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三日坊主だった私が見つけた習慣化のコツ 毎日ブログ更新を7年間継続できた「小さなルール」

習慣化のコツ

継続したい「習慣」があっても、始めるのがおっくうだったり、途中で挫折してしまう人は少なくありません。

7年間毎日ブログを更新してきたライターのあやめしさんも、以前は「三日坊主」だったと振り返ります。

そんなあやめしさんが新しい習慣を「継続」するために実践してきたこと、そして継続がもたらした「変化」について寄稿いただきました。

三日坊主だった私が「毎日ブログ更新」を始めた理由

💡POINT
  • 「継続」も「書くこと」も苦手だった
  • 休職中「現状を変えたい」と思いブログを毎日書くことに
  • 「まずはやってみよう」と軽い気持ちでスタート


子どもの頃から、計画的に何かを続けるのが苦手でした。夏休みの宿題は最終日まで溜め込むタイプ。

「今度こそは」と新しい日記帳を買っても、使ったのは最初の数ページだけですぐに三日坊主に。真っ白なまま眠るノートが、家にいくつもありました。

文章を書くことも得意ではありません。小学生の通知表では「自分の気持ちを文章で表現できる」という項目だけ、いつも低評価。

そんな私が「ブログを毎日更新する」という習慣を始めたのは、ひすいこたろうさんの『あした死ぬかもよ?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という本に書かれた言葉がきっかけでした。

習慣化のコツ

「1000回、心をこめてやると、全く新しい自分になれる」

激務で心身を壊し、休職中だった社会人2年目の私に、この言葉は強く響きました。「1000回続ければ、バランスが崩れた今の現状を変えられるかもしれない」と思ったのです。

そうして選んだのが「毎日ブログを書く」という習慣でした。

当時はモヤモヤした頭や心を整理するためにジャーナリングを少しずつ始めていたので、「どうせならブログという形でアウトプットするのはどうだろう」と考えたのです。

とはいえ「継続」も「書くこと」も苦手だったので、最初から「1000日やるぞ!」と気合を入れていたわけではありません。

むしろ「1000日続けられたら、ちょっとかっこいいかも」くらいの軽い気持ち。いきなり高いハードルを掲げたのではなく、「まずはやってみよう」からのスタートでした。

「継続」のために工夫した4つのこと

三日坊主の私にとって、継続はやっぱり簡単なことではありませんでした。

しんどくなったらすぐに続けられなくなるのは分かっていたので、「無理なく続けられる工夫」をいろいろ試しました。

その中でも特に効果があったのが、次の4つです。

💡POINT
  • 【1】シンプルなマイルールを決める
  • 【2】仲間と一緒に取り組む環境をつくる
  • 【3】日常の中で「ネタ探し」をする
  • 【4】「今日だけはやる」を積み重ねる


【1】シンプルなマイルールを決める

最初に決めたのは、とてもシンプルなマイルール。「日付が変わるまでに必ず記事を1本更新する」というものです。

文字数も内容の完成度もこだわらない。とにかく「その日のうちに1本書き上げる」ことだけを守る。

このルールを守るため、時には飲み会帰りの駅のホームで、電車が来るまでのわずかな時間にスマホで記事を書いたことも。

残業で家に帰ったのが23時56分で「あと数分しかない!」と慌てて書き上げたこともありました。

習慣化のコツ

内容が拙くても、とにかく日付が変わる前に「更新」のボタンを押せればクリア。たった一つのルールを破らないようにすることが、続ける上での軸になりました。

【2】仲間と一緒に取り組む環境をつくる

とはいえ、1人で挑戦を続けるのは心が折れそうになる瞬間が何度もあります。

なので、同じようにブログなどで「毎日更新に取り組む人」が集まるコミュニティに入ってみました。そこでは、その日の更新を終えたらURLと一緒に報告するのがルールでした。

自分1人だと弱気になっても、同じように努力している人の存在が目に入ると「もうちょっと頑張ろう」と思えるんです。

更新するたびにコミュニティで報告することが励みになりました。

習慣化のコツ

私が紙のノートではなく、Web上のブログを選んだのも同じ理由です。

ノートなら書かなくても誰にも分かりませんが、ブログは世界に公開される場所。

そこに書けば「誰かに見られている」意識が生まれます。

自分の挑戦を1人で抱え込まず、他人の目を味方につけることで、継続の意思力が強くなったのだと思います。

【3】日常の中で「ネタ探し」をする

毎日ブログを更新していると「今日は何を書こう?」と迷う日が少なくありませんでした。

それでも続けていくうちに「日常の中には意外とネタが転がっている」ということに気付きました。

自分にとっては当たり前のことでも、他の人にとっては新鮮だったり、共感できることだったりする。

だからこそ「こんな些細なこと書いていいのかな?」と思うことも、まずは書いてみるようにしました。

そのためにもう一つ習慣化したのが、メモを取ること。日常のなかで「ちょっと心が動いた瞬間」や「気になったこと」をスマホやノートに残しておくと、あとでブログを書くときに大きな助けになりました。

習慣化のコツ

一つだけ気をつけていたのは「“書くことがない”をネタにしない」ことです。そうしてしまうと「私の1日」を観察する力が鈍ってしまうから。

むしろ「今日、何を書こうかな?」と問いかけながら過ごすことで、自然と日常を切り取る視点が育っていきました。

【4】「今日だけは更新する」を積み重ねる

そもそも1000日って、途方もない数字です。始めた当初から「そんなに続けられる気がしない」と思っていましたし、遠過ぎる目標は、かえって気持ちをくじくこともあります。

だから私は、未来のことはあまり考えず、「今日だけは更新しよう」と言い聞かせてきました。しんどい日も「とりあえず今日だけ」と思えばなんとか書ける。

習慣化のコツ

そうやって1日を乗り切ることに集中しているうちに、それが1週間になり、1カ月になり、気づけば100日を超えていました。

「今日だけは」を重ねていけば、いつか1000日に届く日が来る。そう思いながら、目の前の1日1日を書き続けました。

「書く」が仕事に。継続がもたらしたもの

💡POINT
  • 気付けばブログの毎日更新を始めて8å¹´ç›®
  • 「苦手」だったことが仕事になった
  • 「私でも継続できた」が自信に


そうやっていつの間にか「1000日チャレンジ」どころか、ブログの毎日更新を始めて8年目に入りました。

その間に結婚や転勤、出産、引っ越しと、生活の大きな変化が次々にあり、「もう続けられないかも」と思ったことは一度や二度ではありません。時には赤ちゃんに授乳をしながらスマホを片手にブログを書いた日も。

それでも「せっかくここまで続けてきたのに途切れさせたらもったいない......」という思いが継続の支えになりました。

続けるなかで得られたものは、大きく2つあります。

1つ目は、「書くこと」が仕事になったこと。

毎日更新を始めて500日を過ぎた頃から、少しずつ執筆の依頼をいただけるようになりました。

自分の書いたものを読んでもらえるだけでもうれしいのに、それが仕事になり報酬をいただけることに驚き、心からうれしかったのを覚えています。

やがて子どもが生まれ、働き方を見直す時期を迎えたとき「本格的に書くことを仕事にしよう」と決意。

新卒から勤めていた会社を退職する選択ができたのも、毎日の積み重ねがあったからこそです。

習慣化のコツ

2つ目は、「自信」がついたこと。

私はずっと「私なんて……」と自分に自信が持てない性格でした。

でも、三日坊主を克服し、苦手だった文章を書き続け、仕事にまでつなげられたことが大きな成功体験になりました。

「自分でもできた」という実感が、次のチャレンジへの原動力になり、以前より人生を前向きに楽しめるようになったのです。

続けられるのは「特別な人」だけじゃない

💡POINT
  • 三日坊主でも「自分なりの工夫」で継続できる
  • 小さな習慣の「積み重ね」がやがて大きな変化に
  • 現状を変えたいなら「今日だけ」やってみる


「続けられるのは意思が強い人」「特別な人」――そう思いがちですが、実際は違います。

私自身、三日坊主の典型でした。それでも、マイルールを決めたり仲間を頼ったりと、自分なりのやり方を見つけたことで「続けられた」のです。

休職中に「現状を変えたい」と始めた「毎日ブログを書く」という小さな習慣。

その積み重ねの先に待っていたのは、書くことが仕事になり、自分に自信を持てるようになるという、大きな変化でした。

習慣化のコツ

もし今、「何かを変えたい」と思っている人がいるなら。まずはほんの小さな習慣を「今日だけ」やってみてください。

その一歩がやがて1週間、1カ月、1年と積み重なり、気づけば「できた」と胸を張れる日が、きっとやってきます。

編集:はてな編集部

著者:あやめし

あやめしさんプロフィール

1993年2月生まれ、大阪在住のライター・エッセイスト。暮らしのなかで感じたことや心にとどまった風景を言葉にしている。子育てや日常の記録を通して、小さな幸せを見つけながら、誰かの暮らしに寄り添える文章を書いていきたい。
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