タレントのフィフィさんが立憲民主党の蓮舫参院議員について、2004(平成16)年に「児童虐待防止法改正に反対した」という誤った情報をツイートした問題。
日刊スポーツやスポーツ報知、さらには朝日新聞のサイトも、この発言を取り上げる形で誤りを拡散していた。
すでに記事は削除、もしくは変更されている。BuzzFeed Newsは各紙に掲載の経緯を取材した。
まず、経緯を振り返る
私は問いたい、なぜ平成16年の警察の積極的介入を盛り込んだ児童虐待防止法改正に反対した蓮舫議員が、今回の虐待死の件で現政権を責めることが出来るのか、私はその真意を問いたい。あなたは本当に国民の側に向いているのですか?それ以前に同じ親の立場として問いたい、なぜあの時反対したのですか?
(2019年2月17日 フィフィさんのTwitter[@FIFI_Egypt]より)
フィフィさんはツイートで、立憲民主党の蓮舫参院議員が平成16年(2004年)に「児童虐待防止法改正に反対した」として批判した。
千葉県野田市の小4女児が自宅浴室で死亡し、傷害容疑で両親が逮捕された事件に関する一連の投稿の中でのツイートだった。
ただ、このツイートは事実誤認だ。そもそも蓮舫氏が国会議員に当選したのは、児童虐待防止法の改正後。さらに、改正児童虐待防止法は全会一致で可決されており、反対した議員はいなかった。
フィフィさんはその後、立憲民主党から事実誤認の連絡を受けたとしてツイートを削除し、謝罪した。
朝日新聞デジタルにも掲載
フィフィさんのツイートは、2月18日午後3時現在で1万7000以上リツートされた。まとめサイト「Share News Japan」はTwitter上で、フィフィ氏のツイート内容を配信。18日午後3時25分現在で7800以上もリツートされている。
さらには、日刊スポーツも「フィフィ、蓮舫氏に児童虐待防止問題『真意を問いたい』」というタイトルで、フィフィ氏が蓮舫氏を批判したと紹介。ただ、事実確認に関する指摘はしていなかった。記事は18日午後3時28分現在、削除されている。
日刊スポーツの記事は、グループ会社の朝日新聞社のサイト「朝日新聞デジタル」内の「&(アンド)、&M」にも転載されていた。
スポーツ報知は記事を加筆
また、スポーツ報知も「フィフィ、虐待死問題で蓮舫議員へ怒りの質問『あなたは本当に国民の側に向いているのですか?』」と題した記事でフィフィさんのツイートを紹介した。
ところが、スポーツ報知は後に記事タイトルを「フィフィ、虐待死問題で蓮舫議員へ怒りの質問も『事実誤認?』の指摘」と変更。「一部フォロワーからは事実誤認ではないか?との指摘が出ている」と付け加えて、記事を更新した。
スポーツ報知の記事は18日午後7時37分現在削除されている。だが、記事の訂正についてサイト上では触れていない。
蓮舫氏は「誤解が流布されているようです」とTwitterに投稿し、フィフィさんのツイート内容を否定。「大手メディアもファクトチェックをせずに記事を配信しているようで…、残念です」と苦言を呈した。
「事実関係を十分確認せず」
日刊スポーツはBuzzFeed Newsの取材に対し、以下のようにコメントした。
「本日、弊社公式サイトnikkansports.comに、フィフィさんのSNSでの発言を取り上げた際、その発言内容についての事実関係を十分確認しないまま記事を掲載してしまいました。その後、事実関係に疑問が生じましたので、記事を取り下げました」
一方、朝日新聞社では契約に基づき日刊スポーツの記事を自動配信しているという。「社内外から指摘があり、問題があると判断して削除しました」としている。
スポーツ報知は「ツイッターでの発言内容に事実誤認があったことをフィフィさん本人が認め、ツイートを削除し謝罪したこと等を総合的に判断して関連記事を削除しました」と回答した。
UPDATE
朝日新聞社の回答を記載しました。
UPDATE
一部表記を修正いたしました。