3月8日の国際女性デーに、女性たちの権利尊重を呼びかける行進「ウィメンズ・マーチ」が世界各国で開かれました。ウィメンズ・マーチ東京2018には、雨の中を約750人が参加しました。
その後、Twitterのハッシュタグ「#ツイッターでウィメンズマーチ」に場所を移し、
女性たちが、生きづらさやその解決方法を訴えています。
男性が生きづらさを吐露する「#ツイッターでメンズマーチ 」も。
「#ツイッターでレインボーマーチ」「#ツイッターでヒューマンマーチ」といったタグも派生しています。
一方、「#ツイッターでウィメンズマーチ」では、女性を批判したり誹謗中傷したりするリプライやツイートも確認できます。
例えば、「生理がつらいというのは甘えだ」「男性だってつらいのだから女性のつらさばかり強調するな」といったツイートが見受けられます。「それはこういうことでしょう」といったマンスプレイニング(男性が女性を見下しながら何かを解説すること)もあります。
なぜ、わざわざこのタグに批判が集まるのでしょうか。
上智大学の三浦まり教授(政治学)は、BuzzFeed Newsの取材にこう話します。
「『ウィメンズマーチ』は、フェミニストの象徴的なイベントです。日本では『フェミニスト』はある種の記号化されていて、『体制に反発している人』=『攻撃の対象にしてもいい人』ととらえられている面があります」
「ウィメンズマーチというタグでなければ、ここまで攻撃されなかったかもしれません」
「もし、会社で隣の席の女性が生理でつらそうにしていたら、いたわることもあるでしょう。しかし、フェミニストのハッシュタグという『記号』がある場で、かつ匿名であることが、攻撃性を助長しているのかもしれません」
女性たちの発信への攻撃は、今にはじまったことではありません。
ネット上の攻撃は「言論の自由」であり、「スルーすればよい」のでしょうかーー?
「誹謗中傷された本人は、見ないようにすることもできますし、ブロックするなどの機能もあります。しかし、ネットは公的な空間です。攻撃的な反応を目にした第三者は『発言すると叩かれる。だから発言しないようにしよう』と考えるようになります。それは言論の自由を妨げることにつながってしまいます」
「対面でのハラスメントも問題ですが、国連や列国議会同盟(IPU)など国際機関は最近、オンラインハラスメントを受けたことによる精神的苦痛を、重要な課題だとしつつあります」
三浦さんはそう話します。