招集令状渡されたロシアのティックトッカー、ステージ上で倒れる

ロシアのティックトッカー「Xolidayboy」(本名イヴァン・ミナエフ)

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動画アプリTikTokで有名となったロシアの男性が、招集令状を渡された後間もなく、倒れる出来事があった。男性は意識を失ったようだが、深刻な状態ではないと報じられている。男性は、ロシアによる一方的なクリミア併合を批判するような動画をソーシャルメディアに投稿していた。

ウクライナ侵攻を続けるロシアは、昨年9月に「部分的な動員令」の発動を宣言。招集を回避しようとする人が殺到した。今年7月には下院が、徴兵の対象年齢の上限を現行の27歳から30歳に引き上げ、招集日以降は出国を禁止する法案を可決した。ウラジーミル・プーチン大統領の署名を経て、来年1月1日に施行される見通し。

ロシアの人気ティックトッカー「Xolidayboy」(本名イヴァン・ミナエフ)は6日、ロシア南部の空港で招集令状を渡された。

それから間もなく、南部スタヴロポリでのイベントに参加したミナエフ氏は、ステージ上で意識を失ったように見えた。

病院に搬送されたが、深刻な状態ではないと報じられている。

ミナエフ氏は、2014年にロシアに一方的に併合されたウクライナ南部クリミア半島の港湾都市セヴァストポリ生まれ。報道によると、2020年にロシア・モスクワに移った。

招集令状が渡される数日前、ロシアのインターネット上の「危険コンテンツ」を監視する機関「セーフ・インターネット・リーグ」のトップ、エカテリーナ・ミズリナ氏は、ミナエフ氏がソーシャルメディアに投稿した「親ウクライナ」動画について公に異議を唱えていた。

動画の中で、ミナエフ氏は自らを「ウクライナ人」と呼び、ロシアによるクリミア併合はクリミア人の生活を向上させていないと述べていた。

ティックトッカー「Xolidayboy」として活動するミナエフ氏は、化粧やネイルアートをし、ロシアの男性にはあまり見られないイメージで知られている。

「セーフ・インターネット・リーグ」のミズリナ氏はこれまで、反戦的な見解を述べたロシアのさまざまな有名人やブロガーを批判し、脅迫してきた。

ティックトッカーのダニラ・ミロヒン氏が「ロシア嫌悪の発言」をしたとしてミロヒン氏を徴兵するよう求めたこともある。これが結果的に、同氏が国外に逃亡する要因となったと報じられている。

ミズリナ氏はロシアのウクライナ侵攻が始まると、「ロシアのウクライナ侵攻における戦争犯罪」や「ブチャの大虐殺」といったウィキペディア・ページを不特定の虚偽情報に基づいてブロックするよう、ロシアのメディア監視機関「Roskomnadzor」に要請した。

「Xolidayboy」のマネジメント側は、ミズリナ氏が自身のプロフィールの印象をよくするためにミナエフ氏を利用していると非難している。

(英語記事 Russian TikTok star collapses after draft notice)