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鏡花記念館で能登を思う 和倉が舞台「山海評判記」企画展 

2024年4月12日 05時05分 (4月12日 10時28分更新)
能登を紹介する特設コーナーで、小村雪岱画の「振り売り」をデザインしたバッグをPRする穴倉玉日学芸員=金沢市下新町の泉鏡花記念館で

能登を紹介する特設コーナーで、小村雪岱画の「振り売り」をデザインしたバッグをPRする穴倉玉日学芸員=金沢市下新町の泉鏡花記念館で

  • 能登を紹介する特設コーナーで、小村雪岱画の「振り売り」をデザインしたバッグをPRする穴倉玉日学芸員=金沢市下新町の泉鏡花記念館で
  • 「山海評判記」が連載された1929年の時事新報。「能登の風土」など読みどころを紹介するパネルもある=いずれも金沢市下新町の泉鏡花記念館で

応援グッズ販売や景観写真展示

 金沢市下新町の泉鏡花記念館は、作家泉鏡花が七尾市・和倉温泉を舞台に書いた小説「山海評判記」に焦点を当てた企画展を開いている。能登半島地震を受け、被災地を応援するグッズ販売、能登の景観を紹介するコーナーも始めた。穴倉玉日(たまき)学芸員は「来館者が能登の文化、震災の被害や復興について考えるきっかけになれば」と話す。(谷口大河)
 「山海評判記」は1929(昭和4)年、新聞「時事新報」夕刊に連載された。和倉温泉を訪れた小説家矢野誓(ちかう)がさまざまな怪異に遭遇する幻想的な長編で、画家小村雪岱(せったい)が挿絵を担当した。鏡花は連載前に現地を取材し、滞在先の旅館や里山里海の風景、振り売り(行商)などに着想を得たとみられる。穴倉学芸員は「能登が神秘的に映り、創作意欲を刺激されたのでは。能登の特色を表現するために苦心したように感じられる作品」と分析する。
 館は昨年2月に「山海評判記」が掲載された新聞の寄贈を受けた。披露する準備を進めていたが、能登半島地震が発生し、開幕まで1カ月あまりの延期を余儀なくされた。
 この間展示の一部を見直し、能登らしい要素が登場する場面を増やした。鏡花が目にしただろう景観や文化について伝え、関心を促す狙いがある。
 企画展に合わせ、雪岱の挿絵をあしらったマルシェバッグを2種100枚ずつ作り、ミュージアムショップで販売。売り上げの一部(一つにつき300円)を日赤県支部を通じて被災地に寄付する。
 館内では被災前の見附島(珠洲市)や輪島朝市(輪島市)などの写真を掲示するコーナーも始めた。県作製の能登周遊マップを置いたところ、既に200枚以上が手に取られたという。コーナーは9月下旬まで設け、能登のPRを続ける。
 企画展は5月19日まで。火曜(祝日の場合は翌日)休館。入館料は一般310円、高校生以下無料。
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