タリバン、女性の公園利用を全面禁止 首都カブールで

Afghan visitors walk through the Park Shahar or City Park, in Kabul on September 6, 2017.

画像提供, AFP

画像説明, 2017年当時のカブール市内の公園の様子

アフガニスタンを実効支配しているイスラム主義勢力タリバンはこのほど、首都カブールの全ての公園について、女性の利用を禁止した。女性を公共の場からさらに排除した格好だ。

勧善懲悪省の報道官はBBCの取材で、カブール市内の公園の管理当局に対し、女性を立ち入らせないよう通達したと述べた。

同省は、公園内でイスラム法が守られていないと主張している。

2021年8月にタリバンが政権を握って以来、アフガニスタンでは女性の権利や自由が厳しく制限されている。

タリバンの男女を分ける統治では、女性はこれまで日曜日、月曜日、火曜日だけ公園を利用できた。男性は残りの4日間で利用していた。

だが女性は今後、男性の親族が同伴していても公園に立ち入れなくなるという。

勧善懲悪省のモハメド・アキフ報道官は、「我々の15カ月間にわたる努力にもかかわらず、公園に行ってもシャリア(イスラム法)を尊重しない人たちがいたので、こうした措置にした」と説明した。

「制限は全ての女性に、マフラム(男性の同伴者)の有無にかかわらず適用される」

Armed Taliban fighters wait to board a pirate ship for a swing in Qargha recreational park on the western suburb of Kabul City on September 17, 2021 in Kabul, Afghanistan.

画像提供, Getty Images

画像説明, カブール近郊の公園を訪れるタリバン兵(2021年9月撮影)

<関連記事>

Presentational white space

女性の立ち入り禁止は、ゴーカートや観覧車などがあり、家族が子供連れで訪れることのある遊園地にも拡大された。

現在は首都カブールのみだが、こうした規制はその後、アフガニスタン全土に広がることが多い。

ロイター通信が取材したある女性は、カブール市内の公園で入場を禁止され、がっかりしたと話した。

「母親が子供と来た時には利用を許可してほしい。子供たちは何も良いものを見ていないので(中略)遊んだり楽しんだりするべきだ」

タリバン政権下の女性

タリバン政権下のアフガニスタンでは、女性の自由が厳しく制限されている。

権利を訴える多くの女性が体罰を受けている。

女性は、男性の保護者なしでは長距離を移動できない。タリバンは女性の教育再開を約束しているものの、国内のほとんどの地域で、10代の少女たちが依然として学校に戻れていない。

医療や教育など、なお女性が働いている現場もあるが、タリバンが権力を握ってからは、大半の女性が職場に戻らないよう命じられている。5月には、女性は公共の場で顔を覆うヴェールの着用を義務付けられたが、都市部ではこれに従っていない女性もみられる。

タリバンは、1990年代に統治していた頃のような残酷な女性抑圧は行わないと約束している。シャリアにのっとって女性を尊重し、教育や就労にも反対しないとしている。

しかし欧米の外交官らはタリバンに、深刻な経済危機にある国への開発資金の再開は、女性の処遇の改善にかかっていると指摘している。

(英語記事 Taliban ban women from Kabul parks)