ユースサッカーの世界を描くアオアシが加速度的に面白い・ネタバレ感想

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アオアシ（１） (ビッグコミックス)

少年スポーツ漫画の定番といえばサッカーと野球。

これまでたくさんの漫画がヒットしたり大コケしたりと色々、そんな中で2017年マンガ大賞第4位を獲得した一風変わった作品がアオアシです。

ビッグコミックスピリッツ（青年誌）でかつJユースというピンポイントな所をじっくり描かれているので他のサッカー漫画とはまた違った方向性の面白さがあります。

中身を読んで初めて面白い作品なのでネタバレしつつあらすじなど紹介していきます。

アオアシ

愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人（あおいアシト）。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに―――そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也（ふくだたつや）が現れる。アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて！？将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、ここから急速に回り始める！！

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出典：アオアシ

主人公は田舎でサッカーをしている中学生青井葦人。全盛期のロナウドの生まれ変わりを自称するマンガの主人公みたいなヤツです（最初は）。技術面に難ありだけどサッカー選手としての資質がある、

ザ・主人公です。しかもFWで点取り屋でワンマン。

東京シティエスペリオンFCのユース監督福田達也との出会いで全てが変わります。

セレクションとアイディアでの勝利

高校入学前のセレクション。

ユースなので中学生から始まるものかと思いきや、高校生になる一歩手前からです。一番面白い高校編からってのは良いところです。

高校ユースは昇格１１人、推薦３人、セレクション合格１人で構成されていると描かれています。超優秀な主人公ではないからセレクションから始まるってのがむしろリアル。冷静に考えたら突然狭き門に放り込まれる圧倒的主人公感。（普通なら強豪と戦っているところ）

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出典：アオアシ

葦人は技術的に完全に劣っているのでほとんど活躍できません。ユースセレクションなので勝利することが目的ではなく、活躍することが合格への一歩。もちろん勝利するのが手っ取り早い方法ですが、あくまで実力を発揮してアピールすることです。それができない。

これが面白いんですよ！葦人は他者と比べて能力が低いため、アイディアで勝利を導きます。

サッカー漫画はサッカー中の会話や派手な技を楽しむ作品と理詰めで勝利への道筋を楽しむ作品の2種類あるけれどこれは完全に後者ですね。

勝利より成長が描かれる

アオアシ（４） (ビッグコミックス)

いざセクションを合格した後は基本的に試合で勝利することがメインではありません。ユースのメンバーとして1軍になることが一先ずの目標です。そのためには自分が選手として強くなるための努力をします。

元々ワンマンプレーという悪い所もあったりと・・・技術的に劣る主人公は技術を磨いていきサッカー選手としてユースの選手として葛藤・挫折・成長していきます。

ここもポイント。

個人的にはスポーツ漫画の修行編が一番好きなんですよ。永遠に修行していたほうが良いんじゃないかってすら思ってます。

アイシールド21とか9巻のアメリカ合宿編が一番面白かった感覚を思い出します。その努力が発揮される第1試合目は超熱い。

毎巻そんな感じなのがアオアシです。

7巻で突然のSB転向

アオアシ（７） (ビッグコミックス)

正確には6巻。バリバリのアタッカーのFWから唐突にディフェンダーのSBに転向させられます。

そろそろ落ち着いてきた頃だったんですよ、6巻で！サッカー漫画って試合が多くなっていくので、どうしても何処かでマンネリしますよね。

アタッカーとディフェンダーはほとんど違うので説明も一からです。また主人公の成長が観られるとワクワクしました。高校サッカーと違って試合ラッシュがない分、描き方が全然違うけどこうくるとは思ってませんでした。

予想を良い意味で裏切る

私はサッカーの専門家ではなく常識しか知らないので、葦人はMFになると思ってました。FWにしては司令塔的な役割が多かったし、アイディア力などメンバーの中心に相応しいと・・・

それがSBになるのがなんとも面白いです。10巻時点でも監督が何故SBに転向させたのか明らかになっていません。

基本的に主人公はMFか、派手な演出が多いFWなのに、ユースとSBなど他にない新鮮なストーリーであることを貫いてきます。演出が抜群に良いから成立してるけどこの地味な所をここまで熱く描ける小林有吾先生は本当に凄いです。

面白いのは主人公がメインだから

サッカー漫画の特性上、メンバーのサイドストーリーがガンガン放り込まれます。野球とかもそういうの多いです。

この漫画も例外ではないけれど葦人の成長する部分が非常に多いので横にズレにくい。葦人を中心に必要なサイドストーリーばかりで読んでいて気持ちいいです。

11人のサッカーでありながら主人公に大きいスポットが当たっている作品は他の漫画と比較すると珍しいと思います。

まとめ

キャプテン翼でMF、エリアの騎士でFWなど他の漫画で読みつくした、サッカー漫画好きも新しいジャンルとして楽しめること間違いです。

そういえば、SBは長友佑都選手が有名ですね。

ある意味流行に乗った漫画の可能性も・・・？ではでは！

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