西武・高橋光成投手（２７）が１３日、埼玉県所沢市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、５５００万減の２億１０００万円でサインした。今季は０勝１１敗と期待を裏切ったエースは減量や投球フォームの改造で復活を期し、私生活でも環境を変えることを検討中。一方でトレードマークのロン毛は継続することを宣言した。（金額は推定）

　悔しさが詰まったその表情が、全てを物語っていた。「苦しかった。こんなことあるのかということが起きた。正直言うと、今でも振り返りたくない。変えられない過去ですし。忘れられないじゃないですか」。高橋が無念の思いを口にする。

　２１年から３年連続２桁勝利を挙げていたエースだが、今季は不振にあえいだ。０勝１１敗、防御率３・８７。１勝もマークすることができない不本意な成績に終わった。契約更改交渉では５５００万減の２億１０００万円でサインし、決意も新たにした。

　悪夢を振り払うためにも「流れを変えたい」と決意。投球フォームの迷いが不振の要因として、大幅な改造に着手している。さらに食事を変えて減量し「今、７キロくらい落ちました。（体重は）１０５キロくらいです」と明かす。私生活でも環境を変えるため「車を（買い）換えたり、引っ越ししたいなと思っています」と、あらゆる面で変化を求めていく。

　ただ、どうしても譲れないものがある。トレードマークのロン毛だ。「みんなに切れ、切れと言われると、切りたくなくなる。切らないです」と自分なりのこだわりを告白する。周囲から切れ、と言われると「逆にスイッチが入っちゃう」と真顔で語り、“頑固”な一面をのぞかせた。

　タフな精神力も持つ男は「やり返したい」と２５年シーズンをしっかりと見据える。「１１敗したので２２勝０敗なら今年の分を返せる。そのぐらいの気持ちで取り組みます」。獅子の先発陣の大黒柱は信念を貫いて来季、必ずリベンジを果たす。