ニューカレドニアで暴動、旅行者が多数足止め 豪とNZが救出機

ニューカレドニアの状況

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画像説明, ニューカレドニアでは、フランス系住民への投票権を拡大する変更案がフランス議会で可決されて以来、暴動が続いている

南太平洋のフランス領ニューカレドニアで、フランス系住民への投票権拡大をめぐって暴動が起きている。オーストラリアとニュージーランドは21日、空港の閉鎖で立ち往生している旅行者を救助するため、航空機を派遣する許可を得たと発表した。

暴動は、ニューカレドニアの地方選挙でより多くのフランス系住民に投票権を与える変更案が先週、フランス議会で通過したことで始まった。

これまでに、ニューカレドニアの先住民カナックの少なくとも3人を含む住民4人と、警官2人が死亡している。けが人も数十人に上っており、200人以上が逮捕されている。

空港では民間機の運航が停止されている。現地政府は、再開の時期を23日に検討すると説明。現在約3200人がニューカレドニアの出入国を待っていると推定している。

1週間以上立ち往生を余儀なくされている旅行者らからは、火災や略奪の目撃談とともに、食料不足も報告されている。

豪は航空機2機で

こうしたなか、オーストラリアとニュージーランドは、最も「差し迫った必要性」のある人々を優先的に航空機で運び出すと発表した。領事スタッフが乗客リストを整理しているという。

オーストラリアは21日、支援を求めた国民約300人を避難させるため、航空機2機を派遣する。ニュージーランド政府は、「一連の」フライトの第1便が間もなく出発し、約50人を帰国させると説明した。

オーストラリアのペニー・ウォン外相は、「ほかの国」からの旅行者も支援すると述べた。

オーストラリア政府は、空港への道路は「まだ安全とは言えない」として、自力で空港に移動するのは控えるよう警告している。

ニュージーランドのウィンストン・ピーターズ外相は、「ニューカレドニアの状況は依然として流動的だ。ニュージーランド当局は、フランス当局や、オーストラリアをはじめとする他のパートナーと協力し、現地にいる自国民の安全確保に何が必要かを把握する努力を続けている」と述べた。

ニューカレドニアには290人近いニュージーランド人がいるとみられるという。

ニューカレドニアのフランス高等弁務官事務所によると、同国の憲兵隊がヌメアとラ・トントゥータ国際空港を結ぶ約60キロメートルの道路の掌握を目指している。これまでに76カ所で道路封鎖を「無力化」し、焼けた車などの残存物を撤去しているという。

また、フランスから憲兵1050人が現地に派遣されており、さらに600人が送り込まれる予定だという。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、それらの憲兵隊はニューカレドニアに「しばらくの間」駐留する必要があるだろうとしている。

(英語記事 Australia and NZ begin New Caledonia evacuations)