ファッション雑誌「ViVi」が展開した自民党の広告キャンペーンが、話題を呼んでいる。
投票を訴えかけるような内容ではないものの、参議院議員選挙が7月に予定されていることもあり、Twitter上では驚きの声や、批判も上がっている。
BuzzFeed Newsは講談社に対し、企画の意図や経緯を聞いた。
6月10日夜、ViViの公式アカウントが「みんなはどんな世の中にしたい?」とツイート。
「#自民党2019」「メッセージTシャツプレゼント」というハッシュタグを記載してツイートすると、13人にTシャツが当たるという内容だ。
ツイートにリンクが貼られているのは、「わたしたちの時代がやってくる!権利平等、動物保護、文化共生。みんなはどんな世の中にしたい?」という自民党のPR記事。
「ViVigirl9人に、どんな社会にして行きたいか聞いてみました」という内容で、モデルたちがそれぞれの思いを一言ずつ語っている。
プレゼントされるTシャツの肩部分には、自民党のロゴが入っていることがわかる。
記事の末尾に記載されている問い合わせ先は「#自民党2019」のプロジェクト事務局だ。
「新しい政治の幕開けを宣言する企画」として令和初日に始まったこのプロジェクトは、これまでもファイナルファンタジーなどのキャラクターデザインを手がけた天野喜孝氏がイラストを描いたことで話題を呼んでいた。
リーダーは、甘利明・衆議院議員。4月25日にプレスリリースが打たれており、その時点で「"ViVi girl"とコラボレーション」が予定されていることは、明らかにされていた。
「ViVi」は10代〜20代の女性をメインターゲットにしたファッション誌。今回のキャンペーンは、若年層を狙った広報戦略の一貫と言えるだろう。
講談社広報室は、BuzzFeed Newsの取材に対し、この案件が「自民党との広告企画」としたうえで、「政治的な背景や意図はまったくない」と回答した。
「若い女性が現代の社会的な関心事について自由な意見を表明する場を提供したい」ことがねらいだという。
このたびの自民党との広告企画につきましては、ViViの読者世代のような若い女性が現代の社会的な関心事について自由な意見を表明する場を提供したいと考えました。政治的な背景や意図はまったくございません。
読者の皆様から寄せられておりますご意見は、今後の編集活動に生かしてまいりたいと思います。
そのうえでBuzzFeed Newsは、追加で広報室に取材した。企画の経緯については回答できないという。また、他党とのキャンペーンは予定していないという。
政治的背景や意図がないなか、なぜ自民党だけを選んだのか、という質問に対しても、コメントはなかった。一問一答は以下の通り。
ーー企画の経緯を教えてください。
経緯につきましては回答を控えさせていただきます。
ーー選挙前のタイミングでの自民党ロゴ入りのTシャツ無料頒布に批判もあがっていますが、どう捉えられていますか?
皆様からのご意見は謙虚に承ります。
ーーシャツの費用は講談社と自民党、どちらの負担になるのでしょうか?
回答は差し控えさせていただきます。
ーー他の政党との同様のキャンペーンは予定しているのでしょうか。
予定はありません。
ーーPR表記がございますが、自民党側からはいくら支払いがあったのでしょうか?
回答は差し控えさせていただきます。
ーー他党とのキャンペーンの予定はないとのことですが、政治的意図や背景がないなかで、自民党だけを選ばれた理由はどこにあるのでしょうか?
回答は差し控えさせていただきます。
ーー自民党と「ViVi」のどちらが持ち掛けた企画でしょうか?
回答は差し控えさせていただきます。
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