カドカワが昨年4月に開校した「N高等学校」。
同校は、ネットを通じた通信制の高校。授業やレポート提出をネット上でやり、プログラミングやライトノベル、ゲームなどの課外授業や全国各地での職業体験で、社会で役立つスキルをプロの指導のもと身に付けられるのが特徴だ。
複合現実(MR)を使った入学式は、そのビジュアルから「未来感ある」と話題を呼んだ。4月5日には、2期目の入学式があり、約2000人が入学した。
入学式のようすが毎年話題になるが、同校の卒業生は現在なにをしているのか? 学校生活はどうだったのか? BuzzFeed Newsは卒業生の1人に話を聞いた。
太田荘嗣さん(18)は、高校二年生まで地元の男子校に通っていたが、N高ができると知り、4月に転校をした。
「私はプログラミングを勉強したかったのですが、地元の高校ではそれができませんでした。学びたいことが学べない歯がゆさを感じていたとき、N高ができることを聞いて、すぐに入学を決めました」
太田さんは地元高校のときは生徒会と演劇部に所属。もともとプログラミングに興味があったが、N高校入学は周囲から反対されたという。
「担任からは『あと一年頑張れ。(プログラミングは)大学からでもいいだろう』と。両親からも反対されました。知名度もなかったので、理解が得られないのがつらかったですね」
最終的には太田さんの意思が固いことが伝わり、担任も両親も承諾。N高校とバンタンの提携スクール「バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクール」を選択し、通学コースにも入った。
授業はどうなの?
肝心の授業はどうか? 太田さんは「学びたいことが学べた」と当時を振り返る。
「やはり普通の高校とは違い、プログラミングはドワンゴの社員さんなど、その道のプロが教えてくれるので専門的なことがたくさん学べました。コンピューター部に入ったのですが、教えてくれる人たちは競技プログラミングのトップの人たち。パソコン甲子園にも出場でき、本当にいい経験になりました」
「授業は基本、Slackでやり取りするのですが、わからないところは友だちに聞けたり、テストのフィードバックがすぐ返ってきたり、不便なところはまったくなかったです」
授業は自宅で受講だが、スクーリングで沖縄伊計本校に一度行った。その際、課外活動でエイサーを見たり、沖縄名産を食べたり、修学旅行のようなこともあったそう。その場で普段は会わない同級生と会い、親交を深める。
また、生徒同士でオフ会もあり、カラオケに行くなど“普通の高校生”のようなこともあったという。
「みんなフレンドリーで友だちもできやすいです」と太田さん。こうも続ける。
「17歳で起業をしている人もいたり、自分の親世代もいたりするので、授業以外でもいろいろなことが聞けるので、それもメリットだと思います。普通の高校ではないことですから」
不満点、改善点を挙げるなら? の問いにも「特にないですね」と話す。
在校生に向けて。
太田さんは卒業後、チャットボットなどを開発するIT企業「hachidori」に契約社員として入社。N高で学んだことを生かし、コードを書いている。
最後に在校生に向けてメッセージをお願いした。
「私はN高に入って、かなり人生が変わりました。いい先生に出会えましたし、普通の高校に通っていたら学べないことを学べました。本当に入学してよかったと思っています」
「ただ、時間がある分、どう有効的に使うかは自分次第になります。大きく伸びる人は伸びるし、なにもしない人はそのままだろうと。心の底から『これがやりたい』というものがないと大変だと思います。とりあえず高卒資格取るかくらいの気持ちではつらいと思います」
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