弁護士やジャーナリストなどでつくる「ブラック企業大賞」の実行委員会が10月27日、東京・霞が関の厚生労働省で記者会見を開き、ノミネート企業6社を発表した。今年ノミネートされたのは、セブン-イレブン・ジャパン、暁産業、エービーシー・マート、フジオフードシステム、明光ネットワークジャパン(明光義塾)、引越社関東(アリさんマークの引越社)。
実行委が挙げたノミネート理由の要約は、以下の通り。
セブン-イレブン・ジャパン・・・フランチャイズ加盟店主から過酷な搾取をおこない、そのしわ寄せが学生アルバイトに及び「ブラックアルバイト」が問題化している。
暁産業(消防自動車や消防用設備などの販売と保守点検をおこなう企業)・・・パワハラで未成年の労働者が自殺に追い込まれた。
エービーシー・マート・・・厚労省がブラック企業対策に乗り出して以来、初めての書類送検事案。労働者と合意した残業時間(79時間)以上の残業をさせていた。
フジオフードシステム(大阪や京都を中心に「まいどおおきに食堂」「串家物語」など飲食店を運営する会社)・・・労働局から是正指導を受けても繰り返し長時間労働や割増賃金の不払いを続けていた。
明光ネットワークジャパン(明光義塾)・・・賃金未払いが問題化。全国各地で労働局から是正勧告がでている。
引越社関東(アリさんマークの引越社)・・・元は営業職だった従業員をシュレッダー係に配転。さらに、突如として懲戒解雇した。その理由を「罪状」として、全国の店舗に掲示した。
この日の会見に出席した実行委員の佐々木亮弁護士は、今回のノミネート企業について、「『ブラックバイト』という言葉がメディアで取り上げられるようになった。セブンイレブン、明光ネットワークジャパンもブラックバイトにまつわるノミネートだ」と話した。
ブラック企業大賞の授賞式は11月29日に東京都内で開かれる。同委員会のウェブサイト(http://blackcorpaward.blogspot.jp/)には、詳細なノミネート理由が掲載された。また、10月27日午後8時ごろにはウェブ投票コーナーが設置される。
実行委員の内田聖子氏は「これまでノミネートした企業には、授賞式の案内状(返信ハガキ付き)を送ってきた。しかし、これまで1社も出席がなかった。返信があったのも2社だけだ」と話していた。
ブラック企業大賞は今年で4回目。昨年は12社がノミネートされて、「大賞」には従業員の過労自殺をめぐる訴訟が起きた「ヤマダ電機」が選ばれた。