アルバイトとパートの違いとは?法律や働き方、待遇を解説

  1. アルバイトとパートの違いとは? 法律や働き方、待遇を解説
アルバイトとパートの違いとは?法律や働き方、待遇を解説

求人情報サイトを見ていると、「アルバイト」と「パート」という2つの名称があります。「アルバイトを探してるけれど、パートでもいいのかな?」「アルバイトとパートの違いは何?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

実は、アルバイトとパートに法律上の違いはありません。では、法律上の違いはないのになぜ呼び方が違うのか、待遇の差はあるのかといった疑問にお答えします。

アルバイトとパートに法的な違いはない

アルバイトとパートは法律上での区別はなく、どちらも法律上は「パートタイム労働者」に分類されます。パートタイム労働者とは、「1週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用されている正社員などと比べて短い労働者」のことを指します。
求人サイトや求人情報誌に掲載されているアルバイトとパートという雇用形態は、企業側が独自の区分として利用している名称だといえます。「パート募集!アルバイトも同時募集」といった表現が見られるのはこのためです。

自分に合ったバイトが見つかる!

バイトルで仕事を探す

アルバイト・パートに対する世間のイメージ

アルバイトとパートに法律上の区別はありませんが、企業側は便宜上2つを使い分け、世間も2つを異なるイメージでとらえています。
この区別は、大まかに以下のような基準で分けられていると考えられます。

アルバイトとは?

学業を本業とする高校生・大学生などの学生や、若いフリーターが、お金を稼ぐためする仕事のことを「アルバイト」とよんだことがきっかけで世間に浸透しました。現在も「アルバイト=学生など10~20代の若手」を想定して使われています。
アルバイトは、ドイツ語で仕事や勤労を意味する「arbeit」が語源ともいわれています。


<アルバイトに対する世間のイメージ>
  • ・学生やフリーターを中心とした10~20代の若年層
  • ・繁忙期だけ、早朝や深夜だけといったようにスポット的な働き方が多い
  • ・働く期間が短期的
  • ・正社員のサポート的な役割を担うことが多い

パートとは?

パートは、英語の「part-time(パートタイム)」の略語で、「full-time(フルタイム)」の対義語です。このことから、正社員よりも短時間で働く人の呼称として使われてきました。日本では、正社員のようにフルタイムで働くことが難しく、平日の昼間、配偶者や子供が出掛けている昼間だけ働く人として、主婦(主夫)のイメージが一般的となっています。そのため、「パートタイム=主婦(主夫)が空き時間を活用して働く」という意味で使われることが大半です。
こうしたイメージから、企業側も30代以上の主婦(主夫)層をイメージして、「パートタイム」という名称で求人を打ち出していることが多いようです。


<パートに対する世間のイメージ>
  • ・主婦(主夫)層がメインで、おもに早朝や昼間など家事・育児の手が空いた時間帯に働く
  • ・一日の労働時間は短いものの、長期間で働くケースが多い
  • ・正社員と同等の仕事をし、責任を伴うポジションを任されることもある

ただし、上記はいずれもあくまで一般的なイメージであり、長期的かつ社員と変わらない仕事を「アルバイト」に任せる場合もあります。
「学生でもパートに応募してもいいの?」「主婦はアルバイトとパート、どちらに応募すればいい?」と悩むこともありますよね。そんな時は、求人を出す企業が重視しているであろう、勤務時間帯や期間などの募集要項に、自身が当てはまるかをチェックしましょう。また、アルバイトやパートなどのイメージに囚われることなく、自分がどのような働き方をしたいかが重要になります。

自分に合ったバイトが見つかる!

バイトルで仕事を探す

パートタイム労働者の位置付け

パートタイム労働者イメージ

厚生労働省は、「パートタイマーやアルバイトなど、呼び方は異なっても、1週間の所定労働時間が同じ事業所に雇用されている正社員などと比べて短いという条件を満たせばパートタイム労働法上のパートタイム労働者となる」と定義しています。
そのため、パートタイマーやアルバイトの多くは、パートタイム労働者に分類され、パートタイム労働法によって守られています。

パートタイム労働者を雇い入れた事業主は、労働基準法で定められたとおり「契約期間」「仕事をする場所と仕事の内容」「始業・終業の時刻」「所定時間外労働の有無」「休憩・休日・休暇」「賃金」「退職に関する事項」などの労働条件を明示するとともに、すみやかに「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」についての文書の交付などで、明示を行う必要があります。
労働条件に不明な点がある場合は、アルバイトもパートも、しっかりと説明を求めることが大切です。

また、働き方改革関連法により、パートタイム労働法はパートタイム・有期雇用労働法に改正され、2020年4月より施行されました。これにより、事業主は労働者に対して、労働条件や正社員との待遇の違いについて説明の義務が課せられています。また、正社員とパートタイム・有期雇用労働者との不合理な待遇の差も認められません。


その他の雇用形態の特徴については、コチラをご覧ください!
何が違うの?働き方の違いメリット&デメリット|派遣・請負・パート・アルバイト・正社員!

自分に合ったバイトが見つかる!

バイトルで仕事を探す

パートタイム労働者の待遇

アルバイト・パートという雇用形態の求人に応募する際、気になるのが正社員との待遇の違いです。
労働基準法上では、パートタイム労働者も正社員も、すべて「労働者」に区分されます。それぞれの違いは、契約期間と労働時間にあります。

・正社員
会社が決めた所定労働時間どおりの、フルタイム勤務を前提とした契約期間を定めない雇用

・パート/アルバイト(パートタイム労働者)
短時間勤務の契約期間を定めた雇用

上記の区別だけ見ると、雇用が不安定で会社に守られていない、という印象を抱く人がいるかもしれません。そうした不安を解消し、パートタイムで働く人を守るのがパートタイム労働法です。

パートタイム労働法は、仕事内容や責任、人事管理が正社員と変わらないのに、働きに見合った賃金や待遇が得られなかったり、正社員登用されにくかったりといった問題を解決し、誰もが正当で公平な待遇を得ることができる環境の実現を目指すために制定されました。


アルバイト・パートのメリット・デメリットについては、コチラをご覧ください!
何が違うの?働き方の違いメリット&デメリット|派遣・請負・パート・アルバイト・正社員!

詳しくは、厚生労働省「パートタイム労働者、有期雇用労働者の雇用管理の改善のために」を参照ください。

アルバイト・パートにも有休はあるの?

アルバイト・パートとして働くとなると、「アルバイト・パートでも有休はもらえるの?」といった休暇の待遇についても気になるかと思います。
この年次有給休暇は、正社員しかもらえないと思われがちですが、実はアルバイト・パートでも取得することが出来ます。
ただし、取得するには一定の条件を満たすことが必要です。年次有給休暇が付与される要件は以下となります。

  • ・継続勤務が6ヵ月以上
  • ・全労働日の8割以上出勤している

また、付与される年次有給休暇は所定勤労日数によって決められます。


通常の労働者の場合(週5以上)
継続勤務年数 6ヵ月 1年6ヵ月 2年6ヵ月 3年6ヵ月 4年6ヵ月 5年6ヵ月 6年6ヵ月以上
有給日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

週の所定労働時間が4日以下かつ労働時間が30時間未満の場合
  週所定
労働日数
1年間の
所定労働日数
継続勤務年数
6ヵ月 1年6ヵ月 2年6ヵ月 3年6ヵ月 4年6ヵ月 5年6ヵ月 6年6ヵ月以上
付与日数 4日 169~216日 7 8 9 10 12 13 15
3日 121~168日 5 6 6 8 9 10 11
2日 73~120日 3 4 4 5 6 6 7
1日 48~72日 1 2 2 2 3 3 3
関連記事
バイトに有給休暇はあるの?|Q&A相談室|バイトル

アルバイト・パートは社会保険に入れる?

アルバイト・パートで働く場合、健康保険・厚生年金・雇用保険等といった社会保険に加入することはできるのでしょうか?この点は特にフリーターの方は気になるところですよね。
こちらも年次有給休暇の取得と同じく、条件にあてはまる場合は「社会保険に加入させる義務」が会社に発生します。そのため、条件によっては加入が必須となります。
加入条件は以下となります。

  • ・1週間あたりの決まった労働時間が20時間以上であること
  • ・1ヵ月あたりの決まった賃金が88,000円以上であること
  • ・雇用期間の見込みが1年以上であること
  • ・学生ではないこと
  • ・以下のいずれかに該当すること
    └従業員数が501人以上の会社で働いている
    └従業員数が500人以下の会社で働いていて、労使が社会保険に加入することに合意している
関連記事
パート・アルバイトの悩み。社会保険・配偶者控除は受ける、受けない?
【パート必読】「106万円の壁」で働き方が変わる!

参考記事
パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象が広がっています。

自分に合ったバイトが見つかる!

バイトルで仕事を探す

まとめ

このように、パートとアルバイトは法律上の大きな違いはなく、便宜上名称が使い分けられているだけで、一定の条件を満たしていれば、厚生年金保険や健康保険への加入、また有給休暇の取得なども可能です。
2016年からは厚生年金保険・健康保険(社会保険)の加入要件が拡大して加入対象者が増えるなど、パート・アルバイトの雇用環境は以前に比べて充実しています。

勤務先を決める際は、仕事内容だけでなく、雇用条件などをしっかり確認してから選ぶようにしましょう。

5つのSTEPでキミのバイト応募をサポート!バイトGET完全マニュアル


【あわせて役立つ!履歴書関連の記事】
もう迷わない!アルバイトの履歴書の正しい書き方
もう悩まない!パートの履歴書の書き方を徹底解説
履歴書の種類と自分に合った履歴書の選び方
アルバイト・パートの仕事を探すならバイトルで!

特徴・勤務地から仕事を検索

検索

人気の検索

人気の検索

検索

カテゴリ一覧