新型コロナウイルスの「画期的な」ワクチン、9割以上に効果

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新型コロナウイルスのワクチンを開発中の米製薬大手ファイザーと独ビオンテック(BioNTech)は9日、治験の予備解析の結果、開発中のワクチンが90%以上の人の感染を防ぐことができることが分かったと発表した。

ファイザーとビオンテックは、「科学と人類にとって素晴らしい日になった」と説明した。

このワクチンはこれまでに6カ国4万3500人を対象に臨床試験が行われてきたが、安全上の懸念は出ていなかった。

両社は今月末にも、このワクチンの認可取得に向け、規制当局の緊急審査に申請する計画だという。

日本政府は7月、このワクチンの臨床開発が成功し規制当局の承認が得られた場合、2021年上半期に1億2000万回分を納入することで両社と合意している。

世界中が待ち望む新薬

ファイザーのアルバート・ブーラ会長は、「世界中の人が待ち望んだ新薬を提供し、この世界的な健康危機を終わらせる大きな一歩だ」と述べた。

ビオンテック共同創業者のウグル・サヒン教授も、今回の結果は「画期的だ」と評価した。

パンデミックによって世界中の人の生活や行動が制限されてきたが、それを終わらせるには、COVID-19の治療法改善とあわせて、ワクチンの開発が最善の方法だと考えられている。

臨床試験の最終段階である第3相に現在入っているワクチン候補は十数種類あるが、このように結果が出たワクチンは今回が初めて。

このワクチンは、ウイルスの遺伝子コードの一部を注射することで、人間の免疫システムを訓練するという、未実証の手法によるもの。

mRNAワクチンの仕組み

これまでの試験では、このワクチンは抗体だけでなく、コロナウイルスと戦うT細胞も訓練することが分かっていた。

ワクチンは計2回、3週間の間を空けて接種する必要がある。アメリカとドイツ、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ、トルコで行われた治験では、2回目の接種7日後に、対象者の9割で効果が確認された。

ファイザーは年末までに5000万回分、2021年末までには13億回分を供給できるとみている。

動画説明, ファイザーの新型コロナウイルスワクチン、何を意味している?

ただし、今回発表された結果は最終的な分析ではない。これは対象者のうち、新型ウイルス検査で陽性だった最初の94人の結果を基にしており、全ての結果を分析するまでは正確な効果が変わる可能性がある。

ファイザーとビオンテックは、11月の第3週には、規制当局に提出できるだけの安全データがそろうとしている。それまでは、各国はワクチンプログラムを始めることはできない。

さらに、このワクチンは摂氏マイナス80度以下で保管しなければならないため、流通面で困難に直面するという。

いちど接種して獲得する免疫が、どれくらい長期間続くのかについても疑問がある。

vaccine cold chain
vaccine development

(英語記事 'Milestone' vaccine offers 90% Covid protection)