます。この2年間にわたりまして、特に環境基本計画の点検ということを中心に、大所高所から、またきめ細かいところまで、いろんな点検をいただきまして大変ありがとうございました。これを実際の行政に反映していくというのが重要なことでございますので、これは関係省庁などへの働きかけも含めまして、しっかりやってまいりたいと思っております。
それから、今日の御審議でもございましたが、それから、また総体からも意見具申をいただいておりますように、低炭素社会、循環型社会、それから生物多様性社会を統合的に実現していくということが大きな目的でありまして、そのためには環境、経済、社会、これ三つにしっかりアプローチをしていくとこういう大きな目標をいただいております。今日もそういう観点からの御発言が多かったと思っております。大変壮大な目標でございますが、これをもう少し具体的な形にしていくのが重要な使命だというように考えておりますので、よろしく申し上げたいと思います。
また、そういう意味で、いろんなステークホルダーとしっかり連携していくということが重要でございますので、割と身近なところにあるステークホルダーについても、まだまだしっかり連携を組めていないというような御指摘もいただきましたが、この辺もしっかり心してやっていくべきことかなと考えているところでございます。引き続き、環境行政全般にわたりまして、こういった会議の場でも、また個別にも、ぜひ御指導賜わりたいと思っております。引き続きのご尽力をお願いし、また、この間の御審議に御礼を申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。
本当にありがとうございました。
○小堀環境計画課計画官 どうもありがとうございました。
それでは、これにて散会とさせていただきます。
どうもありがとうございました。
午後5時00分 閉会