ライター・竹田ダニエル=寄稿
拡大する11日、米ラスベガスであったスーパーボウルの終了後、恋人のトラヴィス・ケルシーさん(左)と喜ぶテイラー・スウィフトさん=AP
米国時間2月11日に、ラスベガスでアメフトの最大イベント、スーパーボウルが開催された。アメリカ中の人々がテレビに釘付けになり、バーベキューを焼き、家族や友達でパーティーをし、1億人以上が視聴する恒例の国民的行事だ。試合だけではなく、カンザスシティー・チーフスの選手トラヴィス・ケルシーの恋人であるテイラー・スウィフトが観客として参加すること、そしてハーフタイムショーでアッシャーがパフォーマンスをすること、そしてどのようなCMが放送されるかが盛大に注目された。
元々は、テイラー・スウィフトのファンとNFLのファンは客層が異なるとされていたのが、いわゆる「テイラー効果」で、若い女性の視聴率や「テイラーをテーマにした視聴パーティー」による経済効果までもが期待された。
実写版映画「ウィキッド」の予告編がCMとして流れたり、通信会社ベライゾンのCMにビヨンセが登場し、その後アルバムの発表と新曲をリリースしたり、テイラー・スウィフトとその友達が試合を楽しむ様子の動画や写真が様々な媒体から出回ったり、アッシャーのパフォーマンスには数々の豪華ゲストが参加したり、スポーツファン以外の「カルチャー好き」も楽しめるような瞬間が数多くあった。
しかし、このような豪華絢爛(けんらん)なスポーツの祭典が行われているのと同時に、パレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファではイスラエルによる空爆が行われ、12日時点では100人以上の犠牲者が出たと報道されている。ラファ地区は64平方キロの広さがある。イスラエルによって行われてきた4カ月間にわたるガザへの攻撃で3万人近くが亡くなった中で、「イスラエル軍は『さらに南へ』と安全を約束し続け、その約束は実現しなかった……現在約140万人のパレスチナ人がラファに押し込まれている」とアルジャジーラは報道している。
この報道を受けて、インターネット上では混乱と絶望の声が数多く上がった。実際、アメリカ人(特に若者)の多くは、ガザで行われている虐殺に反対している。抗議活動や行進、ボイコットも行われている中で、アメリカ政府は一向にイスラエルへの支援を取りやめない。13日にはウクライナとイスラエル、台湾を支援するために上院は950億ドルの法案を可決した。
アメリカでは学生ローンの借金問題やホームレス危機、医療保険問題など、貧困と格差の問題がどんどん悪化し政府はかたくなに「支援する余裕はない」というスタンスを取る中で、軍事的支援には惜しまずにお金を出し続け、ジェノサイドに加担し続けていることが多くのアメリカ人を「当事者」の立場として懐疑的にさせている。
さらに、イスラエル政府はスーパーボウルで放送される30秒のCM枠を推定700万ドルで購入し、「捕虜を取り戻す」といった趣旨の広告を流した。つまり、まさにアメリカ人がこの「情報戦争」のターゲット層なのだ。
米誌ネイションは12日、「ス…