『誰も教えてくれなかった!成就の法則』
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「人生このままでは終われない?」研究30年 公認心理師リズ山崎の『成就の法則』とは
[文] 青春出版社
「本当の自分って?」「夢を叶える人生って?」
答えが見つからず、生きづらさを感じている人たちが増えています。公認心理師のリズ山崎さんも若い頃は「人はなぜ生きる?」と悩みながら、アメリカと日本とで30年間、学びと実践を重ねて、カウンセリングや心理セラピーなどで多く人たちの心に寄り添ってきました。出版してきた心理学や自己啓発などの本は45冊! 多くの読者へ「心の迷いの道しるべ」を示してきました。今回、46冊目の新刊のテーマは、ずばり「成就の法則」。リズ山崎さんに、「成就のしくみ」についてお話を伺いました。
人生をダメにする「でもの壁」とは?
──新刊のテーマは「成就の法則」。「成就ってあったようでなかった言葉だと思うのですが、このテーマで出版された理由について教えてください。
はい。それは、願いを叶えることも成功することも目標達成や自己実現もいずれも「成就」であり、そのステップや仕組みは同じなのに、「願いを叶える」のと「成功する」のとでは、みなさん、まったく違うイメージをもたれていると思ったからです。
それらは同じ「成就のステップ」という仕組みで成り立っている、ということと、その仕組みを使いこなすための方法をお伝えしたかったからです。
また、みなさん、「夢を叶えたい」思い、それなりに努力しているのに、実際は叶っていない人が多いことに改めて気づいたんですね。もしかしたらそれが悶々とした「生きづらさ」につながっているのかも、と思ったことも、今回の本のテーマにつながっています。
私のところへも「夢を叶えるには何をどうしたらいいのか、わからない」という悩み相談は多いです。「成就」というと、少し難しく捉えがちですが、例えば、「コーヒーが飲みたい」という想いに対して、実際に「コーヒーを飲んだ」という行為は、「願いを叶えた」ということです。でも、通常は「コーヒーを飲むこと」くらいでは、願いを叶えた、とは言いません。
もう一方で「世界一周の旅」という夢を叶えた人がいます。ここ見落とされがちなのですが、じつは「コーヒーを飲んだ」のも「世界一周旅行した」のも、何かを成したという意味で、どちらも「成就した」ということなんですよね。
その「成就までのステップは、コーヒーでも世界一周でもまったく同じプロセスをたどっているんです。それを「成就の5ステップ」として示しています。
──とはいえ大きな夢は難しそう、と感じる人は多いのでは。「成就できる人」と「できない人」の違いは何だと思いますか?
本のなかにも書きましたが、「夢や目標」を掲げると、とたんに立ちはだかってくるのが心のなかの「でもの壁」です。たとえば「世界一周旅行したい」と思っても、「でも、そんなお金はない」「でも、会社を休めない」「でも、親が反対する」など「でもの壁」に突き返されてしまうのです。なにかと自分自身にダメ出しをしてしまう思考の習慣があるわけですね。
逆に、夢や目標をどんどん叶える成就の人は、まず「目標・夢」=「行先・目的地」を決めたら、多少見切り発車でも行動に移していきます。
行動に移せない人のなかには、「完璧な準備」に時間をかけてしまい、いつまでたっても行動しない人もいます。そのうちに、心配や不安を募らせて、「でもの壁」がさらに高くなっててしまうのです。
リモコンでTV番組を変えるように人生のチャンネルも変えればいい
──「ご機嫌でいれば、ご機嫌な人生が成就される」とありますが、これは「成就の法則」の基本ですか。
はい、そうです。
自分がご機嫌でハッピーな世界に行きたかったら、テレビやラジオのようにチャンネルを変えるだけでいいんです。見たくもないTV番組を見ながら「つまらない、不愉快だ」と言いつづけたりしませんよね。でも、自分に起こる出来事をただ受動的に受け止めて、「嫌なことが起きたのはあいつのせいだ」と文句ばかり言っている人がけっこう多い。
人生のチャンネルは自分で自由に選んで変えられる、と知っていれば、自分が見たい別のチャンネルに変えて、もっと面白い人生の番組も一瞬で映るのです。
その理屈は、周波数が変わるからです。自分がキャッチする電波が変わるから、目の前の番組=別の世界が変わるのです。要するに、すべては自分次第ってことなのですよ。
──その具体的な方法が「ポジティブなセルフトークが人生を変える」ことになるのですね?
そのとおりです。成就しない人の口癖は、「難しそう」「私には無理」って言葉が多いです。そうではなく「楽しみ!」「できる!」「すごくいい」「すべてはうまくいっている」「私って最高」というポジティブなセルフトークに変換すると、こころが軽くなってきませんか? そのようなポジティブな言葉の力をどんどん利用して、一気にチャンネルをぱっと変えてみる。人って黙ってると、ついマイナスなこと考えてしまうから、ポジティブなセルフトークを習慣にするだけで人生は好転するのです。
「ポジティヴ思考」のココが間違っている!
──ということは、嫌な人や嫌なことがあってもポジティブでいるべきなんですか?
それがですね、嫌なことがあれば、落ち込んだり怒ったりするのも自然でしょう? 自然ですよね。だから感情は本来すべて自然なはずなんです。
私の造語に「感情免疫力」という概念があります。感情を吟味する力のことなのですが、結局、皆さん、先回りして悪い予想をしちゃう。
「きっとこの後、こういう気持ちにさせられるんじゃないか」とか。そのときの感情を感じないよう、傷つかないよう、自分で予防線をはってネガティブな感情から回避していまいます。
それでは自然に生じる感情を受け容れることができませんから、生きるのが辛いでしょうし人間関係も困難になりますよね。
──対処法ってあるのですか?
具体的には、不安なとき、落ち込んだときにこそ、感情を実況中継するようモニタリングして「いまどんな気持ち?」と自問自答するんですね。
それで、「今、自分は傷ついている。それも無理ないよ。不安なのも自然なことだよ」など、言葉にして共感してあげる。そうやって自分の感情を受容した後、「でもだいじょうぶ、うまくいくから心配しなくていいよ」と、自分で自分を安心させてあげてほしいのです。そうすると、感情免疫力も高まり、心が乱れることもなくなりますよ。
──なるほど、ただのポジティブ論とは全然違いますね。でも、それがどう「成就の力」につながるのでしょうか。
自分にとって、嫌なことというのは、あなたがそこに行き着くためのプロセスなのです。嫌なことが起きて傷ついても、感情免疫力でありのままを認められるようになると、動揺せず「だいじょうぶ、これは自分にとって、うまくいくためのメッセージ」と、捉え方を変えられるようになるので、人生には嫌なことも、嫌な人もいなくなります。
つまり、人生において起こることすべて、あなたが決めた行き先に行くための後押しなのです。例えば、「こっちじゃないよ」「もうちょっと積極的でいいよ」「おいおい、もうちょっとここ気をつけたほうがいいぞ」というメッセージやサインなのです。
嫌なこと、嫌な相手ほど、あなたのためのメッセンジャーなのよね。だから、すべてを喜ぶ生き方に変わると、「あの人はわざわざ悪役を演じてまで私にメッセージを送るよう神様が目の前によこしたのだな」ということがわかってきます。
このとらえかたが人生でのデフォルトになってくると、嫌なこと、失敗、辛いことも自分のために必要なメッセージであり、成就へのプロセスだと気づけるのです。
──自分に必要なことしか起きていない、というのが大前提なのですね。
そう! 全部うまくいってる真っ最中なんだから、喜んでいればいいの!って話(笑)。そこで、できないって思ってるのはあなた自身であって、自分次第でいかようにも変われるのだから。これを理解できているか、いないかでは未来はまるっきり違ったものになるのです。
出口を決めて、トンネルの向こう側をちゃんと行き先として設定すること。
そして私にはパーフェクトなハッピーなことしか起こらない。
なぜなら私の行き先はもうハッピーになると決めたから、と思っちゃう。
「魔法の杖」で格差社会を勝ち抜こう
──「自分次第で成りたい自分になれる」と信じるのは簡単ではないですよね。
はい、だからこそ、すべては自分次第という考え方に転換できると、どんどん夢は叶っていきます。
そもそも、「人はみな無限の可能性」と言われていますが、言い換えると、「本来、魔法の杖を授かっている」ということです。
でも、誰もがはじめから使えるわけではありません。その杖を使うには、起こるすべてに意味がある、と“肯定的なとらえかた”で現実のすべてを受け容れるスキルが必須なのです。
じつは私は今後、このような成就のしくみを心得ている人たちとそうでない人たちとのあいだに精神的、物理的な格差が広がると予測しています。
被害者的に「うまくいかないのは、あの人のせい、環境のせい」と受け身で嘆いている人は、夢や目標は成就できない。ですから人生の被害者でいたいのか、人生の勝利者でいたいのか、その鍵が「自分次第」にあることに、早く気づいてほしいですね。
──その意味で「人生は一冊の問題集。相手を変えても課題はついてくる」というのも、身に沁みました。途中で問題を投げ出しても同じ課題はついてまわる、ということですね。
本当にそうですね。悩みの種類や学ぶべき課題、というのは人それぞれ決まっているので、学び終えないと卒業できないことになっています。
職場で似たような嫌なタイプの上司にばかりあたる、というのもそうですし、離婚しても再婚相手とまた似たような関係パターンで悩まされたり……。なので基本的には逃げずに、諦めずに、わかりあう努力をすることをまずは目指すべきだと私は思っています。
──でも、人生での試練と願望成就って別のものと思っていましたが…
人生での試練や克服すべき課題はすべて成就のために必要なプロセスなのです。
だから、つらいこと、嫌な人が絶えないうちは、そこに何か課題があるわけで、その先に成就があるに違いない、と思ってみるといいと思います。なぜなら、そうやって「成長すること」と「成就すること」はワンセットにできているからです。そうした試練をのりこえ、人間として大きくなることで「でもの壁」をひとまたぎできる自分へと育ててくれる。そうすると、人間に本来授けられている「無限の可能性の力」がいよいよ解禁になるんです。
──最後に、今後の活動も含めてメッセージをお願いします。
泣いてる人にこそ、笑ってほしい。
悩んだぶんだけ、ハッピーになってほしい。
自分次第で、いかようにも変われることをこれからも伝えていきたいです。
何事にも感謝する心、もっと言えば、あなたを傷つけた人をも許す心を体得できたとき、あなたは夢が成就する“魔法の杖”を手にしたということなのです。
来年4月から渋谷クロスFM『アリス矢沢透のなんでも応援団』内で冠コーナーをレギュラーで担当します。今後も書籍やメディアを通じて「人間に内在する無限の力」についてメッセージをお届けしていきますので、楽しみにしていてくださいね。
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リズ山崎/りず・やまざき
1960年生まれ、横浜出身。公認心理士(国家資格)、日本森田療法学会認定心理療法士、全米ヨガアライアンス認定RYT500YOGA講師。「人は何のために生きるのか?」と自問自答する幼少期を送る。21歳のときに単身渡米し、ロサンゼルスにて14年間、ピアノの弾き語りとして過ごす。自己探求のすえ潜在能力&心理学の研究を開始し、心理セラピストに転身。36歳より大学で心理学専攻。40歳より海外出版を含め、46冊、累計60万部の著書を刊行。現在、個人コンサルタント、講座、講演などを通じて、人々のトラウマの癒しと願望成就に貢献している。一人ひとりに寄り添う心のセラピーのみならず、行動療法や言葉がけなど具体的な指導には定評があり、多くの人たちに支持されている。主な著書に『願いは、ぜったい叶うもの!』、近著に『神の力の使い方』がある。YouTube「リズ山崎チャンネル」など、SNSでもハッピーになるためのメッセージが人気。