日本、予想外の景気後退入り GDPが2期連続マイナス

日本の市場の様子

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日本の内閣府は15日、2023年10~12月の国内総生産(GDP)を発表した。2四半期連続でマイナス成長となり、日本は予想外の景気後退(リセッション)に入った。世界3位の経済大国の地位をドイツに奪われた可能性もある。

内閣府によると、2023年10~12月のGDPは前期(7~9月)比0.1%減だった。この状態が1年続く場合の年率換算は0.4%減となり、予想されていた以上に低下した。

7~9月期は前期比0.8%減、年率換算では3.3%減だった。

エコノミストらは2023年10~12月期について1%以上のプラス成長を見込んでいた。

今回の発表は速報値で、今後修正される可能性がある。

2期連続のGDPマイナス成長は、一般的に景気後退と定義されている。

ドイツに抜かれ世界4位に転落か

国際通貨基金(IMF)は昨年10月、ドル換算でドイツが日本を抜いて世界3位の経済大国になる可能性が高いと予想していた。

IMFがランキングの変更を宣言するのは、両国の経済成長率の最終データが出た後になる。IMFは1980年から国別順位を発表している。

エコノミストのニール・ニューマン氏は、最新の統計によると2023年の日本の経済規模は約4.2兆ドル(約630兆円)、ドイツは4.4兆ドル(約660兆円)だとBBCに説明した。

これはドルに対する円安の影響を受けており、もし円が回復すれば日本がナンバー3の座を取り戻す可能性があると、ニューマン氏は付け加えた。

IMFのギータ・ゴピナート筆頭副専務理事は今月、東京での記者会見で、日本がランキングを下げるかもしれない大きな理由として、円が昨年、対ドルで約9%下落したことを挙げた。

一方で円安は、自動車など日本の輸出品の海外市場での価格を相対的に下げるため、日本の大手企業の株価を押し上げる要因となっている。

日本の株式市場では日経平均株価が今週、バブルが崩壊した1990年以降で初めて3万8000円の大台を超えた。日経平均の史上最高値は3万8915円87銭で、1989年12月29日に記録された。

今回のGDPのデータは、日本銀行が利上げ決定をさらに遅らせる可能性も示している。

日銀は国内の消費と投資を促そうと、2016年にマイナス金利を導入した。

マイナス金利は世界の投資家にとって円の魅力を低下させることになり、通貨価値を押し下げた。

(英語記事 Japan unexpectedly slips into a recession)