聞き手・赤田康和
外国籍の住民にも開かれた武蔵野市の住民投票条例案が市議会本会議で否決された。外国人参政権について研究してきた近藤敦・名城大教授(憲法学)に話を聞いた。
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外国籍の住民の参加を「在留期間3年以上」などに絞るべきだという反対派の主張には一定の説得力があった。
だが、参加そのものを「違憲の疑い」「国益を損なう」と批判した反対派の主張はこじつけで、普遍性に欠けていた。
今回、首都東京の中にある市で外国人の参加を認める住民投票条例案が否決されたことで、日本は閉鎖的な国だという印象を海外に与える恐れがあるだろう。
折しも、米ニューヨーク市は市議会が今月、就労許可証を持つ外国人に、30日以上の居住を条件に地方選挙権を認めたばかりだ。
私の調べでは、何らかの形で外国人に地方選挙権を認める国は韓国など65に及ぶ。地方自治に外国人を参加させる動きはすでに国際的に広がっている。
武蔵野市は今後、「在留期間3年以上」といったふうに資格の範囲を絞るなど、条例案を修正して、再提出したらどうか。(聞き手・赤田康和)