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興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

映画評|『WAR ウォー!!』シッダールト・アーナンド監督(2019年)

『タイガー甦る伝説のスパイ』(2017年)に続く「YRFスパイ・ユニバース」の三作目に位置づけられる作品。明確にユニバースを意識したのは『PATHAAN パターン』(2023年)からなので、本作は「タイガー」シリーズ前二作とのつながりは薄い。監督は『バンバン!』シッダールト・アーナンド監督。主演のリティク・ローシャンとスパイもので再びタッグを組む。

これまで「YRFスパイ・ユニバース」は最新作『タイガー裏切りのスパイ』(2024年)を含めて5作出ていますが、本作が一番脚本がしっかりしている。単純に映画としてみた場合、本作が一番いい出来かもしれない。

キャラクター造形もよい。タイガーやパターンのような派手さはないけど、渋いベテラン兵士カビール(リティク・ローシャン)とカビールを師と仰ぐ若き兵士ハリード(タイガー・シュロフ)。特にタイガー・シュロフの体術は香港映画に負けず劣らずで素晴らしい。

インド映画らしくいろんなハリウッド映画からの影響がみられる。昔は「パクリ」な感じだったけど、最近は「オマージュ」と言えるくらいマサラ風に味ヘンしてくる。本作もたくさんの「オマージュ」があるので、それを探すのも楽しい。

あと、インド映画と言えば突拍子もない展開というか、ツッコミどころ満載な感じが楽しいですよね。本作は脚本がしっかりしているので「あまりツッコミどころがないな……」と油断していたのですが、しっかりありました(笑)。まあ、そういうところを含めて楽しい映画ではありました。

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