コジプロ10周年イベントにジョージ・ミラー、ギレルモ・デル・トロ、押井守が集結!豪華ゲストが祝福

ゲームクリエイター・小島秀夫監督が率いる「コジマプロダクション」の創立10周年を記念したイベント「Beyond The Strand」が、23日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、小島監督と親交のある、映画監督のジョージ・ミラー、ギレルモ・デル・トロ、押井守など大物ゲストが登壇。津田健次郎、忽那汐里、井上喜久子、ホラー漫画家の伊藤潤二、歌手・ダンサーの三浦大知も駆けつけ、会場を沸かせた。
KOJIMA PRODUCTIONS 10周年記念イベント「Beyond The Strand」配信アーカイブ
客席を埋めるファンの拍手に迎えられた小島監督は「10年前に独立した時、全てを失って何にもなかったんですけど、人とのつながり。ファンの皆さんとのつながりだけがありまして、それをたどっていって、今の僕が、コジプロがあるので、非常に感謝しております」とコメント。その後は当時の写真を交えながら、“4畳半”の貸事務所から始まったスタジオの歩みを振り返った。

この日は、創作やビジネスでつながった数々のゲストが登壇。小島監督の大ヒットゲーム「DEATH STRANDING」にも参加した津田、忽那、井上、伊藤、三浦も登場し、10周年を祝福。小島監督は、長年タッグを組む井上や、津田たちの創作にかける姿勢を絶賛しながら「信頼をおける人と仕事すると、よりいいものができるのと同時に、終わった後も一緒にご飯行ったりして、非常に楽しいんです。家族みたいなものなので、そういう関係で、また次回もお願いしたいと思います」と笑顔。「やっぱり、好きな人とやらないと力が出ない。ネガティブな人が入ってきたりするとちょっとトーンダウンするので。なるべく信頼できる人と2、3歩、高みに上がりたい。そういう人とやると10歩ぐらい上がれたりするので、この関係を離さないぞと。またよろしくお願いします」と声をかけていた。

そして、数々の新情報が明かされた後、小島監督が自分の“神様”と公言する『マッドマックス』シリーズのジョージ・ミラーと、『シェイプ・オブ・ウォーター』などで知られるアカデミー賞監督のギレルモ・デル・トロ、そして押井守が登壇。この三人と小島監督に、ジャーナリストのジェフ・キーリー氏をMCに迎え、エンターテインメントの未来をテーマに語り合うパネルイベントが行われた。
四人は、40分以上にわたってテクノロジーの進化によるエンタメの変化や、それに伴うマイナスの一面について討論。ミラー監督はテクノロジーの進化を「恐ろしくも、わくわくするものとして捉えている」と語り、デル・トロ監督は技術革新の時代だからこそ「人間の精神」を見つめ「根本的な感情や情緒というものに寄り添っていくことが重要なのではないか」と発言。また、押井監督は「暗い未来があるとすれば、テクノロジー格差が、決定的な分断を引き起こすんじゃないか」などと指摘。
さらに「思想や哲学みたいなものを、作品を通じてお客さんに伝えていくことがますます困難になってくると思う」とも語った押井監督は「今後はミームをばら撒くのが我々の仕事になるんじゃないか。小島くんを見ているとそういう気がする。小島くんは自分の作品を通して、自分の思想とか哲学、世界観とか宗教観みたいなのも含めて全部を伝えていこうとしている。同時に、小島秀夫っていう人間が持っている表現のスタイルがネットやゲームを通じて世界中にばらまかれていく。だから、これから小島くんのミームが続々と出てくるだろうって思う」と予見していた。
全てのプログラムを終えた小島監督は「世界中で分断と孤立が進んでいる中、そこをつなげるのはエンタメというかアートであると思っていますので、世界をより心地よくする。そのつながりを生むのはやっぱり僕ら、皆さんだと思うので、これからの10年、20年でそこに向けて頑張っていきたいと思いますので、このつながりを大切にして、皆さん一緒に20年、30年と生きていきましょう」と力強くメッセージを送り、会場からは盛大な拍手が送られた。

「Beyond The Strand」は、小島監督が2015年に設立したクリエイティブスタジオ「コジマプロダクション」の創立10周年を記念したスペシャルイベント。この日はコジプロ最新プロジェクトの発表や、今後の展望についてのトークが展開され、多彩な分野から豪華な顔ぶれが登場した。イベントの模様は配信を通じて世界中のファンに届けられた。(編集部・入倉功一)