米ラスカー財団は28日、今年のラスカー賞の公益事業部門に、新型コロナウイルスの感染拡大初期から世界の感染者と死者数を集計し、ウェブサイトで公開を続けている米ジョンズ・ホプキンス大学のローレン・ガードナー博士を選んだと発表した。

 ラスカー賞は米国でもっとも権威ある医学賞。新型コロナのデータを瞬時に世界中に提供する体制を構築したことが評価された。

最初は322人から

 同財団の資料によると、ガードナー氏は新型コロナの感染が広がり始めた2020年1月、大学院生とともに感染者数の可視化に着手。アジアでの感染者322人の分布を示す地図をつくり、ツイッターに投稿。財団はその後の発展について、「公衆衛生に関する報告について革命を始めた」と評価した。

 ガードナー氏らはネット上でデータを公開し、情報の更新を続けた。当初は中国の医療関係者向けサイトで症例を集めた。その後、感染が拡大し中国国内の症例が増えると、メディアの情報や当局者のツイッターへの投稿などを手作業で集計し、それを地元の保健当局に確認するという方法を使った。

集計を自動化

 学生たちと24時間体制で新たな症例のデータ更新をしていたが、感染者が爆発的に増えたため、世界各地のデータを自動で収集するプログラムを作成。重複して集計しないようにしたり、異常値を検出したりする工夫も加えた。

 現在は1万カ所以上の地点で1時間ごとにデータを収集し、集計した情報はネット上(https://coronavirus.jhu.edu/data別ウインドウで開きます)で公開を続けている。22年初めまでの閲覧数は数千億回となっている。

他部門の受賞者は

 市民やメディア、政策立案者、…

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