ディズニー実写版『おしゃれキャット』製作棚上げ…『塔の上のラプンツェル』に続き

ディズニー・アニメーション映画『おしゃれキャット』の実写映画化が棚上げとなったようだ。2023年3月に監督に決まったクエストラヴ・トンプソン(『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』)が、ポッドキャスト番組「Score」に出演して明かした。
『おしゃれキャット』(1970)は、飼い主の老婦人から莫大な遺産を相続することになった美しい雌ネコ・ダッチェスと3匹の子ネコたちの物語。遺産を狙う執事によって郊外に置き去りにされてしまったネコたちが、野良ネコのオマリーに助けられて再びパリに戻ろうとする姿を描く。特にダッチェスの子ネコのうちの1匹であるマリーは、さまざまなグッズになるなど今も人気だ。
トンプソンはヒップホップバンド「ザ・ルーツ」のドラマー兼フロントマンで、6つのグラミー賞を受賞したアーティストでもあり、ジャズがフィーチャーされた同作の製作総指揮と音楽監修も担当するはずだった。トンプソンによると、度重なるディズニーの経営陣入れ替えで、『おしゃれキャット』実写化企画の優先度は下がっていったのだという。
「新しい経営陣が就任した時、僕は『よし。僕はこういう風にしようと計画していて、歌とダンスはこんな感じで、音楽のサンプルもここにいくつかあり、一緒に取り組んでいるチームは~で』と説明した。その後、また経営陣が変更となり、『なるほど、了解』とまた説明した。だけど3度目の変更時には、『僕はこれをやる運命にないのかもしれない』と思った。今や、僕には他にもたくさんの選択肢があるのだから」とトンプソン。
「やれたらよかったのにと本当に思っているけど、僕には他にも出来る作品が20本くらいあって、実際、2030年ごろまでに4本やることになっている。だから、(『おしゃれキャット』実写化は)実現する運命じゃなかったんだよと思うよ。もしかしたら、将来、実現するかもしれないけど」と将来的な実現の可能性までは否定しなかったが、現状、企画からは離れており、すでに他の作品に移っていることを明かした。
ディズニーは、『塔の上のラプンツェル』(2010)の実写映画版の製作も一時停止にしている。こちらは今年4月、3月公開の実写版『白雪姫』が興行的にも批評的にも苦戦したことが理由だと報じられている。(編集部・市川遥)