日本最大の国語辞典のエッセンスをぎゅっと凝縮したiOSアプリ「精選版 日本国語大辞典」がリリースされました。
40年以上の年月と3000人を超える専門家の協力を得て完成した「日本国語大辞典 第2版」(小学館)。全13巻にわたって、50万項目、100万用例が収録されています。
その収録語の中から30万項目、約30万用例を厳選・凝縮して収録したのが「精選版」です。
4800円(1月31日までの発売記念セール価格、通常は7800円)というアプリとしてはかなり高価な価格で17日にリリースしましたが、辞書クラスタのみなさんは「ついに出た」「これはうれしい」「即買い以外にないですよ」と大興奮。
それもそのはず、日本最大の国語辞典は価格もすごい。
完全版ともなるとセットで22万円超、精選版も書籍で購入すると全3巻4万8600円なのです。アプリは同内容で10分の1のお値段! や、安い。
おすすめの使い方は?
開発する物書堂は「三省堂国語辞典」「大辞林」「ウィズダム英和・和英辞典」など、これまでもさまざまな辞書をアプリ化し、好評を得ています。
BuzzFeed Newsは、「精選版 日本国語大辞典」リリースから約1週間経った反響を聞きました。
――TwitterをはじめとするSNSでかなり話題になっていました。
予想以上の反響です。弊社は宣伝などはほとんどせず、いつもお客さまの口コミで広まっていくのを見ているだけなのですが、今回は三省堂国語辞典の編集委員でもある飯間浩明さんのツイートで火がついたようで、大変ありがたく思っております。
ただ意味を調べるだけではなくて……
テレビの見方も変わるかも
――書籍版と比較すると、かなり破格の値段です。
通常価格の7800円は、SDカードで拡張する電子辞書の追加コンテンツが9800円程度であることと照らし合わせて設定しました。
キャンペーン価格の割引率は、弊社の他のアプリと同程度ですが、5000円を切るとインパクトがあると考えて4800円にしました。価格は小学館さまとも一緒に検討しています。
――これまでも多数辞書アプリを開発していますが、今回特にこだわった点はありますか。
基本的な機能は大辞林のアプリと同じですが、日本国語大辞典は、古事記・日本書紀から現代の小説やエッセイまで、数万点の文献からの実例を引用してるのが特徴です。
それぞれの用例に出典が明記されているので、出典一覧をインデックスに追加しています。
こんな感じで「主要出典」が
「古今和歌集」を引用している箇所だけ見たい!
この言葉、いつ頃から使われてるの? もわかります
――収録語数が多いことで開発は難しくなるのでしょうか。
総当たりのパターン検索なので、確かに速度は低下しがちですが、十分な速さが出るよう独自プログラムで高速化しています。
――アプリ版ならではのおすすめの使い方は?
解説文の言葉をなぞるだけで、その言葉の解説にジャンプする「なぞってジャンプ」機能がおすすめです。
説明の内容でわからない言葉があったら、すぐに続けて調べることができます。
他の辞書アプリとも連動
――辞書好きのみなさんからは「完全版も!」という声もありますが。
完全版もアプリになると便利ですよね。現時点では予定はありませんが、小学館さまと前向きに検討したいと思います。
いつかその日が来るまで……? みなさんの使い方を見ていると、何気ない身の回りの言葉を調べるだけでも楽しく過ごせそう。遊び倒すぞ!