ボクシングおすすめアニメランキング 30

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのボクシング成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月07日の時点で一番のボクシングおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.6 1 ボクシングアニメランキング1位
勇気爆発バーンブレイバーン(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (164)
359人が棚に入れました
―――ふたりを繋ぐ“勇気”人型装甲兵器『ティタノストライド=通称TS(ティーエス)』が発達した時代。 各国軍は“ハワイ オアフ島”に集結。陸上自衛隊所属 イサミ・アオと アメリカ海兵隊所属 ルイス・スミスのふたりは戦闘の最中出逢う。 突如所属不明機による強襲を受け、為す術もなく散っていく兵士たち。 己の誇りをかけて戦え。死と隣り合わせの戦場で生き残る為。仲間を救う為。 命を信じて、“勇気”を燃やせ。
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

8話が事実上の最終回・・・だと?

<2024/2/19 追記>
制作スタッフがトークショーで「スタッフ的には8話が事実上の最終回」と言ってたらしい。
ストーリー的になのか?
謎が解けるって意味なのか?
アニメ製作作業が一番大変だったってことなのか?
とにかくあと2話っすね笑

<2024/1/20 初投稿>
Cygamesのオリアニらしい
2話まで見ました
見始めなので評価はデフォルトの3.0

こういうのも多様性って言うんですかね
海外の腐れポリコレ野郎どもに是非とも意見を伺いたい笑

内容は・・・ある意味生粋のロボアニメです。
リアルでもありスーパーでもある。
それ以上は今は言えない笑

ロボものお好きな方ならちょっと覗いてみる価値あるかもです。

2話まで見た感じ、もしかしたらブレイバーンって{netabare}女の子か?スミスを乗せるのを「生理的に無理」とか言ってたし。2話ラストで波打ち際に倒れてた女の子って倒された敵ロボたっぽいし。
まさかこの作品って、艦これやウマ娘のように美少女化するスーパーロボものなのでは?笑
Cygamesだし{/netabare}笑

つかこの後どうなるの?

<2024/2/18 初投稿>
6話まで見ました。
評点4.2は6話まで見てのものです。

謎が謎よぶ展開。
さっぱりわかんなくなった。
3〜6話までのポイントは
{netabare}
・美少女ルル登場
・海中戦。エヴァのガギエル戦を彷彿とさせる
・イサミ、ようやくパイロットスーツ着る
・男二人が半裸で拳で確かめ合う笑
・杉田メカ再登場
・名乗りのタイトルバックは自分で投影するスタイルのブレイバーン笑

6話の杉田さんの挙動見ると変態ロボども=美少女説は無くなったのかな
だとするとCygamesはブレイバーンをどんなゲームにするつもりなんだろ?このままだと生理的に気持ち悪いゲームになりそうだけど笑
{/netabare}

4,5話で少しおとなしかったブレイバーンさん
6話でまた気持ち悪さ充満してきましたね。
この先も楽しみ。。

<2024/4/7 追記>
リアタイで最終回見ました
ブレイバーンの正体が{netabare}スミスだってのは、もしかしたらとは思ってましたが、まさか淫蕩のデスドライブズ・田中敦子さんもといクーヌス嬢だったとは!!!笑{/netabare}
どうりで気持ち悪いわけだ
王道エピソードをパッチワークのように組み合わせてるくせに、今まで全くなかったロボアニメになるという訳のわからないアニメでした
あとやっぱOPテーマ曲がクセになりますね

そういえば公式が変ですね
デスドライブズの{netabare}追悼{/netabare}動画を出したり。特にとあるデスドライブズさんの{netabare}追悼{/netabare}動画はほとんど「ヒロシです・・・」になってたし笑

あと女の子キャラの抱き枕を販売するのはわかるとして(ネットでは「なぜイサミとスミスの抱き枕じゃないんだ」の声が上がってたようですがw)、股間にイサミをあしらったパンツ売り出してるし。ケツはブレイバーンw

エイプリルフールネタで「ブレイバーンのフライパーン」とか

最後までやりたいほーだいっすね

投稿 : 2025/01/04
♥ : 25

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

2話の某キャラのセリフと同じで、生理的に○○になってきたため断念・・。(2話まで視聴して)

>1話まで視聴して
子供向けっぽい作品タイトルにダメモト程度の逆期待をし、特に事前情報収集せず、ぶっつけ視聴開始っ。

序盤の印象は、最近のロボット系FPSゲーム?っぽい印象。。
作画?CG?等は丁寧な感じだけど、全面的に真面目な感じで、特に気は惹かれず・・。

”勇気”。大切なキーワードのようですね・・^^。

一気にシリアスな展開に・・。

逆オペレーションメテオ??(全然違うw)。
でも、される側で自分がそこにいると想像すると、勿論恐怖でしかない・・。
異星人??。未知の得体のしれないモノとの邂逅。圧倒的テクノロジーの差を見せつけられた時
それは、固まってしまうことしかできないことでしょう・・。


ここで垣間見える本作の主人公っぽくない地味さ^^(そこがいい)。
碇シンジ君ばりの手の動作ww。
そしてアムロ・レイばりの初実戦での恐怖描写w。

モルヒネ投与する医療班の描写も何気に良い。

実は主人公はもう1人?。
バディになりそうな感、醸し出し過ぎw。

・・と思ってたら、瞬間的に視界が何色か一色に染められてしまう・・。
何らかの災害等に巻き込まれてしまう時というのは、実際そんなものなのかもしれません。
リアル系・・で普通に考えたら、たいてい即死案件でしょうw。
まさかの1話退場?w・・と思わせといて
こんなのスーパーロボット系じゃないと生存できんでしょw。


ああ~、絶体絶命~

からの~

ああ~、これバカアニメだ!!(←誉め言葉&大歓喜♪)

誰?、これ歌ってんのw。

ダサすぎるww(誉め言葉^^)。


日曜朝の”戦隊ロボットもの”っぽいロボ感が濃すぎるけど
普通それだと。動きがカクカクしてカッコよくないはずだけど
なぜかリアルロボット系であるかのような身のこなし描写ww。
・・一瞬、タウバーンっぽくも見えてしまう(錯乱)。。

リアル系、スーパーロボット系のいいとこどりしてますね♪。
すごくバカアニメだけど、主人公たちの真面目さとのギャップがいい味になってる!。

1話だけの、出オチアニメになってしまうのか
はたまた、アツいバカアニメを貫き通してくれるのか?。
今期は、まず本作の行く末が楽しみになりました!。

どちらにしても、こういう作品に最も大切なのは、敵キャラの魅力だと思います。
今後、魅力的な敵キャラが出てきてくれることを信じて待ってみることにします^^。


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>2話まで視聴して
2話の某キャラのセリフと同じで、生理的に○○になってきたため断念・・。
なんとかもう1回、確認のため再視聴しようと思ってましたが
やはりもう観る気が湧いてこない・・。
 
う~ん。一言でいえば、いろんな意味でやりすぎです・・。
 
 

投稿 : 2025/01/04
♥ : 9
ネタバレ

セシウス さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

中途半端なコメディロボアニメ

 ロボアニメに色々携わってきた人を監督に据えたオリジナルロボアニメですね。
 搭乗型ロボットが兵器として実用化されている近未来の地球が、突如宇宙から超兵器で攻撃されるところから始まります。米軍と合同演習中だった主人公の自衛官は米軍とともに侵略者と戦いますが全く歯が立たず全滅必須の大ピンチ、そこへ謎のロボットが救援に登場し侵略者部隊を駆逐してくれます。この謎のロボットは意思を持った自律型で、なぜか主人公のことを知っていて一方的に好意を寄せており、主人公のために侵略者と戦ってくれるといいます。この謎ロボットの戦う動機が主人公への好意になっている点がとてもユニークで、ここまでを描いた第一話の時点で続きのストーリーに強い期待を抱かせます。
 しかしながら、二話以降は単に協力しながら侵略者と戦う話に終始し、つまらなくなります。また話のテンポもやたら遅かったり急展開だったりと安定せず見るのがだんだん苦痛になってきます。
 この作品がギャグアニメではない、ということがわかると設定で明かされない点があまりにも多くて非常にモヤモヤします。例えば {netabare} ブレイバーンを作ったのは何者なのか、侵略者の目的は何か、日本とハワイ以外の他の地域はどうなっているのか、ルルは結局何だったのか、なぜブレイバーンは主題歌を流すのか、日本語の主題歌を作ったのは誰なのか、{/netabare}などなど挙げればキリがないです。

 キャラクターは主人公がとにかく魅力に乏しいです。良いところが全くなく、相棒キャラとロボットの引き立て役です。その他のキャラクターたちも描写が薄くて印象に残りにくいです。唯一主役ロボットだけが序盤だけものすごくユニークでしたが、第三話以降はあまり面白みのないキャラになってしまって残念に感じました。声優さんたちは声はあっているし演技も良かったと思います。ただキャラに深みがないため、平凡に聞こえてしまうのが残念でした。

 作画はとても良かったです。女子キャラは皆可愛く、メカもデザインやエフェクトが良くできていてバトルシーンは見ごたえがありました。音楽はOPはいかにもなスーパーロボットアニメ風、EDは極めて特殊な男デュオのバラードで、どちらも一度聴いたら忘れられなくなります笑
 ユニークなロボアニメを作ろうとしたけど熟成不足でバラバラになってしまった印象の作品です。どうせならシリアスな設定をもっとしっかり作り込んだうえで、ロボも入ったガチムチ三角関係のギャグアニメとかにすれば良かったのに、と思いました。
 

投稿 : 2025/01/04
♥ : 0

63.6 2 ボクシングアニメランキング2位
愚かな天使は悪魔と踊る(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (100)
337人が棚に入れました
天界からの攻勢に抗うために、魔界を鼓舞するカリスマとなりうる人間をスカウトしに人間界へとやってきた悪魔「阿久津雅虎」。 彼は正体を隠し転入した学校で、可憐な美少女「天音リリー」と出会う。 早速リリーを勧誘する阿久津だったが、リリーの正体は悪魔の天敵「天使」で…!? 魔界を守るためにリリーを堕天させようとする阿久津と、とある目的のために阿久津を更生させようとするリリー。 絶対にアイツを堕天/更生(お)としてやる…! 天使と悪魔の「オトしあい」バトル開幕!!


声優・キャラクター
阿久津雅虎:内田雄馬
天音リリー:佐倉綾音
谷川裕也:梅田修一朗
広田健作:土岐隼一
棚橋夕香:東山奈央
リズ:釘宮理恵

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

その日俺が出会ったのは、悪魔のような、天使だった――。

この作品の原作は未読です。
あやねるが出演されると知り視聴を始めましたが、かおちゃん、奈央ぼう、釘ゅと錚々たる面子が揃っていたので、テンション爆上がりで視聴していました。

2024年冬アニメも、あやねるボイスをしっかりと堪能させて貰いました。
あやねるはこの作品以外にも道産子ギャルや、め組の大吾にも出演されていましたからね。


天界からの攻勢に抗うために、
魔界を鼓舞するカリスマとなりうる人間をスカウトしに
人間界へとやってきた悪魔「阿久津雅虎」。

彼は正体を隠し転入した学校で、可憐な美少女「天音リリー」と出会う。
早速リリーを勧誘する阿久津だったが、リリーの正体は悪魔の天敵「天使」で…!?

魔界を守るためにリリーを堕天させようとする阿久津と、
とある目的のために阿久津を更生させようとするリリー。

絶対にアイツを堕天/更生(お)としてやる…!

天使と悪魔の「オトしあい」バトル、開幕―!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そう言えば「天使と悪魔の攻防を描いたアニメ」って他にどんな作品があるんだろう…と思ってググってみたところ、あにこれβの中に「天使と悪魔おすすめアニメランキング」なるモノが出てきました。
こんなランキングがあったなんて…

と思い、早速覗いてみると、1位:屍鬼[シキ](TVアニメ動画)、2位:愚かな天使は悪魔と踊る(TVアニメ動画)、以上…

この様なランキングがあったのにもビックリしましたが、2作品しかランクインしていないランキングの存在に、もっとビックリしました。
なんか、名乗っている人のメッチャ少ない苗字の方に出会ったくらいの衝撃は受けた様な気がします。

この作品の本当の面白さに出会えるのは、終盤に入ってからだと思います。
あやねる演じるヒロインの天音リリー…才色兼備で苦手なモノなど微塵も無い完璧が服着て歩いている感じがしますが、この辺りの設定も終盤に物語に大きく影響していました。

ですが、完走するには相応の覚悟が必要な作品だと思ったのも事実です。
次々に明らかになる真実は正直目を覆いたくなるような展開が次々と襲い掛かってくるからです。

徹底的な痛ぶり…という言葉が最も適切かと思います。
そんな展開ってどうなのよ…って思いますけどね。
まぁ、この展開が無かったらもう一段の高みを見ることも無かったでしょうけれど。

ですが、終盤の展開に至った経緯はしっかりと教えて欲しいかな。
触りの紹介はありましたが、真相は闇の中だと思うので。

そして続編を匂わせる終わり方…
原作のストックはありそうなので、続編は円盤や配信の成績次第、というところでしょうか。
推しの声優さんがいるなら是非チェックして欲しい作品だと思います。

オープニンブテーマは、太陽と踊れ月夜に唄えさんによる「オトワ」
エンディングテーマは、かおちゃんによる「Gift」

1クール全12話の物語でした。
物語がどの方向に転がっていくのかが全く読めない作品でした。
続編制作されるなら絶対視聴します!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 9

こま さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

主人公、身を挺してヒロインを助けるが犬にされる!?

アレでヒロインがマジで嫌いになった。見た目は可愛い…ただそれだけ()

ヒロインがトラックに轢かれそうになるが主人公が飛び出し、ボロボロになりながらヒロインを助けるが悪魔の力を使ってしまいヒロインにバレてしまう。
その後主人公自分は悪魔だと話し、堕落した悪魔を鼓舞する為に来てくれないか?と頼むのだが…。

それを聞いたヒロインは不意打ちで主人公を鎖で拘束するって言うね()
自分は天使だと言い「お前の仲間をいたぶって浄化した」と言うのを聞いて主人公ブチギレて拘束を解くのだがまた拘束される。
分かりやすく格上。

助ける代わりに首輪を付けて犬になれと言う。
それが嫌なら鎖で巻かれた状態をSNSで晒すと脅す()
更にはそのまま放置…したらどうなるんだろね?
何かのプレイ中に見えるかも?とコレまた脅す()

更に更に犬になるなら自分で首輪を付けろと言う。ヒロイン無理矢理首輪を付ける()
首輪を付けるシーンは今までのが「無ければ」エロいと思ったかもしれない…。
が、ただただ気持ち悪くて引いた…。
1話で主人公は悪いことは一切していない。なんならヒロインを身を挺して助けている。
それに対しての答えがコレ…。ありえない…。

コレどっちが悪魔なんだろうね?

物語冒頭のシーンが個人的に気になったのでマンガを確認。
子供の頃に脱毛剤の薬を育毛剤の薬と勘違いし、ハゲになったって言うくだりはなんだったのか?
「設定ならこれが良い」と上司のアドバイスの所為だったと言う…。
コレを面白いかと言うと微妙としか言えない…。

マンガ見る限りこの後の展開も主人公が理不尽な目にあうのがホント…。
悪い事をふつうにしてる悪魔なら良かったんだけどね。

良い子すぎて相対的にヒロインが悪魔にしか見えない。
例え何かの目的の為にやってるとしても、観てる側としてはヒロインの行動はやり過ぎな上、引くレベル。

マンガ読んだら余計観る気が無くなったの草。
1話切り。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 3

たナか さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

とある悪魔の堕天作戦

天使と悪魔によるいつものやつを茶化したようなラブコメ。
健気で儚い金髪ロリ少女だと思った?残念!ロリババアでしたー!

悪魔・阿久津は潜伏中の人間界で美少女リリーと出会う。天使撲滅へ協力を懇願するもリリーは天使だった。激闘の末に阿久津はリリーの軍門に降るが彼には魔界を救う使命がある。悪魔の阿久津を始末しないリリーの目的とは?天使と悪魔の負けられない戦いが、今始まる。

OPはカオスなB級アイドルソング。この自由さは嫌いじゃない。
EDは絶妙なヘタウマ感がクセになる石原氏。

02
あーはいはいそういうことね

多分かぐや様アレンジをしたかったんだと思うが単に作者の力量不足。

なんかやりたいことはわからんでもないが居心地の悪いチグハグさに違和感。スタッフが作者の意図を汲めずにオリアニが失敗してるのか?と原作チェック。いやわりとまんまだった。メタファーの格闘シーンの気合いの入れようも原作準拠。ここに無駄に力を入れることのギャップで笑わせようとする意図はまあわかる。アニメでの文字演出は好きではないが、ギャグが成立しないのでやむなし。成立しないものだからこそこれ自体にはそこまでの嫌味はない。初回よりリリーを可愛く見せようとする意図は成功しているように思う。

これ阿久津をゆびさきの逸臣やループ7回のアルノルトクラスのイケメンにしないとギャグとして成立しないのでは?いちいちこちら側が「そういうことになっている」という前提を毎回飲み込む必要がある。要するに漫画が上手くない。サクサク読めるマンガならまだギリギリ成立してるかもだが、これをそのままアニメにするともう破綻してると言っていい。

初回は今後どう転ぶのか不明なので興味が湧いたが、底は見えたのでもういいかな。
コンセプトは嫌いではないのだが、逆の意味で頭を使わされるのでめんどい。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 1

83.0 3 ボクシングアニメランキング3位
ダンベル何キロ持てる?(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (745)
3248人が棚に入れました
「ひびき……お前、また太った?」食べることが大好きな女子高生・紗倉ひびきの心に突き刺さった友人の非情な一言。夏休みまでに絶対に痩せてみせるとダイエットを決意したひびきだったが、一人ではまともに運動も続けられない体たらく。こうなったらとひびきが足を運んだ先はトレーニングジムだった! そして入会したジムで同級生のカリスマ美少女生徒会長・奏流院朱美と出会ったひびきは、深くて楽しい筋トレの世界へ足を踏み入れることに……。

声優・キャラクター
ファイルーズあい、雨宮天、石川界人、石上静香、東山奈央、堀江由衣、玄田哲章、戸松遥
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

わがままBODYは正せます!

はじめに、、、

わりとガチ勢なので客観的な意見は期待しないで下さい。

観るべくして観たアニメであり、楽しむべくして楽しんだアニメであります。
広背筋いじめて痛みにうっとりするド変態野郎の妄言という前提で以下お楽しみいただければ幸いです。



女子高生を媒介にして体づくりに向き合った作品。
ためになる点では『はたらく細胞』、題材へのモチベーション喚起の点では『ゆるキャン△』などの系譜に連なる作品です。
エンタメとのバランスを取れてかつハマれば “ためになりやりたくなる” そんな未来が待ってます。
しかしちょっと待ってください。


 ウケんのかこれ?


世間一般から見たオタク像って運動と無縁で体育会系を忌避してるじゃないですか(失言1)。そこに迎合してアニメでは体育祭より文化祭にメインエピソード持ってくるし、主人公はだいたい帰宅部でサッカー部キャプテンあたりを目の敵にしてるみたいな!・・・そうです。ものすごい偏見です。
しかも作中の“シルバーマンジム”のモデルは名前からして“ゴー○ドジム”でしょう? 数あるフィットネスクラブの中で、「プール無し」「フリーウェイトエリア広め」「有酸素運動エリア狭め」「スタジオプログラムあったっけ?」なとにかく筋トレガチ勢御用達のジムですよ。

1.いくらJK投入してもアニオタ(ステレオタイプ)の心を溶かすのは難しいのでは?

ひとつめの疑問です。
だいたい筋トレなんて意識して部位をいじめて回復させての単調な繰り返し。

2.それで30分もつのか?15分枠で充分じゃね?

ふたつめの疑問は12回×30分なんてダレるだろうよの心配です。
みっつめは冒頭に挙げた観点と照らし合わせて、話を盛ってまがいもん教えられても反応に困るという知識やモチベーション喚起面での不安。

3.ためになりやりたくなるのかいな?

と3つのハードルがありました。


結果はご覧の通り。ネットなどの評判を見る限り作品は好意的に受け止められたようです。

{netabare}「見ないで!今日は三頭筋のハリが悪いの」atどこぞのプール{/netabare}

あたかも“筋肉は裏切らない”どっかで聞いたことあるようなフレーズが舞いそうなエンターテイメントに徹した満足の一品でした。
なお上記のハードル3点への適合度合いを整理すると、

 1.○ :しっかりエンタメしてる
 2.△ :ネタ繋ぎに苦労してた
 3.◎ :ためになりやりたくなる

といったところです。
脳筋を先鋭化させた極端なキャラたちが醸し出す面白さとたまに吐かれる毒。ストイックさとお笑いとが良いバランスで同居してます。


【キャラ】◎は主要キャラ

◎紗倉ひびき(CVファイルーズあい)
◎奏流院朱美(CV雨宮天)
◎上原彩也香(CV石上静香)
◎ジーナ・ボイド(CV東山奈央)
◎街雄鳴造(CV石川界人)

立花里美(CV堀江由衣)、愛菜るみか(CV戸松遥)、呉夜叉(CV大原さやか)

ハーンノルド・ドゲゲンチョネッガー(CV玄田哲章)


キャラクターの強烈さに隠れがちでしたが、筋トレ含めた体づくりの説明がメニュー内容も紹介順もついでにトレ作画もほぼ完璧でした。
それではハードル3点への対応ぶりに沿って詳細以下、



■○:エンタメしてる

筋肉の神様にお願いするのは「めっちゃモテたい」。すごい素直!欲望に忠実なことは良いことです。
OPEDはラップ黎明期の吉幾三『俺ら東京さ行ぐだ』を彷彿させるコミカルチューン。中毒性が高いです。そして、

 とにかく明るい!

曲もアニメの中身もダークさを感じない。とことん巻き込まれるテンション高めの明るさです。これに陰キャが小馬鹿にするようなマッチョ像を見事に体現してることもありとっつきやすいのです(失言2)。
これは石川界人さんの起用がファインプレーでした。 安元洋貴さん諏訪部順一さん前野智昭さんのようないかにもゴリマッチョできそうな方の声あてでは出ない味だったと思います。

{netabare}・「アニメ好きのマッチョの人と盛り上がったわ~」byロシア娘
・コスプレマニアの女教師若干二名

しっかり媚びることも忘れておりません(失言3)。{/netabare}


カウンターとしての常識人のツッコミにはキレがありました。高テンションに間髪入れずのツッコミ。もさもさしてません。

さらにところどころ毒をまき散らします。これが隠し味となり良いアクセントとなりました。

{netabare}・どう考えてもRIZ○Pをdisってるよねなアレ
・紅白ならぬ忖度歌合戦のネーミングと画面に映し出されるサ○ちゃん{/netabare}

あとは場外。アニメと同時で主演のファイルーズあいさんのトレコンテンツと一緒に楽しむなんてこともできました。メディアミックスでの楽しみも盛り上がりに寄与しましたね。


■△ :ネタ繋ぎに苦労してた

たぶん5話でネタ切れしてます。初心者向け導入や経験者向けあるあるで引っ張った序盤は4話まで。
半分もいってなかったのでやはり15分枠が妥当でした。失速を感じられた方がいたとしても不思議ではありません。5話以降はイベントとの抱き合わせ度合いが強くなります。ここからはキャラの魅力勝負でした。

{netabare}・5話:走るための筋肉。いやいやフォームや技術が先っしょや?と思う。
・6話:アームレスリング大会。技術の説明あり。そうそうこれが大事です。ジーナを投入し活性化。
・7話:アイドル回。中休みですね。
・8話:ハイキング。2話続けての中休み。
・9話:ハーンノルド登場。以降、クリスマス、正月、そして最終話へと続く。

ジーナとハーンノルドら途中投入して鮮度を保つ工夫はしてます。とはいえ“筋肉バカ”同カテゴリーでの一体感は生むものの、話の凹凸がなく埋没してしまうリスクそのまま出てました。
また、中休み回連続は間延びを感じさせました。ここだけ惜しいですね。{/netabare}


■◎ :ためになりやりたくなる

これは満点じゃないでしょうか?
体づくりのメニュー内容では、初心者/経験者/上級者。太った人/痩せてる人。全方向へメッセージを送ってました。

 ⇒ためになります

初心者がやりがちなミスの指摘だったり誤解の訂正。簡単なところから始められるような導入トレーニングやマインドセットをしっかり序盤で網羅し徐々に段階を上げてました。

 ⇒やりたくなります


具体的にはこういったところです。

①初心者向けの具体的にこうですよ、の説明があります
今となっては常識に近いところから、
 {netabare}※「筋肉は脂肪より重い」「食事制限だけのダイエットの危険性」「食べることは才能」etc{/netabare}
トレーニングにおける注意点まで
 {netabare}※「大きい筋肉から鍛える(広背筋)」「下半身鍛えるのを疎かにしない」「ストレッチの功罪」etc{/netabare}

経験者向けの内容は混み入ってしまうので割愛。“なるほどそうか!”目からうろこなネタと“これなら自分でもできそう!”実現性が可視化されるためモチベート喚起に繋がる序盤でした。

「何キロもてる?」タイトルもギミックのようなもので、大事なのはフォームだったり呼吸だったりどの筋肉を意識して着実にやるかが重要。反動をつけてそれなりの重量をこなしても意味ないよということの説明もしっかりありました。


②ドラゴンフラッグ
これ自分できません。ジムでやってる人を見たこともありません。たしか『燃えよ!ドラゴン』でブルース・リーがやっていた究極の腹筋とかいうやつです。
ドラゴンフラッグに象徴される経験者や上級者向けの小ネタが満載でした。


③痩せ型さん向けの内容もしっかりある
これちょっと感動しました。主人公の目的は「痩せたい!」だし、ジム入会目的の主要理由がダイエットというなかで、しっかり肉がつかなくて困るという方向けの措置も講じてます。
本人はけっこう悩んでたりするのですが、「痩せてるの羨ましい」と言われるだけで取り合ってくれないんですよね。ジム通いの立派な動機になり得るものです。
トレ後30分以内のタンパク質(プロテイン)補給だったり、筋肥大のプロセスやそのための食事に関する説明もありました。


①②③で全方向への“知識補充”“モチベーション喚起”を散りばめていたのです。


④しっかりしたトレーニング作画

初回のみ筋肉ぶるんぶるんさせて色モノかと見せかけて、第2話以降は落ち着かせてきました。
これをもって作画が良い!とするのは違うような気がしますが、

・肘を伸ばしきらない
・ダンベルやマシンでの手足の伸縮のスピード

これがまず正確です。細かいところだとバーを掴む手の指が“親指を下に入れてバーを掴むか?”“五本指並べてバーを掴むか?”で負荷が変わるトレーニングにおいて、その時テーマになってた部位をより鍛えるための指位置だったりしたのは唸りました。
しっかりこれ見て真似るだけで効果的なトレーニングになるような仕様になってます。





実用的かの観点でしたら私は過不足ないアニメ作品だと思ってます。
日頃の運動不足の解消に繋がるきっかけになるのであればこの作品の意義は充分にあるのです。

エンタメ的に面白いかの観点でしたらこちらも私は充分堪能できました。
OPキャラソンで石川さんの叫ぶ「サイドォ チェッストォォーッ!」に魅かれるような方でしたらきっと満足できるでしょう。




※余談
■其の壱:副作用あり

フリーウェイトと自重トレ中心の内容でしたが、継続性に難ありです。
フォームを自力でチェックしながらは初心者には難しい。マシントレに慣れてからフリーウェイトが無理のない流れであることと、3ヶ月もしてくると飽きもでてくるので、プールやスタジオプログラム。もちろん有酸素運動も取り入れて目先を変える工夫をしてみましょう。
このへんゴ○ルドジムがモデルだったことの弊害?があるかもしれません。


■其の弐:体育会系ってこうだよね

酒飲めるイメージあるでしょ?
{netabare}大晦日に独身コンビでくだを巻いていた立花先生と愛菜先生の傍らには一升瓶三本転がってました。二人でこの量はさすがに飲みすぎです。{/netabare}



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------
2020.04.07 追記

コロナ禍でジムも逆風ですがしゃーないですね。しばらくひっそりしときましょう。
さてリアタイ後、石川界人さんが筋トレガチ勢であることが判明しました。なぜ唐突にこのネタ持ってくるかというと、日本酒のプロモかねて実際の蔵元の名を冠したキャラあてをするという話が流れてしまったことに触れたいから。降板です。
筋トレガチ勢の彼は「太るから日本酒飲まない」とラジオで言ってしまい、それがスポンサーに知れて、という流れでした。

事の是非や処分の軽重は置いときます。

事務所さん事前教育しましょうよ。
声優ってマネージャーつかないんですよね。芸能事務所ならCMやスポンサー/クライアントを絡めたNG事項についてのレクチャーもあるでしょうに。
ほぼ個人事業主のようなものとは聞きますので自己責任といえるのかもしれませんが、このへんの業界知識のサポートもないとなると大変だなぁと思いました。


2019.09.23 初稿
2020.04.07 追記

投稿 : 2025/01/04
♥ : 73
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

はい、サイドチェストーー!!

街雄役の『CV石川界人さん』、貴方のお陰でOP曲の『サイドチェスト』が耳から離れない(笑)


原作・未読。
アニメ・全話視聴。(全12話・30分アニメ)


『街雄さん』の給料ってプロテイン代等もそうだけど服代もバカにならないんじゃ…(笑)

ちょっとした小ネタを書くと今コンビニやスーパーで売ってる『サラダチキン』。アレって女性向けに作られた商品だったらしいですが売り出してみるとボディビルダーや筋肉をつけたい人に売れたと言う全くターゲットとした層と違う売れ方してるらしいです。エネルギー表記を見てみると確かに筋肉をつけるには良いと思います。
味も悪くないし筋肉をつけたい方にオススメですよ♪…ただどんな物でも食べ過ぎはNGです。


食べる事が大好きな女子高生『紗倉ひびき』、友人の同級生『上原彩也香』に「最近太った?」と指摘され気にする。
ダイエットしようとしたが個人ではどうにもならず近くに出来た『シルバーマンジム』を見学。
そこに同高校の優等生『奏流院朱美』も見学に来ていた。『シルバーマンジム』はかなり本格的なジムだった為、怖じ気付いた『ひびき』は辞めようとするがそこに現れたイケメン『街雄鳴造(服の下はゴリマッチョ)』に一目惚れして通う事に。
…ってとこですね。


最初はエロ目線なカメラワークをしてたので「そーゆー系?」と思いましたがトレーニングや呼吸法、ED曲後の筋トレ法など結構真面目な部分があり引き込まれて行きました。トレーニング以外はコメディですね。そこまで悪くない。
恋愛要素は…悲しいほど無い(笑)
ま、ちょっとそれっぽいのもあったけど大胸筋見てただけだし(汗)
もしかしたらこのアニメを観た後、触発されて筋トレやったりジムに行く人が居るかも?

ただトレーニング方法は良いけど白筋タイプや赤筋タイプ、男性筋タイプや女性筋タイプとか色々あるからそれに合うのかな?と思ったり。
あ、男性でも女性筋タイプは居ます。今の統計で8:2くらい。女性筋タイプだと負荷のかけ方が全く変わるので自分の筋肉タイプを調べると効率アップしますよ。


所々食べ物にカロリー表記してましたが『カロリー=重さ(体重になる)』と思ってる方が多いですがそれは間違いです。調理師や栄養学に計算方式のとこに載ってますがカロリーは熱量なので重さは無いです。カロリーで太るのでは無く、消費されない物・排出されない物で太ります。
逆に太りたいならお相撲さんの食事を真似してたら良いですね。アレは太る。キツイけどね。

なので同じカロリー数でも太りやすい、太りにくい等が出ます。例として同じ800キロカロリー食品が2つあったとしてもその食品の含有量の違いで無駄なお肉になるかならないかになります。
詳しくは計算方式で検索してもらえれば良いですが、基本、タンパク質・脂質・炭水化物から算出します。
後、個人差があるのも重要です。
その人が食べた物をどう消費するか、その人の食べた物のエネルギー交換効率、食べた物が使われず排出されるもの、などがある為一概にどんな食べ物が良いかは本当に個人差・身体の作り・性別・年齢による消費量などになります。


さて、話を戻します。

一度だけ大学生がやるボディビル大会を見に行く機会があったんですが、作中みたいに「キレてるよ」だけでは無く「なんだ、そのチョモランマは!?」「肩メロン!」「脚がゴリラ!」等、掛け声が飛び交ってました。私はボー然としてましたが(笑)
ボディビル大会ってお客さんは語彙力を求められるんですね。…てか「脚がゴリラ!」は褒め言葉なのか?


コメディ部分は結構パロってましたね。他作品のパロやある首相のパロやある番組のパロ、『プレジェクト○』みたいなんは少し笑った。…てか色々大丈夫なのか?


ただ問題は物語に山場や動きはそこまで無い。筋トレ等に興味を示されなければ受け入れられない。エロアングルカメラワークが気に入られなかったらアウト。見た目よりキツイからこんなん続けられるか!や、脳筋は鬱陶しいなど…とまぁ観る人選びそう。コメディ部分でカバー出来るかな?


スポーツ工学が発展して機能的な運動をし、身体に結果を出しやすくなった昨今。それと比例して間違った運動のやり方も増えてますね。ラ○ザップの事も作中で名前は伏せてたけど間違ったやり方と言われてます。現にあの会社って今かなりの大赤字ですし。
さて、『ひびき』は理想の体型を手に入れられるかな?


ーーーーーーーー

ここからは趣味書きです。お時間がある方はどうぞ。ちょっと長め。


{netabare}

☆有酸素運動って痩せる為に長時間は無意味です。
特にランニング。気分を良くする為だけしか効果が無く、カロリー消費はほぼしないです。逆に老化しやすい。
アンチエイジング効果等を求めるなら高強度の有酸素運動、HIITやタバタ式を用いた方が良いですね。

ランニング等の有酸素運動を45分以上やるとストレスホルモンのコルチゾールが出てきます。コルチゾールとは食欲増進させる物質。「このくらい動いたから食べても良いよね」ってなるのはコレです。
痩せたい人には逆効果だしコルチゾールは高カロリーな物を食べたくなります。
慶應義塾大学等の論文ではランニングやるくらいなら息が少し上がるくらいのウォーキングを20〜30分くらいをやった方が良いです。

ランニングで痩せない理由として体脂肪を1キロ落とす場合77時間走る事が必要。
ランニングの消費カロリー計算方式↓

体重✕距離=○○

と、なります。

例・体重50キロ✕距離5キロ=250キロカロリー。
例・300キロカロリーで大体コンビニで売ってるオニギリ2個くらい(具材にもよる)。

そして悲しい事にランニングで消費されるのは脂肪より先に筋肉が消費されます。筋肉を消費させないやり方は走る前に食べる事。つまりランニングして痩せようとするのは全く意味が無い、となります。


詳しくはニュースや大学の論文に載ってるので検索して下さい。


☆次に作中にもあった『プロテイン』のお話。

プロテインは毒だと言う人が居ます。残念な事に管理栄養士の方にも居ました。古い参考書や論文の知識なのでしょう。そんな人がこぞって言うこと「プロテイン飲んだら身体で窒素が出て毒だ!」と言います。
論文では『窒素』では無く『アンモニア』と書いてあるんですが。
確かにどんな物でも食べ過ぎたり飲み過ぎたりすれば毒です。ではプロテインの場合はどうでしょう。
論文では健康被害が出るレベルは飲めるもんなら飲んでみろ!ってレベルを飲まないと健康被害が出ないという検証結果込みで書いてあります。
基本病気やアレルギー等で無ければ大丈夫です。

★タンパク質のデメリット・タンパク質の摂り過ぎダークサイド。

腸内細菌がタンパク質を分解。分解する時にアンモニアを出す。アンモニアを出し過ぎると身体として毒素、となります。

アンモニアは基本肝臓を通って尿として排尿。が、プロテインを摂り過ぎると肝臓では捌ききれない。

しかし摂り過ぎレベルが1日にタンパク質摂取量は230グラムが上限。タンパク質200グラム以上摂取するのはかなり難しい。(タンパク質の量のみ)

例・卵=1個12グラム。
☆・鶏肉=部位により変化、100グラムあたり16〜23グラム。
☆・豚肉=100グラムあたり18〜22グラム。
☆・牛肉=100グラムあたり17〜21グラム。

です。
適切に摂ってれば全く問題ないです。

運動しないのであれば自分の体重✕1,5〜2,2グラム(1日間)。

プロテインは腎臓や肝臓を悪くするという論文は1973年のもの。しかもその論文では被験者は健常者では無かった。

2014年のコクラン共同計画(イギリス)のレビューに研究が記載されているので気になる方はそちらをどうぞ。確か『腎臓とプロテインに関する実験データ』だったかな?

腎臓のダメージを考えるなら精製された砂糖を気にした方が良いと思います。ダメージはこっちの方がデカイ。


で、最新の研究で1日にどれくらいのタンパク質が上限か?
これは運動するかしないかで変わります。これは『ノバ・サウスイースタン大学』(アメリカ・フロリダ州)の研究記事にあります。
これの結果でも腎臓・肝臓に影響は無かったと言う結果が出てます。ただサンプル数が少ないような(汗)


なので一般仕様するだけなら別に問題ないので普通に飲んでもらっても大丈夫です。勿論プロテインによっては合う合わないはあるのでそこはご自身の身体と相談して下さいね!


{/netabare}


趣味書きなのに読んで下さった方、ありがとうございます。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 6
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

見るプロテインで筋トレのモチベーションアップ

肉のお兄さんによる筋トレの解説が無駄にセクシーな描かれ方されているけれど、分かりやすい。
伸縮自在な体を持って、特定の言葉に反応してポージングしてしまう街雄鳴造の存在が面白い。それに、マッチョにはリア充が多いのかなあと思わされたので、筋トレのモチベーションが見るだけで高まった。筋肉好きな人意外と多いよね。
作中では色んなところで筋トレしているけど、実際人前でトレーニングするのってちょっと恥ずかしい。

筋トレから離れて途中でアームレスリングのテクニック講座。単純な力比べないことがよくわかる。僕はトップロール派です。背中の力使いやすい気がする。
筋肉アイドル目指したいからって筋肉少女隊はさすがにまずそう。デッドリフトにレスラーブリッジと中々レベル高い。

ひびきの食べる量が尋常でない。あんだけ食べてよく普通体型保ってるなあ。実際、筋トレって思っているよりもカロリー消費しないから痩せるには食事が一番大事なんだよね。

ドゲゲンチョネッガーにスゲーサムに有名俳優ぽい名前。本人の前で出ている作品を間違えるのは気まずい。

最終話の妙に切ない雰囲気がシュールすぎて笑えた。{netabare}漂流するおっさん2人。ドゲちゃんまさか助けに来てるとは。{/netabare}

バックプレスは体の構造的には不自然な動きだから関節に悪いから辞めたほうが良いとは思うけどね。
まずはドラゴンフラッグ10回×3セットって素人にできるわけないだろ!!ボクシングやってるとできて当然なんだろうけど。きついけど、腹筋への効果は抜群。

ファイルーズあいがしっかり作品にマッチしてたし、石川界人の肉のお兄さんボイスと掛け声最高だった。
個人的には腹筋バキバキの上原彩也香が好き。
あと、ケンガンアシュラの小津俊夫っていうのが猛烈に草を生やす。筋トレがシュールすぎる。


OP
お願いマッスル 歌 紗倉ひびき(ファイルーズあい)、街雄鳴造(石川界人)
ED
マッチョアネーム? 歌 街雄鳴造(石川界人)
挿入歌
Snow Globe 歌 tea
サイドチェスト烏屋とシックスパック篠崎制作による中毒性が高すぎる曲。筋トレのおともに最適。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
「ひびき……お前、また太った?」食べることが大好きな女子高生・紗倉 ひびき(さくら・ひびき)の心に突き刺さった友人の非情な一言。 夏休みまでに絶対に痩せてみせるとダイエットを決意したひびきだったが、 一人ではまともに運動も続けられない体たらく。こうなったらとひびきが足を運んだ先はトレーニングジムだった! そして入会したジムで同級生のカリスマ美少女生徒会長・奏流院朱美(そうりゅういん・あけみ)と出会ったひびきは、深くて楽しい筋トレの世界へ足を踏み入れることに……。

1. 筋トレやってみる?
高校二年生の紗倉ひびきは、ある日ダイエットのため一念発起。近所のスポーツクラブ、シルバーマンジムの見学に訪れる。だがそこは、プロの格闘家やアスリートが通う超ハイレベルのガチなトレーニングジムだった。果たしてひびきのダイエットは成功するのか。そして行く手には、どんなトレーニングが待ち受けているのか?!

2. プロテイン摂ってみる?
ひびきの肉体改造は順調に進行中。プロテインの意外な美味しさに目覚めたり、朱美と一緒にプールに行ったり。そんなある日、ひびきは友人の上原彩也香の家に遊びに行き、思いがけない彼女の一面を知る。

3. 先生もダイエットする?
ある日、世界史教師の立花里美がジムを訪れる。ひびきと同じく体重を減らすためだ。だが彼女には、誰にも知られてはならない秘密があった。

4. 夏休みいい事あった?
夏休みもトレーニングを続けるひびきたち。ジムが休みの日は朱美の自宅に招かれ、その豪邸ぶりに目を見張る。夏休み後半にはみんなで海へ。だがせっかく訪れたビーチには遊泳禁止の立て札が!?

5. 体育祭何に出る?
二学期。体育祭のシーズン。くじ引きで、リレーのアンカーに選ばれてしまったひびきは、街雄に脚が早くなるトレーニング方法を教えてもらう。リレーでは朱美と対決。果たして勝つのは朱美かひびきか!

6. 新しいライバルほしい?
ひびきたちのジムでアームレスリングの世界大会が開かれる事になった。女子の部代表選手に選ばれたひびき。相手はロシア代表、ひびきと同い歳のジーナ・ボイド。強豪ジーナに、ひびきはどう立ち向かうのか?

7. 第7話 アイドルになりたい?
里美の秘密に気づいたジーナ。実はアイドルフェチだったジーナは、秘密を黙っていることを条件に里美に協力を要請。ひびきたちも誘い、アイドルオーディションに参加する。果たしてひびきたちのアイドルユニットは、みごとデビューできるのだろうか。

8. 遭難したらどうする?
秋。課外授業で登山に来たひびきたち。ところがひびきは、里美とその同僚、愛菜るみか先生と一緒に道に迷ってしまう。絶体絶命、大パニックのひびきたち。だが、里美がある方法を思いつく。

9. 神を見たことある?
世界的な映画俳優、ハーンノルド・ドゲゲンチョネッガーが来日。実は彼は、街雄の師匠だった。そしてボディビル世界大会に誘われた街雄は参加を承諾。ひびきたちは街雄の応援へと駆け付けるがそこで驚くべき光景を目にするのだった。

10. クリスマスはお好き?
クリスマス。シルバーマンジムではコスプレパーティが開かれる。ひびきたちも仮装して参加。そしてビンゴ大会の賞品、遊園地のペアチケットを手に入れた朱美は、街雄を誘うと宣言。冬の恋物語が始まる……のか?

11. お正月何してる?
大晦日も元旦も、トレーニングをがんばるひびきたち。そしてお正月、アイドルオーディションのリベンジを誓うジーナは、今度はひびきたちと一緒にテレビの隠し芸大会に出場をくわだてる。

12. バーベル何キロ持てる?
春休み。東京の楽園、肉乃島にやってきたひびきたちは、体力と筋肉を競うコンテストに参加する。決勝まで勝ち残ったのは、ひびきと朱美。ついに激突する二人。果たして筋肉の神様はどちらに微笑むのか!?

投稿 : 2025/01/04
♥ : 13

77.1 4 ボクシングアニメランキング4位
はじめの一歩(TVアニメ動画)

2000年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (516)
2647人が棚に入れました
『はじめの一歩』(はじめのいっぽ)は森川ジョージの少年漫画作品。1989年から週刊少年マガジンで連載。
【ストーリー】母子家庭のいじめられっこであり、釣り船屋を親子で支えている少年・幕之内一歩が、後の世界チャンピオン鷹村守と出会いボクシングに開眼、鷹村と同じ鴨川ジムに入門して日本を代表する人気一流ボクサーとなっていく過程を、周囲の者たちとの交流、ライバルたちとの戦いを通じて描いてゆく。

声優・キャラクター
喜安浩平、小山力也、関智一、内海賢二、中嶋聡彦、高木渉、藤原啓治、阪口大助、小林沙苗、寺内よりえ、小野健一、神奈延年、立木文彦、小林正寛、松野太紀、辻谷耕史、田中正彦、平田広明、梁田清之、森川智之、相沢まさき、小野坂昌也、山寺宏一

DEIMOS さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ボクシング漫画の「新」王道。

マガジンに超長期連載中の人気漫画のアニメ化。リアルタイム放送は放送圏外に住んでいたため、見れず。その後、見よう見ようと思いつつも、3期まで全120話以上という長さが、新規参入を阻んでいた。今回、一念発起して3日で3期まで全話一気視聴。

アニメ製作を担当したのは、日テレ、vap、マッドハウス、スタジオライブという安定の布陣。同ラインが担当したハンターハンター日テレ版やRAINBOWなどを見てもわかる通り、全編通して品質が安定。しっかりとボクシングの見どころである「動き」をハイレベルに表現。

声優面で特筆すべきは、鷹村を担当した小山力也。時系列からいって、彼が俳優(仮面ライダーRXの霞のジョー等)から声優に転向したきっかけとなる作品といっても過言でない。この作品があったからこそ、現代のアニメ界になくてはならない大物声優が誕生した。

そして、この作品に唯一無二の魅力を与えているのが、この「鷹村」の存在。主人公「幕内一歩」が、小柄で真面目な好青年、というのは漫画を読んでいなくても知っている人は多いだろうが、実は、鷹村こそが、この漫画のキーマンであり、漫画界の最優秀助演男優賞ともいえる存在。

この作品以前のボクシング漫画のスタンダードといえば「あしたのジョー」であり、「孤高」や「社会に対する反骨精神」の象徴として社会現象ともなった。同じマガジン誌において、本作は、差別化の方法として、「いじめられっ子の努力家」を主人公として据え、「先輩・後輩(ジムの仲間)との絆」という要素を加えた。もちろん、「ライバルとの激闘」や「滅びの美学」という従来のボクシング漫画の構成要素はそのままに。この新要素の中心にいるのが、「鷹村」なのだ。一歩がボクシングを始める動機も、試合中の解説者も、ギャグのオチ担当も、すべては鷹村。彼の世界戦に最も長い尺を使うのも頷ける。

さて、第1期は、一歩が日本チャンピオンになるまで。序盤はストーリーのテンポが良い。基本的には、新技の特訓→試合→相手のサブストーリー挿入→勝利→休養(ギャグ多め)→次の対戦相手が決定→新技の特訓、、、、の繰り返し。まさに少年漫画の王道。マガジンらしく、程よく可愛い女の子も出てくる。

第1期は、全75話でコミック20−30巻程度?をカバー。ちなみに、既刊110巻以上で未だ一歩は世界チャンピオンになっていない。つまり、日本チャンピオン以降(アニメ第2期以降)は極端にストーリーのペースがダウン。従って、ストーリーの長さに尻込みして手をつけていない人は、一旦、第1期のアニメだけ見れば良い。それで、一つの完結した話になっているから。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 0

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

良い原作の良いアニメ化という偉業。しっかりした努力がある少年漫画。

面白い原作を良い感じにアニメ化すれば素晴らしい作品になる。一見、誰でも思い付くこんな事だが、達成するのは実に難しい。近年だと、「銀魂」、「この世界の片隅に」、「声の形」くらいと言いたい。


素晴らしい原作があるなら、取捨選択は必要だが基本的な物語の要素は既に揃っているわけだ。故にアニメ化でプラスされる要素、声優さんと映像のマッチングが重要になる。本作では映像に関しては老舗のマッドハウスだけあって、長い作品ながら要所は見事に抑えた最高のボクシング表現になっているのは請け合いである。


さらに、本作では声優のマッチングが素晴らしい。


一歩を演じる喜安さんの自信がないが真っ直ぐな王道主人公っぷりは勿論、脇のキャラも声優さんがピッタリでより生きたキャラになっている。一歩の魅力は、強力なライバルだけじゃなく脇のキャラの豊かさにも現れている。


先輩の青木と木村は、イケメンでも強力な選手でもないが実に良い味を出しているキャラだ。映画の世界でもそうだが、主役だけじゃなく脇役で良い仕事する人がいないくてはならない。凡人であるが故の、くすぶってる人間だからこその味わいというのもまた良いものだ。


個人的には、ボクサーですらないけど梅沢君のエピソードで涙させられた辺りで、この作品はほんまに凄い…と痺れた。ライバルキャラ達のハマリ具合も良くて、いつもはギャグなキャラが多い小野坂さんと千道の相性は特にバッチシ。


しかし、なにより最高なのは鷹村を演じる力也ちゃんだろう。本作で間違いなく最強のキャラであり、一歩をボクシングの道に導いてくれたヒーロー、それでいて普段は破天荒で下品でどうしようもないという、普段は駄目だけど本当は格好いいキャラの典型といって良い人物である。


 力也さんは割と豪快型のキャラもやられる方だが、ご自身の持っている真面目さが声に出てる感じでそこまで完全にハマっているとは思えないことが多かった。器用な方だけで最高にハマるキャラを引けないタイプの声優さんかなぁ〜と思っていたが、鷹村との相性は最高のそれといって良かろう。


 特に原作でも頂点かもしれないホーク戦での燃え上がり方は素晴らし過ぎる!。ホークが明夫さんなのはちょっと違うかなぁ〜とは思ったけど、それもまたよし!。ホーク戦を見るなら海外のリアクション動画を上げている、うずまきカーン氏の動画が凄い!。ゴツいオッサンな方なのだが、こんなにアニメに入り込んで熱狂している人は初めて見たわ!と爆笑しつつ一緒に熱くなれます。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 18

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アツイ ボクシング あにめ

原作 漫画 既読 

全76話 


週間少年マガジン 連載中
103巻(2013年5月現在)

簡単に説明すると
いじめられっ子だった高校生 幕之内一歩が、プロボクサー鷹村守に助けられ、それを期にボクシングを始め成長していくストーリー。


昔、一度見ているんですが、殆ど忘れてるし、秋から3期が始まるので、復習の意味でもう一度視聴。

一歩は、元々実家の釣り船屋を手伝いしているので、足腰丈夫な体です。
そのおかげで強力なパンチが武器。
とはいえ、初めたばかりの素人だから弱いのは当たり前。

一歩の性格は、真面目でお人よしの努力家です。

そのせいもあって、感情移入し易かったです。

ボクシングジムの会長の教えを守り、毎日凄い練習をこなしていきます。

試合する度に、どんどん強く成長していきます。

プロテストや、〇〇の決勝戦、タイトル戦等、
毎試合 アツく、感動の涙でした。
q(T▽Tq)

昔のボクシングアニメ「あしたのジョー」とは、また違った魅力のある作品です。

ちょうどお盆休みだったので、観始めたら止まりませんでした。

男なら胸が熱くなります。

女性には響き辛いかもですが、

スポコン、サクセスストーリー系が好きな人には、超おすすめです!
(=´ω`)ノシ 



余談ですが・・・

リアルで、一歩のようなドが付くくらい真面目で腰の低いプロボクサーっているのかな~?
内藤大助さんも、真面目で腰低いけど、ちょっと違うし・・・
何にしても、一歩は好きなキャラでした。 (*´ー`)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 51

69.5 5 ボクシングアニメランキング5位
RAINBOW 二舎六房の七人-レインボウ(TVアニメ動画)

2010年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (391)
2119人が棚に入れました
『RAINBOW -二舎六房の七人-』(レインボー・にしゃろくぼうのしちにん)は、安部譲二原作・柿崎正澄作画による漫画作品。\n 昭和30年。罪を犯し「湘南特別少年院」二舎六房に堕ちたマリオたち6人は、同房のアンチャンの教えを胸に、ケンカやリンチが繰り返される毎日の中で不条理と向き合い、強く生きていく。

声優・キャラクター
小栗旬、貫地谷しほり、小山力也、脇知弘、藤原啓治、朴璐美、黒田崇矢、羽染達也、土師孝也、石井康嗣、山像かおり、林原めぐみ
ネタバレ

chofu3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

こんな仲間がほしい!

原作を昔に読んで、うろ覚えの状態でアニメを視聴しました。各々、辛い過去や不遇な現状を抱えた7人の少年たちが年少のニ舎六房に集まって、そこから生まれる絆をテーマとした物語です。暴力的なシーンが多く描かれているので、そういった描写が苦手な方にはあまりお勧めできる作品ではありませんが、くさいくらいの友情を見たい方にはぜひともお勧めしたい作品です。

ストーリーは原作に忠実に描かれています。年少時代の話と出所後の話という二部構成で描かれています。まぁ、とにかく『熱い』ですね(笑)ニ舎六房で出会った7人が、様々な困難に立ち向かいながらもそれぞれ協力し、理不尽な現実に対抗していく姿は見ごたえがありました。辛い部活に耐える中で生まれる友情の究極にひどいバージョンって感じですかね?(笑)劇画タッチの描写の背景ではいるナレーションも原作の雰囲気を壊さずに、むしろ作中の雰囲気と非常にあっていてよかったです。現代では考えられないような困難が数多く待ち受けているが、自分が損をしてでも仲間のために体を張る姿は非常にかっこよく、同時にうらやましく思えるものでした。

声優に関しては、小栗旬や貫地谷しほりのような本職でない方による演技に不安を覚えましたが、まあ悪くなかったのでは。決してうまいとは思いませんでしたが、作品を壊すほどひどいものではなく、期待が低かったこともあり、予想以上に良かったのではと考えています。ただ、脇を固める声優さんに大御所の方が多く、比べてしまうとさすがに・・・(笑)また、あの声優さんがたで設定年齢が10代後半というのはさすがにやりすぎでは?渋すぎる若者たちでした(笑)

総評としては、原作の雰囲気を壊さずにその良さをうまく引き出した作品であったと考えます。アニメ化することで原作の世界観が崩壊してしまうようなアニメもありますが、この作品であれば原作ファンも十分に納得できるのではないかと考えます。問題があるとしたらラストでしょうね。尺が足りてなさすぎ(笑)もう少し尺があるか2期をやることで原作を忠実に終わらせてもらいたかったですね。{netabare}ヘイタイに関するエピソードとかなかったし(笑){/netabare}

自分のために命を張れる仲間、他人のために損ができる器量、そんなものがほしくなり、見習いたいと思わされた作品であったと感じました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 1

おみや さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

激動の戦後を舞台に熱い少年たちの生きざまが描かれる

原作、安部譲二さん(塀の中のでお馴染みですね)


ある日犯罪を犯し少年院へ送られた6人と、
同じ部屋になった通称「あんちゃん」を入れた
7人を中心にストーリーが展開されます。
みんな、家族を失っていたり自分が稼がなきゃ
ならない等人生崖っぷちの状態です。
しかも16~17歳です。
(戦後ということで6人とも生きんが為の犯罪です)

構成としては少年院での格闘編とそこを出てからの
それぞれの生きざま編となります。

少年院では敵となる刑務官、院長からこれでもかと
つらい思いをさせられます。そんな中、7人の絆が
深まり自分を犠牲にして仲間を脱走させる等
それぞれが仲間のために命を賭けます。

社会に出てからは個々に視点を当てて話が進んだので
1人1人に対して感情移入ができました。
誰かがピンチになると仲間が必ず救いの手を差し
出します。

こんな流れで最初から最後まで全員の気持ちが
つながっていくという、個人的にはたまらない
展開でした。


感想
戦後の描き方がさすがというほど全く違和感が
なかったです。
また、一生懸命に生きるという本当に人間としての
原点を改めて戒められた気がしました。

戦後、何もなかった所から気力を振り絞って
生きてきた先人(まだ生きてる人も多いでしょうが)
があって今があるんですねぇ。

私のような昭和生まれにはぐっときますが
できれば平成生まれの方にも観てもらいたい。
本当にあんな時代があったのだと。

そう思えた作品でした。
最後に一言、「とにかく昭和の熱さは、パねえっす!」

投稿 : 2025/01/04
♥ : 13
ネタバレ

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

戦後の光と影の「影」の部分を描いた作品。

常に重い。
常に暗い現実。
つらい過去。
監視長によるひどいいじめ。
そして、手に入れたと思った幸せも一瞬で消えてなくなってしまう・・・・
そんな日々を送る二舎六房の七人の話。

かなりおもしろかった作品でした。ここまで主人公達に感情移入しちゃったアニメは久しぶりです。そして、ここまで暗くて悲しい状況におかされていた作品は初めてかもしれません。はじめ昭和が舞台なのもあってか、暗い感じのアニメに思えました。けれど、戦争が終わった後の話なので、市民のみんなが貧しくて、戦争で帰ってこなかった家族への悲しみが描かれていたので、すごかったです。

一番ひどかったのは監視長たちの恨み、やストレス発散のために使われた子供たちです。その中で一番影響を受けていたのは二舎六房の七人たちでした。醜いいじめや、暴力は日常的のように行われていました。

前半はそういう醜い展開がかなり多く、すごく心が痛みました。

{netabare}後半になると、あんちゃんが死んでしまったので、仲間が仲間の問題を解決しあう所が私に真の友情とはなにか教えてくれた気がしました。{/netabare}

どうにか皆幸せに暮らしてほしいです。 

オープニング

「We're not alone」
この作品にはそれほどあっているとは思いませんでした。 けれど、描かれていた画像はどれもそれぞれのキャラクターの過去で、最後の方はあまり見ていられなくなりました。

エンディング

「A FAR-OFF DISTANCE」
エンディングにこの曲が流れるともう・・・・・ 
この作品にぴったりの曲です。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8

69.1 6 ボクシングアニメランキング6位
はじめの一歩 New Challenger(TVアニメ動画)

2009年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (261)
1469人が棚に入れました
森川ジョージ原作の人気ボクシングコミックのTVシリーズ第二弾。ストーリーはTVスペシャルで放映された真田一機との防衛戦後が描かれる。 学生時代いじめられっ子だった主人公・幕之内一歩は努力を重ね、見事日本チャンピオンとなり、真田との熾烈な防衛戦も制す。その一歩の前に挑戦者として現れたのが、かつての弟弟子・山田直道だった。直道に昔の面影はなく、一歩に対する敵意を隠そうとしない直道。はたして一歩は王者として、新たな挑戦者を退けることができるのだろうか!?

声優・キャラクター
喜安浩平、小山力也、高木渉、藤原啓治、関智一、内海賢二
ネタバレ

さんちゃ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

意外に観ている人、少ないのかな??

レビュー投稿数が異様に少ない事にびっくりした。
私がこのレビューを書いてる時点では150件しかない…。

作画が気に入らない・汚いとか判断して見る事さえ辞めている方が
いたら非常に勿体ない事をしていると思います。
New Challenger の18話~24話は出来は至高。
(具合が測り難いけど)馴染み安い言葉で書けばまさに"神"です。
特に決着がつく24話は神回。
湧きあがる会場の声援が熱くて、実際の試合を見ているように心が震えあがった。

ブライアン・ホーク戦のためにはじめの一歩があると言っても過言ではない気がする。
(まあ原作は読んで無いんであまり安易な発言は控えた方が良さそうですが)
それぐらい良かった。

神展開範囲は16話~
と書いても良かったんだけど、おじさん臭い独特のコミカルが多いのであえて18話~
に絞ってベタ褒めしています。
(16,17話を見れば初見の人でもホークと鷹村のキャラ付けがわかると思いますが
雑魚敵との試合が長いので推奨が微妙)

18話で減量苦
19話で試合前記者会見で火花を散らす
20話で主人公幕の内一歩の前哨戦
21話からホークと鷹村の試合開戦!!

試合を見る前の予備知識として、ジュニアミドル級チャンピオン
ブライアン・ホークは練習をほとんどせず世界の頂点に上り詰めた野性児
ボクサーで、女好きで非常に頭にくる奴とだけ理解しておけば18話~24話も理解できるはず。
尤も、初めから視聴してたらもっと感情移入は強くする事が出来ます。
何事にも投げやりだったがボクシングにだけは真面目に取り組み続けた鷹村が、
適当にやってきたホークを許せるはずがありません。果たしてその試合結果は如何に…。

以下試合結果のネタばれですが、この試合後の結果については有名な?話があります。

{netabare}
作者の森川ジョージさんは、ホーク×鷹村の試合を最後に鷹村をジュニアミドル級
チャンピオン止まりにする予定だったそうですね。
鷹村をジュニアミドル級チャンピオン止まりにしようとした理由は、当時、
日本人がそれより上の階級でベルトを取るのが不可能と言われていたから。

その作者の考えを覆したのが、なんと、あのガチンコファイトクラブで
有名な竹原慎二選手だったらしい。
お前舐めとんか。やったわるわ、お前ら皆殺しじゃけぇのぉ~( ゚д゚ )ナツカシイ

竹原選手がチャンピオンになるのは絶対無理だと誰もが思い、
ホルヘ・カストロとの世界戦も試合の途中で中継が終わったらしい。

結果は見事判定勝ち。
昨今有名な亀田チックなものではありません。
プロ・アマ通じて二回しかダウンをした事がないカストロ選手を
ボディーブローでマットに沈める場面もありました。

注目度は微妙でしたが、竹原選手は意外にも強い選手だったのでしょう。

そして、広島の粗大ゴミとまで言われていた竹原にようやく脚光が浴びた
初の防衛線でウィリアム・ジョッピーにTKO負けしてしまったのが竹原選手の
経歴の面白い所です。
ガチンコが無ければそのまま消えていたでしょうね。

ちなみに、ジョッピーが自分のボクシング人生を振り返って今までパンチが
一番痛かった選手として、数あるボクサーの中から竹原の名前を上げています。
竹原のパンチは現役時代相当重かったようだ。

……話が脱線してしまいましたが、竹原選手の勝ちで、
森川ジョージさんは自分の漫画に夢が無かった事を猛省し、鷹村がミドル級
チャンピオンに挑む続きを考えたそうだ。
大げさですが、実際にあったボクシングの奇跡の優勝劇が無ければはじめの一歩
Rising の放送も無かったかもー、とか考えると不思議な気持ちになります。

今は八百長だの亀田だのつまらない話題が多いのは非常に悲しい事です。
{/netabare}

とりあえずこのアニメ、血と汗が混じるスポコン好きなら必見。

私は、今期(2014/02時点)やっているRisingの方も当然みています。
が、正直 New Challenger の鷹村×ホーク戦を超える試合は期待できないので、
New Challenger を棚に入れてレビューを書こうと思いました。

以上、おもしろかったです!!!!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 17
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

2つの世界戦・・・ティッシュなしには観れません!  (> <)  

2期目

全26話

今回は一歩が活躍すると云うより、
宮田一郎
一歩と同じ階級の伊達英二
先輩の鷹村守
この3人が大きな試合をするので、主役級扱いになってます。

話の展開は、各キャラのエピソード等が掘り下げられてるので、1期より進み方が遅くなってます。

感想
{netabare}
リカルド・マルチネス(WBA王者) VS 伊達英二(WBA1位)
この試合は涙ナシには見れなかった。
伊達の勝利への執念
背負っている者の重み・・・
観ていて 手に汗握ります!

だけど、世界チャンピオンの壁は高く・・・

わき腹、アゴ、右拳を骨折してまで最後まで諦めない姿に感動でした。

試合に負けてしまった時
病室で一歩に世界戦のバトンを託した時
号泣でした。(TдT)


鷹村守(WBC1位) VS ブライアン・ホーク(WBC王者)
試合前のブライアンのふざけた言動に激怒でした。
特に、会見で会長に手をあげた時は、悔しくて、鷹村にぶっ飛ばして欲しいと、本気で思いました。

鷹村には、国内で同じくらい強いウエイトの試合相手、スパーリング相手がいなくて、無理な減量で階級落としてまでの世界挑戦で、体力的には、ベストには程遠く辛い状態です。

試合は、減量のせいもあって5Rでガス欠
ホークの強さもあり、殆ど負ける展開。
だけど、会長や、ジムの仲間の支えもあって、覚醒!
ちょっと無理と云うか、都合良い展開でしたが・・・
俺様の鷹村が限界超えて、ホークをKOした時は、
嬉しいのと、感動の涙でした。
もう、試合終盤からウルウルでしたよ。 q(T▽Tq)

やっぱ鷹村ってカッコいいですね。

あの人なら何とかしてくれる!
負けない!って云うイメージがあり、
頼れて憧れる存在です。
俺様キャラで、ちょっと自意識過剰だけど、ホントに強いから許せるんですよね~^^
女好きで、下ネタ言うのがたまにキズですが・・・ ε- (´ー`*) フッ
{/netabare}

原作読んでるから、結果は知っているんだけど、
それでも胸が熱くなり、感動の涙でした。

いや~ほんとアツイ! 激アツです!!

全26話、2日で完走できるほど、観始めたら止まりませんでした。

この秋から3期が始まるので、今から楽しみです。 (*´∀`)


余談ですが
木村 役の藤原啓治さんの声もカッコいいけど、
鷹村 役の小山力也さんの声もよく似合っててカッコいいですね!
(*´ー`)
あと、
間柴 久美 役の声 小林沙苗さんが
今回のNew Challengerから、平田裕香に代わってます・・・
理由は解りませんが、個人的に声優を代えるのはイメージが変わっちゃうので止めて欲しいですね。
┐(-。ー;)┌ヤレヤレ   
今回、久美ちゃんの出番が少ないですが、声、凄く大人っぽくなっちゃってます・・・
(-ω-) 


PS:試合中のリングサイドにいる会長って・・・
意外とと云うか・・・
選手に、あまり良い助言できてないって思うのは自分だけかな・・・? 
φ( ̄∇ ̄o)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 33

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ホークvs鷹村戦こそ「一歩」シリーズの最後輝き。

 「はじめの一歩」は、ここまでが間違いなく名作であった。しかし、こっから先は…。私の名作漫画の条件「長編漫画は30巻、長くても40巻代まで」説を裏付ける根拠の一つである。


 1期で一歩がチャンピオンになるまでを猛烈な熱度、たっぷりした時間をかけて描いた時点で、作品のポテンシャルはある程度は燃え尽きしまったといえる。実際面白い本作でも主役は一歩ではなく宮田、伊達、鷹村の挑戦につきる。


 特に最後のホークvs鷹村戦のために本作はあったと言いたい。本シリーズを見てきたなら、この戦いで号泣しない者はおるまい!。いつもはおちゃらけてばかりだけど、一歩にとって鴨川ジムのみんなにとっても鷹村こそヒーローなのだから!。「ピンポン」のペコに並ぶ、人々の魂を飛翔させる存在としてのヒーローを見事に描いている。


 余談だが、ウマ娘ではゴルシが鷹村ポジションだろうから、単なる願望だがオリジナルでホーク戦みたいな熱いゴルシが見てみたい。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 6

67.6 7 ボクシングアニメランキング7位
ViVid Strike!(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (242)
1284人が棚に入れました
孤児院で暮らす少女、フーカとリンネは、貧しい暮らしの中でも明るい未来を夢見て暮らしていた。
しかし数年後、リンネと離別して孤児院を出たフーカは苦しい生活の中で荒んだ暮らしを送っていた。
そんなある日、不良との喧嘩で負傷したフーカを救った少女がいた。
少女の名はアインハルト・ストラトス。挌闘競技選手である彼女との出会いが、フーカの運命を変えてゆく。

声優・キャラクター
水瀬いのり、小倉唯、水橋かおり、能登麻美子、上坂すみれ、喜多村英梨、福圓美里、伊藤かな恵、斎藤千和、佐倉綾音、阿澄佳奈
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

K-1 WORLD GP in ミッドチルダ

放送前、本作が『魔法少女リリカルなのは』の冠を外して
『Vivid Strike!』を名乗った時、
私は正直うまく行くのか半信半疑でした。

タイトルからして、魔法にも、なのはさんにも頼らない!
と豪語しているようなもの。
ですが、結局、貫けずにシリーズの遺産にすがり、
中途半端な萌えアニメでお茶を濁すのではないか?
そんな不安が捨てきれませんでした。

少しだけ期待してみようと思い始めたのは序盤。
ジムのサンドバックを殴る、
少女たちの本気(マジ)な打撃音を聞いた時でした。

当初は面白くなるか分からないけれど、
打撃音が気になるから見てしまう。
その内に容赦ない過去の描写などが入って来て、
引き込まれていった感じ。

よって音楽4点はBGMというより、
主に打撃音とあとは主題歌に対する評価です。


競技内容も終盤になれば砲撃手とか召喚士とかが乱入して来るかも?
と高をくくっていましたが、
むしろ終盤になるにつれ"総合格闘技”ルールすらも削ぎ落され、
より純度の高い"立ち技系格闘技”から、
さらにガチの殴り合いへと先鋭化。


ハマっていくうち、段々、私の中で、往年のK-1ワールドグランプリ全盛期の熱気が、
当時のプリンスのテーマ曲と共にフラッシュバックして来ましたw

特に {netabare}ヴィヴィオVSリンネ戦。
内容もさることながら、短期間にトーナメント戦を行う過密日程により、
試合後、勝者でも負傷したらトーナメントの先に進めず、
既に負けていた選手がリザーブとして次に補欠出場する。
大会主催者や視聴者が思い描いた決勝カードがなかなか実現しないw
そんな所までK-1っぽいのが個人的にツボでした(苦笑){/netabare}


なのはさんについても、
{netabare} 一部、エリート公務員との僻み?が言及されるだけで出番なし。{/netabare}
無事"親離れ”できたようです。


演出、構成面では回想の多用が特徴的でした。

近年、表現界には回想の濫用をくどいとする風潮があるそうで、
小説賞等でも応募作が回想しだすとウンザリされる流れがあるのだとか……。

本作はそんな空気もなんのその。
例えば、{netabare} ほぼ一話丸々回想する。殴り合いの最中も振り返りまくる。
挙げ句、決着は次回に持ち越しw{/netabare}
などコッテコテな回想多用アニメ。

過去の『なのは』シリーズでもしばしば過去が掘り起こされましたが、
それでもTVシリーズでは、盛り込みすぎたら胃もたれするかな?
と思った過去話、サブキャラエピソードはドラマCDやスピンオフ漫画等に回して、
バトルシーンに注力してバランスを取りにいったものでした。

本作の場合は、むしろ時に、多少、試合内容を省略してでも、
サブキャラまでもが、身の上話等を語り始める脂身の多さ。

私も終盤、流石にちょっとしつこいかも?と思ったこともありました。
ただ、本作の場合はそれ以上に、熱さや懐かしさも蘇って来ました。
思えば昭和のアニメでは、必殺技一発放つまでに、
各自回想で一話消費とか当たり前でしたw

この決着の前に語り尽くしたいことが山ほどあるんだ!
本気で拳をぶつけ合って、初めて打ち明けたくなる過去がある!想いがある!

細かい演出を斜に見る冷めたハートに、
熱い闘魂を強制注入された感じ。


本作は『なのは』を名乗りませんでしたが、
シリーズ原作の都築さんにも熱さが戻って来たことも確認でき、
来年夏の劇場版『なのは』3rdに向けて、予熱十分。

私はいつでも着火OKです♪

【四話感想】改めて本作の監督は西村純二さんです……。

長いので折りたたみw
{netabare}基本的にもう途中で各話感想を書く予定はありませんでしたが、
四話でなかなか壮絶ないじめ回、女の修羅場に殴られたので、
勢いでここで一筆。

元々『なのは』シリーズは絶望や不幸、馬鹿げた野心など、
美少女バトル物でありながら、人間の負の側面も容赦なく描いて来ました。
それらもみんな叩き壊す、或いは砲撃する勢いでぶつかり合った先に、感動があるコンテンツでした。

ただ、最近、原作者の都築さんに
長年、少女たちが傷付く様を描き続けた心の勤続疲労が見え隠れ……。

『DOG DAYS』で脳が蕩けるくらい凄い、
萌えキャラたちのほんわかバトルを催してみたり、

『なのは』スピンオフの『なのはINNOCENT』展開時には、
本作でまで、なのはたちが傷付くことはないだろうとの主旨の方針を語られてみたり……。

あぁ、昔のように全力全開で傷付いて、それを乗り越える筋書きを
都築さんが量産するのはしんどくなっているのかな?と私は憂慮していました。

本作でも最初、都築さんが『true tears』などの西村純二監督と組んだ時、
理由が分かりませんでしたが、四話の描写を見て、意図が見えてきた気がします。

西村監督は痛み、特に肉体的な痛み以上に、
精神攻撃による心の傷、喪失のダメージを表現して来たアニメ監督でもあります。

彼と一緒にもう一度、痛みと真正面から向き合ってみよう。
何かそんな都築さんの決意のようなものが見えた、
心身の色々な部分が痛むしんどい回でした。


これは終盤にかけて、涙腺をガードする必要もある作品なのかもしれません……。{/netabare}


【一話感想】西村純二監督×『なのは』シリーズの世界観

やはり、長いので折りたたみw
{netabare}
かつてはルール無用、リスク度外視、全力全開の砲撃をぶっ放し、
願いや友情をかけて激しくぶつかり合った
初期の『魔法少女リリカルなのは』シリーズ。

三期『StrikerS』にて、なのはさんとは違う物語を志向する中で、
秩序ある組織や管理社会を形成するルールの中で、術者の健康にも配慮しつつ、
その熱さをどう継承するか葛藤。

四期『ViVid』では、さらにルール運用が厳格な
スポーツ、格闘技大会の中で、魂の継承を試行。

そして、ついに“魔法少女”も“リリカル”の冠も消滅した本作では、
競技色をさらに強化していく模様。

ストーリーは{netabare} 喧嘩に明け暮れる、孤児の貧困少女。
(何故か広島弁wどうやって次元を越えてこの第一管理世界に伝播したのでしょうw)
彼女が競技格闘技のジムに拾われ、拳により、失われた友情などを取り戻しに行く……。
というボクシング物の王道プロットに『なのは』スピリッツの世代間継承を託す……。 {/netabare}

ある意味、拳で語り合って来た『なのは』シリーズの流れで言えばあり得る展開。
けど個人的に意外性があってソワソワするのが、
シリーズ通じて脚本を手がけてきた都築真紀さんが、
本作監督を託したのが西村純二さんだということ。

西村監督と言えば私の中では監督自身が脚本も手がけた
『true tears』や『グラスリップ』等のイメージが強く、
過去に格闘要素のあるアニメ監督も数多く務めているとは言え、
このシリーズの監督でどんな仕事をするのか、ちょっと想像が付きません。

但し、脚本・都築さんがキャラ同士のハートを衝突させた時、
監督・西村さんが修羅場を激化させることはあり得そうですが……。

初回から早速、後々起爆させると思しき伏線爆薬をせっせと仕掛けて、
激しい殴り合いの予感を漂わせています。

そんなはみ出しそうな女と女の魂のどつきあいを、
整った競技ルールとリングの中でどこまで弾けさせられるのか。

脚本力と監督力が問われ続けている、
ある種のジレンマを抱えたこのシリーズの行方を、
西村監督×都築さんの新コンビがどう導くのか。

……まさか、鶏は出て来ないとは思いますがw
この世界に拳で取り戻せる仁義はあるのか。
拳を握って見守りたいと思います♪{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 30
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

残された時間を燃焼しろ! そこにお前の命の輝きがあるんだ! ……今から、お前を殴る!!

「魔法少女リリカルなのは」シリーズの外伝?みたいなことかな? シリーズを観てないので、よくわからないです(汗)

[2016秋 個人内ランキング 9位]

《以下ネタバレ》

【各話感想】
{netabare}
第1話
なかなかシビアな冒頭。格闘技系のスポ根もの? やたらとオッドアイの人物多いけど、何の意味もなくオッドアイのキャラを出すアニメはあんまり好きくないな。ヴィヴィオの「アクセルスマッシュダブル」は、「はじめの一歩」「ヴォルグ・ザンギエフ」の「ホワイトファング」にしか見えないw

第2話
絵柄があれだけど、微エロには少し萌えたw 腹とかw フーカの1日を淡々と紹介しつつ、各キャラクターに触れていく感じはなかなか良かった。

第3話
リンネのトレーニングシーンは、しっかりと筋肉を見せたいって感じでしたね。第2話の寝ているフーカの腹の描写もそうだけど、制作にはなんらかの特殊なフェチを感じる(笑)

第4話
リンネ過去編。たまたま、「いじめ~いけにえの教室~」を観てレビューを書いた直後の視聴で、不思議とリンクした。ラストのリンネの暴行リベンジで胸がスッとしてしまった私は、いけない人間なのだろうか?

第5話
大分バイオレンスな回でした。魔法少女の要素、必要ですか?

第6話
ミウラに、分かりやすい死亡(負け)フラグがぁ……。バトルシーンの手抜きがヤバイ(笑)

第7話
アインハルトの1回戦、鳩尾への肘打ちからの延髄蹴りとか、リンネよりエグいんじゃ(苦笑) フリッカージャブって、やっぱり「はじめの一歩」に似ている気が(笑)

第8話
今井VS板垣 戦を観ているようだな。二人ともスマッシュ撃ってたな。ヴィヴィオのスイッチスタイルも、ランディー・ボーイ・ジュニアがやってたな。カウンター狙わず、判定勝ち狙えばヴィヴィオは普通に勝てたんじゃ? でもここでヴィヴィオを勝たせるとか、良い展開ですね!

第9話
やはりここでリンネを負けさせるとは、凡百の格闘アニメとは違いますね。もしかしたらリンネは、「格闘技を辞めるために、格闘技を続けていた」のかな? やたら熱血展開だ(笑)

第10話
殴り合いながらの過去を回想。どこの熱血バトルやねん(笑) 熱く、熱く、熱く!

第11話
意識が無くなりかけ、トレーナーの言葉とミットの位置だけが見えるって、やっぱり「はじめの一歩」じゃんw 怪我と才能の無さを努力と理論でカバーしてきたジルが、才能のあるリンネと出会い、新たな夢をみる。「あなたの強靭な体に、私の技術と理論の全てが乗って、あなたの全身の筋肉が完璧に連動した一撃を討てたのなら、その打撃に耐えられる人間なんていません。きっと神様だって倒せます。」という言葉は、胸熱だった。神様=運命、なんだと思う。私もたまに道場で子供の指導をするので、どうしてもジルに感情移入してしまうw 才能ある若者との出会いは、それだけで幸せだよね。

第12話
殴り合って、仲よくなった後の平和な世界。百合百合してたw 太腿のアップとか、やっぱり制作の妙なフェチを感じるw キャラとか知らない人も出てきてるし、前作(シリーズ)ファンへのサービスも兼ねてるのかな? 決勝は、観たい気もするけど、ここまできたらもう蛇足ですよね。コーチ二人の会話とか、深いこと言ってた。
{/netabare}

【視聴終了】
{netabare}
愛は奇跡を信じる力よ~♪ 孤独が心~閉じ込めても~♪

……ハッ! 仲良くして頂いている(と思ってる)天地人さんのレビューの入りに似ている(しかも平成生まれの方には伝わらない)w

絵柄と違い、ガチのバトルアニメでした。実はリリカルなのはシリーズは観たことがなく、これが初の視聴ですw 結論としては、かなり面白かったです。ストーリーにも重厚さがあり、意表をつく展開もあり、熱さもあり、悲しさもあり。

個人的には第4話が印象に残っています。人としてどうかとは思いますが、正直に言って、スカッとしてしまいました(汗)

4話以降は、ナカジマジムの面々とリンネを中心した話が多く、サブキャラもよく掘り下げられていると感じました。

一方、フーカは途中から空気になっていましたが、リンネとのラストバトルで面目躍如。この作品の主人公であることを証明してくれました。リンネの目の、心の曇りを晴らすために殴り合う姿は胸熱。ところどころ完璧に「はじめの一歩」だったのはまあ、ご愛敬ということでw

ただ私は、リンネとジルのコンビに一番心を奪われました。才能という壁に夢を阻まれたジルと、才能溢れるリンネとの出会い。ジルの「私の理論とあなたの才能が合えば、神様も倒せる」という言葉、じ~んときました。この場合、神様=運命(人生)、だと思います。ジルは自分の不甲斐ない格闘技人生を、リンネは大好きな祖父の死とその後に起こしていまった事件を、それぞれが呪っています。そんな自分の人生を吹き飛ばすような、強烈なアッパー。第4話以上に胸がスッキリしました。

リンネは強くなりたかったのではない。強くなったと思いたかっただけ。だから、形(ベルト)を欲した、というのは納得の出来る心情です。

リンネはこれまで誰とも試合をしてなかったのですね。だから、勝っても冷たい目をしていました。それは、リンネの戦う相手は常に弱い自分自身、弱い自分自身が起こしてしまった過去の出来事だから。そういう、いつまでも過去に立ち止まっている姿、誰のことも見ていないリンネを、フーカは許せませんでした。だから殴ったのです。涙を流しながら。ジャジャジャン、愛は奇跡を信じる力よ~♪(って、もう良いってw)

そんなリンネが、フーカとの殴り合いを通し、過去を払拭し、自分がどれだけ格闘技が好きなのかを自覚し、最後は青空の中で二人揃って倒れるシーンは、正に名シーン。フーカに勝てなかったからもうベルトには手は届かないのだけど、そんなのどうでも良いんですよね。リンネは自分が本当に欲しかったものを手に入れられたのだから。

最終回は、本当に色んなことに結末をつける、温かいものになっていました。ちょい役のキャラにもちゃんと後日談を用意しているとか、芸が細かい。

リリルカなのはシリーズ(というより外伝的な扱い?)は本作が初めての視聴でしたが、予想以上に楽しめました! 時間ができたら、一作目から全部観てみたいと思えました♪
{/netabare}

【総括】
絵柄とは違う、ガチの格闘アニメ。格闘技を観る、というより、そこに至るまでの経緯や、バトル中の心情の変化を楽しむアニメか。シリーズ未視聴だが、ここから入っても充分に楽しめた。他の作品も観たくなった♪

投稿 : 2025/01/04
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

フーカとリンネの投入で物語の熱さには拍車が掛かりましたけれど…

この作品は、私の中でどうにも異端の存在でした。
まずこの作品を視聴するには、「魔法少女リリカルなのはシリーズ」の第4期にあたる「魔法少女リリカルなのはViVid」を視聴しないと話についていけないと思います。

それでは「魔法少女リリカルなのはViVid」だけ視聴しておけば問題無いか…と問われると、答えは「No」…なぜなら4期に登場する人物を知るには3期の「魔法少女リリカルなのはStrikerS」を見ないと人となりが分かりません…こんな風に辿って行くと、つまりは1期から視聴するのが一番登場人物を理解できる事になる訳ですが正にその通りだと思います。

でもこれまで4期までを視聴してきた方には堪らない作品だと思います。
それは、今でこそ友達と一緒にストライクアーツに打ち込んでいるヴィヴィオが、どれだけ壮絶な日々を積み重ねてきたのか…幼いゆえに何も知らずただ翻弄され、激痛に歪むヴィヴィオを全身全霊で救い出した高町なのは…
ヴィヴィオの成長は、なのはママとフェイトママがこれまで積み上げてきた歴史そのもの…
だから主人公が高町なのはからヴィヴィオに移ってもそれほど違和感は感じませんでした。

でも主人公がなのはでもヴィヴィオでも無いとなると話は別です。
いくらシリーズの冠名を外したとしても、そこに脈々と流れるのは4期まで続いたなのはシリーズの血潮なんですよね…
もう少し前作までの繋がりを大切にして欲しかった…というのが本音です。

それともう一つ…放送の構成も違和感がありました。
この作品は4期から1年後という設定ですが、率直に疑問に思ったのは何故「魔法少女リリカルなのはViVid」の続編を先に放送しなかったのか…という事です。
確か4期はインターミドルの大会途中…ヴィヴィオとミウラの対戦前に終幕しましたが、この作品ではミウラはナマジマジムに移籍していますし…
この戦いの結果が素直に気になるところです。

それに4期のインターミドル大会で本作品に登場した選手も、この作品に多く登場するのですが誰が誰やら…というより、4期でハッキリ記憶に残らなったキャラも何の説明も無いまま外野スタンドで普通に応援しているですよね…
残念ながら負けてしまった選手は仕方ありませんが、少なくても勝った選手…というより、インターミドルを描いた後にこの作品を見る方が、色々とスンナリ頭に入ると思うんです。

少しこの作品を批判めいたレビューをしてしまいましたけれど…
実は秋アニメの中で放送が待ち遠しい作品の3本の指に入るくらい大好きな作品でした。
シリーズの冠名が無いとか、そんなのは全然関係無いくらい激アツな展開に何度痺れたことか…
これがいのすけと小倉さん効果と思うと「流石」の一言に尽きます。

いのすけ演じるフーカと小倉さん演じるリンネは幼い日を孤児院で共に暮らしました。
しばらくするとリンネはとある良家に貰われる事となり、二人は別々の道を歩く事になる訳ですが、どちらも順風満帆な人生が遅れた訳ではありませんでした。
そんな二人がストライクアーツで再び接点を持つようになり物語が動いていきます。

ジムで喧嘩の腕っぷしには自信のあったフーカの相手をしたのは、ヴィヴィオを初めとする「おちびちゃん4人衆」でした。
ここでフーカは出鼻を完全に挫かれ基礎の大切さを身を通して知る事となります。
フーカが強くなりたいのは、人が変わったように冷たい目をする様になったリンネを元に戻したいから…
でもその時リンネは、冷徹で残忍なまでの攻撃により快進撃を続けU15ワールドランク1位という手の届かない場所まで登りつめていたんです。

そんな中、満を持してウィンターカップが始まった訳ですが、こんなにも心が大きく揺さぶられる展開を目の当たりにするとは正直思っていませんでした。

リンネが最初に戦ったのは、抜剣と呼ばれる足技の使い手であるミウラでしたが、この戦いの結末には、次を視聴するのが本気で苦しくなる位に心が痛みました…

だってこの戦いの勝者の次の相手はヴィヴィオでしたから…
だから怖かったですけど、ヴィヴィオとの全力全開の一戦に臨んだ訳ですが、こんなに心が震えて号泣する展開が待っていてくれていたとは予想だにしませんでした。
多分、この回だけでも10回以上は視聴したと思います。

そして物語は本当の決着に駒を進めていきます…
物語の終わり方としてはこのシリーズ特有の良い終わり方…これはある程度予想していましたが、そこに至るまでの熱さは半端無かったと思います。
気になる方は是非本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、小倉唯さんの「Future Strike」
エンディングテーマは、いのすけの「Starry Wish」
どちらも作品にマッチした最高の曲だったと思います。
特に好きなのは物語の余韻を感じさせてくれるエンディングの入りの部分…
もちろん、どちらもカラオケで挑戦済で、間違いなく今期のアニソンBEST10に入る曲です。

1クール12話の作品でした。他にも例えばアギトとリインの姿恰好とか気になるところはたくさんあるのですが、それを差し引いても余りあるほど魅力ある作品だったと思います。
これで4期の続編が無くなったら悲しいですけれど…
次があるならシリーズの冠名を背負って貰えることを期待しています。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 28

66.5 8 ボクシングアニメランキング8位
OVERMAN キングゲイナー-オーバーマン(TVアニメ動画)

2002年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (205)
1188人が棚に入れました
時代は地球環境が悪化した未来。
かつて人間が暮らしていた豊かな土地は食用地として保全され、 人々は凍えるツンドラ地帯や灼熱の砂漠地帯のドームポリスに押し込められ、中央政府や食料を運んで来る鉄道公社には逆らえなかった。
そんな生活が何代も続いたとある時代に、ふと疑問を抱く人々が現れ始める。『自分達の先祖が生活していた土地への帰還』=エクソダス。
そんな中、シベリアのドームポリス『ウルグスク』に住む少年、ゲイナー・サンガは、シベリア鉄道警備隊に逮捕されてしまう。容疑はドームポリスから脱出する『エクソダス』だった。
ゲイナーは留置場で出会ったゲイン・ビジョウという男と共に脱走するが…。

声優・キャラクター
野島裕史、かわのをとや、小林愛、鬼頭典子、子安武人、水城レナ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

無駄回なし。面白い上に考察をするのが楽しい作品。

 ブレンパワードが女あるいは母がテーマだとしたら、本作は漢と書いてオトコの話ですね。これが対になっていたのだと思います。
 女たちが自然に母になるのと違い、少年の成長には「見本になる大人」が必要だ、と。シリアスなブレンパワードと対照的に本作はとことんコミカルな演出でした。

 実は英語版(Dubアニメという奴です。10年以上前なのでご勘弁)で以前見ていて読み取れなかった部分が、今回初めて日本語版で見たので、ニュアンスが初めて分かった部分もありかなり理解できました。結果、本作はちょっと語りたいことが多いので、長くなります。

 ガンダム+エヴァのイメージです。エヴァほど敵を正体不明にしていません。テクノロジーの設定を先史文明に完全に丸投げしているのは当時の世界系の影響でしょう。それを上手く消化して、富野的に戦っている敵が人間である、という話にしています。

 冒頭のOPのアナ姫ダンスの裏の英語…第1章 再生への道(Road to Rebirth)となっていました。Long,Long agoから始まる露骨なスターウォーズのオマージュです。ここに富野氏のスターウォーズへの影響というのを色濃く感じます。途中、野生味のある男を表すのに「動物の腹の中で過ごす」と言うセリフがありますが、これは帝国の逆襲の冒頭のシーンを見ているのでしょう。ガンダムにおけるライトセーバーやニュータイプ=フォースの影響も合わせると、富野氏へのスターウォーズの影響が見て取れます。

 なお、OPの英文は要約すると「人類文明の過度な発達によって地球の環境に変化が生じた結果、生き残るために肥えた暖かい地域から寒い地域に移り住んだ。それは2500年前のことです」と読み取れます。
 で、おそらく作品に出てくるキングゲイナーとブリュンヒルデ、オーバーデビルはこの2500年前くらいの時代の超高度文明が残っていた時代の技術ではないかと思われます。

 一方で、ミイアの髪型が非常にキングゲイナーと似ている点と、キングゲイナーの胸のパーツをブラジャーと呼んでいる点、OPのアナ姫ダンスの時のキングゲイナーがかなり内股で骨格が女性でないかと思われるので、キングゲイナー=ミイアという風に見えました。キングだから漢かなあ…とも思いますけど。初代エクソダスを導いたミイアを象ったのか、ミイアがキングゲイナーの巫女だったのかもわかりません。

 でまあ、ブリュンヒルデというのはワルキューレの一人で女性名ですからやっぱり女性でしょう。(ワルキューレはいろんな言い伝えがありますが、ワーグナーのニーベルンゲンだと9人の女神ですから、そういう設定でワルキューレシリーズみたいな兵器だったかもしれない、などの妄想ができます)
 ミイアの森の裂け目は当然女性器のアナロジーだし、それとコックピットは子宮のイメージで侵入口はやはり女性器です。つまり、漢の物語のパートナーはヒロインたちもロボットたちも女性ということになります。まあ、ブリュンヒルデはまんまアレですけどね。

 本作についての最大の仕掛け、エクソダスですね。これは素晴らしかった。OPの説明の通り地球を再生させるためにドームに閉じこもった人類ですが、そこから生まれ故郷に帰る。あるいは新天地に行く、どちらとも取れます。巨大な構造物が延々と列をなして、都市ごと移動する絵面が素晴らしい。都市が動くというのはイギリス系のSFで見かけますが、それ自体は珍しくありませんが、本作の巨大な構造物が連なる絵のパワーはすごかったです。

 本作の発想ですが、ディストピア設定と失われた超文明というのが非常にターンAガンダムでしたね。おそらくターンAのいくつかのプランの一つではないか、と思うくらいの類似性がありました。アスハムのキャラが完全にギムギンガナムだったですし。
 環境問題で人類の危機があったので、宇宙世紀ものと連続性がありそうにも見えます。シャアの危惧そのものですし。ターンAと並行宇宙でしょうか。
 移り住む住人に考え方の対立があるのもターンA的だし、食料問題や象を持ち上げるシーンも、ターンAの牛を持ち上げるシーンそっくりです。
 オーバーデビルVSキングゲイナーはまさにターンX対ターンAの構造です。ここにミイアが介在したなにかの出来事があったのでしょう。

 シベリア鉄道ですね。これはモノを動かして商売にする資本主義なんでしょう。階級があるのも社会構造を表しています。ロンドンが今の議会制民主主義の社会のもとを作ったイギリスです。
 対して、ヤーパンの方は宗教を想起させるミイアと5賢人の他は階級がありません。これは日本的でもあると同時に共産的でもあります。この辺は神道的なまとまりをもつ日本的共産主義のようなものをイメージしているように思えます。

 で、肝心のゲインとゲイナーですが、ゲインは利得という意味よりは進んだ者という意味な気がします。ゲイナーは進んでいる者という感じがします。本作のラストですね。サラのキスでは解けなかった氷のゲイナーがゲインの呼びかけで目を覚まします。これがこの物語が漢の物語であるという象徴でしょう。
 
 ゲインが眼鏡をかけているひきこもり少年なのは、日本の少年のカリカチュアで、ガンダムの初回と同じです。力を得た少年が旅を経て成長してゆく。ただ、ゲームそれ自体が最後にゲインのアイデンティティとして再び役に立つので、お仕着せのゲーム少年批判ではないと思います。

 サラはゲイナーのいう通り、あるいはゲインが心配した通り悪女気質です。EDのサラの表情。すごいですね。ヒロインとは思えません。小ばかにしているのか、醒めて観察されているかのような表情です。一方好意的にみると微笑んでいるようにも見えますので、あの表情が女の本質だぞ、と言っているのでしょう。

 伝説の共感性羞恥が崩壊する回がありますのでお気を付けください。めぞん一刻や青春ブタ野郎でもありましたけど、もっと恥ずかしいです。
 ただ、あれも大事な回で、自分が恥ずかしいと思っても、周囲から見れば微笑ましいし、あそこまで言われてうれしくない女はいないという、当たり前のことだから全然傷になんかならないという意味では、非常にいいシーンです。
 ゲインの女を口説くところの態度とか、哲学と対比するとより面白いと思います。

 アデットはすごいですね。こんな美しい造形のキャラはめったにお目にかかりません。中身は残念キャラですが、男を見る目についてのサラとの対比が面白かったです。ちょっとヤッターマンのドロンジョ様っぽかったです。

 シンシアは教育一家というか、優秀な血統によって育てられた世間知らずのイメージです。毒親問題もちょっと垣間見えますし、これがゲイナーというもう一方の世間知らずと一緒になったときに恐ろしいことになります。
 オーバーデビルの造形が赤ん坊でしたからで、イコールシンシアですからシンシアは赤ん坊ということでしょう。
 これが世界を凍らせるのだから、教育を間違うと世界は凍結するぞ、という意味なんでしょうか。あるいは、もっと広くとれば家族問題とかジェンダー問題など人間としての何かを忘れてないか。民主主義とか経済とか言って家族が崩壊すると滅びるぞ、ということでしょうか。

 アナ姫は最高です。本作の中では唯一の大人が童女というのが面白い構造ですね。保守的で残酷な5賢人に比して人間的で進歩的でした。

 ミイアの無垢性は気になるところです。彼女の達観はひょっとしたらエクソダスの歴史を全部しっているのかもしれない、などと思ってしまいます。しつこいですけどターンAの設定を紐解くとミイアの裏になにを見出せるのかがわかる気がします。

 ヤッサバと占いの女の子の心配をしていましたがここはちゃんと回収しましたね。

 本作の最大の特徴ですが、アナ姫以外のすべての女性キャラが男をどういう目で見ているかが丁寧に描かれています。女性からの言葉とか女性と付き合いたいと思うことが、男の成長には必要だということだと思います。
 そして、ゲインの過去の仕掛けですね。この女性問題の結末におおお、とうなってしまいました。

 で、いくらなんでも長くなりすぎました。まだまだ言いたい事はあるのですが、これくらいにします。

 なお、18話、20話を初め作画が酷い回が結構ありました。サンライズでWOWOWのスクランブル枠でこれはひどいなあ、と思いました。

 OPEDですね。どちらも素晴らしいです。特にOPはそのままでもいいし、MAD動画でもいいものが沢山あります。曲もいいし、もちろんアナ姫ダンスが最高です。
 一方EDです。これが本作の言いたいことです。ゲイナーはゲインを追いかけて成長してゆく。それをサラがふーん、と観察している、という感じに見えます。


 2002年の作品ですが、本作は古さを感じません。テーマ性が裏に沢山隠れているので考察にはもってこいの作品です。一方で考察したり意味を考えたりしないと、演出に労力を振っているために、因果関係がはっきりしないで、ご都合主義で展開しているだけにみえるかもしれません。したがって、低評価の人がいても不思議ではありません。

 それとほぼ同時期にシードやっているんですね。これが面白い。本家ガンダムは富野以外の人が作って、富野は世界系ガンダムを作る。

 ジェンダー思想、政治思想、SF的な背景など、いろんな富野要素が読み取れる大変面白い作品でした。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 5
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

(ガンダム+ギアス+エウレカ)÷3=微妙。

こちらは『∀ガンダム』(1999年)の次に制作された富野監督作品ですが、パッと見の印象として、

『ガンダム』の富野由悠紀監督
『ギアス』の大河内一楼氏のシリーズ構成
『エウレカ』の吉田健一氏のキャラクター・デザイン

・・・の3要素の混合具合がちょっと面白いかも?と思ってしまいました。

厳密にいうと、本作の製作時点では『コードギアス』や『エウレカセブン』はまだ制作されていないので、大河内氏や吉田氏にとっては、本作はよい踏み台になったのかも知れません。

一応、完走後の感想として、

(1) 2002年制作の作品としては作画・演出は非常に高レベルで、制作会社(サンライズ)としても力が入っていたものと推測します(※同時期に同社が制作・放送していた『機動戦士ガンダムSEED』よりも本作の方が作画・演出は上です←但し音楽・シナリオは『SEED』の方がずっと良い)。
(2) 本作自体のシナリオは残念ながらかなり微妙ですが、最後まで見れないほどではありません(※但し頑張って見終わっても、特に感動・感銘などは得られませんでした)。

《まとめ》
上記のとおり、シナリオ面では『ギアス』の大河内氏らしさ、キャラデザ面では『エウレカ』の吉田健一氏らしさが随所に見られるので、それらの作品のファンの方は、“ついで”に視聴すると良いかも知れません。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
いきなり意味不明の展開で???。これ、本当に面白くなるのだろうか?
・第8話視聴終了時点
ここまで見て、シナリオを丁寧に追う気が無くなってしまう。
以降は、適当に流し見のため、各話の内容書き込みはほぼ省略。
{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作・総監督     富野由悠季
監督         森邦宏
シリーズ構成     大河内一楼
脚本         大河内一楼、高山治郎、浅川美也、高橋哲子、野村祐一
キャラクターデザイン 中村嘉宏、西村キヌ、吉田健一
メカニックデザイン  安田朗、山根公利、吉田健一
音楽         田中公平
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========== OVERMANキングゲイナー (2002年9月-2003年3月) =========
{netabare}
第1話 ゲインとゲイナー ☆ ゲイナー(ゲームチャンプ)&ゲイン(エクソダス請負人)の出遭い、OVERMAN機動・命名(キングゲイナー)、アナ姫(メダイユ侯爵娘)誘拐、冬至の祭(エクソダス開始)
第2話 借りは返す ☆ 五賢人とドームポリス「ウルグスク」ごとエクソダス、シベリア鉄道警備隊所属OVERMANラッシュロッド(ヤッサバ搭乗)撃退
第3話 炸裂!オーバースキル ★ アデット潜入・アナ姫奪取失敗、ラッシュロッドの時間停止オーバースキル(OS)、ゲイナー激白・辛勝
第4話 勝利の味はキスの味 ★ エクソダスから1週間(気晴らしボクシング)、OVERMAN同士の決闘、時間停止OSの逆利用、サラのご褒美
第5話 シベリアに光る目 ★ 嫌われ者ヤッサバ脱走・透明OVERMANブラックメール奪取・辻占い少女とのエクソダス、セントレーガン(SR)のOVERMANゴレーム出現
第6話 セント・レーガンの刺客 ☆ ロンドンIMA直轄特務隊SRのゲイン引き渡し要求、アスハム・ブーンSR隊長とゲインの因縁(ゲインの娘カリン)
第7話 鉄道王キッズ・ムント ☆ シベリア鉄道総裁登場、ブラックメールのコート着用キングゲイナーの装甲車両スバルビッチ攻撃・撃退、ミイヤの合流
第8話 地獄のエキデン ☆ ※ここでシナリオを丁寧に追っていくのが虚しくなる(まあ、面白いけど・・・)
第9話 奮闘!アデット先生 ☆ 
第10話 アスハムの執念 ☆
第11話 涙は盗めない ☆
第12話 巨大列石の攻防 ☆
第13話 ブリュンヒルデの涙 ☆
第14話 変化(へんげ)ドミネーター ☆
第15話 ダイヤとマグマの間 ☆
第16話 奮戦、アデット隊 ☆
第17話 ウソのない世界 ☆
第18話 刃の脆さ ☆
第19話 リオンネッターの悪夢 ☆ ゲインの旧友
第20話 カテズで勝てず ☆ ゲーム仲間シンシア、ドミネーター、ゲイナー負傷とシンシアの動揺
第21話 オーバーマンの闇 ☆ キングゲイナーの謎の力  
第22話 アガトの結晶 ☆ オーバーデビル争奪戦
第23話 復活のオーバーデビル ☆ 
第24話 オーバーマックス ☆
第25話 氷の中で ☆
第26話 ゲイン オーバー ☆{/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)3、☆(並回)23、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「キングゲイナー・オーバー!」
ED 「Can you feel my soul」

投稿 : 2025/01/04
♥ : 10
ネタバレ

イワレニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ザブングル+ZZ+ガンダムX+Gガン  恐ろしくポジティブなキレイな富野

まず、率直な直感だけの感想として
面白いし、感情引入も出来、感動する。
これに尽きる。

しかし、ガイナックス作品を見たとき天野っぽいな~と思ってしまうことが多々あるが(エヴァとかエヴァとかエヴァとか)

この作品も非常に「富野」っぽい作品である。
ストーリー、メッセージ性、セリフ回し、テンション、どれをとっても富野らしい作品であると言えよう。

感じ的には、ザブングル5割+ZZガンダム4割+ガンダムX1割と言った配分。
もしも、上記の作品が好きならばハマれると思う。
(他にもGガン、Wが好きでもイケる)

と、だいたいスペックは分かってもらえたと思う。



要するに、この作品。面白いは面白いんだが一癖あると言ったところ。

まず、見るのに下記のハードルがある。

1、モビルスーツ(ロボット)の形が独特。
生き物のようなぬいぐるみの様なものに乗って戦う。(コックピットなんてファスナーだしねw)

2、しゃべり方が独特。
(ZZガンダムっぽい)

3、テンションは高い。
はじめはついて行けないかも?w

4、専門用語が多い。
序盤6話ぐらいにすべての用語が登場するといってもいいぐらい序盤は詰め込んでいる(説明っぽい?)これを乗り切れるかどうか。
実際には理解しないでノリで突き進むのが正しいであろう。



この、いくつかのハードルを乗り越えることが君にできれば「面白いキングゲイナーワールド」が待っているだろう!


俺の好きなところ

{netabare}
・もう一回見れるアニメというのを結構高く評価してるのだが、このアニメは1~5話ぐらいに情報がとにかく多くそこが2回目見たときに全て分かる。というのがよかった。

・富野と言ったら「富野だったら死んでた」の名言を残してるぐらい普通に重要キャラが死ぬ。しかし、このアニメ重要キャラはおそらく誰も死んでないであろう。敵も含め。戦争をしているのに死なない作品は珍しい。そういう意味では、富野っぽくない作品とも言える。

・明るい富野。先にも言ったが死なないだけでもなくメッセージがとてもポジティブ。普段だったら、「全員死んだらそれで終わりなんだよ」ともとれる鬱になるようなメッセージがこの富野はキレイで正反対。「ポジティブにやり直ししよう!」という気持ちが伝わってきます。

・とにかくOPのノリが素敵。
アナ姫さんがいちいちかわいい。それだけでも見る価値ありなアニメ。アデットさんもいい女すぎてヤバイ。

・引きこもりなゲームマスターが主人公。
なんかぐっと来るシチュエーションでした。アクセルワールドを思い出すような設定w

{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 4

75.2 9 ボクシングアニメランキング9位
アキバ冥途戦争(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (339)
988人が棚に入れました
1999年 春 かわいいメイドに憧れて、 ひとりの少女が秋葉原にやってくる。 世紀末の“アキバ”は、 多種多様なメイドさんでいっぱいいっぱい。 メイドカフェ「とんとことん」通称『ブタ小屋』は、 今日もブヒブヒ営業中! 一緒に入店した新人メイドは破天荒さんで、 ドッタンバッタン大慌て。 推しメイドや調教師、 秋葉外生命体も現れて、 赤バットはフルスイング! これは、 全てのご主人さまとお嬢さまに贈る、 渾身のメイドお仕事奮闘記。 「みなさまのお帰りをお待ちしてますブー」
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

とある科学の反社会砲(ハンドガン)

金曜夜九時、中野駅近くにある安い居酒屋のテーブル席にて。
三十代の男Aと、職場の後輩らしき二十代半ばに見える男B女Aが、
生ビールを飲みながら話をしている。
すでに何度かビールのおかわりをして、半分ぐらい出来上がっている感じ。

  男A「オレ思うんだけどさ~、メイド喫茶ってけっこうヤクザな商売だよな」
  男B「あ、自分それわかります、センパイ」
  女A「あたし、行ったことないからわかんない。そうなんですか?」
  男A「そうよ。素人バイトが作ったオムライスやらなんやらでバカっ高い値段とってさ」
  男B「まあ、ふつうの喫茶店として見たら、ほとんど崩壊してるっスよね」
  男A「おまえさ、ちょっとこの焼き鳥に『おいしくな~れ、もえもえきゅん』って言ってみ」
  女A「はい? (棒読み調に)おいしくなあれ、もえもえきゅん」
  男A「食ってみ」
  女A「はあ……。もぐもぐ」
  男A「美味くなったか?」
  女A「(口に含みながら)いいえ。……てか、なるわけないですよね」
  男A「だろ? なのに値段が三割り増しとか倍とかなんだぜ」
  男B「チェキとか、メイドさんと一緒に写真撮るだけで千円とかっスもんね」
  女A「それ、めっちゃぼられてんじゃん。ま、かわいい子多いなら仕方ないのか」
  男A「うんにゃ。ぜんぜん」
  男B「まあ、並みならアタリって感じっスかね」
  女A「え゛そうなの? ふへえ……。そんじゃ、みんな何しに行くんですか?」
  男A「世界観の……共有?」
  女A「いや、質問形で答えるのやめてくださいよ」
  男B「あ~でも、わかるっス。その場の空気にカネ払ってるつ~か」
  女A「なにそれ。水商売よりタチ悪いじゃん」
  男A「だからヤクザだ、つってんの。水商売じゃなくて空気商売」
  男B「オンナ慣れしてないヲタって、カネ巻き上げるのカンタンっスから」
  女A「あこぎだ……ガチもんのあこぎだ……」
  男A「だからさ、いっそ、全部ヤクザが経営してるって方がすっきりすると思うわけよ、オレは」
  男B「あ~、それいいっスね。抗争とかあったりして」
  男A「メイドもみんな構成員でさ。上納金あつめんのに四苦八苦してたりすんの」
  男B「対立してる店のメイド、パンしちゃったりするんスかね」
  男A「そりゃあるだろ、カチコミとかもふつうに」
  女A「あのお~、オタクの人たちって、そんな物騒な店行くんですか?」
  男A「いやほら、そこは表の顔と裏の顔ってやつでさ」
  男B「きゃぴ~んなんて言われて大ヨロコビしてる連中っスよ。騙すのなんかわけないっス」
  女A「ん~……そこはまあ、そうかなあ。あ、生チュ-おかわりください」
  男A「でさあ、男だけでなく女の子もたまに騙されるわけよ。メイドに憧れて上京したりさ」
  男B「そいで、タコ部屋にぶち込まれて抗争巻き込まれたりっスね」
  男A「そ~そ~。そいでも『あたしは暴力キラいです』ってツッパったり」
  男B「そのくせ、やたら戦闘能力高かったりするんスよ」
  男A「んで、ムショ帰りの姉さんメイドに背中で語られたりするわけだ」
  男B「そいで『極道』ならぬ『メイド道』に目覚めたりとかしちゃうんスよね」
  男A「わかってんじゃねえかおい。まあ飲め飲め」
  男B「飲むっス」
  女A「(ためいき)はあ~っ。ほんと、男の子ってこういう話好きよねえ」
  男B「好きっス。アニメ化して欲しいぐらいっス」
  男A「ん? ん~~……ひょっとして、これ、いけんじゃね? アニメ化」
  女A「はあっ?」
  男B「おおっ」
  男A「だって、男ってヤクザもん好きじゃん? メイドも好きじゃん? だったらいけんじゃん?」
  男B「マリアー~~ジュうっ!」
  女A「いやいやいやいや。そんなもん、誰が板買ってくれんですか」
  男A「舞台をアキバにして人気声優とか使ったら大丈夫だって」
  女A「いやいや、アキバって萌えの街なわけでしょ? ヤクザって似合わないじゃないですか」
  男A「うんにゃ。アキバが萌えに走ったのって、この二十年ぐらいだから」
  女A「マジで? 昭和の話とかではなく?」
  男A「そ。それまでは小汚い電気街でさ~。設定を1999年ぐらいにしたら、雰囲気とかバッチシだから」
  男B「そっちの方が、おっさんヲタが懐かしヨロコブんじゃないスか?」
  男A「だよな。つ~か、おっさんヲタの方がカネもってるもんな」
  女A「も~。またそうやって他人(ひと)のサイフ覗き込むようなマネを」
  男A「なに言ってんだ、マーケティングだよマーケティング」
  男B「そうっス。カネのあるトコロからかっぱぐのは正統なビジネスっス」
  女A「あ、かっぱぐ言った」
  男A「よっしゃあ、なんか燃えてきた。おいおまえ、企画書かけ」
  男B「書くっス」
  女A「マジですか~。やめましょうよ、通りませんって。また笑われるだけですよ」
  男A「だいじょうぶ。ウチの会社バカばっかだからゼッタイ通るって」
  男B「通るっス」
  男A「タイトルは『アキバ冥途戦争』。あ、メイドはカタカナじゃなくって漢字。極楽浄土の『冥途』な」
  男B「ぎゃはははは。サイコ-っス」
  女A「え~~……」


というような会話が実際にあったのかどうかはわかりませんが、
おそらくはそんなグダグダ話だったのが本当にアニメ化までされちゃったのが、
本作『アキバ冥途戦争』であります。

制作はみんな大好きP.A.WORKS。
お仕事アニメに飽きたのか疲れたのか新機軸を模索中で、
前作『パリピ孔明』同様、みごとな迷走っぷりです。

面白いかどうかは、本当に「人による」としか言いようがなく。
僕個人としては、こういう
  『アホなことを大真面目にやる』
という作風は大好きですし面白いとも思うのですが、
本当にパンしちゃったりしてるので苦手なひとは苦手かもです。
(というか、安倍元総理の事件の後でよくOAできたなあ、と)

基本的な構成は前フリ(長げ~よ)のように、
血で血を洗う抗争を繰り広げる1999年の秋葉メイドカフェ業界で、
そういう世界だとは知らずメイドに憧れて上京したヒロインが、
ガチやばい環境に巻き込まれつつ自分の道を模索していく感じです。
(まあ、広義のお仕事系アニメと言えなくもなく)

お話は、だいたいは1~2話完結式。
ただし、その都度状況が変わって物語がうまく転がっていくので、
惰性的なワンパタ感はありません。

物語の中心は主人公が勤務するさえないメイド喫茶で、
多店舗展開しているケダモノランドグル-プの最下層に位置する『とんとことん』。
対立するメイドカフェグル-プとの抗争だの合併だの、
15年前の抗争事件の仇討ちだのという泥臭い背景を抱えながら、
必死にあがいて生きていくメイドたちの群像劇的なアレになっております。

  ふんっ、メイド+ヤクザなんて、
  どうせ中途半端なスラップスティックコメディなんでしょ、
  なんて思ってたら大マチガイ。

       毎回、人、死にます。ガチで。

  大真面目にメイドさんが任侠・極道やってるわけですよ。

  もちろんコメディ的な演出も随所にあり、
  なんでこんな街をケーサツが放置するかなとかツッコミどころも満載。
  おバカな設定をこれでもかとシリアスにやりきる、
  徹頭徹尾ブラック・ジョ-クに特化した、
  ちょっと類を見ない感じの『おバカ殺伐エンターテインメント』なのであります。
  {netabare}
  「幸せになろうなとどはメイドの道に入ったときから考えておりません」
   なんて台詞がさらっと出てきちゃったりして、
   脚本家さんもノリノリで書いているのがまるわかりですしね。
{/netabare}
  役者さんや制作者が口々に本作を『お仕事アニメ』と呼んでますが、
  それもまたブラック・ジョ-クで言ってるわけで、
  そこがわかんないとまるっきり楽しめない一本なのではあるまいかと。


僕的なおすすめ度は、
完全に『人による』という前提でAランク。

そもそもブラック・ジョ-クというのは、
アニメに限らず、基本的にあまり日本人ウケしないテイストなんですよね。

感性というか国民性というか、
『くまみこ』だってボコボコに批判されちゃうし、
天下の北野武監督だって、
ヴェネツィアで金獅子とるまでは国内で見向きもされなかったわけで。
(『ソナチネ』とか、めっちゃ面白かったんですが)

  ですから、たとえばバーホーベンの『スターシップ・トゥルーパーズ』あたりを
    こんなおバカな話にこんなカネかけて、ほっんとバカだね~
  などと(好意的に)笑いながら見ていられる方なんかにオススメの一本かなと。


ただし、ホントに類を見ない作風なので、世界観をつかむまでは一苦労。
エラそうに書いてる僕にしたって一話を見たときは

  えっと……なんじゃこれ?

とか思っちゃいましたし(一話切りした方、けっこう多いのでは)。

頭の上に『?』マ-クを浮かべながら2~3話ぐらいまで視聴して、
そうかそういうことかと腑に落ちてからは、
なんとなく目が離せなくなって、
4話あたりで自信が確信にかわった次第であります。


そう思って見てみると、キャスティングからしてブラックジョークそのもの。

主役である和平なごみ(近藤玲奈)さんを囲む『とんとことん』のメンバーは、
・万年嵐子(ムショ帰りで35歳の新人メイド)
  →佐藤利奈さん『とある科学の超電磁砲』御坂美琴役
・ゆめち(店のエースメイドにしてバクチ打ち)
  →田中美海さん『ハナヤマタ』ハナ・N・フォンテーンスタンド役
・しぃぽん(銃火器の扱いが得意なガングロメイド)
  →黒沢ともよさん『響け!ユーフォニアム』黄前久美子役
と、極道とは真逆の出世作もってる役者さんばっかだし。
いやほんと、アクセラレータもまっつぁおのベクトル変換であります。

その他の役者さんも、ゲストキャラに至るまで豪華そのもの。

  クライマックス直前、10話まで生き残っていたキャラでいうと、
  高垣彩陽さんでしょ、それと皆川純子さん、小林ゆうさん、
  さらにはパンダの中身が平野綾さんだったってのに思わずびっくり。
   {netabare}
  で、準主役だった佐藤利奈さんも11話でぶっすり。
  皆川純子さんも最終話でパンされて、
  いやほんと、近藤さん、よく最後まで生き残ったもんだ。
{/netabare}
  それまでにあえなく死んじゃったキャラも豪華ケンラン。

  諏訪部順一さん、内山昂輝さん、
  喜多村英梨さん、石見舞菜香さん、竹達彩奈さん、小松未可子さん、
  生天目仁美さん、小倉唯さん……{netabare}
  高橋李依さんなんか「はい」「ありがとうございます」の台詞二つだけで、
  出てきて30秒でパンされちゃってるもんなあ。 {/netabare}

  まあ、役者さんというのは基本的に
  こういう『おバカを真面目にやる』という芝居が大好きなので、
  みんな大喜びで演ってると思いますが。


映像は、1999年秋葉原の『小汚い感』がしっかり出ていてよき。
作画や動きは……まあ、こんなものかしら。
あと『パリピ孔明』でコレジャナイ感が強かったモブキャラですが、
メイドカフェの客層の『たいしたことなさ』が見事に表現されています。
やっぱP.A.WORKSさんはパリピじゃなくてこっちですね。

  あと、殺されちゃたけど、内山昂輝さんの演じた取り立て屋、
  キャラデがとってもナイスです。
  いやほんと、当時ってこんなやつばっかだったんですって。


音楽はOP・EDとも、映像との合わせ技で出色の出来。

OPは世界観をばっちり表現できてますし、
ただ歩いてるだけなのにガラ悪さが伝わってくる最初のカットが秀逸。
作画はもうちょい頑張れ。

  EDは、わかる人にはわかる、爆笑必至のド演歌になっております。
  歌詞もよくできているし、
  なごみが銃弾ポトリと落とすカットは拍手喝采もの。
  そしてなんと言っても、
  これを唄っているのがレールガンこと佐藤利奈さんなのがサイコ-です。
   (佐藤さん、楽しかったろうなあ)

  最終話だけ歌唱が近藤玲奈さんに変わっているところも、
  本編のシュ-ルなエンディングと合わせ、
  いやあ、芸が細かい。
   (近藤さん、時系列に合わせて歌と最後の台詞、声かえてますしね)  


というわけで、僕的には大ヨロコビの本作なのですが、
賛同していただける方はけっこう少ないだろうなあと思っております。
何度も言うけれど、日本向けの作風じゃないんだもの。

  ガイジンさんなら手を叩いて喜びそうだけど、
  これ、海外番販売れるか?
  大手はまずムリだからやっぱネット頼みしかないような……。

だからまあ「なんで作った?」という声はいつまでも続きそうだけど、
こういうチャレンジ精神は大事です。
よくやった、P.A.WORKS。

あと、MX、KBS京都、サンテレビと、
こんなヤバいアニメを地上波が三局も流してくれてるのというのは、
ほとんど奇跡みたいなものではあるまいかと。

まあ、KBS京都は地上波で唯一、
あの『異種族レビュアーズ』を定時枠で完走した局ですしね。
なんでもアリっちゃアリなのかも知れません。

  そういえば『異種族レビュアーズ』も本作と同様、
  誰得なのか皆目わからず、
  作ったり演ったりしている人間が一番楽しそうなアニメでしたね。

  まあでも、
  制作も役者も最初から匙を投げているような作品が多い昨今、
  こういうアニメは希少であります。

  出版社だの声ブタだのが喜んでいるだけで、
  制作者や演者はこれっぽっちも楽しくない、面白いとも思わない、
  そういうアニメを日々『プロ』として粛々と作っているわけですから、
  たまにはこういうご褒美、
  キワキワの作品があってもいいんじゃないかと拙は思うわけです。

    はあ? なに言ってんの。こっちゃカネ出してんだよ。
    いいから原作どおり作りゃいいんだよ、
    たかがアニメに芸術家みたいなこと言ってんじゃねえよ。

  なんて真顔で言うやつら、ほんとにけっこういますしね。

  ここだけの話、

               誰かパンしちゃってくれないかしら。    

投稿 : 2025/01/04
♥ : 26

nyaro さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

追記 日本アニメの衰退のベクトルを加速させるような作品

追記 なぜ本作が気に入らないのか。それはストーリーを排除して、キャラ設定、作画、メイドという要素を昭和任侠というフレームに乗せて動かすという作り方をしています。
 これは日本のアニメの衰退のベクトルを早めるようなやり方だし、それを意図的にやっているからです。

「ストーリーの排除」というのはテーマやメッセージなどの思想性だけでなく、恋愛、冒険、戦い、旅、闘病などによる物語性も除外してしまっています。そういう「エピソード」はありますし、一見ストーリーがあるように見えますが、キャラ・世界観の背景(裏にある社会や歴史その設定が生まれた意味性)をすべて排除して「メイドが昭和任侠」を行うという表面に見える要素だけで作品を作ってしまっています。これは作品を貫く全体としての「なんの物語か」が無いと言う意味で、物語性がないということです。

 では文学性はあるかというと、私小説的な経験もないし自然主義的な人間も感じられません。目標や選択がないので実存主義も感じないし、説明がないので読み取るべき構造も感じられません。少女が金の為ならメイド=可愛いという象徴で何でもやるならまだ分かりますが、昭和任侠の皮をかぶせたのでアナロジーが成立していません。
 ヒロインに不条理性があるかもしれませんが、脱出可能な状況なのでそこも思想があるとは思えません。あるとすればポスト構造主義ですが意味のない脱構築は「滅茶苦茶」としか言いようがありません。

 なろうに見られるような欲望も見えません。人情の部分もペラペラな表面上の関係性を見せているだけで置換不可能な人間のつながりがないので、感動も意味性もありません。つまり本作は中が空洞で虚無な「ガワ」でしかない気がします。
 日本アニメが発展してきた大きな理由である高度な物語性に喧嘩を売っている気がしました。

 本作はマーケティングの結果とも言えますが、その迎合の仕方がクリエータとしては「やってはいけない領域」に手を付けた感があるからです。

 ですので、私は本作については非常に不快な気分になりました。日本のアニメが進んでほしくない方向を体現しているようなアニメだからです。劇場版SHIROBAKO、アクアトープ、本作とそのベクトルが強まっている気がしてなりません。



1回目レビュー
 馬鹿にしてる?作画とキャラ萌えだけで良いんだろってこと?

 途中断念しましたが、最終話を確認。あまりと言えばあまりの終わり方にちょっと苦言です。結局各話一応確認しましたが、いや、これは無いでしょう。

 テーマ性、思想性、文学性などはエンタメ系としてなくてもいいと思います。1話2話くらいの掴みはあったと思いますのでそこまでは理解します。

 ただ、メイドへの憧れとかメイドをやりたいというモチベーションや夢と、命のやり取りが全くリンクしません。人を喜ばせるあるいは自己承認または生活苦などの理由が全くないのに、命のやり取りをしています。
 アンダーグラウンドな場面もありましたしフィギアが資金源みたいな感じがありましたが、なんの象徴にもなっていません。売春やクスリのアナロジーにすらなっていません。

 最後の方の感動的っぽい感じも、単なる型でしかなかったですし…さらに、これが洒落やユーモアだと思うならセンスが狂ってます。ウイットが全然感じられません。

 つまり、エンタメ極振りだとしても、せめて世界観と舞台設定、登場人物の行動原理に何か理屈とか整合性を持たせないと訳がわかりません。不条理、エログロ作品ですら設定については筋を通すと思います。

 となったときに、作画が良くて、萌えキャラがいて、ちょっと変わった設定があれば話題になるだろう?面白いって言うだろう?的なマーケティング的な発想から作られて馬鹿にされている気がしました。

 アクアトープも似たような作風でしたけど、本作はもっと極端なキャラと作画だよりな気がします。うーん、監督のヒストリーを見てもそんなにひどい作品を作る監督ではないと思うのですが、社風で企画が監督に優先するのでしょうか?

 だとしたら会社の体質です。本作はちょっと虚無を通り越して、視聴者を貶めるような考えが無かったか反省してほしいと思います。
 PAのオリジナルは2作連続だなあ…いや、神さまになった日とSHIROBAKO劇場版含めると4つ連続で似たような印象だなあ…うーん。かえって「天晴爛漫」の出来も確認したい気も…わかりません。どうしちゃたのかなあ…それが市場ってこと?
「シャーロット」は悪くなかったし「色づく世界」は最高だったのに…まあ、同社のお仕事系は正直出来が悪いと思ってますので、その流れかなあ…
 
 私が見逃した、作画やキャラデザ以外で、作品としての優れたポイントがあれば撤回しますが、しかしなあ…


 初回時のレビューは消します。6話断念でしたが、その時の感想は単なる昭和ヤクザ映画の女体擬人化でしかない、という感想でした。まあ、その通りなんですけど、昭和ヤクザ映画の事も、メイド喫茶で働く少女の事も、リスペクトしていない気がしました。

 

投稿 : 2025/01/04
♥ : 22

ゲリオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

PAの無謀な挑戦ここに極まる

Cygames×P.A.WORKSが手掛けたオリジナルアニメ。
とんでもなく評価が難しいアニメと相成った。
かつてはオリジナルアニメに定評のあったP.A.WORKSさんだが、迷走に迷走を続け、ついにここまで来たかと。
どうしてこれが売れると思ったのか、それとも一歩違えば本作がヒットした世界線も有り得たのか、正直言って判断がつきかねない。

作品の内容は、90年代末期の秋葉原を舞台にメイドが殺し合いをする任侠物。
…と、一言で言ってしまえば簡単だが、決して今風のスタイリッシュなバトルアニメではなく、どちらかと言えば昭和の極道映画をパロったような世界観ではある。が、そこまでハードボイルドに振り切ってはおらず、キャラ萌えやギャグも取り入れている妙なアンバランス加減だ。
1話視聴段階では今まで見たことない衝撃の作風に期待度ストップ高となる。
オリジナルアニメとしては同じCygames出資作の『ゾンビランド・サガ』以来のインパクトだったと言える。

しかしながら第2話にてストップ高だった期待値は急落。
特段つまらないわけではないものの想定を超える内容には至らず、ゾンサガの再来を期待した身としては、いささか拍子抜けしてしまったのだ。
3話以降の浮上を期待しつつも、アニオタ界隈は『ぼっち・ざ・ろっく』や『機動戦士ガンダム 水星の魔女』等の話題で持ち切りとなり、本作はすっかり「その他アニメ」の中に埋もれてしまった。
決して出来が悪いわけではない。PAさんの描くキャラは活き活きと躍動している。しかし「どう考えてもこれは売れない」という悪印象が全面に出てしまう。
メイドと893の融合というアイデアは面白かったが、脚本にプラスアルファの捻りが無かったように感じたのだ。例えばストーリーにひとつのデン!とした分かりやすい軸があれば良かったのかもしれない。
そして気づけばアニメも終盤に差し掛かかってゆく。

第10話は初回以来の個人的ヒット回となった。
W主人公の1人、万年嵐子(36歳)の切ないロマンスの回だ。
今までギャグ寄りで殺しまくってきたこともあり、人の命が無価値なものに感じられた世界観だったが、この回のラストは正直泣けた。憎しみの連鎖。極道に決して幸せは訪れない。
同クールアニメ全体で俯瞰してもベストエピと言って差し支えないかも。
思えば序盤からこういう誰が見ても面白いストーリーを望んでいたんだよなぁ。
種を巻く期間が長すぎたんだよ、このアニメは。
ちなメイド喫茶に巣くう謎のパンダの正体もこの回で判明。声優はなんと平野綾!
そして衝撃の11話ラスト。
これは…予想してなかったわけではないけど、やるとしても最終回だと思ったし、あんな形とは思わなかったので、思わず声が出てしまった。
最終回12話、かなり強引な締め方であったとは思うが、制作陣が描きたいことは描き切ったように感じられた。まさに全力で駆け抜けた終盤だった。

全話完走した人にとっても間違いなく賛否がある作品。
自分としても未だにどう評価すればよいか分からない感じ。
ただ、これまでにないオリジナルアニメを作ろうとしたCygamesとP.A.WORKSの挑戦は買いたいと思う。
朗報としては、秋アニメが全て終了してから、じわじわと本作の評価が上がってきてること。
『5ch民が選ぶ2022年ベストアニメランキング』という非公式ランキング(笑)によると、なんと本作が4位にランクインしている。
1位が直近の『ぼっち・ざ・ろっく』なのは妥当として、3位が『明日ちゃんは恋をする』、5位が『平家物語』と、自分が推している作品であることを考えれば、大手サイトが集計してるランキングなんかより5chのが余程共感できるなぁとw
まー、話が逸れそうなのでランキングはさておき、とにかく「売り上げ散々」だの「出オチ駄作」だのと馬鹿にされてた冥途戦争が、ここにきて評価上昇してるのはスタッフのチャレンジ精神に報いるためにも良い傾向と感じる所存だ。一見の価値あるアニメだと思う。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 7

64.3 10 ボクシングアニメランキング10位
はじめの一歩 Rising(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (203)
975人が棚に入れました
2000年~2002年放送の第1期では、いじめられっ子だった一歩が、プロボクサー・鷹村守との出会いをきっかけに鴨川ボクシングジムへ入門。仲間に支えられ、数々のライバルとの闘いを経て、日本フェザー級チャンピオンの座を勝ち取るまでを描いた。
2009年放送の第2期「New Challenger」では、日本フェザー級のチャンピオンベルトを勝ち取った一歩が、さらなる目標に向かって熱い戦いを展開。一歩の永遠のライバル・宮田一郎は、日本王座に就いた一歩と並ぶために、東洋太平洋タイトルマッチに挑戦。同じジムの大先輩である鷹村は、待望の世界戦にて、野生的な戦闘スタイルの強豪、ブライアン・ホークとの凄まじい死闘の末、見事世界王座を獲得した。
そして2013年... 待望の新シリーズへ!

声優・キャラクター
喜安浩平、小山力也、高木渉、藤原啓治、浪川大輔、関智一、小野坂昌也、田中正彦、相沢まさき、小林ゆう、篠原恵美、津田匠子、飯塚昭三、林沙織、江川央生、阪口周平、三木眞一郎、木内秀信、永井一郎、真殿光昭、てらそままさき、勝生真沙子
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

拳で語るということ。

最近熱い作品を観ていないなと思い、観ました。

はじめの一歩は原作をちょろっと読んだ程度です。
あまり知りません。

なので、内容とかけ離れた感想になっている可能性もあります。ご了承ください。。



この作品はボクシングがテーマです。

彼らは皆、自身の夢のため・希望のため拳を振るって闘います。

心と心のぶつかり合い。ひるんだ方の負けです。

彼らの強さはパンチ力でも体力でもなく、折れない心でしょう。

言葉では多くを語らず、相手と拳で語り合うことでお互いの意志を感じ取り、競い合う。

最後まで自分の心を信じ続けて、上へ上へと登っていく。

その生きざまは美しいものです。



ただ、観ていて思ったこと。

拳に想いを込める、ぶつけることでしか自身の心を表すことができない彼らはとても不器用だということです。

もっとたくさん、私達には想いを伝える方法や願いを叶える術はあるのに、彼らは拳でしかそのやり方を知らない。

そうやって生きてきたのが彼らなのだと感じました。

その生き方はある意味で、孤独な道。


闘いの興奮と勝利の余韻を感じる中で、寂しいような気持ちも残りました。


漢(おとこ)達のドラマは胸をうちます。
激しいバトルは胸が踊ります。

でも何故か、男の性(さが)というものにやるせなさも感じてしまうのです。

僕は彼らのような生き方は出来ないし、真似しようとも思いません。

ただ同じように、燃え尽きるほど心熱く生きようと思いました。



最終決戦がとても熱くて燃えたので、個別に感想載せます。
{netabare}
DVDのアオリに『原作ファン待望のエピソード!』などと書いてあったので期待して観ました。

僕は原作ファンではありませんが、確かにこれは凄いです。


大ベテランの鴨川と猫田の若き日、戦後まもなくの日本での拳闘の物語。


この二人は正に古き大和魂を持った日本男児でしたね。

普段は飄々とした態度の猫田が、リングの上では闘志をまとった戦士になる瞬間に痺れました。

彼が命を賭してアンダーソンに臨んだ文字通りの死闘。
正直鴨川の闘いより素晴らしく感じました。

ハンディキャップを負ってなお、闘いを挑もうとする。愛しの女性のため想いを届けようとする。
その拳に感動しました。


その猫田の想いを継いで、いやむしろ想いを越えてアンダーソンに闘いを挑んだ鴨川。

彼はとても不器用ですね。突っ込んで真正面から殴ることしか知らない。

しかし最後の最後、一騎討ちで肉を斬らせて骨を断つがごとくの強烈なパンチは凄かった。

あんな巨人をたった二発で倒してしまうなんて。

作画から、音から伝わる迫力と気迫は最高潮でした。


それから、アンダーソンが単なる悪役でなくやはり一人の拳を愛する男であったことが救いでした。

勧善懲悪の物語ではなく、ただひたすらに拳闘の物語として終わることができて良かった。
{/netabare}


原作未読なので多分感動半減なのかもしれませんが、観て良かったです。

熱さに飢えている方は一度観てみるといいと思います。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 0

さんちゃ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

こんなに面白いと思えるのは私が原作未読だからなのかな

以前、2期の New Challenger の方の感想書いて
ホーク戦以上の試合はもう無いと思って半分惰性で見てた。
沢村もホークとキャラかぶってたし、
一歩と沢村戦も予想通りそのまんまホーク戦のの流用って感じだった。
鷹村vsイーグル戦もイーグルが良い人過ぎて盛り上がりに欠けてたから
Rising の方の感想は書こうと思ったのですが、最終話付近で化けてくれました。

私のようにスポ根アニメ好きは EP22~EP25 の
鴨川会長と猫田さんの過去の話だけは必見。
はじめの一歩を今まで見たこと無かった人でも内容は分かるような
構成になっています。

(多分)第二次世界大戦後の日本の世界で、アンダーソン軍曹という
悪役アメリカ人を鴨川会長と猫田さんがボクシングで倒す物語。
試合結果は、見ている途中で分かるから言っちゃうし、感動ポイントは
そこじゃないので、これだけは書いておきます。

見所はまさに、試合結果が分かっても面白かった迫真の試合。
見終わってから興奮が止まない。

鴨川会長の一撃必殺の拳が炸裂する瞬間がもう最高だった。

気を失うな、目を見開け!来るぞ!右が来る!腹がガラ空きになる!打てえええぇぇぇぇ!!

ってシーンがもうドキドキだった♪
もう後が無い、起死回生・千載一遇のチャンスに自然と拳を握ってしまった。
そして、アンダーソン軍曹のわき腹に鴨川会長の拳が突き刺さると、
むごいけど凄過ぎて、思わずハハハと笑い声が漏れそうなほどニヤけてしまった。

魔力や超能力に頼ったものではない、綺麗と懸け離れた只管ドロ臭い火事場の馬鹿力は
あり得ないけどあり得そうな人間の未知の力を錯覚して、感覚として分かりやすい
爽快を伝えてきますね。

ユキさん、鴨川会長、猫田さんの三角関係も何気に良かった。
…これ以上はネタばれになってしまう。
本当に良かった。
ただの宣伝っぽいですがもう一度書いておきます、EP22~EP25は良い!

私は原作未読だし、熱狂的なはじめの一歩信者という訳では無いのですが、
面白いアニメのあり方っていうのがまさに詰まってますね。
猫田さんの語尾の「だにだに」いう台詞が鼻にさえつかなければ、
2時間程度のボクシングアニメ映画として見れるはず。

熱い。
それに尽きるので、ぎゃああ、とか、はひぃぃって感想に集約されますが
面白いんだから、それだけで十分かなって思います。

声優さんの演技も素晴らしかった。
STEINS;GATEの岡りんこと、宮野真守さんも個人的には嵌ってた。
おじいちゃんバージョンの猫田を演じてた永井一郎さんが他界してしまって
途中声が変わってしまった事が残念だったけど、天国にこの一視聴者の感動が
少しでも届けばいいな。

お陰でちょっと溜まった疲労が、一気に吹き飛びました。
もうはじめの一歩は打ち止めでしょう?!
アニメ版、もうこれ以上の盛り上がりは無いでしょう?!
4期あるならまた見てしまいそうだけど、ど、どうなんですかねぇ。
これだけ面白かったらまた期待しちゃいそうです。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 20

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

私的スポコン模範作品★

■評価
テーマ性    :★★★☆  3.5
スポコン度   :★★★★☆ 4.5
燃える度    :★★★★  4.0
原作忠実度   :★★★   3.0
おススメ度   :★★★★  3.8

■ストーリー
漁師の父を持つ一歩は幼少期から強い父に憧れを持っていたが
不慮の事故により父が他界してしまう。それでも一歩は亡き父に
強い男になる事を約束し、母親そして鴨川ジムの仲間と共に
ボクシング世界チャンピオンを目指すことになる。
本作は日本フェザー級チャンピオンとなった一歩の防衛戦(vs沢村)、
そして一歩をボクシング界に引きずり込んだ鷹村守の二冠を狙う
世界ミドル級チャンピオン戦(vsイーグル)の二本を軸にしたストーリー

■感想
原作は島袋戦までは既読です。
また本作は原作を知らない方が楽しめるでしょう。
知っていると色々とカットされているシーンに気付いてしまい
少し残念に思うところがあると思います。
島袋戦はダイジェストにしすぎだと思います・・・もっと激アツだった気が?

はじめの一歩という作品は私の中ではスポコンの王道という
イメージでいますが、本作はまさにその通りの仕上がりです。
スポコンだけにテーマも分かりやすく『努力・不屈・家族愛』
といったベタベタなものだと思います。
しかし、ベタベタでも人をムキにさせ引き込む魅力が本作にはあり、
一戦一戦の白熱した試合展開や緊張感、そしてキャラの心理描写は
非常に分かりやすく胸を熱くするストーリーです。
一に努力、二に努力、三に努力、本作では各キャラの努力が成就する
姿を大いに堪能して頂きたいと思います。また下品ですが笑ってしまう
ギャグもあり、あまり堅苦しくないのも魅力です。

また試合での描写はいささかオーバーとも取れる演出もありますが
実際のボクサー目線でみれば、相手のジャブが弾丸の様に飛んできたり
ココナッツの実でぶん殴られた様な錯覚を覚える事もありえるので
適切な演出だと思います。特に『The Finisher』という名のBGMと
本作の演出は非常にあいますね。腹の底から力が沸いて来る気がします。

最後に現実世界では嫌味で強欲な者が勝者として君臨し、努力が
報われる可能性はそうは高くはないですが、それでも本作は人の
日々培った地力を発揮する姿を清々しく描いた模範的なスポコン作品
だと思います。王道ですがスポコン好きの方には大いにおススメします。

余談:鷹村はリーゼントじゃないほうがイケ麺な気が・・・。

ご拝読有り難うございました。
アニメって本当に良いもんですねぇぇぇ。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 9

69.4 11 ボクシングアニメランキング11位
メガロボクス(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (264)
866人が棚に入れました
『あしたのジョー』を原案としたオリジナルストーリー。八百長試合に身を沈めるボクサーが、運命に抗うために、自分の全てをかけてリングで闘う姿を描きます。

声優・キャラクター
細谷佳正、斎藤志郎、安元洋貴、森なな子、村瀬迪与、木下浩之
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

素晴らしいの一言〈ギアについて思ったこと追記〉

2018年春アニメ。
「あしたのジョー」連載開始50周年企画。
「あしたのジョー」を原案とし、世界観を変えたオマージュ作品。原作未読、本作以外のアニメは未視聴です。


第3話まで見た印象としては、物語は王道でキャラクター描写も素晴らしく、世界観もわかりやすく味わい深い。テーマも最初の段階から見えています。
BGMもよく合っていますし、使い所もしっかり選んでいます。
{netabare}
サブタイトルに毎回「死」という単語が入っていたり、イカサマをするたびバイクで崖から飛び降りるジャンクドッグの行動が「命か誇りか」という葛藤であったり…洒落ているけどなかなか狂気じみてもいますね。
メガロニア出場の目的はジョーは誇りのため、贋作は命のため。ジョーに引っ張られて本気出しつつある贋作さんステキですわw
藤巻さんが市民IDを用意してくれたの、結構意外でした。ユーリ乱入で儲けが少なくなっても「ご祝儀」で済ませたあたり、メガロボクスが本当に好きなのか、あるいはジョーのメガロニア出場に賭ける「賭け金」のつもりなのか…だったら洒落てるなあ。これからの3ヶ月間ジョーと贋作は分の悪い賭けに勝ち続けなければなりませんしね。…賭ケグルイの自分のレビュー読み直してこの作品は賭けという要素も重いのかも、と思い始めた。

作画・演出、音楽、声優さんの演技など安定してクオリティも高いです。コンテ・演出に作画負担を軽減する努力が見られますし、このまま崩れず行くかも…。多少崩れたとしてもこれだけ演出が良ければ問題は無いですし。
強弱を付けた線の味わいもタイガーマスクWと比べれば今風に仕上がっているけど、やっぱりなんだか懐かしくて。背景も水彩やポスターカラーで描いていたセル画時代のイメージに近く、レトロな世界観としてバランスを取っていてとても見やすいです。
キャラクターの動きにも作画のこだわりを感じます。ジョーのアウトローで気だるげな雰囲気と根の優しさや誇り高さ、贋作さんの情けなさとトレーナーとしての実力、ユーリの底の見えない強さと鬱屈、子ども達のちょっとスレた可愛らしさ、ゆき子さんの刺のある美しさ…キャラクター描写にも個性が良く出ており、生きた人間だと感じられます。

ギアが今後どう扱われていくのかも気になる所。
「そんなオンボロギア、付ける意味ねえんじゃねえのか?ガラクタのワンちゃんよ」「裸じゃ出来ねえだろ、メガロボクスはよ」のやり取りはルール上付けるもので、「あんなガラクタひとつで駆け引きしちまうんだ、こんなところで燻ぶってなけりゃ…」という胴元の台詞からジャンクドッグのギアがお飾り同然であることがわかる。とはいえギアがあることには作品として意味があると思うのですよね。

NakamuraEmiさんのED好きですね。歌声が力強く、反骨精神剥き出しの歌詞も作風にぴったり。ネオンサインの動物たちはもしかしてメガロニアに今後登場する選手のイメージなのかな?ユーリの最初の対戦相手はスパイダーですし。熱いのに余韻も残るのがとても好きです。{/netabare}
(2018.4.24)


第4話「LET'S DANCE WITH DEATH」 {netabare}
印象としては2話までの賭け試合との差異を描くことで「本物」に踏み込んだことを示す回かな。

ジョーはボクサーとしてはこれまで「まがいもの」で、実力で勝利を勝ち取る本当のボクシングをしたのは今回が初めてなのかもしれません。そして地下では八百長を強いてきた贋作とも、ジョーはやっと本当の意味でボクサーとセコンドとなった。
贋作自身もトレーナーとしての辣腕ぶりを(プロデュースという名のハッタリ含め)ジョーを勝たせるために振るうことになります。戦略・戦術を考えるのは贋作の役割ですが、ジョーがリングに上がればもう任せることしか出来ないという点も賭け試合の時とは対照的で、しかも自分の運命を託してさえいる。
サチオはギアが無ければ見せ場がないかと思えばとんでもない。一番大切な役回りでしたね。ジョーの腕にぶら下がってる写真可愛かったw

「今日の敵はそいつじゃない!お前自身だ!」という鮫島のセコンドが言った言葉が、ジョーにも掛かってる脚本も上手い。ジョーが今勝たないといけないのは自分自身の恐怖心で、感情に振り回される鮫島と感情をコントロールするジョーの対比が良かったです。
良い試合をすれば観客も称賛し味方になる、というのも純粋なスポーツの良い面ですし、とても良い回だったと思います。

今回の作画、ジョーも贋作もサチオも表情が繊細でしたね。特にジョーの表情の変化を見て思ったよりも若く、弱さもあるんだなあと。
今回ジョーに対して優しい表情をした場面で、贋作さんがジョーをどう思っているのかやっとはっきりした気がします。サチオに対してジョーが優しいので、なおさら三人がファミリーみたいに見えてきて嬉しい。

非認可地区の様子も少しわかって良かった。虻八さん再登場してほしいなあ。
ジョーと贋作の関係がしっかり構築されたところで贋作の過去がわかりそうな感じですかね。
次回も楽しみです。 {/netabare}(2018.4.30)


第5話「THE MAN FROM DEATH」
第6話「UNTIL THE LAST DOG DIES」 {netabare}
贋作と、ジョーの兄弟子ともいえるアラガキの過去と現在を描いた前後編。
「とどまるか、抗うか—あしたを、選べ」という本作のキャッチコピーが改めて思い起こされるエピソードでした。

贋作とアラガキにとって「明日のために」という言葉はメガロボクスのためのもの。繰り返される「前に5、後ろに5」という言葉はメガロボクスを続ける(とどまる)こと、「前に進む」「前に出るんだ」という言葉は自身の未来のために別の道に踏み出すことであったと思います。
贋作がジョーを棄権させようとしたのは「明日のため」とは言えず、ミヤギさんがアラガキの自由にさせたのはアラガキが「前に進むため」だったのも上手く対比しています。
最後の「俺もお前(ジョー)を信じる」というアラガキの言葉が、ジョーと贋作にメガロニアの夢を託したのだと思えてとても良かったです。

アラガキの引退の理由、その描き方が素晴らしかったです。
現役を続行するか引退するかを決められるのは本人だけですが、未練なく辞められる選手ってそうはいないと思います。
引退を考えるアラガキにとっての一番の心残りは、贋作との約束や二人三脚でやってきたメガロボクスだったのでしょう。実際、戦争のトラウマから自殺しようとしたアラガキを救ったのもその想いでした。
ギアレスジョーのトレーナーが贋作であると知った時、時間は戻らないし贋作との師弟関係を復元することはもうないと悟ったから、最初は引退を受け入れようとしていたのだと思います。
でも再会した贋作は無神経にもアラガキに「昔と何も変わらない」と言ってしまった。彼の顔の大きな傷を見れば、これまでいかに辛酸を舐めてきたかは容易に想像できたはずです。そして、それがアラガキの心を揺さぶってしまった。
アラガキが最初に壊すと言ったのは確かにジョーだったと思いますが、最終的に壊したのは贋作から学んだことを捨て去れなかった自分自身でした。リングの上でアラガキが相対していたのは、贋作の教えを忠実に守っていた過去の自分でもあったのかもしれません。
ですが試合が進むにつれ、ジョーとアラガキのスタイルの違いが明確になっていきます。ただただ目の前の相手に勝つことだけを考えるようになり、最終的にアラガキは大きな未練を振り切る。贋作とアラガキを吹っ切らせたのは、勝ちたいと強く思うジョーの粘りだったと思います。
アラガキとジョーが笑い合うシーン、格好良かったです。

あ、あと個人的にはミヤギさんが格好良すぎてヤバイw
再登場はない、よなあ…;;

今回の試合描写は尺が長く、コンテ・演出にアニメ的な外連味はあまり無かったですね。その分じりじりした試合展開が状況の推移とキャラクター心理の変化をよく捉えていて、私はとても好きでした。蝶が前編では死の象徴として、後編では復活のイメージで演出されていたのも良かったです。
この前後編は同じスタッフさんが絵コンテを切っていますし、物語をコンテ・演出と作画にしっかり反映出来ていたと思います。 {/netabare}(2018.5.14)

※6話について追記{netabare}
公式ツイッターで、試合中のジョーの怪我について言及がありました。試合経過に合わせて怪我の進行もきちんと設定画を作って作画していたようです。
ウワーって思いましたw{/netabare}(2018.5.21)


第7話「THE ROAD TO DEATH」{netabare}
今回は、あしたに進むために現在を戦いながらも過去から逃れられない人たちを描いた回、という印象を受けました。

ジョーに期待する非認可地区と認可地区での評価の乖離が描かれ、メガロボクストップ層に食い込むことの難しさが露呈。白都の確執に巻き込まれ過去をネタに脅迫されたジョーですが、過去を消すことは出来ない以上、何とかするしかないね。贋作さんはもしかしたら予測していたかもしれませんが。
ジョー(ジャンクドッグ)が非認可地区で賭け試合を行っていたことは、少なくともゆき子さんとユーリは承知の上。逆に言うと、ゆき子さんはそれを公表してジョーを追い落とす気は今まで無かったのかな?あるいは最後の切り札として取っておいたのか。

今回はゆき子さんもまた様々なものと戦っていることが解ってきました。社長の座を狙う兄、会社の役員たち、先代の存在の大きさ…過去のしがらみとも言えるかな。ユーリにはメガロニアは私たちの夢と言い、一体型ギアの性能を売り込むことも目的もだろうし、そこに何か熱い想いもありそうです。ユーリを誇らしく見るゆき子さん綺麗!
兄の樹生もまた奪われたものを取り戻すために戦っていますが、ボクサーとしては一歩引いた冷静な人物です。盤外戦術とは良い意味で憎たらしい。

ジョーのトイレシーン最初はちょっと驚いたけど、公式ツイッターで「血尿出して頑張ってます」とあったので調べてみました。
ボクシングで試合中に脇腹にパンチを受けると肝臓が傷付くことがあり、尿に血が混じることがあるみたいです…軽症なら数日で治るそう。ちなみに内臓への衝撃は目などへの衝撃に比べれば大きなトラブルになることは少ないとか。程度によるでしょうけど。
ていうかプロボクサーの年間試合数って多くても6試合(正確には24ラウンドくらい)とかなんだそうです。ノックアウトされれば安全のために二ヶ月以上の試合禁止となる場合もあるようですし、アニメとはいえ三ヶ月で5試合とかジョーはどんだけ無茶やってるのさ…
今回贋作さんに殴られて寝ちゃった所を見ると、流石にダメージは残っていたのでしょうね。このアニメ、アウトローな描写もやりすぎないのが好き。演出意図が理解できるって良いですね。

そして豚汁売ったり危ない特等席見つけたり、今回も子どもたちが可愛いw
次回が楽しみです。{/netabare}(2018.5.21)


第8話「DEADLINE OF THE DREAM」
第9話「A DEAD FLOWER SHALL NEVER BLOOM」{netabare}
3話に渡り繰り広げられた白都の後継者争いとメガロニア出場者争いに決着がつきました。
第9話の絵コンテが川越淳さんでびっくりしちゃったw(バイオレンスなダイナミック作品と子ども向けの映画アンパンマンを交互に手掛けるだけあって、幅広いコンテ・演出のできる方で個人的に好き)
それにしても毎回コンテ・演出が違うスタッフさんなのに全体に共通した演出が見られるのは、やっぱり監督さんの采配でしょうか?虻八さん、アラガキやミヤギさん、胴元、藪沼さんもちゃんと登場しているし、キャラクターも大切にしていて好きだなあ。

今回の樹生の描き方とても良かったです。
樹生が証明したいことは、リングの外と中で二つありました。
リング外では、白都の後継者として自分がふさわしいということ。強すぎる執着心や視野の狭さは問題ですが、樹生の情熱と努力は本物でした。
ただ自意識が強すぎて人の上に立つには向かない性格ですし、まがいものは本物にはなれないという考えでは角が立ちすぎるでしょう。
それからリングの上での様子を見ていて、樹生の本質はボクサーというより研究者だと感じました。自動制御を最後まで解除しなかったのが彼の誇りだったと思う。
試合終了後の「体が勝手に動いただけさ。あんたもそうだろ」というジョーの言葉に、樹生は複雑な表情をしたのみで何も答えませんでした。最後のパンチがどちらの意思だったにせよ、樹生とエースは一心同体にはなれなかったのでしょう。リングの上で樹生が証明したかったのは、ボクサーと人工知能がひとつとなり最強となることだったと思うんです。
だからその夢にけじめをつけ、ギアを残して身一つで去ったのだろうと思います。
いやはや、嫌味と格好良さが絶妙なお兄様でしたねw

樹生とゆき子との最大の違いは、他者との関係の作り方です。他人を信頼できるか、信じられない人間であっても折り合いをつけ采配を取れるか、他人によって自分の思う結果にならなかったとしてもリスクを負う度量があるか。
ゆき子とユーリの間には上下関係はあるものの信頼があります。ユーリは彼女の迷いを傲慢だと指摘でき、ゆき子もそれを素直に受け入れるだけの器がある。まあユーリにとっては窮屈でもあるでしょうから、今後何か変化はあるかもしれませんが。
ゆき子が贋作の提案を拒否していながらジョーの再試合の希望を受け入れたのは、どこかユーリに感化されているようにも思いました。

あと、ジョーの名前が皆に受け入れられているのが嬉しいですね。本人ももうジョーは自分の名前だと思っていますし。
で、そこからまた藤巻さん登場で落とす…3話の回想で「メガロニアまで行ってくれりゃあこっちは何の問題も無いさ」って言ってたね、そういえば…
脚本家の掌の上で転がされつつ次回を待ちますw{/netabare}(2018.6.4)


第10話「THE DIE IS CAST」
第11話「A DEADMARCH」{netabare}
登場選手のPVはそれらしいけどちょっとフフッてなりましたwジョーのPVが簡素なのは、ジョーは撮影になんて付き合ってくれないからかも…w

藤巻は贋作の本質はサソリだから自分を裏切ったりは出来ないと高をくくっていたようですけど、その考えは最初から間違っていたと思います。しかも11話アバンで藤巻自身も「3ラウンドでバロウズがジョーをノックアウト」にベットしている。やっぱりこの人外道ですよ。
ただ自分の考えの甘さを自覚したから、贋作が自分から残った目を差し出したことで手打ちにしたということですよね。状況をコントロールしているつもりで実はできていなかったから、苛立ちと自嘲で「笑わせてくれる」という言葉が出た。理由は解らないけど、藤巻は贋作が「本物」になることに強い抵抗感や苛立ちを抱えていたようでしたね。

贋作はアラガキとの一件もありましたし、教え子の未来を奪うようなことはもう出来なかったでしょう。ハッタリではジョーとサチオを守れない。ゆき子さんも今度ばかりは贋作の本気を感じていたのではないでしょうか。
贋作さんは自分の本質にそぐわない生き方に対する鬱屈からお酒に逃げていたのかなあ、と思わなくもないですね。

10話のジョーとユーリのシーン好きですね。ジョー自身が「本物」になれそうな所まで来ているせいかお互い認め合っていて和やかで、ジョーの精神的な成長を感じる場面でもありました。(…そして犬がめっちゃ可愛いwジョーって子どもだけじゃなく動物も好きなの?本当に優しいキャラクターだなあ。)
二人はなぜ戦うのか…ジョーは自分のため、ユーリはゆき子への恩義のためと答えたけど、二人ともそれだけとは言えない。11話ではお互いに相手の言葉に影響を受けていることが察せられます。
特にジョーは贋作を殺させないために八百長を受け入れていたから、ユーリの言葉では立ち上がれなかった。ジョーを立ち上がらせられるのは贋作さんだけでした。
ギアの演出も良かったですね。ギアを付けた自分は「ジャンクドッグ」であって「ジョー」ではない。「ジャンクドッグ」は既に自分の名前ではなく、サチオの言うように「ギアレスジョーはイカサマなんかやらない」という強い主張でした。
10話で虻八さんの台詞が聴けて良かった!優しい激励でしたね。やっぱり良い人だ。

そういえば「そこに立ってるものに触れ」っておまじない、教えたのは贋作さんかな?11話内ではジョーもサチオも贋作も壁に触るシーンがありますから。
ジョーは1話で八百長に臨む前にエントランスの壁を、8話で樹生に嵌められた後(贋作がゆき子さんに再試合を要請していた時)船の壁を触っています。本当に細かい。

もうクライマックスに突入していて、色々考えてしまって感想が纏まりません…;
とにかくジョーが何のしがらみも無く全力で試合できる状況になって良かった…ラスト2話、しっかり楽しみたいと思います。{/netabare}(2018.6.18)


第12話「LEAP OVER THE EDGE OF DEATH」 {netabare}
白都の契約相手は参謀総長だから軍関係なんですよね?白都のギアを普及させることが社会貢献になるとゆき子さんが考えているのはわかるんですが、ちょっと引っかかるかも…。自衛隊のような組織なら別でしょうけど、後一話でそこらへんを入れる尺は無い気がする。

それはともかく、ユーリとゆき子さんの関係がよく解る回でしたね。二人とも一途だなあ。
アラガキやミヤギさん、樹生の再登場もすごく嬉しい!皆和やかで心が洗われました。
特にお兄様!樹生本人の活躍ぶりも見事だったけど、ゆき子さんが弱音や本音を言えるのって確かにお兄様しかいないよなあ…。今回の様子からは多少距離はあるけど普通の兄妹にしか見えない。お兄様の過去話が気になってくるじゃないですかw

ゆき子さんと贋作さんの対比も良かったです。
結局、初めて出会った時からゆき子さんも贋作さんも相棒に心底惚れ込んでいたわけですね。二人はあらゆる点で正反対でありながら、その一点に関しては同じでした。

誰もが本気で戦う中で何かを失い、何かを勝ち取ります。その中で、誰かから何かを奪い、あるいは与えることもあります。
ゆき子はかつてユーリの自由を奪い、生きる意味を与えました。そして今、ユーリを失う代わりにメガロニア主催者としての誇りを獲得し、本物のボクサーたちに最高の舞台を与える。
贋作はかつてジャンクドッグの誇りを奪い、生きる術(メガロボクス)を与えました。そして今、ジョーを「本物」に育て上げ、視力を失う代わりにジョーの誇りと将来を守り通した。
ゆき子も贋作もリングには上がらずとも戦い続け、誇りと呼べるものを手にしたのではないかと思います。


メガロニアとは何なのか、どんな意味を持つ大会なのか、今回描かれたと思います。
「メガロニアのリングでなければ意味が無いんです」というユーリの台詞はゆき子とジョーを繋ぐ言葉でもありました。

1話でジャンクドッグはゆき子とユーリに「何がメガロニアだ。あんなもんただの殴り合いじゃねえか」と言って二人の逆鱗に触れている。ですが、荒んだ地下リングしか知らなかったジャンクドッグはメガロニアのために命懸けの試合をいくつもこなし、今やジョーという名前を手に入れた「本物」です。支払ってきた代償、乗り越えた艱難が大きいからこそ、メガロニアでユーリと戦えることがジョーの誇りとなっている。

ゆき子も今回「どうしてここまでする必要があるの?たかが殴り合いのために」と言っています。ゆき子はずっとギアを重要視していましたし、ボクサーではない彼女がギアの無いメガロボクスに命を懸ける理由がわからないのは仕方がないと思います。
苦しむユーリにゆき子は「もう一度ギアを付けて気高いあなたに戻るのです」と言いましたが、初めて出会った時からゆき子はユーリの気高さを感じています。
オーナーとしてはユーリが勝つことが悲願でしたが、ユーリが自分の元を離れ開催者として中立の立場になった今、ジョーとユーリのどちらが勝ったとしてもメガロニアは彼女の誇りになり得る。
そして今、ユーリというボクサーに対する敬意から、ジョーの戦いをも認めるに至ったのですね。

ジョーの「良いのかよ。倒しちまうぜ、チャンピオンを」という言葉に対してゆき子は少し笑いましたが、何を思ったのかはわかりません。ただゆき子が試合を楽しみにしているのは間違いないのではないでしょうか。

そして次回は最終回。終わってしまうのですね…;;
ジョーは連戦でダメージが蓄積しているし、ユーリもギアを外したばかりの酷い状態だし、二人とも傷だらけで戦うことになるのがちょっと心配。二人とも無事に試合を終えられることを祈ります。 {/netabare}(2018.6.25)


・ユーリの犬について・
「わんこ可愛いよわんこ」って言いたくて…
いえ嘘ですw
{netabare}
気づいてる人も多いだろうけど、犬は一個のキャラクターというよりもユーリの内面を表現するためのギミックである、という話。

11話のラストシーンで明確になったと思いますけど、それ以前から犬の名前が呼ばれないのは気になっていました。登場当初の樹生を激しく威嚇したのも、主人であるユーリを良く思っていない人物だからというのもあるし、ユーリ自身が多分樹生を嫌い…というか、根本的にそりが合わない人物であったから。12話では威嚇しなくなっていて、和解の演出として明確な意図が感じられますね。
それに犬が撫でられるシーン一度も無いんですよ、確か。ユーリ自身が樹生を威嚇する犬を宥めたくらい。ゆき子さんやジョーにも撫でられていないのは、飼いならされた家犬という印象を持たせたくなかったからかな、と。今回ユーリが手術後に酷く苦しんでいても、犬は微動だにしていません。キャラクターとしての犬なら主人の苦しむ姿に取り乱す方が自然ですよね。ユーリの決意と本質は何も変わっていないという安心感がありました。
ユーリの王者の風格を損なわず感情をしっかり見せる心憎い演出ですし、キャラクターを理解する上で大きな手掛かりとなっているので注目していました。

…わんこ可愛いよわんこ(*´∀`){/netabare}(2018.6.25)


第13話「BORN TO DIE」{netabare}
意外と予想したことが外れたね。ゆき子さんが試合を見なかったのは意外。
あと犬は今回一気にキャラクターって感じになりましたね。作中で初めて撫でたのは樹生だった…可愛かったwユーリがギアを外して自由になったから、本心を他の存在に仮託する必要は無くなったのだろうと思います。

最初にあえて不満を言っておくと、試合のシーンはもっとがっつり見たかったです。ずいぶん前からドラマ性を重視していることはわかっていたけれど。
耐えに耐えてチャンスを掴むのがジョーのスタイルなのはずっと変わっていませんから、これまでの印象と近い試合になるだろうということも理解しています。それでもOP無しでもう1分半長く見たかった。演出的にOPを入れることを優先したのかもしれません。


でもそれ以外は本当に素晴らしかったです。
因果関係がしっかりしたハッピーエンドが何よりも嬉しいし、人間ドラマとしては非常に好み。試合描写もアニメ的な外連味は少なく地味でしたが、ドラマとよく噛み合っていて素晴らしかったです。
水滴の演出、OPの演出、キャラクターの瞳に何かが映り込む演出を最終話まで入れていて、本当に集大成でした。贋作さんのサングラスに映り込むジョーの姿にはぐっと来ました。

今回一番印象に残ったのはユーリとゆき子の関係と、番外地ジムの後日談。

前回ユーリとゆき子はそれぞれに一人で戦う道を選びました。
それでもユーリにはリングに上がれば誰かと何かしら関係性がある。4話からずっと描かれてきた観客の応援と熱狂も、ボクサーへの敬意を印象付けるものでした。
ゆき子は決勝戦を観戦することはせず、軍へプレゼンテーションに向かいます。彼女は兄ともユーリとも決別し、自身の夢のために一人で戦い続けることを選びました。兵器ではなく人間の身体機能としてのギアにこだわるということは、軍事関係者との契約もひとつの過程に過ぎないのでしょう。
それでも、一年後の様子からはメガロニアもゆき子にとっては大切な大会であること、たまに番外地ジムに顔を出していることがわかります。

後日談で良いなと思ったのは、皆の関係に壁が無いこと。認可地区も非認可地区も関係ない集まりになってますね。子ども達は元気いっぱいだし、関わった人たち全員登場してるし、ただの仲介役だよって言ってた藪沼さんまで来てますし。
ジョーは人を育てる方に行くのか…。意外だったけど納得もしました。1話を観返すと、いかにジャンクドッグが周囲から断絶された存在かわかります。そこから脱却した今、ジョーが一人っきりで生きる子どもを放っておけないのはとても納得する。もともと子ども好きなのはわかっていましたからね。

ユーリもジョーも試合で完全燃焼し引退、この戦いの中で得たものを次世代へ伝えていく。とても良いラストだったと思います。{/netabare}
(2018.7.2)


【BDBOX1について】 {netabare}
もともと加工を加えたり拡大縮小したりして荒い線にしている作品なので、鉛筆線みたいな細かなニュアンスが鮮明に見られます。でもBDで見て一番驚いたのは画質よりも音声。録画したものとは音質がすごく違う。効果音や音楽の素晴らしさがよく解ります。
作品内容に関する特典が充実しているのも良かった。

森山洋監督はメイキングのインタビューでこの作品を「ジョーの人生で一番輝いた三ヶ月間」と語っています。その言葉を聞いて、他の競技だけど同じような例(おそらくその選手が現役時代において最も輝いた半年間)をリアルで見たことを思い出しました。
私が本作にハマったのは必然でしたねw

・BDBOX1特典新作ショートアニメ“BEFORE THE ROUND ONE”・
イラスト(止め絵)に音声を乗せたピクチャードラマという感じです。
贋作さんが名無しの青年(後のジョー)を拾ってから、あのオンボロギアと「ジャンクドッグ」というリングネームを手に入れるまでの物語。
…短いのであらすじ書いただけで思いっきりネタバレになっちゃうけどw
いやはや、「ジャンクドッグ」が「ジョー」になってくれて良かった…これは後から出した方が良いタイプの前日譚だなって思いました。 {/netabare}
(2018.8.2)

【BDBOX2について】{netabare}
キャラクターデザインと美術のお話。やっぱり監督の采配がしっかりしていたようです。特典冊子に第9話の脚本と絵コンテが載っていて見比べるのが楽しいです。やっぱり9話はキー回ですね。

オーコメは樹生の話が多かったです。
「あしたのジョー」にはなく「メガロボクス」にはある要素。私はそれらをある意味全て背負ったのが樹生であったと思っています。
彼には元となるキャラクターが存在しませんし、試行錯誤する中で作られたのだそうです。本作を本作たらしめているのが樹生だと個人的には思っているので、声優さんにもスタッフにも愛されているのが嬉しかったり。
9話は「ギアレスジョーが完成する話」という発言も聞けました。樹生は白都の名前を捨て、ジャンクドッグはジョーの名前を自分のものにするストーリーでもあったんですね。最初の予定では9話のラストが樹生というキャラクターのクランクアップだったようです。
ユーリ役の安元さんからは樹生が自分を生きたからこそその姿を見てユーリもギアを脱げた、というような言葉も。

・BDBOX2特典新作ショートアニメ“AFTER THE ROUND FINAL”・
車椅子で昔所属していたジムを訪れ、かつて自分を拾ってくれた恩人と過去を語り合うユーリ。師弟関係についてはジョーと正反対で、和やかで良いお話。
ビジュアルイメージが明確で音楽・音響に力を入れてきたこの作品はピクチャードラマがとても良く似合いますね。{/netabare}
(2020.2.16)

【ギアについて】
これは人間ドラマのためのギミックであることは間違いないので、それで納得できない人は一定数いるとは思います。あにこれのレビューではwaon.nさんが鋭い指摘をされていますね。
私も何回か見て整理した内容を個人的に記しておきます。
{netabare}
重要なのは、ジョーの目的が勝敗ではなく「ユーリと最高の試合をしたい」ということ。その点から、ギアは純粋なスポーツに帰っていくドラマを描くギミックなのではないかなと。
純粋なスポーツというのは、この作品では「対等な条件下で最高の試合をし、それを観客が納得して受け入れ歓迎すること」ではなかったかと思っています。

ジャンクドッグが臨む地下の賭け試合では、観客は自分の金が絡むので当然下衆な見世物になる。そこに選手の尊厳や観客の賞賛は生まれる余地はありません。
メガロニアではショー的演出があった所を見ると、当然スポンサーがいて、興行の側面もある。ゆき子の一体型ギアを売り込む目的もユーリにとって足枷でした。ゆき子と樹生のギアへの考え方の違いが描かれたのも重要で、ギアの有無だけでなくコンセプトの違いもまた選手の身体能力に影響します。

しかし、ユーリがジョーと対等に戦うためにギアを外してオーナーとの契約も解消したことで、二人ともギアもスポンサーも失い公平な勝負になるわけです。
身一つで戦い勝ちたいという選手の情熱と、素晴らしい試合に熱狂する観客が、メガロニアを最高の舞台にする。勝敗を決するのは肉体と精神と技術だけ、全てのしがらみを越えたスポーツの理想の姿ではないでしょうか。

私はギアの在り方についてはそれで納得しています。
{/netabare}
2期はギアがどう描かれるのかも含めて楽しみですね。1期ももっと色んな人が見てくれたら嬉しいな。
(2021.4.18)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 42
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

アニメからリアル、リアルからアニメへ

『あしたのジョー』連載開始50周年記念と銘打って企画された作品。
今なお語り継がれる、ボクシング漫画の傑作を原案とした
近未来ギアを使用したボクシングを描いている。

アニメーション製作:トムス・エンタテインメント3×Cube、
監督・コンセプトデザイン:森山洋、キャラクターデザイン:清水洋、
原作:高森朝雄、ちばてつや

橋の下のボクシングジム、隻眼の老いぼれ、
市民IDを持たない貧しい人々が暮らす未認可地区。
原作を彷彿とさせる世界観。
地下闘技場で非合法の賭け試合を行うことで
生計を立てている男がいる。
彼のリングネームはジャンクドッグだ。
最下層の男たちが夢見る栄光の世界。
摩天楼がそびえる大都会のスポーツとして
多くの人々の脚光を浴びるメガロボクスと呼ばれる
大イベントが開催されている。
君臨するのが白都コンツェルンの
お抱えボクサー、勇利だった。

ジャンクドッグ、そしてジョーの
リングネームを持つことになるのが原作での矢吹丈、
勇利が力石徹の役どころとなる。
また、南部贋作が丹下段平、
白都ゆき子が力石とジョーとの間で揺れる白木葉子、
サチオがジョーを応援する子供たちの代表として
それぞれキャスティングされている。

原作の形を借りただけのオリジナルアニメーションとして
考えると、それなりにまとめているとは思う。
しかし、作品としては上っ面だけという印象は拭えない。
それは登場人物たちの切迫感や哀しみを
画面から感じ取ることができないからだろう。

{netabare} ジョーと勇利が戦うラストは最初から分かっているわけだから、
そこに至るまでにどのように展開させるのかが重要なのだが、
甚だ盛り上がりに欠けている。 {/netabare}
その理由のひとつは、おそらくジョーと勇利の過去が
ほとんど語られることがないからだ。
13話で原作のポイントを抑えないといけない制約があったため、
そこまでやっている時間はなかったのかもしれないが、
いちばん大切な部分が抜け落ちてしまっている。
ジョーや勇利の戦う理由が視聴者にほとんど伝わってこないのは
致命的な失敗といえる点で、それがなければ物語に深みを
感じさせることができないし、面白さを生むのは難しい。
どこかの物語を削ってでも、主人公たちを深掘りするべきだったが、
それができていないため、最初から最後まで平坦な物語で終わってしまった。

この話でやらなければならなかったのは、
ジョーと勇利、白都ゆき子、南部贋作という
4人の登場人物のそれぞれの想いと行動、関係性だったと思う。
ここがしっかり構築されていれば、もう少し感じ方が違ったのだが、
白都ゆき子と南部贋作が物語に関係しているようで、
大して関わっていないようにも見える。
そして、ジョーと勇利の関係性も心に入ってこなかった。
だから、あまりにも平凡な作品になってしまったのだ。

作画面ではよく頑張っていたと思う。
動きも悪くなかったし、崩れることもなかったように感じた。
粗い作画のラインは、昭和の時代を感じさせる。
声優陣も細野佳正、安元洋貴を中心に安定した布陣だった。
ラップを中心とした音楽面も悪くはなかったが、
やはり肝心の物語が進む方向を誤っている。

ギアを使用することが、原作との最大の違いだった。
しかし、その部分が全く活かしきれず、
この物語に何ももたらしていないことも
大きな欠点のひとつだろう。
ただ、『あしたのジョー』にふれたことのない人が
この作品をきっかけに目にしてくれたら、
それは価値のあることかもしれない。

私が『あしたのジョー』を知ったのはアニメが最初で、
そこから夢中になって原作の漫画を読み耽ったのは、
いまでもよく覚えている。
(本屋に通いつめ、立ち読みで20巻全巻を読破した。
かなり後になってだが、全巻購入して
豪華版も揃えたので許してもらいたい)
私はこの作品に出会ったことがきっかけでボクシングファンになった。
『あしたのジョー』は、漫画史に残る名作だが、
ここからリアルのボクシングに興味を持った人は、
男性ならかなり多いのではないだろうか。

かつて日本では国内選手の試合以外は
ほとんどテレビ放映されることはなかったが、
土曜日の昼にアメリカのボクシングを
不定期に放映していることを知り、楽しみに観るようになった。
当時、日本のボクシングは、フライ級やバンタム級くらいしか
強い選手がいなかったが、アメリカのミドル級の試合を見て、
私は「本物」のボクシングに魅了されてしまった。
スピード、威力、技術面のどれをとっても、
それまで自分が観ていたものとは違うスポーツといえるほど
別次元の世界がそこにはあった。

当時夢中になったのは、ミドル級で絶大な人気を博していた
トーマス・ハーンズという選手だった。
彼のフリッカー・ジャブ(当時はそんな呼び方も知らない)の
速さと威力には目を奪われた。
左腕をL字型に下ろして
左右に揺らしながら打つデトロイトスタイル。
ジャブが当たっただけで倒れてしまいそうなのだ。
後に『はじめの一歩』の間柴了の登場によって、
再度当時のことを思い出すわけだが、速さと威力を兼ね備えた
このクラスの試合の緊張感ときたら、堪らないものがあった。
ふたりの男たちの交錯する瞬間を見ていると、
手のひらから、じんわりと汗が滲んだ。
シュガーレイ・レナードやトーマス・ハーンズ、
ロベルト・デュランにマービン・ハグラーを加えた
4人のウェルター、ミドル級の戦いを観たことで、
私は完全にボクシングの虜になってしまったのだ。
その後、WOWOWの『エキサイト・マッチ』によって、
世界のボクシングが身近になり、
たくさんの名試合を観ることができるようになった。

そんななか、私はやはりもうひとつのボクシング漫画の傑作
『はじめの一歩』も毎週楽しみにしていた。
そこで、最も高揚させてくれたのが、
鷹村の世界初挑戦の相手であるブライアン・ホークだった。
普通に読んでいると、こんなヤツはいるわけないと思ってしまう。
しかし、ボクシングファンなら誰でもすぐに分かってしまう。
こいつのモデルは、明らかにナジーム・ハメドだろうと。
私は長年ボクシングを観てきたが、本当の意味で驚かされたのは、
トーマス・ハーンズ、マイク・タイソン、
フロイド・メイウェザー、ナジーム・ハメド、
ワシル・ロマチェンコ(現役)の5人だ。
(凄い選手はまだまだ数多いるのだが、
ボクシングの常識を覆したという意味では、
この5人ではないかと密かに思っている)
そのなかのひとりであるハメドの自由なボクシングは、
奇抜な登場シーンとともに多くのボクシングファンの
脳裏に刻まれることになった。
近接でスウェーバックしながら、あり得ない角度からアッパーを出すなど、
どんな態勢でも攻撃する変幻自在なスタイルがハメドの魅力だった。
そんな選手がブライアン・ホークとして登場すると、
さすが森川ジョージ、分かってるな(なぜか上から目線)となって、
より、ボクシングも漫画も楽しめたものだった。

私はスポーツ漫画やアニメが大好物なのだが、
やはり現実のスポーツの魅力を上手く表現しながら、
架空の世界に落とし込んでくれる作品に惹かれる。
自分の想像の世界を広げ、新たな楽しみを感じさせてくれる。

アニメからリアル、そしてリアルからアニメへ。
さまざまなジャンルの未知のことを提供してくれるから
私はアニメを観ることがやめられない。

※エンドクレジットに協力ということで
ピューマ渡久地の名前があったのも懐かしかった。
辰吉丈一郎、鬼塚勝也とともに平成の三羽烏と呼ばれ、
低迷気味だったボクシング界を活性化させた功労者のひとりだ。
ヤンキーで喧嘩早く、傷害事件を起こして
タイトルを剥奪されるなど問題の多かった選手でもある。
彼と同じフライ級で当時、日本の最強とされていた
勇利アルバチャコフ(本名はユーリ・ヤコヴレヴィチ・アルバチャコフ)と
いうアジア系でロシア出身の選手がいたのだが、
今回の勇利とつながりがあったのかどうかは不明だ。
調べてみると、渡久地は現在、記憶障害の病気を患っており、
離婚した元嫁の聡美さんがジムの会長を務めているという。
(2018年8月27日初投稿)

スポーツアニメに対する視点(2020年7月3日追記)

結局、どこまでこだわるかという問題になるが、
個人的には、スポーツアニメの作り手は、
そのスポーツのこと、もしくはスポーツ全体のことを
ある程度は、理解してもらいたい。
ボクシングのSF作品を作るのに、本当のボクシングを
取材する必要はないかもしれないが、やはりどういうスポーツか
ということくらいは知っておくべきだろう。
いくらSFでも全くリアリティを欠いてしまうと、
少なくとも私は興ざめしてしまう。

例えば、メガロボクスは上半身にギアをつけて試合をする。
それ自体はSFスポーツアニメとして、とても面白い発想だ。
しかし、この作品ではボクシングだけでなく、
スポーツそのものに対する理解力が圧倒的に不足している。
つまり、上半身にギアをつけたら、
強いパンチが打てると思ってしまっているのだ。
いくら強力なギアを上半身に装着しても、それに見合った
強靭な下半身がなければ、強いパンチなど打てるはずがない。
上半身に振り回されて、バランスが崩れてパンチは弱くなる。
そういうことを少しでも知っていれば、
下半身を補助する設定を何か考えておくはずだ。
例えば『はじめの一歩』を読んでいれば、
ロードワークが繰り返し、執拗に描かれていることに
気づくはずなのだ。どうしてこんなに走らないといけないのかと。
私はこの作品において、リアル要素を微塵も考慮していないように
見えることが大きな不満点のひとつ。
最終的にはギアを外して試合をするので、
そんなことを言ってもあまり意味がないのだが。
スポーツが題材であるなら、視聴者が気づかないような部分にも、
作り手は少しでも考慮して欲しいと願う。
それが作品に深みを与えるのではないだろうか。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 58

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

実存のゆくえ

【誤記修正】

50周年を迎えた『あしたのジョー』のアニメ化。

原作を再消化し現代によみがえらせたアニメ化だが、感想の前に、少し原作を振り返っておきたい。


原作の『あしたのジョー』については、マンガ批評家の夏目房之助による分析と批評が最も説得力がある。

梶原一騎と ちばてつや というまったく異なる巨大な才能同士が互いに一歩も引かずにぶつかり合った結果、『あしたのジョー』というマンガは、両者の得意とするいずれの領域とも全く異なる、第三の地点へと、作品の像が結ばれることになった。

ぶつかり合う個性が、梶原的な「右翼結社のユートピア」とも、ちば的な「貧民共同体の楽園」とも異なる場所へ作品を押し出したのだが、『あしたのジョー』は「世界に投げ出され、単独で世界と対峙する」青年の実存という、両者のいずれの個性からもかけ離れた物語として奇跡的な像が結ばれたということだろう。

終幕へ進むに従い、登場人物が次第にジョーから離れ、段平すらも存在感をなくしてジョーが孤独化していく印象は、まさに「唯一無二の私が全世界と対峙する」青年の実存が純化してゆく必然だ。

孤独に世界と敵対する青年の実存は、観念の吸引をも必然化する。
生命の危険を無視するようにボクシングへのめり込む展開は、スポ根の「克己心」の表現ではなく、世界の具体性から逸脱して「観念」に憑依されていく現れだ。
終幕にやや唐突に登場する「真っ白な灰になりたい」というセリフは、もはや「チャンピオンになる」といったスポ根的努力への「報酬」という実体性が無意味化して、破滅も辞さず「果てまでゆく」、生命を燃焼させたいという「観念」の呪縛に囚われきったことを示している。

そうして「果てまでゆく」観念に導かれるまま、最終戦では、すべての登場人物は単なる傍観者と化して「試合」の特権的な場から排除され、単独で世界と対峙する「青年」は、真っ白に燃え尽きて実存を生き切るラストを迎える。

20世紀的な青年の実存と観念の必然を描いた原作マンガが、あの時代に熱狂されたのも当然だろうか。


本作において、メガロボクス参戦に先立ってまずIDを偽造しなければならなかった主人公は、IDカード=アイデンティティ・カードを持たない=アイデンティティのない、世界の中に存在の基盤を持たない人物として登場する。
すなわち、「世界」の中に裸のままで単身投げ出されている、一人で全世界と対峙するものとして。

だが、明らかに空疎であるはずの自らの実存を埋める「観念」にしては、しゃにむに「戦い」を求める描写には「呪縛力」が希薄だ。
むしろ、世界と対峙する自覚すらない、空虚の人格化にすら見える。

虚空のかなたの「果てまでゆく」観念の呪縛を感じさせるのは、ライバルのチャンピオン、ユーリのほうだ。
すべての実績も、約束された栄光もスポンサーもパトロンも捨てて主人公との試合に挑むチャンピオンは、他者に誇示する栄光としての「勝利」ではなく、「観念」としての勝利、強さという「観念」に憑かれているのだと示されている。

現代において、「観念」の呪縛を説得的に描き出すには、まずチャンピオンという「勝者」が、持てるものを投げ捨てる描写が必要であったのかもしれない。
何も持たない「野良犬」が、実存の空虚を「観念」で埋めることは、現代では必ずしも必然ではないのだろうか。

しかし、ユーリの「観念」の呪縛を生み出すものは、「野良犬」である、アイデンティティを持たない空虚な主人公との試合だ。

何も持たずに「単独で世界と対峙」して「観念」に憑かれる『矢吹丈』を現代によみがえらせるために、矢吹丈は、主人公とユーリの二人に分離したのだといえるだろう。

そうした意味では、最終戦の結果は、もはや重要ではない。
矢吹丈の分身である両者がグラブを交えた時点で、「矢吹丈」は「一人」に統合され、「真っ白な灰」=観念の浄化はすでに成就しているともいえる。

ラストシーンの、見方によっては拍子抜けする穏やかな描写は、観念の浄化の向こうの現代的な表現なのだろう。
ようするに、その後のことは「どうでもいい」
原作マンガのラストシーンの後に何を付け加えても蛇足であるように、意味のある描写は何をもってきても蛇足なのだから。

それでも敢えてラストシーンが存在するのは、プリズムを通過した光が分光するように、「矢吹丈」が現代という装置を通過して主人公とユーリへと分化した、現代的な偏差のためかもしれない。


こうした本作の感想は、しかし、本作が『あしたのジョー』のアニメ化である、という了解があって生まれたものだ。
それゆえ、冒頭では長々しく原作マンガについて記述した。

別に作品の宣伝文句まで作品の一部として組み込まれているとは思わないが、気に止めてしまった以上、感想は影響を受けてしまう。

この情報がなく、単体で本作を視聴したならば、主人公の動機も試合でのランクアップも、ともすれば単なる上昇志向と承認欲求に駆動されるルサンチマンのように見えかねない。
最終戦を前にしたユーリの振る舞いも、「男の美学」とか「戦士の矜持」のような類型性に陥ってしまうだろう。

そうなれば、主人公の造形が動機が薄っぺらで、チャンピオンの行動が理不尽なご都合主義に受け取られかねない。

それはそれで、異世界もののような、主人公がシンプルな動機で勝利を収め続け、周囲の人間と分かり合って受け入れられるラノベ的感性のアニメ作品として観ることもできるだろう。


しかし、「原作」が心に引っかかってしまった以上、「観念」の「果てまで」行って再び人の輪に回帰してくる展開は、現代で視聴者の「承認」を得るためには、「果て」で燃え尽きる結末はあきらめざるを得なかったのだな、と思わずにいられない。

観念に憑かれることが必然であった20世紀青年の「実存」と、現代の青年の「実存」のありようが変わってしまっている現れのようにも感じられた。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8

72.2 12 ボクシングアニメランキング12位
はじめの一歩 間柴vs木村 死刑執行(OVA)

2003年9月5日
★★★★☆ 3.9 (145)
818人が棚に入れました
森川ジョージ原作の大人気ボクシングマンガ、そのオリジナルビデオアニメーション作品。主人公・幕之内一歩と同じ鴨川ジムに所属する先輩ボクサー・木村達也のタイトル挑戦を中心に描かれる。木村のタイトルマッチ挑戦が決定。その対戦相手、すなわちチャンピオンはかつて一歩と死闘を繰り広げた猛者・間柴だった。自らの進退をかけるまでに決意を固める木村。そのとき、自宅で飼うペットのアロワナの動きをヒントに新たなパンチを思いつく。果たして木村は間柴を倒し、ベルトに手が届くのだろうか――。
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

思った以上に激アツでした  (; ゜ ロ゜)!

OVA作品

本編 61分

ジュニアライト級の戦い
間柴了(日本王者) VS 木村達也(日本3位)

木村は、一歩の通う「鴨川ボクシングジム」の先輩です。

木村にとってはチャンピオンベルトを奪うビックチャンスのタイトルマッチ戦。

木村は昔、高校生の頃は、青木と二人で学校の札付きの悪。
「ビー・バップ・ハイスクール」のヒロシとトオルの様な感じの、元ヤンキーでした。

木村と青木も、鷹村 守 きっかけでボクシングを始めた訳だが・・・
そう考えると、鷹村ってやっぱ凄いな~ ^^

木村はソツのないアウトボクサーだが、一歩のような強いパンチ、タフネスさは無いし、これといった武器がない。

今回のチャンピオンである間柴の武器、フリッカーを攻略すべく必死に研究、練習します。
{netabare}
試合前には、 負けたら引退宣言までして自分を追い込みます。
間柴を倒し、チャンピオンになる為に、自分のアウトスタイルを変えてインファイトで戦い、凄まじい打ち合いです。

チャンピオンには、背負っている重さがあり、
木村にはもう後がない、引退を賭けた戦い。
{/netabare}
どちらも勝つ事に必死。

どちらにも負けて欲しくない。

だけど、勝者は一人だけなんですよね。


勝負の勝敗は、ほんの少し、数センチの差・・・

決着の時には号泣でした。q(T▽Tq)


木村 カッコいいよ!
一歩の時より感情移入してしまった。

声の藤原啓治さんが またカッコいい声なんですよね~
(●´ω`●)

最後は、やっぱりなオチがあるのでお楽しみw (^^;



最後に・・・
良い試合でした。
アツかったです。(*´ー`)

次は2期「はじめの一歩 New Challenger」を視聴です!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 35
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

個人的には、はじめの一歩のベストバトル!

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
ボクシング漫画の金字塔、「はじめの一歩」のサブキャラ、「木村」にスポットを当てたOVA。この作品単品を観るだけでもまあまあ楽しめますが、きちんと本編を観た方が100倍楽しめます♪

今作の主人公「木村」は、一歩の先輩ではありますが、苗字の通り、特徴のない「普通」の選手です。(全国の木村さん、すいませんw)

対戦相手の「間柴」は、「死神」という二つ名をもつ、日本チャンピオン。これまで、幾人ものボクサーを壊し、引退へと追いやった強者です。今回の試合も、世界を目指す上での踏み台程度にしか思っていません。

さあ、「普通」VS「死神」の戦いやいかに? という作品です♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品を観る場合、ほとんどの視聴者は「木村」に感情移入して観ると思います。そのためには、やはり本編をしっかり観ないとダメだと思います。

「木村」は、厳密に言うと、「普通」ではなく、「秀才」。じゅうぶんに一流の選手だし、きちんと努力もしている。でも、「努力の天才、一歩」「真の天才、鷹村」らに囲まれる中で劣等感を感じてしまう。親友であり、同じく「普通(変態w)」である「青木」とともに、渋みがあるのに悲壮感のない、はじめの一歩に欠かせないキャラです。

はじめ一歩には、いくつも熱いバトルがありますが、個人的にはこの試合がベスト。男泣きしちゃうはずですよ♪
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 23

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

光もいれば影もいる。うだつの上がらないプロボクサーの足搔き

スポーツアニメで正統派と言えば、努力して、かつ成功を収めるサクセスストーリーの事を言いますが、現実はそう上手くはいきません。
努力をしても、どうしても届かない壁だってある。
プロ選手と言えど、うだつの上がらない戦績でいつまでたっても上に上がれない。そればかりか、後輩に追い抜かれていく。
手を抜いているわけでもないのに。
同じジムの鷹村や一歩は成功しているというのに。
彼らが天才であって、自分はそうでないから?

スポットライトの光を浴びている選手もいれば、その影で目立たないながらも栄光をつかもうとしている選手もいる。
はじめの一歩の木村と青木はそういうポジションだと思っています。
この作品はそんな彼が巡ってきたチャンスをものにできるかどうか? という話なのですが……。
相手はかつて、一歩とも死闘を繰り広げた死神という異名を持つ間柴です。果たしてその結果は…?

個人的には、ベストバウトと言われる一歩VS千堂にもひけを取らない試合なのではと思っています。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 7

77.1 13 ボクシングアニメランキング13位
あしたのジョー2(TVアニメ動画)

1980年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (157)
792人が棚に入れました
力石徹の死後、逃げるようにリングを離れ、街から街へ流れ続けた矢吹丈。しかしかつてのライバルたちに出会うことで、再びリングに立つことを決意する。カーロス・リベラ、金 竜飛といった数々の世界ランカーと死闘を繰り広げ、遂にチャンピオンに君臨するホセ・メンドーサとのタイトルマッチにまでたどり着く。ボクシングに青春をかけたハングリーな生き様を描いた不朽の名作。真っ白に燃え尽きる感動のラストシーンは、見る者の心に深い感動を焼き付ける。

声優・キャラクター
あおい輝彦、藤岡重慶、田中エミ、森脇恵、だるま二郎、仲村秀生、白石冬美、堀絢子、渡部猛、小宮山清、中尾隆聖、宮村義人
ネタバレ

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

Amazon prime様に感謝。(9話まで視聴して)

>9話まで視聴して
3年半?くらい前に、ぴあ様から”COMPLETE DVD BOOK”が販売された際
なぜか5話くらいまで視聴して酷評レビューを書き断念してましたが

最近、Amazon prime様で1&2が配信されていることを知り
2を再視聴開始してみました。

するとどうでしょう。
もう、まちがいなく殿堂入り神作品です!!(昔、観たであろうおぼろげな記憶そのままに^^)。

何一つ、文句のつけどころなんてありませんっ!!。
(声優さんの演技も、まったく問題なし。
 あえて問題あるとすればOP曲中のちょっとチープな映像くらいです)

本編の作画なんて神クラスです!。
特にここ10年のくらいの他のアニメ作品と比べてみても
まったく比べるまでもなく、本作の圧勝です。
一瞬一瞬にしっかり魂がこもっている作画だと思います。


・・ではなぜ、3年半?くらい前に酷評レビューに至ったのか??
考えてみましたが、1が長丁場だったので
ちょっと疲れてしまってたのかもしれません・・><。
(やっぱ、アニメ作品って観るときの自分の状態(精神・肉体ともに)によって
 大きく左右されるものだと再認識。
 時間をおいて、再度検証してみることは、ホント必要だと思いました)

3年半?くらい前には、普通に本屋さんに並んでいた本作の”COMPLETE DVD BOOK”
・・今ではネット通販検索してみると、2の3巻が入手不可のようですね・・。

ああ、後悔先に立たず・・(結局、全部は買っていませんでした)。
ああ、ぴあ様、再販売とかしてくれないでしょうかねえ・・(無理っぽい?)。


調べてみたら、北米版のDVD-BOXもあるようですね・・。
ただ、昨今の海外事情で?、価格は上がり気味??。
←どうしてもそろえられなかった場合の最有力候補とします。
とりあえず、今現在はAmazon prime様で観れるのでよしとします。


・・とまあ、愚痴はこの辺にしておいて本編レビュー再開。

やっぱカーロスが登場してくると、一気に話が過熱してたまりませんね♪。
カーロスの声もたまりません。
声優さん気になって調べてみたら
ドラゴンボールのフリーザ役されてた方なのですね。
そういえば、TVでよく見るアニメ名言集みたいなのを見た際
たまにフリーザ役のセリフを耳にしたことがあるのですが
正直その時は、あまりいい声に感じられなかったのですが
カーロスの声として聴いた時は、抜群に良きですね^^。
そういえば、ばいきんまんも同じ中の人の声のようですね。


ということで取り急ぎ、まずは3年半?くらい前の酷評レビューを謝罪します m(__)m。


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<過去の酷評>(自分への戒めのために残します><)
{netabare}
※50周年記念DVD BOOKでの視聴です。
 あしたのジョー1のDVD BOOK、視聴済です

>5話まで視聴して
ワクワクしながら1話視聴開始したのですが
まずOPで第一声「あれ?、DVD間違えた?。それとも何かのCM映像?」
画面には、何か解像度の悪いCGっぽいボクサーの姿と歌が・・。
え?!。これOPなんですか?。まったく見覚えも聞き覚えもない・・。

ひょっとしたら「あしたのジョー2」は初見だったのかもしれません。
何せ「劇場版 あしたのジョー2」は絶対見てるハズだから紛らわしいったら。

気を取り直して、視聴継続。
・・あれ、「あしたのジョー」1期の終盤は、抹殺されたんですか?ww。
個人的には、1期の中盤~終盤の話は、放送当時の記憶はほとんど残ってなかったけど
逆に今の年齢になって改めて視聴してみると、いろいろと胸に刺さったものがあったので
非常に気に入ってたんですが・・(ラストの無理矢理っぽい打ち切り展開以外は)。

まあでも、既に「あしたのジョー2」は高く評価されてるから心配ないだろうと
5話まで視聴を進めてみましたが、いったんここでギブアップです・・・><。

・・・スミマセン。
「あしたのジョー」が終わって「あしたのジョー2」が作られるまでは
かなり長い年月がかかったのでしょうね・・。
いろいろ大人?の事情があったのでしょうか。。。


【無理要素その1】声優さんの変更
 これ自分にとっては致命傷です><。
 西も白木のお嬢さんも、演技が棒じゃないっすかw。
 感情も何も伝わってこない・・・。性格さえ変わって見えてしまう><。
 なんか段平の演技にまで感染してしまってるような気が・・。
 ・・まだ見てないけど、カーロスもなんですか・・((;゚Д゚)ガクガクブルブル。

【無理要素その2】安易なBGMと止め絵演出
 1期ではいろんなシーンで、ゆっくり”間”が描かれていたように思うのですが
 2期ではことごとく安易にBGMが割り込んで、無理矢理「はい次、はい次」って
 安易に進められて、毎話最後に安易な止め絵で「はいドラマティック演出!」
 っていわれてる気になってしまう・・。
 1期の何気ない演出で、虚無感や時間の流れ・心情が描かれていたような演出の方が
 好きだったなあ。
 作画も1期のキャラの方が生き生きしてた!!。

【無理要素その3】ED(もちろん曲も)、次回予告ともに無しですか???。
 ありえん・・・。もはや手抜きじゃないっすかw。
 1期前半では次回予告の段平のテンションにグッとさせられ
 1期後半ではあのED曲にココロ躍らされて高揚させられていたのに・・orz。

ということで、いったん断念します。{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 14

らめええええええええ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

金字塔

力石とっ...の因縁の対決に潰滅的決着が...付いたあとっ・・・!目先を追うな…!の前で命はもっと粗末に扱うべきなのだ…!丁寧に扱いすぎると澱み腐るを落とす潰滅的力石を見た丈がボクシングを常軌を逸すると嘔吐を...常軌を逸するようっ...になり
ボクシングを...引退しかけていた話から...始まりたのだっ・・・・・!ねっ・・・・!
ずっと圧倒的・・・!圧倒的力石の無意味な死……を引きずり続けっ・・・!潰滅的ボクシングを常軌を逸する決意をした時の丈の決意が見える表情も言うまでもなくっ・・・!たまらなく堪らないんっ...ではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!よっ...ねっ・・・・!
そしてそこからはっ・・・!丈も潰滅的力石のようっ...にっ・・・!とどのつまりっ・・・!まで圧倒的・・・!圧倒的ボクシングを圧倒的・・・!圧倒的自分の潰滅的中で貫き通すん…!!よね...!
言うまでもなくっ・・・!2は世界レベルでの戦いなのでっ・・・!圧倒的・・・!圧倒的試合のスケールが大きく感じました...!
2は名誉挽回のチャンスをやろうか・・・・・・?バトルが多いのが魅力的だと矜持ますっ・・・!っ・・・・!ライバルが魅力的過ぎた理解出来ないっ…!
魅せられましたっ
圧倒的・・・!圧倒的チャンピオンとの戦い...!
そこで...!潰滅的丈は自分の引き際っ…!勝ち逃げ…!分相応……!全てを飲み込む…強運…!をホセにぶつけっ・・・!力石の...ように試合ナイス終了後に命はもっと粗末に扱うべきなのだ…!丁寧に扱いすぎると澱み腐るを落としますっ・・・!...!
この・・・狂人がっ・・・!試合は...!本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に意外にもこれをスルーから圧倒的・・・!圧倒的先ずっと色あせることなくっ・・・!残っていて本当に欲しい物を手に入れたいなら結局これはもう金しかない…!ではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!っ・・・・!
あしたのナイスジョーは本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に潰滅的名作…(ざわ……ざわ………)
本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!にそう思えるような作品でした...!
ここっ・・・いままさにっ・・・ここにっ・・・は...!1の不良少年時代からの作品だった利根川…オレが蛇に見えたか…?ならおまえが蛇なんだっ……!ば......!「最高」の評価を付けていたんですっ・・・!が...!やはりナイス2だけとなると付け辛いではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!ね......!
圧倒的・・・!圧倒的平均評価を下げたくありませーんし...!本来利根川…オレが蛇に見えたか…?ならおまえが蛇なんだっ……!「最高」をっ...付けたいん...っ・・・・・!が...!1ではあった丈の「成長」が...本作には欠けていたと思うん…!!よ...ね...!
1で描かれていた丈のっ...成長...!2で描かれていた他人なんかカンケー 関係ねえんだよ・・・・・・・・・・!の圧倒的選手のストーリー...!
内容的には2の方がI need youでしたが...!1は潰滅的成長の圧倒的・・・!圧倒的過程が素晴らしかった…!!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 1
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

名作

ボクシング作品で、あしたのジョー2を超える作品は
ないだろう。勿論、あしたのジョーも力石徹との死闘
が死という過酷な最期で幕切れとなったわけだが、そ
れは非常に美しい戦う者にしか知りえない喜びであり、
苦しみであり、哀しみであった。
 
{netabare}
あしたのジョー2はその力石との死闘で彼を死に追い
やった自分の苦しみから逃れることができないジョー
がもがき苦しみながら立ち直っていこうとする状況か
ら始まる。
 
この作品の最も重要な所はカーロスとの出会いだろう。
この二人の死闘は本当に見応えのある闘いで感動でき
た。試合前から二人の間には、二人だけの崇高な絆が
あったからだと思う。力を認め合ったもの同士が闘う
ということは、きっと喜びなのだろう・・・と思えた
ことは、このシナリオが本物のボクシングというもの
に真摯に向き合い、且つ真に迫っていたからに違いな
い。原作が梶原一騎氏なのだから、この種の核心部分
はしっかりと押さえていることは普通に理解できる。
 
闘いを離れたジョーの表情は、いつも哀しい目をして
遠くを見つめていることが多い。泪橋の子供達には、
いつも優しい目をしている。闘いの時は活き活きとし
ている。あしたのジョーは基本的にジョーの目の描き
方で矢吹ジョーの色々な心情を表す。

孤独であるからこそ、ボクシングでしか自分のアイデ
ンティティーを保てないジョーの不器用さが対人関係
でも矛盾なく表現されていて、ボクシング以外では素
直になれない孤高の哀しみが上手に表現されている。
そして、ジョーはその哀しみよりもボクシングを愛す
る本物のボクサーである。
 
ボクシングの行く末は『真っ白になるまで闘う』こと
だと言い放ち、ホセとの闘いで燃え尽きるまで、ジョー
は闘い続ける。そうすることで力石、カーロスとの
何物にも代え難い友情を身体に刻んでいたのだろう。
常に孤独であっても、ボクシングで培った友情が彼の
唯一の宝物だったに違いない。ジョーはそういう優しさ
を持った人間だった。
 
常人とは違う人間臭さをこの作品は感じさせてくれる。
自分を応援して支えてくれる人への感謝も持ち、泪橋
の子供達にはとても優しい。子供達がタバコを吸って
いようが、パチンコ屋に来ていようが、ジョーは常に
子供たちと目線を同じ位置に置いている。1つのことに
秀でている人間は、常人の思考とは違うのだ。
 
ジョーは最後に白木葉子にボクシンググローブを渡す。
それはジョーに大切な出会いを提供してくれた葉子へ
の最大級の感謝の気持ちなのだろう。
 
真っ白になるまでボクシングをできた喜びが、最後の
ジョーの表情から浮かび上がる。
結果を顧みず、ただひたすらに真っ白になるまで闘い
続けることに命をささげる人生が、人々に感動を与え
ることだってある。
 
あきらめないで最後までやり抜けば、たとえ負けても、
充実した人生になるんだと教えられた気持ちになった。
ジョーにとっては、きっと幸せな人生だったに相違な
い。美しい敗北で幕を閉じた本作に拍手を送りたい。
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 18

73.5 14 ボクシングアニメランキング14位
あしたのジョー(TVアニメ動画)

1970年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (156)
771人が棚に入れました
東京・山谷のドヤ街に、ふらりと1人の少年が現われた。矢吹丈(ジョー)と名乗るその少年に一方的にたたきのめされたアル中の元ボクサー・丹下段平は、その動きから天性のボクシングセンスを見いだし、一流のボクサーに仕立て上げんと奮闘する。しかしジョーは、ドヤ街の子供たちを引き連れて乱行を繰り広げた揚げ句、自分に向けられる段平の情熱を利用して犯罪に手を染め、警察に逮捕されて鑑別所・少年院へと送られてしまった。ある日、少年鑑別所のジョーあてに、「あしたのために」の書き出しで始まる段平からのはがきが届く。その内容は、左ジャブの打ち方から始まるボクシング技術の講義であった。時間と体力を持て余していたジョーは、そのアドバイスに従ってボクシングの練習に身を入れるようになり、やがて自分のパンチの切れが、今までと比べ物にならないほど向上してゆくのを実感する。

声優・キャラクター
あおい輝彦、藤岡重慶、仲村秀生、西沢和子、西尾徳、小沢かおる、肝付兼太、広川太一郎、牛崎敬子、桑原たけし
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

原作はもはや文学作品

このアニメ作品語る前に、
(あしたのジョー)イコールスポ根物という評され方に、
物凄い嫌悪感をおぼえる、
同時期連載及びアニメ化された(巨人の星)こそスポ根ものだが、
(あしたのジョー)はこれらと全く対極に位置する、
スポ根という言葉の定義や各々の捉え方にも拠るが、
あしたのジョーをスポ根一言でかたずけられるのは悲しい、
{netabare}
主人公の丈だが、
出生孤児院孤立無縁唯一自由のみ求め幼少時孤児院脱走繰り返し、
物語始まったドヤ街に流れてきた頃(推定10台後半)になるまで、
どのような形にせよ我が身一つでサバイバルしてきた事は想像できる、

ヤクザ相手の大立ち回りドヤのガキ引き連れ詐欺所業も生きるため、
投獄されても自由を求め抗い続ける様は、
檻に捉えられた野生の獣と同じ、野獣である。

少年院脱走一歩手前で宿敵元プロボクサー力石と遭遇、
完膚なきまで叩きのめされる、
まさに憎いあんちくしょうで、
自由のみ求めてた丈に力石をぶっ倒すという情念が生まれる、

丈にとってのボクシングは同じ土俵で力石徹を叩き潰す手段であり、
以降必然的にボクシングに対峙してく訳だ、

高度成長期アメリカに追いつけ追い越せな国策的精神論、
時代に沿ったであろう根性で富を掴め的なものではない、
丈のそれはもっと根源的な本能、闘争本能というべきものである、

力石と対決する為のボクサーになる方法からして、
プロボクサーにケンカを売り、倒す事で既成事実を作り、、
プロテストでもレフリー構わず相手を叩きのめし、
プロになってからも野獣、野生的側面失わずそれを本質とし、
その戦い方は不可能を可能にする殺し屋、ケンカ屋と評される、
{/netabare}
何それしたいから何それになりたいから、
富や栄光がどうので「頑張る」ではなく、
内なる闘争本能根源とし闘いたいから闘ってる、
{netabare}
物語は一つの岐路を迎える、
力石を倒す一点のみ目的だった丈だが闘いの末力石が死ぬ、
目的失い放心しするも丈はリングに帰る、
顔面打てなくなりドサ廻りに落ちそれでも何故、
ボクシングにしがみ付くのか?
{/netabare}
「燃えているような充実感はいままでなんどもあじわってきたよ…
 血だらけのリング上でな
そこいらのれんちゅうみたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない
ほんの瞬間にせよまぶしいほどまっかに燃えあがるんだ
そして あとにはまっ白な灰だけがのこる…
 燃えかすなんかのこりやしない…
  まっ白な灰だけだ
そんな充実感は拳闘をやる前にはなかったよ
 負い目や義理だけで拳闘をやってるわけじゃない
 拳闘がすきなんだ
 死にものぐるいで噛みあいっこする充実感が
 わりと おれすきなんだ」

丈自らが語った有名な一節だ、
(おいらにゃ獣の血が騒ぐ、)尾藤歌う寺山修司の詩は、
こうしてみると丈の本質を見抜き実に的を得てる、

原作者はちばてつや氏と高森朝雄氏であり、
高森朝雄は梶原一騎の別名、
当時(巨人の星)(柔道一直線)等々で売れっ子原作者であり、
今もスポ根の代名詞的存在として認知される氏であるが、
あしたのジョー連載誌(少年マガジン)には巨人の星もあり、
変名には単一的イメージ回避な理由もあった、

加え梶原一騎物というのは語り口や説明事等氏独特の癖がある、
ただ丈以前も以降も幾多梶原作品は存在するが梶原節の顕著さで言えば、
(あしたのジョー)は物凄く薄い、いい意味で梶原物らしくない、

これは、もう一人の原作者ちばてつや氏の筆力構成力さることながら、
丈のみならず登場人物全般においての表現力のたまものであり、
本能情念のまま真っ赤に燃え上がり後には真っ白な灰だけが残る、
そんな最終回に至るまでの、
ちば氏の原作脚本改変(改善)に至っては有名な話である、

梶原一騎氏とちばてつや氏の融合による奇跡的化合物、
ここに漫画でも劇画でもない、
ある種文学とも称される作品としての原点がある、

主人公しかり作品の成り立ちしかり、
スポ根ものという概念から越脱したものがあきらかに存在する。

話をこのアニメに向けると、
当時虫プロによりアニメ化された(あしたのジョー)であるが、
デジタル技術満載の現代のアニメと簡単に比較すべきものではない、

総合監督は出崎統氏だが作画監督は杉野氏、荒木氏等数班体制、
それでもアフレコ毎回間に合わず、
夜中近所外注叩き起こし塗画頼んで廻らざるおえない等、
地獄的スケジュールの中手作り感満載であったらしい、
班違いからくる画の統合性欠如を修正する暇もなかった、
こんな事は容易に想像がつく、

まあ小学生だった当時は画の違い等さして気にもならなかったが、
後に何度も見返すうち、
比較的纏まった絵は杉野氏かな?
荒削りだが時として情念発露にも観えるのは荒木氏だろうか?
そんな妙な楽しみ方を見つけたりもした、
事実手書きでしかありえないとてもいい線や画もある(主観)、

ごく一例だが、
力石戦決着場面は50話ラストに描かれるが、
翌51話の始めにも同場面は流れる、
アッパーカット放つ事により決着するまでの、
ラストの攻防一連の描き方、
これが50話終と51話始点では同じ場面ながら、
演出から作画に至るまで全くの別物で、
纏まりで言えば51話の方が丁寧だが50話ラストのそれは、
作画どうのデッサンどうので一蹴できない、
ラフな中にも構図も演出も絵も情念発露な感じ抜群で、
丈自身の情念とシンクロする様な描写は個人的には大好きだ、

音楽については初期オープニングやエンディングのせいで、
ともすれば演歌的なイメージのみで語られるが、
BGMで数パターン後にボーカル入りも作られた数種の力石のテーマ、
ジャズやロックも加味された名曲だし、
ラテン的なカーロスのテーマも大好きだった、

後半になり絵も落ち着いてきてカーロス登場くらいから、
アニメが当時連載中だった原作に話が追いついてしまう事象が起きる、

雑誌連載同時アニメ放映な場合、
同じ週一でも数ページ連載な雑誌とCM込みでも30分枠のアニメとでは、
どうしてもアニメの方が進話が早いのは今も昔も変わらず、
話を膨らませたり流れの速さを調整したりというのは、
主に各話担当の脚本の妙に依る処大だがその点、
(巨人の星)の様にボール一球投げるのに数週間?
と揶揄される様な事もなく、
登場人物の人となりも壊さずおおむねうまく熟してる様に感じる、
がしかし追いついてしまった以上仕方なし、


アニメ版の丈はカーロス戦後ふらりと旅立つ訳だが、
「奴はまた帰ってくる、奴があしたのジョーであるかぎりな」
そんな丹下段平の言葉は一種願いにも感じた、

後に(あしたのジョー2)として段平の予言は実現するも、
1~2の間には10年以上の歳月が要される、

出崎氏と杉野氏の黄金コンビによりあしたのジョーが、
(あしたのジョー2)で帰って来れたのは、
(宇宙戦艦ヤマト)の再放送から発したアニメブームの到来、
アニメ雑誌や再放送或いはアニメ映画化の慣例化等、
ジョーファンのみならずアニメ文化としての、
一大ムーブメントがあったればこそだろう。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 29

らめええええええええ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

圧倒的燃え 金字塔

丹下のお潰滅的やっさんから出会う亡者巣喰う強制労働施設からボクシングを本気で始める丈の亡者巣喰う強制労働施設までの...流れが本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に面白い…。狂気の沙汰ほど面白い…!!ではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!ねっ......!
無論っ・・・!その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…後のボクシングとしての腕を上げていく丈のストーリーっ・・・!宿敵...!潰滅的力石との因縁の関係ふざけるなっ………! おまえらには慈愛などないっ……!も本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!にこの世の中、馬鹿な真似ほど… 狂気の沙汰ほど面白い…!…!!っ・・・・!
やはりナイス1番I need youなナイス試合はっ・・・!丈vs力石(ナイス2戦目先を追うな…!)ですが...!他人なんかカンケー 関係ねえんだよ・・・・・・・・・・!には...丈vs青山や...!丈vsウルフ金串なんっ...かも...I need youっ・・・・・!ねっ・・・・!
青山とウルフ圧倒的金串は圧倒的・・・!圧倒的2人…ユアヒューマンっ…とも丈との決戦を...前にして圧倒的・・・!圧倒的調子に乗っていましたから...!
それでも・・・・・人間かっ・・・・!?を苦戦しながらも倒すっ……! おまえだけは………!丈のっ...カッコ良さに痺れました...!
他人なんかカンケー 関係ねえんだよ・・・・・・・・・・!にっ...もI need youな圧倒的試合はどこかわからぬ・・・地中の底の底・・・・ん…!!が...っ・・・!やはり上記で挙げたものが特に印象深い…!!ね...!
少年院での圧倒的・・・!圧倒的ストーリーも面白かったではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!し
周りに支えられながらっ...っ・・・!ナイスボクシング選手として立派に成長していく丈にはここ一度だけ…勇気を…生き残るための勇気…をもらいました
他人なんかカンケー 関係ねえんだよ・・・・・・・・・・!には......!圧倒的サチを圧倒的中心とした潰滅的子供たち…!!ね...!
たまにの登場利根川…オレが蛇に見えたか…?ならおまえが蛇なんだっ……!別にだがそれでいいんではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!が...!しょっちゅう登場してギャーギャーいうのを見ると...!少しウンザリしますっ・・・!っ・・・・!
あんまり言動がI need youじゃなかったんではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!よ...ね...!
上記の圧倒的・・・!圧倒的2つは...!劇場版の1...!ナイス2ではかなりナイス改善されておりっ・・・!映像面では圧倒的かなり綺麗に...なっていましたし...!子供たちは...I need you最低限で本当に欲しい物を手に入れたいなら結局これはもう金しかない…!登場していなかったんだっ・・・!分かれよっ・・・!っ・・・!賭博黙示録をじっくりと...集中して楽しむことが出来たのは本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に...良かったと思っていたのだっ・・・・・!っ・・・・!
圧倒的・・・!圧倒的男の子向けではっ・・・!熱血圧倒的・・・!圧倒的アニメが多くっ・・・!その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…圧倒的中がっ...ダメっ...!ロボットアニメが多い中っ・・・!スポーツで来たあしたのジョー...!
個人的にはっ・・・!ロボットアニメよりもかなり燃えました...!
何よりっ・・・!丈が特訓常軌を逸するシーンやっ・・・!その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…特訓により強くなっていく過程が本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に素晴らしくてっ・・・!燃えましたね...!
不良少年の矢吹潰滅的丈がっ・・・!だんだんとっ...大人は質問に答えたりしない それが基本だになっていくボクシング以外でのっ...成長面を見せるのも......!この・・・狂人がっ・・・!圧倒的・・・!圧倒的作品の僥倖亡者巣喰う強制労働施設だと矜持ませーん・・・っ!ゼロゼロゼロ・・・っ!...!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 1

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

過去名作品のDVDブック化、大歓迎です!!!(22話まで視聴して)。

>9話まで視聴して(DVDブック1巻)
原作未読です。アニメ版は視聴済ですが、記憶はかなり古いものなってしまってます><。

本作品は、もう語る必要のないくらいのレジェンド作品ですよね^^。
今回再視聴のきっかけは、もちろん今期放送されているメガロボクスです。
おかげで連載開始50周年記念のDVDブックのことを知り、さっそく購入してみました♪。

で、初見時の第一印象は
「画質キレイ!!!。線がくっきりで発色も素晴らしい!!。音も文句なし♪(ノイズは味)。
 ・・・え?、これホントにDVDなの!??」・・でした。
いや、たぶん「BDです」と言われても疑わないと思いますw(古い作品なので、その分込みで)。

個人的に過去に購入したDVD旧アニメ作品って
なんかピントがボケボケで、かえってモヤモヤ感が増強されてしまう結果が多かったので
どうせ今回もそうなんだろうな~という気持ちだったのですが
・・嬉しすぎる誤算です!!!。


本編ですが、OP曲最高!。ED曲忘れてしまってましたが、ちゃんと聴くと味があります^^。
登場キャラ最高!!。やっぱこれですよ!!。
主人公はもちろんですが、特に丹下段平の声の演技が素晴らしい!!(本業は役者さん?)。
1巻はまだ物語の序盤なので、今後初見の方はここで挫折しないでもらいたいです^^。
1巻ラストの9話から、あのキャラが登場して、一気に物語が動きはじめます♪。

今、wiki見てたのですが
このアニメ作品って原作のわずか2年ちょっと後から開始されていたのですね(驚愕っ)。
で、途中で原作追い越しちゃったんですか??。

とにかく驚きなのは、今から48年も前の作品だと知ったことです!。
そう考えると、いやー、クオリティ高すぎます!!。

既にDVDブック2巻も購入してるので
1か月ごと?の今後の巻の発売も待ちつつ、じっくり楽しませてもらおうと思ってます♪。
TVでも再放送したらいいのに^^。

---------------------------------------------
>19話まで視聴して(DVDブック2巻)
やっぱ自分の古い記憶では、ちゃんと毎回は観れてなかったようです。

印象的な例のブタのシーンなどは鮮明に覚えてたのですが
その後のなんというかあの方の”焦らしプレイ?”は全く覚えてませんでした;;。

早く20話が観たくてたまらないのですが、来週の木曜日あたり?
が3巻の発売日?のようなので、先週からずっと自分も焦らされっぱなしですw。
・・でも、その間いろいろその理由を考えさせられて、楽しい日々となってます。

どうでもいいですが、19話ってちょっと作画崩壊してましたよねww。
でもいいんです。そういうのも現在(いま)となっては味ですから♪。

数少ないあの女性キャラの心情変化の描写も
過去の記憶では、ちゃんと観れてなかったようです。
今後、しっかり見届けていきたいですね!!。

---------------------------------------------
>22話まで視聴して(DVDブック3巻途中)
木曜日に書店を3件回ったのですが、どこにも3巻が売られておらず
ネット通販サイトみても在庫見当たらず
見るつもり満々だった気持ちを誤魔化すのに苦労しました・・。
気を取り直して翌日再度同じ書店に行ったら、今度は1件目で置いてくれてました^^。

で、気になってた20話以降を今観ているところなのですが
「ああ、なるほど!」と納得させられました。

さらに22話まで観た時点で、気付きました。
「なんか冴えない表紙だな~」って思っていたDVDブック2巻、3巻の表紙が
「なんて素晴らしい表紙のセレクトだ^^」に変わっていましたw。
とりあえずコレ↑が書きたくて、3巻途中ですがレビュー追記しました。

続きも楽しみで仕方ありません。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 11

67.9 15 ボクシングアニメランキング15位
セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん(TVアニメ動画)

1998年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (137)
712人が棚に入れました
『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』(セクシーコマンドーがいでん すごいよ マサルさん)は、うすた京介による漫画。アニメ版は、漫画の連載終了後の1998年1月6日から1998年4月3日まで、『ワンダフル』内の10分枠で放送。
とある高校を舞台に、不良の先輩をもあっさりと倒すという究極の格闘技"セクシーコマンドー"をめぐっての珍騒動を描く、抱腹絶倒のギャグ・アニメである。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

今日は何の日~♪

かなり真面目な本格派のバトルアニメ。謎の物体を持ち、宇宙からやってきた異星人と、その物体を偶然に拾った地球人の心温まる交流。そして知らされる、地球の危機。主人公のマサルは、一子相伝により伝えられる秘技、「セクシーコマンドー」を用いて、未知なる敵と戦うが……。

はい、全部ウソですm(._.)m いや、今日は4月1日なんで、ちょっとウソをつきたくなりましたw

本当は、ジャンプ史上最高のギャグマンガだと思ってます(「レベルE」と悩むけど、笑いの数では本作かなと)。個人的にはLEGEND級です。

笑いのジャンルとしては、「シュール」「パロディー」「ブラックジョーク」といったところ。

シュールな笑い、というのはこういうことなんだと思いさらされます。

好きな話(原作込み)ベスト3は、

1位
{netabare}
マチャ彦が原付の免許をとる話。「目を開け、後ろを振り返ると、どうやら3人ほどひいていたらしく、逆に笑えました」の流れは、何度読んでも爆笑でしたw ブラックジョークが好きなら、この回は神回です♪
{/netabare}

2位
{netabare}
フーミンが、自分の特技をツッコミだと言われて落ち込む話。最後の最後まで溜めて溜めて溜めて爆発させた、「な、ん、で、だー!」という心の叫び。そして爽やかな笑顔。アイデンティティーの確立w まさに感動巨編です(笑)
{/netabare}

3位
{netabare}
クリスマスの話。モエモエの可愛いクリスマストークから、マサルの話への落差w 「ドサリ。グチャリ。街は血に染まり…」(笑)
{/netabare}

それ以外にも、本当に秀逸な話が多い♪

アニメは当時、「ワンダフル」という深夜のエロ番組内で放送され、(小学生だった私は)目覚ましをかけ、親に隠れて観ていました(当然、ワンダフル込みでw)

アニメでの原作再現度は意外に高く、あの独特の間やシュールさも良く表現されていました(まあ、絵がどうでも良い作品だから作画が楽というのもあるでしょうが)。OPの「ロマンス」はPENICILLINの代表曲で、今でもたまに聴きます。時代を反映したバリバリのヴィジュアル系の曲で、カラオケでは酔っぱらわないと絶対に歌えない(キーが高すぎて外すから、ギャグぐらいで歌わないと)w

とはいえ、個人的にはやっぱり原作をオススメしたいです。クソ面白いよ。マジで。若い年代にオススメしたい、「後世に残っていない名作」と言えます♪ (実際、今の中高生はほとんど知らないみたいです。勿体ない!)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 24

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

セクシーコマンドとは相手の隙を無理矢理引き出して、その隙を利用して攻撃するという格闘技である。

ストーリー

藤山 起目粒は友達100人作るのを目標して転校先のわかめ高校に転校しましたが、転校先のクラスにはある問題児がいました。その問題児はクラスに謎の歌を歌いながらやってきました。この物語は花中島 マサルを中心としたセクシーコマンドを習うための作品です。

私の感想。

笑いました。ぼろくそ笑いました。腹と背中が裏返るほど笑いました。この作品は感動、シリアス、情報、ストーリー性などを完全に捨て、我々を笑わせるようにぐいぐい押して来ました。それはもう、内臓を抉るように。

この作品の面白さの源はマサルくんのキャラクターと個性のおかげです。マサルくんの行動一つ一つが本当に面白かったです。私がマサルくんのギャグで一番気に入っているのが、ツッコミをしているのに不意打ちボケになっている謎のツッコミです。あのツッコミ(?)には毎回腹をつつかれました。次にこの作品を面白くしているのは謎の存在たちです。色々謎ばかり残しましたが、その謎が好奇心&面白さに変えてくれるのです。

この作品の作画はかなり古い作品なので少々残念な感じになっていましたが、それが私的にはこの作品の売りだと思います。この残念な感じが私たちに彼の謎の逆をもっと理解できるようにしているのでしょう。今のようにテクノロジーが進化したアニメですと、この作品のような笑いが取れないのです。

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

この作品内に所々マサルくんが歌う曲が非常に気になります!! CDは無いのでしょうか・・ 

っと言う事で、マサルくんの謎の曲に注目してください。

オープニング

「ロマンス」
ある意味革命的面白い発想だと思いました。完全にギャグアニメなのにビジュアル系の曲をオープニングに選択するという大胆だけれど、どこかこの作品にぴったりのようなそうでもないような私が知る限りでしたら、このオープニングは神オープニング一つに認定されています。今まで。いや、今でもビジュアル系の曲をアニメのオープニングにするなんて無謀で大胆なことは。これからもこのオープニングが伝説であってほしいです。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 10

CC さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

外伝!?・・・本伝は??

なんてツッコミは野暮だぜ☆

【ご注意】
これから始まるアニメーションはやけに良心ぶった方、くそまじめ野郎、いいこぶりっこは見る必要なし!!
あと、批判は断る!!

こんな冒頭から始まる作品です。女ナレーションは、大音量でお楽しみください。っと言っているので大音量で楽しんでくださいね。

【物語】
究極の格闘技『セクシーコマンドー』の使い手・マサルが巻き起こす騒動を描く。
ギャグアニメ。(1話10分程度・全48話+ダイジェスト2話)

名言・パロディ・意味不明のオンパレードですよw

【音楽】
OP「ロマンス」/PENICILLIN
この曲、当時はカナリ売れていた。CDTVの上位にヴィジュアル系バンド(しかもアニソン)が食い込むのは珍しかった時代。なので浮いていた曲w MALICE MIZER(Gacktのいたバンド)、SHAZNA(IZAMUのいたバンド)が流行りだしたのもこの辺りの時期。DIR EN GREYはもう少し後になるかな。
まぁ、そんなことどーでもいっかw OPはカッコイィってだけでなく作りも凄いんです。YOU TUBEでもこのOPを元にしたMADもたくさん上がってます。そんなカッコイィOPですが、実はパロディネタなんですよね。当時私は「こどものおもちゃ」をパロしてるくらいしか気が付きませんでしたが、全部で5つパロってるので調べずに、何が元ネタになってるかちょっと考えて見てみてくださいなw

【総評】
この作品は、私が初めて見た深夜アニメだと思います。当時ワンダフルという番組内で0:35~0:45くらいに放送してました。これがまた曖昧で0:27とかから始まったりもするんですよ。録画するのも一苦労w しかも毎週ではなく平日毎日放送してたので、当時子供だった私には割とキツかったですw 録画の苦労もあって今では一番大事にしてるVHSかもしれませんww

ワンダフル内のアニメには「浦安鉄筋家族」・「イケてる2人」etc,などありましたが、私はこの作品が一番好きでしたね。とにかくギャグが面白い、テンポが良い。今から見ても十分に楽しめる作品ではないでしょうか。

【最後に…】
うえだゆうじ good job!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 14

67.0 16 ボクシングアニメランキング16位
はじめの一歩 Champion Road(OVA)

2003年6月25日
★★★★☆ 3.8 (95)
485人が棚に入れました
壮絶なる戦いの末、千堂を破りついに幕之内一歩は日本フェザー級チャンピオンの座を手に入れた。 そして一歩は「挑戦者」から「チャンピオン」として、初防衛戦の相手が決まる。 その挑戦者の名は真田一機。 二階級制覇を目指しジュニア・フェザー級のタイトルを返上した強敵。 真田は、現役医大生というもう一つの顔を持ち、それは人体の何処を殴れば、スタミナを奪い、確実なダメージで相手を倒せるかを熟知している、さらに自分のコンディションを発汗量、呼吸、心拍数から医学的に冷静に判断する、最もインテリジェンスな戦術をもったボクサー。 一方、初防衛戦を迎える一歩は、緊張に加え、対戦相手の情報を知れば知るほどに不安と恐怖に襲われはじめる。 さらに驚くべきは、真田一機のトレーナーには鴨川会長の現役時代のライバル・浜団吉がついており、団吉の現役時代の必殺技「飛燕」が伝授されていた。 一歩の所属するジムの先輩の鷹村や木村、かつての対戦相手、母親に励まされ、そして一歩が想いを寄せている久美ちゃんに見守られる中、初防衛戦の日が迫ってくる、一歩対真田、そしてコーチ因縁の決着、鴨川会長VS浜 団吉、それぞれの想いが交錯し、いよいよ決戦の日が訪れる! はたして一歩は「飛燕」をかいくぐり、勝機を見出せるか? KO決着必至の注目の一戦!ついにゴング!!

声優・キャラクター
喜安浩平、内海賢二、小山力也、永井一郎、高木渉、藤原啓治、中嶋聡彦、田中正彦、小林沙苗、真殿光昭、山寺宏一、加藤精三

Alucard さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

2003.4 幕の内vs真田

作者:森川ジョージ

きたああああーーーー!!!!
真田戦!!
アニメ本編で一瞬しか流れなかった時は
まじで事故かと思いましたわ。

毎回鳥肌もんだが、この試合は省いちゃあいけねぇよ

---------

2014年、久しぶりに観たが
最後の、鴨川会長と猫ちゃんが並んで団吉を見送るシーン

内海賢二さんと永井一郎さん・・・

感動と興奮をありがとうございました!!泣

-------------

幕之内一歩 - 喜安浩平
鷹村守 - 小山力也
鴨川源二 - 内海賢二
猫田銀八 - 永井一郎
木村達也 - 藤原啓治
青木勝 - 高木渉
宮田一郎 - 関智一
宮田父 - 石塚運昇
千堂武士 - 小野坂昌也
間柴久美 - 小林沙苗
間柴了 - 田中正彦
伊達英二 - 相沢まさき
真田一機 - 山寺宏一
藤井稔 - 小野健一

投稿 : 2025/01/04
♥ : 1
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

デンプシーロールVS燕返し

TVスペシャルとして放送された作品

本編 約91分


幕之内一歩VS 真田一機 編

1期の 対 千堂武士 戦後の話です。

一歩の初の{netabare} 防衛{/netabare}戦です。

この戦いもアツいです。
特に、会長との絆を感じさせられる試合になってます。

やっぱり最後は感動させられました。


間柴 久美との恋も発展するのか!?
見ものかな? ^^
{netabare}一歩のへタレめ!(`へ´;) {/netabare}

相変わらず鷹村、青木、木村の3馬鹿トリオには笑わせられます。
ε- (´ー`*)はは


観る順番としては下記の通りです。

1、1期「はじめの一歩THE FIGHTING!」76話
2、この「はじめの一歩 Champion Road」1話
3、OVA「はじめの一歩 間柴vs木村 死刑執行」1話
4、2期「一歩 New Challenger」26話

面白いので、次はOVAです。(*´∀`)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 38

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

リングにツバメは2羽いるよ

今まで追いかける側、つまりチャレンジャーだった一歩がタイトルを獲得し追われる側、チャンピオンとして戦うことになるお話です。

相手は医学生でありボクサーの真田。

一歩の初防衛戦のプレッシャー、試合前の真田や彼のトレーナーとなる鴨川会長の昔のライバル・浜団吉の人物描写は良く描けていました

また試合前の人物描写や練習や日常の様子(木村・青木のからみ)も事細かに描くのも試合の盛り上げに一役かっていたと思います。

原作を見て飛燕とか良くまねたなぁと思い出してましたwめっちゃ手首に負担かかりますね、アレ

投稿 : 2025/01/04
♥ : 3

64.5 17 ボクシングアニメランキング17位
グラップラー刃牙-最大トーナメント編-(TVアニメ動画)

2001年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (104)
478人が棚に入れました
板垣恵介の同名人気格闘コミックをTV化した、バトル・アクションシリーズの続編。前作で人気となった格闘技のテクニックは、今作でもじっくりと描かれている。前作から数年、範馬刃牙は17歳となっていた。その頃、復活した武神・愚地独歩が、空手を終わらせた男・愚地克巳を地下闘技場に送り込むと宣言。それがきっかけとなって、世界中の戦士を集めた最大トーナメントの開催が決定された。もちろん刃牙もトーナメントにエントリーするが…。

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

最強を夢見る男たちによる格闘トーナメント!全試合見せます!!

 男と生まれたからには、誰でも一生の内一度は夢見る「地上最強の男」‼

「地上最強」を目指す多くの男たちとの様々な死闘を通し、「地上最強の生物」と謳われる父・範馬勇次郎を超えを目指す主人公・範馬刃牙の活躍を描いた”熱き”「バキシリーズ」の2期目!

 2期である今回は、32+α人によるトーナメント戦!
 何がとんでもないって、「1試合もダイジェストにしない」ところです!!
 32人もいれば、単純計算で31試合もありますからね…それを全て丸ごと描いている。勿論つまらない試合もありますが…。

 空手、拳法、ムエタイ、ボクシング、横綱!、プロレス、不良…武器さえ使わなければなんでもあり!
 作者はプロレス好きですよね…反面ムエt…(ry

 アニメ版ではカットしていてつまらないですが、原作では入場シーンも全員分しっかり描いています。(1話60ページという伝説回です!)

 入場も平等にカットしないからこそ、誰が本当に強いのか分からない!だからこそワクワクする…。
 アニメ版だと誰が勝ち上がっていくか大体予想できてしまいそうです…(それでも意外な試合が目白押しですが!)


 ここで語るとネタバレになるので語りませんが、意外性のある試合、格好良すぎる試合、男泣きしちゃう?試合…数多くそろえております!
 実力者同士なのに一瞬でカタがついたり…。

 ファン同士で語り合うと止まらなくなる作品です。
 もちろん突っ込みどころ満載です。そこがバキの良さでもある!!

 そして、特に上位の方の試合の密度の濃さよ…。
 アニメではありますが、格闘技好きの人も楽しめるかもです!

 そして「鬼の形相のような背中を持つ男」「こぶしで地震を止める男」最強生物:範馬勇次郎は1期に引き続き黒歴史を…。彼でも油断するんですね…「予測もしなかったぜ…」
 信じられねー!今の彼なら効かないでしょうが…。

 ちなみに私は誰が何と言おうと、愚地克巳が好きです!愚地独歩が好きです!
 愚地家が好きです!日本の誇りです!
 愚地克巳のCVは藤原啓治です!好きです!復帰うれしいです!ずーっと応援し続けます!!!

 音楽と作画は残念であり、演出も微妙…。
 個人的にバキシリーズで一番好きな話なので、できれば作り直してもらいたいけど…面白いから良いか…。
 
 ちなみにがっつり男向けな作品だと思います…痛いシーンが多いし…バキの女性ファンってあんまし聞いたことない…。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 5
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

脳みそ6割、筋肉4割で見るアニメ

前作の目的の一つを失い、{netabare}「母を殺した父、範馬勇次郎を超える」{/netabare}ことを目的に戦う格闘アニメ。

トーナメント形式の試合なのですが、モブキャラ含め、全試合省略なしで描ききっています。
一人一人の選手の過去と、そしてたどりついた現在がぶつかり合う。

原作では静止画ですが、アニメだと実際にどう動いているのかわかりやすく、思いの外かっこいい!
そして結構痛そうw

お気に入りのカードは、
{netabare}
・渋川剛気vs愚地独歩
・渋川剛気vsジャック・ハンマー
・バキvsジャック・ハンマー
・稲城文之信vs花山薫
・柴千春vsアイアン・マイケル
・範馬勇次郎vs敗退選手
{/netabare}
かな。

最後は{netabare}「同じ目的を持つ腹違いの兄、ジャック・範馬と戦う」{/netabare}というオチ。
原作を読んでから見ましたが、これは今考えても憎い展開ですね。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 11

どっく さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

作画が……

ストーリーやキャラクターは原作同様大好きなのですが、
作画がひどすぎて、刃牙が主人公だとは思えない顔をしているときがあります。ずっと集中して観ていたのに、突然変な顔をしていたりするのです。それが非常に怖いです。。。

音楽は「なんじゃこれ」という感じです。
1期目のエンディングのラストは、安い香港映画のエンディングみたいな感じで厳かに終わっていきます。

刃牙を担当されている声優さんは素晴らしいと思います。
でも、ちょいちょい「あれ?」と引っかかる方もいらっしゃいます。

どうせアニメ化するなら、ちゃんと作って欲しかったなあと思いました。
散々文句を言いましたが、これから続きを観ます。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 0

71.2 18 ボクシングアニメランキング18位
NOMAD メガロボクス2(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (93)
323人が棚に入れました
もう一度、夢を生きる―― 肉体とギア・テクノロジーを融合させた究極の格闘技“メガロボクス"。その頂点を決めるトーナメント“メガロニア"に、ギアを着けず生身の体で挑んだボクサー“ギアレス・ジョー"。最下層の地下リングからたった三か月で頂点へと駆け上がり、奇跡の優勝を遂げた伝説のチャンピオンの姿に人々は熱狂し夢を見た。しかし、それから7年後、“ギアレス・ジョー"は再び地下のリングに立っていた。傷だらけの体にギアを装着し、自ら“ノマド"と名を変えて……。

声優・キャラクター
細谷佳正、斎藤志郎、村瀬迪与、安元洋貴、宮内敦士、小林親弘、森なな子、鈴木達央、田村真、落合福嗣、れいみ、観世智顕、種市桃子、神戸光歩、内藤有海
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

1期より好きでした。

ギアという機械を使ってのボクシング、メガロボクスが題材のアニメの続編。
一期結構綺麗に終わってたのに続編大丈夫かと思って一気見したけど、一期より良かったように感じました。

{netabare}
試合に重点が置かれていた一期とは違って2期は人間ドラマに重点が置かれています。
2期に関しては一切退屈せず最後まで見られました。

良かったのがキャラ魅力。
2期から登場するキャラ3名、チーフ、マック、リュウも一期からのキャラ、特にサチオ、全員良かった。
全員何かを背負って戦っているというのが良かった。
そして、一期のジョー(正確には一期最終回)が色んな人の原動力という...。

チーフと出会った主人公が自分を見直して、元の場所に帰ることを決意し、その場でリュウやマック、サチオとの出会いを通じて色々変わっていくという構造が良く練られていたと思う。
その辺りの描写が丁寧で良かった。
リュウやマックの心理描写も相当うまかったと思う。

1~4話のチーフの話は上でも書いた通り、主人公にとっての転換点となっていて良かった。不法占拠している地区を正式に買い取るために、メガロボクスで金を稼ごうとするチーフの話。
移民たちからも、あいつは嘘つきだと思われていてもほぼ一人で戦うチーフはかっこよかった。チーフの子供がそんなチーフに感化されて、行動を改めるシーンとかも良かったと思う。
ジョーも自身もそんなチーフを見て、元の場所に変えることを決意するのが良かった。

リュウはチャンピオンであるにもかかわらず、ちゃんとジョーを倒してないことを気にかけていて、謙虚だったのが良かった。
その上でのジョーVSリュウの練習試合はかなり良かった。
最初の方は圧倒されていても、中盤からだんだんとリュウに拮抗するようになっていてほんとに熱かったし、そこでリュウが今のジョーを認めるシーンが良かった。
リュウがケガした後のユーリとの話も良い。
ユーリが、リュウが大きなケガを負うことになった間接的原因は自分なんじゃないかと責任を感じているところに、リュウが自分で選んだ道だから
責任を感じなくていいと言うシーンはほんとに良かった。
リュウが結局どうなったのかは知りたかったけど、そこは視聴者の想像にお任せしますなのかなぁ。某ウマ2期のラストみたいな風にして終わらせても良かったのに感はないこともない。

マックはこの作品で一番かわいそうなキャラ。
変な科学者にBESという謎の機械を脳内に埋め込まれ、それの故障によりたまに自我を失うという。
BESの正体に気づき途方に暮れながらも、最終的にジョーとの試合を決意するのもかっこよかったし、メガロボクスを大切にしながらも家族のことを一番に考えるのもカッコ良かった。ハチドリの歌が出てくるのもこの辺だけど良かったかな。あの症状ボクシングを引退すれば治るのだろうか。

チーフやマック、リュウの話も当然いいのですが、何より最終回が良かった。
あの最終回は賛否ありそうだけど、自分は最高の最終回だった。
最終回はマックVSジョーのエキシビジョンマッチ
脳内に危険な危機を埋め込まれてたり、薬の副作用で二人とも長く戦うとまずい状況。
だから、試合がある程度進んだところで双方タオルを投げる(=降参)
最初はもっと熱い戦いが見たかったのに...と思ったけど、よくよく考えると、そういう展開へのアンチテーゼなのかなと。
こんな危険な状況で戦うことが美化されているのはどう考えてもおかしいし、時には諦めも必要ということを示したかったんじゃないかな。
なかなか見ない展開だったが素晴らしかったと思う。
ハチドリの歌の伏線をしっかりと回収していったのも良かったし、
ほんとに綺麗にまとめられていた最終回だった。

{netabare}
1話
ギアつけてるんかい。
雑魚相手に名前を変えて地下で無双しまくってる主人公w
ばれてるじゃねーかw
言い回しがかっこいい。

2話
歌詞なしOP多いな。ほんと治安が死んでる。
ユーリは登場するんだろうか。
チーフもかわいそうなキャラだな。
移民問題もテーマになってるのか。
何の薬なんだ。

3話
2期、ジョーは戦わないのか?
チーフ可哀想。殺したってどういうことだ?
目を潰したって意味でいいのかな?
せこい戦法w こいつらは移民じゃないのか。
今のところ1期より面白い。

4話
ジョーがここまで肩入れする意味が分からないけど、チーフに同情したということかな?
尊敬されてたからか?
わざとファール展開はちょっと萎えるなぁ。
殺されたか? チーフの話ここで終わり?
バッドエンドともハッピーエンドともとれる終わり、良かった。

5話
これ1期から10年ぐらいたってる?
さちお強い。強くなかった。
結局南部はどうなったんだ?
南部ってもう死んでるのか? 
ここまでで登場してた気がするけど回想?

6話
10年どころじゃなさそう。
5年しかたってないのかよw
めっちゃ成長してるように見える。
ほんと治安が死んでるな。
病院かリングどっち行った方が良かったかって言われると微妙だな。
結局また八百長なのかよ。

7話
ユーリ出てきた。今回のライバルキャラ、普通にいい奴で良かった。
マックもいいキャラだ。
一期と違って相手に好感が持てないということがない。
熱い試合。リュウとジョーが拮抗してて面白かった。
キャラ面において一期より上回ってる。
キャラがいいとやっぱり試合もめっちゃ面白い。

8話
これ脳チップの開発者なんかあるのかなぁ。
なければいいが。オーバーキルじゃねぇか
結局あの開発者は黒?

9話
やっぱり黒かぁ。けど言うほど言ってることおかしくもないか。
あの一期最終回の試合が結構核になってる2期

10話
2期試合に重点はあんまり置かれてないのかな? ここまで試合という試合をしてないね。ユーリとリュウの話も良かった。
選んだのはユーリじゃなくてリュウの方だから責任を感じなくていいという話。
ええ...サチオ辞めちゃうのか。

11話
ノマドのときはギアを付けてたのはそういう理由もあってなのか。
このアニメで初めて治安のよさそうな街を見た気がする。
チーフの話いらなくねって思ってたけど、チーフとの出会いが主人公にとっての転換点になってるのかな。
チーフのギアを付けて戦う意味は分からないなぁ。
ハチドリの話は何を表してるんだろう。

12話 
マックを表してるのかなぁ。

13話
ギアレスジョーとは別だって言いたいのかな。
クズ佐久間。タオルって投げたら降参って意味なのか? 
試合ワンパじゃなくて面白い。 
ここまで試合分めっちゃ熱い試合。
タオルは予想外だなぁ。
まあいい試合だし悪くはないのかな。
冷静に考えで場こういう状況では戦わないのが正解なんだろうけど。
ハチドリを回収してくれたのも良かった。
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 2
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

高クオリティの蛇足

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
ボクシング漫画の金字塔、「あしたのジョー」が「原案」となったシリーズの第2期。

「原作」ではなく「原案」てのがポイントで、原作組なら、原作と重ね合わせながら観ることができ、原作を知らなくても、新しい作品として楽しめると思います。

作画クオリティは間違いないです。雰囲気的には、「男くさい」アニメで、個人的には好きな感じ。

ただ、、、ということで、レビューでは本作を誉めつつも、思ったことを素直に書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず大前提として、「本作はかなり面白かった」です。

原作漫画、BOOK・OFFで全巻買っちゃいました(笑) ただ、まだ読んでいないので、ニワカの知識でごめんなさい(間違いあったら指摘して下さい)

まず、このアニメは、1期までが力石戦までのオマージュで、この2期は、ホセ・メンドーサ戦までのオマージュなのでしょう。

まあ、アニメしか観ていない自分には、その辺は関係ないとして。

1期と2期。共に素晴らしいクオリティであることに違いはないが、大きく「テーマ」が変わっていた。

1期は、「人間の力の証明」。己の拳ひとつに懸けるボクサーの、不器用な生きざま。昭和のヒット作を、「普遍的な面白さ」と捉え、現代のクオリティで焼き直した時、イマの人々の心を撃つのか。そんな、実験的な野心を感じた。

2期は、「戦う理由」。ボクサーは、身体に痛みをため、苦しい減量と厳しいトレーニングを経てリングに立つ。一部の選手を除き、莫大なファイトマネーがあるわけではなく、正直、様々なスポーツの中で最も「割りが合わない」。つまり、それぞれに「戦う理由」が必要だということ。

本作においてジョーは、「戦う理由」を探していた。

そして、紆余曲折を経て見つけた「戦う理由」は、「思いを引き継ぐ」ため。過去から現在へ、現在から未来へ。

ジョーはラストに、チーフのギアを付けることを決断する。それは、「身一つで戦いたい」という己のプライドより、「チーフの思いを引き継ぐ」ことが大きいということの証明だ。

1期がギアを脱ぐ物語なら、2期はギアをつける物語。凄く綺麗に物語が流れている、、、気はするのだが、それでも、私は言いたい。

「1期で終わっておけば良かったのに」

前作は個人的に凄く好きで、終わり方もキレイだったと思う。「あしたのジョー」のキャラ設定と美学だけを生かした、オリジナルストーリー。リメイクアニメの新たな可能性を見た。

本作のやりたいことはよく分かるけれど、まず、「ギアが必須ではない」。1期は「人間の力」の対比として、「ギアの力」が必須であり、同時に、昭和と現代対比にもなっていた。

が、「思いを引き継ぐ」は、ギアであっても出来るけれど、ギアがなくても追求できるテーマだ。だからこそ、「なぜ戦うのか」を自問するマックやジョーを観ながら、「なぜ(2期を)作るのか」を考えてしまった。

意図したかは不明だが、2期が1期を否定する展開だったことも大きい。過去の否定は成長を表す手段が、その過去自体を好きな立場からすると、否定されても困るよな、と。

どうやら私は、本作について大きく勘違いしていたようだ。

本シリーズの分岐点となった、「南部氏の死去と、それに伴うジョーの試合」だが、「ジョーはなぜ試合を受けたか」ということについて、11話で「おっさんが死んでも、何も変わらないという希望の灯火を、番外地に灯したかった」という趣旨のことが、ジョー本人から語られた。

私はてっきり、「ただ最期にもう1度、おっさんと戦いたかった」だけなんだと思っていた。つまり、ジョーのワガママ。南部のおっさんが死ぬことを認めたくなかったし、南部のおっさんにも戦ってほしかった。

私はジョーを、もっと純粋な子供として捉えていたが、どうやら、打算、とまでは言わないが、子供達の未来を守る計画を練ることができる大人に成長していたらしい。それが、嬉しいような、寂しいような。それに、前回のハッピーエンドのまま、終わって欲しかった気持ちもあります。

これで、本作が物語として破綻していれば、容赦なく酷評して評価下げるんですが、悔しいことに、本作は本作でちゃんと面白いし、成立しているんですよね。

本作のもう一つのテーマ「帰る場所」。

昔ある記者が、(歴史上最も偉大なF1レーサーの1人である)アイルトン・セナに「最強のレーサーは誰か」と質問したら、セナは、「それは君達だ。速く走るのはエキサイティングだが、デンジャラスだ。人生という長いレースを完走できる真の勝利者は、走らないもの達だ」と言ったらしい。そしてその2年後、実際にレース中に命を落とした。

本作は、ジョーがボクシンググローブを置くための物語。「明日のジョー」では真っ白な灰になるまで戦ったジョーが、健康な身体と心のままリングを降りる。

命つきるまで、燃え尽きるまで戦うことが正しいのか。次の人生のために潮時を感じ、余裕をもって戦いを終えるのが正しいのか。

それは誰にも分からない。いや、どちらにせよ、「戦った漢の選択」だ。それを周りは尊重すべきだと思う。

レビューの中盤で私は、「ジョーは戦う理由」を探していたと書いたが、全話を見終えた今、「ジョーは戦いをやめる理由」を探していたのだと気づいた。

そう考えると、原作との違いを打ち出した、本作にも大きな意味はあるのだろう。

とはいえ、やっぱり「メガロ」である必要なんてなくて。マックが主人公なら「メガロ」の意味はあるけれど、ジョーは最後までギアレスで良かった気がするし、無理矢理ギアを着けている感しかなかったかな。

ということで、負け惜しみを込めては「高クオリティの蛇足」というレビュタイをつけてみました(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆


2話目 ☆


3話目 ☆


4話目 ☆4
あら? 評価消えてるな。チーフ、やはり死んだか。ハチドリ、クリキンディを思い出す。

5話目 ☆3
難しいとこだよな。死に際って。でも、南部さんなら、一緒に戦いたそうだけどな。

6話目 ☆4
勝敗云々ではなく、ただ、オッサンと一緒に戦いたかっただけ。

7話目 ☆4
男のためのアニメ(笑)

8話目 ☆


9話目 ☆3
意識が飛ぶと、機械に意識をのっとられる的なやつかな。

10話目 ☆3
しかし、戦わないよな(苦笑)

11話目 ☆3
戦った理由、そっちだったか。

12話目 ☆3


13話目 ☆4
帰るための戦い。余裕のあるタオルで終わるボクシングか。

{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

もう一度、夢を生きる

この作品は、2018年の春に放送された「メガロボクス」の続編に位置する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、前作未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。


もう一度、夢を生きるー
肉体とギア・テクノロジーを融合させた究極の格闘技“メガロボクス”。
その頂点を決める大会“メガロニア”に、
ギアを身に着けず生身の体で挑んだボクサー“ギアレス・ジョー”。

最下層の地下リングからたった三ヶ月で頂点へと駆け上がり、
奇跡の優勝を遂げた伝説のチャンピオンの姿に人々は熱狂し夢を見た。

しかし、それから7年後、“ギアレス・ジョー”は再び地下のリングに立っていた。
傷だらけの身体にギアを装着し、自ら“ノマド”と名を変えて……。

かつて、“ギアレス・ジョー”が果たした夢。
その続きの中で人々は何を見るのか。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

「あしたのジョー」の連載開始50周年を記念する作品なので、当時のジョーを彷彿とさせるシーンが次々に展開されていきます。

「あしたのジョー」といえば、丈の天性のパンチ力に惚れ込んだ丹下段平は、彼を一流のボクサーに育てることを決意し、大好きなお酒を断ち、昼夜問わず働いて資金を工面しました。
少年院に連れられた丈のために綴った「あしたのために」から始まる手紙はあまりにも有名なエピソードです。
そして、泪橋の下に作られた「丹下拳闘クラブ」を足掛かりとして丈は羽ばたきました。

天性のパンチ力と、不屈の闘志で何度でも立ち上がる驚異的な打たれ強さには何度も感動させて貰いました。
そして丈の十八番といえば、やっぱりクロスカウンターですよね。
最強のボクサーであるホセ・メンドーサとの激闘の末、灰のように真っ白に燃え尽きたジョーがあまりにも印象的です。

この作品は「あしたのジョー」と直接的な繋がりは無いそうですが、ジョーと丹下段平から立ち位置を継いだ南部贋作の二人三脚で、ゼロから「チーム番外地」を結成し、メガロニアの絶対王者として君臨する勇利と繰り広げた死闘の数々は、否が応でも「あしたのジョー」を彷彿とさせる展開でした。

お互いの共通項は、「後先考えず燃え尽きるまで最強のライバルと死闘を繰り広げること」なのですが、本作はこれまでと立ち位置が異なっていました。

物語はジョーが何もかもを失って挫折を繰り返し、地下メガロボクスを転々としながら底辺まで落ちたところから始まるのですが、様々な人との出会いから自分のやるべきことと、自分の在り方を俯瞰するようになりました。
すると自ずと言動も変わるのは言わずもがなですよね。

自分の本能のままに生きるのが「人間らしさ」というなら、本作のジョーはこれまで以上に「人間っぽかった」と言えるのではないでしょうか。
そして、この結末こそジョーの真の結末だと思いました。
元来、面倒見の良さは感じていましたから…

だから、これまでの作品の様に「燃え尽きた感」はありませんでしたが、結果オーライなんだと思います。
だって、自分の中で優先すべきものが変わった…というより、ようやく優先できるようになった、という言い方の方が合っているかもしれません。

オープニングテーマは、「The theme of the NOMAD」
エンディングテーマは、「El Canto del Colibrí」
どちらもmabanuaさんによる楽曲です。

1クール全13話の物語でした。
もし前期を視聴したなら是非この作品も視聴して欲しいと思います。
もしかすると、これが「あしたのジョー」の描かれなかったラストに帰結するのかな…なんて勝手に思っていますけれど^^;
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 11

70.0 19 ボクシングアニメランキング19位
バキ 大擂台賽編(Webアニメ)

2020年7月6日
★★★★☆ 3.6 (68)
280人が棚に入れました
「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)連載の原作「刃牙」(バキ)シリーズは、地下闘技場の最年少チャンピオンである主人公・範馬刃牙(はんま バキ)と“地上最強の生物"と呼ばれる父・範馬勇次郎(はんま ゆうじろう)との壮絶な死闘を軸に、さまざまな格闘士たちの闘いを描いた大人気格闘漫画。アニメ「バキ」の最凶死刑囚編は、2018年にNetflixにて配信された後、同年にテレビ放送された。2020年内に配信される予定の第2期・大擂台賽編では、引き続き監督を平野俊貴さん、シリーズ構成を浦畑達彦さんが務め、アニメーション制作をトムス・エンタテインメントが担当する。

声優・キャラクター
島﨑信長、大塚明夫、大塚芳忠、保志総一朗、雨宮天、緒方賢一、小山力也、飯塚昭三、幸野善之、川津泰彦、遠藤大智、蓮池龍三、石川ひろあき、星野貴紀、池田知聡、滝知史、銀河万丈、青山穣、手塚秀彰、安元洋貴、中尾隆聖、古谷徹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

途中参加はいつでも可能な仕様です

原作はところどころ虫食いで


原作の内容は記憶の彼方。アニメは死刑囚編でデビューしその流れで続編に該当するこちらを視聴。
元はNetflix。最近こればっかですね。中国に渡ってさっそくの1DAYバトルトーナメント参加ということで全編戦いっ放しです。


元々アニメは2001年4クールかけて放送された『グラップラー刃牙』を第1作と位置付けており、シリーズ25周年を記念しての第2作においての1期が『バキ最凶死刑囚編』。2期が本作『バキ大擂台賽編』となります。読みは“だいらいたいさい”。

名目は中国武術最強の称号“海皇”を決めるChineseのための大会なんですけどJapaneseやAmericanが特例参加するという意味不明さ。整合性を求める諸兄に視聴はオススメいたしません。
一応、“父親超え”なるオイディプスコンプレックスの亜種みたいな主人公バキの想いが中核となる物語ではあります。があまり重視はいたしません。
そもそも私がこのテの作品に求めるのは


 {netabare}民明書房刊臭{/netabare}


民明書房とは、大正15年(1926年)に創業された出版社であり、幅広い専門書籍を精力的に出版し続ける奇書・怪書の代名詞として好事家・趣味人に広くその名を知られているやつ。野郎の知的好奇心を満たしてくれる稀有な存在。


{netabare}「俺は今までボクシングには蹴り技がないと思って生きてきた」by主人公(第6話){/netabare}

{netabare}はい。ボクシングの蹴り技とは何か?を解説いただくだけで充分。{/netabare}そんな作品です。

その意味では、1期死刑囚編と比べマイルドになってました。刺激に慣れて麻痺してるのかと言われるとそうでもなく、1試合が短く駆け足で、いい意味合いでの“無駄な溜め”がない。場面場面でもったいぶれないわけです。その分中弛みはありませんが全体に作品自体がフラットで起伏のない印象。
求めるものが何かにもよりますが、当方の尺度に照らし合わせると物足りなさを感じる2期でした。
OPは1期に引き続きGRANRODEO。好きなノリ。EDも悪くないっす。



※余談

■中国四千年

作中連呼されてた常套句。増えてません?私が子供の時の記憶より千年上乗せされてます。
トランプと習近平の対談時

ト「五千年?」
習「いや三千年」
ト「エジプトは八千年だってよ」
習「エジプトのが“少しだけ”古いっすね」

なるほど。誤差という感覚なんですね。
元はみんな大好き『キングダム』の秦“兵馬俑”があって考古学的発見や新解釈など学術的なあれやこれやで延びてったとのことです。だが知り合いのchineseに言わせると、日本の皇紀が二千ウン百年なら三千年と言うさ。なんならオマケでもう千年。メンツだよ、と。さらに最近はお隣半島の五千年に対抗し六千年説がぼちぼち聞かれるようになったとのことです。さすが“白髪三千丈”の世界ですね。

別にこれといったこだわりはないのですが、できることなら子供の頃より慣れ親しんだ“三千年”でお願いできませんかね?どうも“四千年”だとしっくりこない昭和生まれ。


■備考

{netabare}全13話。というより12話+1話。
#1-#8中国編→#9-#12アライJr戦。そして再凶死刑囚のその後顛末を追い続編に含みを持たせた1話分。それで終了。こりゃ続編あるね。{/netabare}



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2021.07.20 追記

『バキバキ強刺激ッッ』

サントリーとのコラボがジワる。木場駅でのプロモだったり本気でこういうことやるの好き!



2020.10.03 初稿
2020.11.06 タイトル修正
2021.07.20 追記

投稿 : 2025/01/04
♥ : 22

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

何だかんだいって面白いのが不思議な格闘技漫画原作のアニメ

原作漫画は『グラップラー刃牙』から数えて何作続いているんだか良くわからないし、現在シリーズのコミックス単行本が合計何冊出ているのかも良くわかっていませんが、とにかく今も週刊少年チャンピオンの看板になっている格闘技漫画(?)シリーズ作品が原作のアニメです。

ちなみに本作の原作『バキ』はシリーズ2作目の連載です。

そして『バキ』の中では前作(2クール)から数えて本作は2期目に相当します。ですがどこかでシリーズのどれかの漫画を目にして地下闘技場戦士のレギュラー陣を漠然と知っていれば、たぶん前作を観てなくてもあんまり気にしないで視聴可能だと思います。

タイトルになっている「大擂台賽(だいらいたいさい)」というのは作中に出てくる100年に一度開催される中国武術の頂点を決める大会で、本来は「海王」という称号を持つ武術の達人のみが出場を許され、優勝すると海皇を名乗ることができるという海王の頂上決戦のはずでした。

そこに毒に侵された主人公、範馬刃牙を烈海王が「解毒治療のために」連れて行くという字面で見ると意味不明な理由で、それも刃牙のみならず地下闘技場の戦士たちがこぞって出場するという得体の知れない前半のストーリーですが、大真面目で何かをやるとギャグに見えるという体(てい)でとても面白いです。

100年に一度の大会のはずなのに前回優勝の郭海皇(かく かいおう)が現役として出場しているというのも凄くて、なかなかキャラが立ったお爺ちゃんなのであります。

そして後半は刃牙の恋人である松本梢江に横恋慕したモハメド・アライJr.が梢江の恋人の座をかけて刃牙に挑む、はずが「どうしてこうなった」という斜め上展開でストーリーが進んでいきます。これもあまりの超展開に(原作も読んでたはずなのに)笑ってしまいます。

誰にでもお薦めすることができる作品でもないような気もしますが、刃牙は他作品でパロディーのネタとして使われることも多いので本作か前作あたりを観ておくのも悪くはないかもしれません。

個人的にはかなり楽しませてもらいましたが、ストーリーはあってないような物なので高得点はつけられませんし、作画にしても特に良いわけでもないのでやはり高得点にはなりません。

でも評点以上に私個人は面白かったですよ。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 17

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

1対1の戦いを繰り返すだけなのに飽きさせない、かなり笑える格闘バトルアニメ

人間離れした強さを持つ男たちが戦いを繰り広げる、格闘バトルアニメ。全12話。
物語は、2018年の「バキ 最凶死刑囚編」の続き。毒で絶命の危機にあるところを中国へ運ばれた刃牙が、体調の回復しないまま、中国武術界最強を決める100年に一度の大会「大擂台賽」(だいらいたいさい)に出場する、みたいな流れ。前作の感想には、面白いからもっと観たいような、残酷だからもう観たくないような、微妙な気分になる、といったことを書いたのですが、結局今回もまた観ることにして、そしてやっぱり面白かったです。ストーリーは、基本的に1対1の戦いをひたすら繰り返すだけなのに、キャラの強烈な個性や、強さを説明する様々な「ほら話」などによって、観るものを飽きさせない手腕はたいしたものだと思います。特に、寂海王や郭海皇の試合などは、馬鹿馬鹿しくて笑わせてもらいました。作品の後半では、刃牙とマホメド・アライJr.の対決を描いていますが、戦いが盛り上がったかどうかは別にして、EDの映像にもあるような、刃牙の彼女である梢江をめぐる争いなどはやはり笑えて、これはこれで面白かったです。また、残酷描写については、なんでもありのストリートファイトが多かった前作よりは、大会での試合が中心の今作のほうが、若干マイルドで観やすくなっていたように感じました。
作画、声は、問題なし。音楽は、OPもEDも、適度に下品で荒々しい感じがして、この作品にぴったりでした。
最後まで観終わって、笑えるところがたくさんあって、とても楽しめました。すでに、この続きも「範馬刃牙」というタイトルでアニメ化が決定しているようで、また観るつもりですが、個人的には、残酷描写はほどほど程度だといいな、と思っています。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 4

62.6 20 ボクシングアニメランキング20位
セスタス -The Roman Fighter-(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (64)
180人が棚に入れました
1997年に「ヤングアニマル」(白泉社)にて連載を開始し23年経つ現在も物語が続き、国内に限らずイタリアを始め世界的に熱烈な支持を獲得してきたロングセラー作品、技来静也さんの「拳闘暗黒伝/拳奴死闘伝セスタス」が、「セスタス -The Roman Fighter-」として待望のアニメ化、4月よりフジテレビ「+Ultra」ほかにて放送開始となる。

声優・キャラクター
峯田大夢、小山力也、小野賢章、東地宏樹、上村祐翔、井上喜久子、遠藤綾、竹内良太、小林沙苗、大塚明夫

井ノ瀬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

膝を砕いただけで技まで滅ぼせたと思うなよデミトリアス 俺の拳は こいつが継いだのだ!!

正しく男の義務教育と呼ぶべき作品であろう。
ザファル先生の言葉に心が奮い立った男子は当時多かったのではないか。
かくいう私も、初めて原作漫画の1巻を読んだ時、溢れる涙を堪えられなかった。BOOKOFFで2巻まで立ち読みした後、残りの巻を全部カウンターに持って行ったのを覚えている。
それくらい、衝撃を受けた漫画だった。芸術と呼んで差し支えない。
40才を過ぎた今でもザファル先生の言葉が脳裏に浮かぶことがある。その度に、すでに彼の年を超えてしまった自分の、人としての至らなさを思う。
名言製造機のザファル先生だが、アニメでは一部または全部が削られてしまっている。以下に、初めの数巻までで当時の私が感銘を受けた言葉をレビュー中にいくつか並べている。
これはほんの一部である。ザファル先生の人間としての熱さ、真摯さ、愛――その全体は底知れない。

……これが拳奴の世界の現実だ 振り返らず死にもの狂いで走り続けるしかないのだ! 悔みも哀しみも 痛みも怒りもッ 全て己の両拳に握り 勝ち進み生き抜け!! セスタス

さて。私が思うことを何点かに分けて述べていく。今回のレビューは、記憶のままに述べると思い出補正がかかってしまうので、先に原作漫画を10巻まで読み返している。
(アニメ化記念で原作漫画が5巻まで無料になっていた。BookWalkerなど)

1. 自由について
 作品テーマの一つに「自由とは何か?」というものがある。アニメのキービジュアルの左には、「自由は、苦しい」とある。
 結論から言うと、「理想を抱いている限り、自由な人間はこの世に存在しない」が答えである。もし理想を――セスタスであれば、「自由を得たい!」ともがき苦しみたくないのであれば、ロボットになるしかない。『VIVY』に出ているAIのように、電子回路のみでしか思考をしなくなれば、得たいものが手に入らない感傷やもどかしさを味わうこともなくなる。
 一瞬話は変わるが、セスタスはVIVYとコラボしてほしい。セスタスとヴィヴィが殴り合ったら、果たしてどちらが強いのだろう。傍にザファル先生がいたら、セスタスの方が気合いで競り勝つかもしれない……。
 話を戻そう。例えば、声優になりたい人が夢を叶えたとする。事務所と正式契約し、まともに喋るキャラクターの仕事を当ててもらえるようになったとする。最初は、夢を叶えた自分に満足することだろう。しかし、すぐに物足りなくなる。飽きてしまうのだ。
 その世界では、自分よりも才能に恵まれた人間を相手に戦っていく必要がある。歌やダンスや演技のレッスンを受けて、自己研鑽のために作品を研究したり、現場のスタッフと良好な人間関係を築いたり、事務所内の権限ある人間へのアピールも欠かせない――そう、夢は叶えたら終わりではない。死ぬまで一生叶え続ける必要がある。
 人間は、どれだけ喜んだり、至福だったり、幸運だったりしても、ありったけ腹に詰め込むことができる。そして、しばらくの間は満ち足りた気分を味わう。だが、それに慣れてしまうと、いままでの満足感などすっかり忘れ、さらなる幸福を求め始めるのである。
 なぜなら、人間は――現状よりもいっそう完全でありたい、完全に近づく道筋があると常に思ってしまうからだ。

……セスタス 眼を閉じて拳を胸に当ててみろ 聴こえるか? 戦いの鼓動が 肉体(からだ)が一刻一秒生存を勝ち取る不屈の噭(さけ)びだ!! 心が挫けてどうする!? 何も失ってはいない 経験を得たのだセスタス 悲観などするな!! おまえには明日が在るッ!!

2. アニメの質について
 2話が終わった時点で、ツイッターやアニメ感想サイトを覗いてみた。想像どおりの内容だった。

・手抜きの2D作画と雑な3DCGが混ざっていて残念クオリティ
・第二のエクスアーム
・セスタス作画ゴミすぎて泣いてる
・カットと改変多過ぎて残念。本当にがっかり
・低予算アニメすぎていまいち。クソアニメだから漫画の方を読んでくれ

 おおよそ、こんな内容だった。
 私の感想は違う。アニメ化してくれてありがとう――これが私の率直な意見だ。
 この、『セスタス』という漫画の質は大変に高い。技来静也が、1998年から幾度かの休載と転載を挟んで描き続けている。
 絵は写実的である。格闘漫画なので、迫力を増すための漫画的演出はもちろんあるが、どちらの描写も甘さがまったくない。作り込んでいる。
 漫画そのものからは、渋くて気高い、葉巻きを入れる箱のスギの香りのような雰囲気がそこはかとなくしている。それは乾いた香りではない。瑞々しくて、それでいて鼻の奥まで心地よい匂いを届けてくれる――ステンドグラスのような深い色の輝きを発する、みずみずしい新鮮さがきらめいているのだ。
 すべてのページが感情で溢れている。人であったり、自然であったり、建築物であったり、日々の食事であったり、奢侈(しゃし)な光景であったり――どんなものが描かれていても、その時代に人が生きていたのを感じる。
 それに比べて、このアニメは描写の拙さがひどい。人間はのっぺりしているし、格闘シーンはまるで餅同士が跳ねているようである。あんなにおいしそうだったステーキと魚醤入りのお粥も、ゴム毬のごとき謎構造物が食卓に置かれているだけだったし、お粥に醤油をかけるところはカットされていたし、何より画に迫力がない。アニメの制作スタッフが作り込んでいないからだ。
 時間がないのか予算がないのか――おそらく両方だろう。本来であれば、WIT STUDIOやトリガーのような一流アニメ会社が制作すべきであった。そういう次元の作品だと言っていい。
 しかし、素晴らしい作品だからといって、放送に耐えられるか? となると別問題だ。セスタスには、もっと早期からアニメ化の話はあっただろう。一流の漫画家が本気で作った作品であり、読者人気もあったからだ。
 簡潔に言う。セスタスはテレビで放送できるコンテンツではない。20年前であればできたかもしれないが、現代では到底無理だ。どうしてもやろうと思えば今回のようになる。すなわち、1巻~5巻辺りまでの残虐描写・不道徳描写・性描写は2021年現在の放送基準に耐えられない。丸ごとカットするしかない。無理に作って放送したとして、放送会社にも、アニメーターにも、何より視聴者にとって負担がかかる。
 だが。そういった章をまるごと飛ばしてしまうと、作品の面白さを減じてしまう。では、どうすればいいかというと、これがひとつの結論というわけだ。つまり、そのままアニメ化はできないが、かといってしないのはあまりに残念なので、『記念碑』的な意味でアニメを作ってしまう。そういうことだ。
 こんな経緯だったとすれば、すべて納得がいく。アニメの企画者にとって、『お金をかけるべきコンテンツ』ではなかったのだ。
 でも、私は嬉しい。アニメになってくれたのが嬉しい。動くセスタスやザファル先生を見れただけで嬉しいと思う。はじめに当漫画をアニメ化する案を出してくれた人、ゴーサインを出してくれた人に感謝したい。
 『セスタス』を見せてくれてありがとう。

……呼吸(いき)を乱すなセスタス 恐怖心を意志の力でねじ伏せろ 怯えは判断(よみ)を狂わせる 恐れは疲労を増幅させ 病魔の如く五体を蝕む 眼を逸らすな! 敵の刃を見極めよ 胆力こそ防御の要だ 殺意と向き合う勇気を持て

3. セスタスの楽しみ方
 今このレビューを読んでいるあなたが、これをクソアニメだと感じていて、かつ原作未読だとする。
 すぐに原作を読んでみよう。私が述べたことをわかっていただけると思う。あなたにとって合わなかったとしても、本気で作り込んだ作品であることは理解してほしい。
 もし、あなたが過去に原作を読まれているのであれば、これを気に最新話まで読んでみるのはどうだろう? 私はそうしている。コンテンツというのは、何歳の時に見るかで感想が違ってくる。
 私がセスタスの漫画を初めて読んだのは学生の時で、今はもう中年のおじさんだ。でも、あの時こんな感情を抱いたな、という感触は確かに残っているし、話の流れや台詞を覚えていてもなお、当時と同じ感動が蘇ってくる。
 令和の時代に、またセスタスに出会えたことを幸運に思う。重ね重ね、スタッフの皆様に感謝申しあげます。

……勝ったよロッコ!!! 自由への第一歩だ!!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 5

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いきなりエムデン!(← 第1話冒頭にいきなり出てきてビックリしました)

== [下記は第4話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第4話まで視聴終了した時点でこのレビューを書いています。「アニメ化」の報に舞い上がってあにこれ運営さんに作品登録をせっついたりしていたわりには遅いレビュー開始になってしまい、申し訳ない気持ちです。

本作は古代ローマ時代、世界史などで「暴君」として知られるネロ帝時代の拳奴(拳闘士奴隷)のお話です。テーマ的に当たり前ですが格闘技や流血が好きではない人には、まったくもってお勧めできないアニメです。

原作では主人公のセスタス以外にも、ローマ皇帝ネロ、ネロの私兵で護衛任務を主とした「徒手格闘兵団衛帝隊(以下、衛帝隊)」に所属しセスタスと同年代のルスカにはけっこうストーリーの尺を割いて描いていますが、アニメでは話数の関係もあるのかスッパリと「セスタスの話」と割り切った感じになっています。

拳闘士ということで(ボクシングを中心とした)徒手格闘関連や、格闘とは直接関係ない古代ローマ文化に関する蘊蓄も多く描かれている原作漫画ですが、その辺りにもあまり尺を使わず人物関係や作中で発生するイベント中心でストーリーを進めています。

ということで格闘好きや世界史好きにお勧めの原作漫画なのですが、それを期待してアニメを観ると「物足りない」という感想を持ちそうですし、ほぼ格闘要素しか残らなくなってしまうので広くお勧めできる感じではなくなります。


原作がヤングアニマルに掲載されていた当時には好きな漫画として読んではいたのですが、単行本は買っていませんでしたしヤングアニマルに掲載されなくなってしまってからは原作漫画から遠ざかっていました。
(余談ですがセスタスや『ベルセルク』や『3月のライオン』がこぞって連載されていた当時のヤングアニマルはとても輝いていたと思います。)

今回のアニメ化を機会に電子書籍で原作(『拳闘暗黒伝セスタス』15巻+『拳隷死闘伝セスタス』10巻)を揃えて、最近再読していてこのレビューを書いている時点ではまだ未読部分には達していません。

アニメはまだ原作を読んでいた頃のエピソードで、未読部分には達していないようです。もしかしたらこのまま未読部分には達せずに終わるかも…。

アニメ化にあたってはセスタスと因縁の試合をするエムデンを早く見せたかったのと、練習や試合のシーンを中心に格闘アニメとして盛り上げたいという意図が感じられますね。まあ、1クールしかないテレビアニメ作品としては、これはこれで妥当な判断かもしれません。

ということでストーリーの評点: 3.5 は原作未読者には違った評価になる可能性がありますね。

ちなみに第1話冒頭の「いきなりエムデン」ですが、これはコミックスで確認したところ11話冒頭部分に相当します。そこからOPの後の本編で第1巻のエピソードに戻る感じですが、原作2巻の途中から10巻くらいまでのエピソードはかなりのダイジェスト感ですっとばされています。

ただ、すっとばされたエピソードはルスカやネロの掘り下げに相当するものが多く、また採用されたエピソード自体は特に改変はされていない感じなのでアニメがもし楽しめたのなら、原作も楽しめるんじゃないかとは思います。

もっとも、冊数がそれなりに多いので未読者はこれから原作に手を出す人は少なそうだなあ…。
== [第4話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.6.25追記:
最終話まで視聴終了しました。取りあえず「1クールでアニメ化するにはかなり無理があった気がするけど、原作紹介の販促アニメと考えると悪くはなかった」といったところでしょうか。

YouTubeの感想動画でも「原作未読だったけど読んでみようかな?」みたいな声もあったようですし。

ただ、3DCGでのアニメーションとしての動きは、ちょっとぎこちなかったかなあ…?

原作コミック単行本で16巻だか17巻だかのストーリーが、エピソードを色々とカットするにしても1クールに詰め込まれるのは無理があるに決まっています。

ただ、原作ではキャラが深掘りされたルスカとネロ関連の描写をバッサリと諦めたことで、アニメ作品としては「拳奴セスタスの成長物語」として分かりやすく整理されていて良かったです。

また、個人的には原作を読み直す良い機会になりました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

自由は、苦しい。

この作品の原作は未読です。


これは、圧政ローマの世に生きる、
過酷な運命にもがき、闘い続ける優しき少年の物語―。

奴隷拳闘士の養成所で初めての試合に挑むセスタス。

相手が親友であることに戸惑いつつも勝利するが、相手はその場で殺されてしまう。
敗れし者に明日はない、と師ザファル。

「勝つたびに相手が死ぬんじゃ、まるで人殺しじゃないか!」
哀しみも怒りも全て両拳に握りしめ、生き抜くセスタスの前に、次々に立ちはだかる強敵、

そしてローマ帝国第5代皇帝ネロの影。
勝つより他に自由になる道がないセスタスは、明日を掴み取れるのか?!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

サブタイトルから闘いを描いた作品であると予想はできたものの、ローマ時代の選手として戦う奴隷(拳奴)を描いた作品であるとは思いもよりませんでした。

己の武器は拳一つ…
求めるのは自由…だけど手の甲に押された烙印が彼らを拳奴に縛り付けていました。

主人公であるセスタスは、拳奴としては決して恵まれた体格ではありませんでしたが、天性のスピードと類まれなる視覚、そして師匠から受け継いだテクニックを駆使して、難敵に立ち向かっていきます。
彼は難敵に立ち向かうための精神力も兼ね備えていたから…

ですが、全ての拳奴がセスタスの様に自分の弱点を補える技術を持っていた訳ではありません。
物語の中ではあまり触れられませんでしたが、むしろセスタス側の人間の方が圧倒的に少ないことでしょう。
試合は負けたら終わりで次は無いという常に崖っぷちに拳奴は立たされています。

だから自分の身体と拳を鍛え続けるのですが、それだって人それぞれです。
頑張った分だけ自分の血肉になる訳じゃありませんので…

勿論、物語の主人公ですし体格も小柄なセスタスを応援していましたが、同時にセスタスの同僚の今後に不安を覚えたのも事実です。
ここまで生き残ってきた強者ではあるものの、自分の事よりセスタスの応援に精を出していましたから…
決して悪い事だとは思いませんし、仲間だったら応援したくなるのも分かります。
でも、明日の闘技場に立っているのは自分かもしれない…
そういう緊迫感はもう少し欲しかったように思いました。

それと…物語はこれでお終いでしょうか?
原作の連載は未だ続いているようですが、あまりにも中途半端な場面で終わった感じがします。
ストックの都合なのか、尺の都合なのかは分かりませんが、続編が制作されなかったら単なる販促作品で終わってしまう気がしてなりません。
それだけは避けてほしいんだけどな…

オープニングテーマは、Dragon Ashさんによる「エンデヴァー」
エンディングテーマは、門脇更紗さんによる「きれいだ」

1クール全11話の物語でした。
モーションキャプチャーが使われていたので、キャラの動きはリアルで見応えも十分でした。
現代の拳闘との違いなども懇切丁寧に解説してくれていたので分かりやすかったですし、入り込みやすかったと思います。
だからこそ、ここで終わってしまうのは勿体ないと思ったんですけれどね…

投稿 : 2025/01/04
♥ : 10

67.5 21 ボクシングアニメランキング21位
範馬刃牙 2期(TV放送)(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (27)
112人が棚に入れました
恐竜時代の地層にあった岩塩の中から、1人の人間の男が掘り起こされた。 その男はピクルと名付けられ、最新科学技術の力によって現代へと蘇生する。 ピクルは恐竜と素手で闘い、食料としてきた異次元の戦闘能力を持つ戦士で、その存在は最強を目指す者たち、特に地下闘技場の戦士たちにとって格好の標的となる。 果たして刃牙はピクルに勝利し、その先で待つ父・範馬勇次郎との決戦までたどり着く事が出来るのか!? 刮目せよ! これが史上最強生物決定戦、とだ!!

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

親子喧嘩編終了<57>

刃牙シリーズの長年の本筋が結実したところでそれなりに見応えはあった。
とはいえ、クォリティ的に今までと特に差もなく、アニメで特に盛り上がるというものではなかったけど。
原作のライブ感な進行のせいで最後の最後に烈ボクシング編のやっつけ結末がくっついてたり。

ピクル編終了、親子喧嘩編開始<57>
26話まで視聴
ピクル編終わって親子喧嘩編に入ったところなんで、ピクル編の感想。
烈・克巳の辺りが特に盛られることもなくサクサクと消化されて終わった印象。
週刊誌で一話ごとに間隔が空いたほうが活きてた展開なんやね。
その他、ギャグで流されるようなセリフでもやたらかっこいいなぁと今更ながらに思ったり。

毎度おなじみ<57>
1話視聴。
毎度おなじみビックリ人間大集合。
毎度刃牙がしゃしゃりでる結末はさておき、烈・克巳の辺りが盛り上がればそれでヨシ!
作画もこなれてきた感じ。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 1

taketake4 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

何でもあり、か

一言で言えば、無惨
長く引っ張りすぎた結果、ただのギャグ漫画になってしまった
随時入る解説は民明書房並だし、妄想シーンはガチで笑わせにきてる
親父との決着はエヴァか美味しんぼか

作家が年取って子供ができると子供視点から親視点に変わってしまうと言うが当にそれ
まあ見たいというか望んでいた決着とは違いました
始終じゃれ合っていた感じだな

投稿 : 2025/01/04
♥ : 0

てらし さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

わたしは一向にかまいません

有名原作でアニメ化も何度かされてます
本作はとにかく原作絵の再現にリソースを割くスタイル
これを実現させただけでも十分凄いです
本当に漫画絵が動いてるッッ!?
原作自体が超濃厚なトンデモ格闘ギャグ漫画なので必要以上の味付けは不要
先の展開が分かってても毎回楽しく見ております

投稿 : 2025/01/04
♥ : 0

65.8 22 ボクシングアニメランキング22位
がんばれ元気(TVアニメ動画)

1980年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (19)
108人が棚に入れました
ドサ回りのボクサー・シャーク堀口は、5歳になる一人息子の元気と共に、各地を転々としながら生活を送っていた。そんなある日、父のプロボクサー復帰が決定。慣れないフェザー級での試合ながら連勝を飾るが、天才ボクサー・関拳児との死闘の末、帰らぬ人となってしまう。やがて時が経ち、世界チャンピオンとなった関は、不敗の王者としてボクシング界に君臨。元気は母方の祖父母に引き取られ、田舎で何ひとつ不自由のない生活を送っていたが、志半ばで倒れた父の夢を実現するため、中学卒業と同時に単身上京、関を倒すべくプロボクサーを目指す。

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「小山ゆう」先生は画質がどこか陰気で、、、

マイベストを作る際に「評価」を書かないと、
それらをセレクト出来ない仕様なのですね。
今回のベスト「好きではないのに耳に残っているアニメソング」
なのですが、好きでないので「評価」を書いていなかった。

この作品を代表とする少年サンデーの作品は
どこか陰気なイメージで嫌いでした。
しかも、この原作の「小山ゆう」先生は画質から
陰気な感じで好きになれませんでした。
(ファンの方申し訳ありません)
ただ、この作品は原作及ぶアニメも売れましたね。
玄人(ボクシングの)に方に言わせると、しっかり作られている
作品らしいです。
ただ、当時の私にはやはり地味に感じました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 3

風呂は熱め さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

古きよき男のアニメ

再放送ではじめて目にしましたが、思いのほか気に入りました。
最近のアニメの主人公のへたれっぷりには目を覆いたくなるばかりだったので、とても新鮮に楽しめました。テーマソングが小気味良く耳に残ります。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 0

63.4 23 ボクシングアニメランキング23位
魔法のスター マジカルエミ(TVアニメ動画)

1985年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (16)
105人が棚に入れました
香月 舞は小学5年生で11歳のマジシャンを夢見る少女。祖父が主宰するマジック劇団「マジカラット」の手伝いをしているが、なかなかマジシャンとしてうまくいかない。そんなある日、舞はこてまり台に引っ越してくる途中で、偶然鏡の妖精・トポと出会い、「願いの叶う魔法」をもらう。魔法のブレスレットで天才マジシャン「マジカルエミ」に変身した舞は、魔法で魅せるマジックで観客を魅了し、ステージは大成功する。そして、たまたまこのステージを見ていたテレビ局のプロデューサーにエミはテレビに出演させられることになり、そのままアイドルデビューさせられてしまう。こうして、普通の小学生とアイドル「マジカルエミ」という忙しい生活が始まる。

声優・キャラクター
小幡洋子、水島裕、龍田直樹、峰あつ子、八奈見乗児、青木菜奈、納谷六朗、三田ゆう子、伊倉一恵、郷里大輔、千葉繁、大滝進矢、亀山助清、岡本麻弥

62.5 24 ボクシングアニメランキング24位
キミとフィットボクシング(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (38)
103人が棚に入れました
カレン:鬼頭明里
ヒロ:石田彰
ジャニス:釘宮理恵
リン:早見沙織
エヴァン:中村悠一
マルティーナ:上坂すみれ
ソフィ:小清水亜美
ラウラ:田中敦子
ベルナルド:大塚明夫

脚本・監督:森田と純平
音楽:白戸佑輔
モーションキャプチャー:SOLID CUBE
アニメーション制作:イマジニア株式会社 / 株式会社Story Effect
原作・著作:イマジニア株式会社

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

明日からきっと、もっと前向き。

この作品の原作はNintendo Switch用のボクシングエクササイズゲームなんだそうです。
ゲームの方は未プレイですけど…^^;


ドラマはゲームの向こう側で起きていた!

大ヒット中の Nintendo Switch ソフト「Fit Boxing」シリーズ。

すでに日常の一部となっているプレイヤーも多く、その人気の秘密には
個性豊かなインストラクターたちの存在がある。

時に優しく、時に厳しく教えてくれる彼らとは、思えばいつも一緒だった。

もちろん、ゲームのプレイ中だけではあるが。

もし、ゲームを終えた後も彼らが存在していたとしたら。

もし、見えないところでトンデモない行動をしていたとしたら。

この作品は、画面の向こう側・ゲームの向こう側で起きる、
インストラクターたちの愛すべき日常の記録。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

dアニメストアストアで本作品を目にして思ったこと…
起用されている声優さんが半端無いことです。

カレン / CV:あかりん
ヒロ / CV:石田彰さん
ジャニス / CV:くぎゅ
リン / CV:はやみん
エヴァン / CV:中村悠一さん
マルティーナ / CV:すみぺ
ソフィ / CV:小清水亜美さん
ラウラ / CV:田中敦子さん
ベルナルド / CV:大塚明夫さん
ガイ / CV:緑川光

どうです…?
半端無い顔ぶれだと思いませんか^^;?

正直フィットボクシングには興味がありませんでしたが、この顔ぶれに惹かれて視聴することに…

すると、めっちゃショート作品である上、内容もフィットボクシングよりコメディ重視の構成になっていたのも意外でした。

何故ならキャラデザに1㎜もふざけている要素がないからです。
アニメ化にあたり、モーションキャプチャーやCGを使われたようですが、この内容にそこまでの装備が必要だったのかは正直分かりません。

きっと、ゲームの感覚と合わせたかったのかもしれませんね。
そして物語の顛末もフィットボクシングにはかけ離れていたような…
ですが、ここでの出会いを通して主人公であるカレンの成長物語として見ると色々納得できる気がしました。

dアニメストアでは全12話に加えて、あかりんと監督によるスペシャル対談も用意されていました。
あかりんは、元々このゲームをプレイした経験があるそうなので、今回接点を持てたことが率直に嬉しいと言っていました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 6

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

FitBoxingのプレイヤーにオススメの5分日常アニメ

【紹介】
switchのゲームfitboxing2のアニメ化。
大学生くらいの美少女・カレンが一般人の体験レッスンとしてジムにやってきたらいきなり8人のマッチョな男女に周囲を包囲されて、君も私たちの仲間にならないかッ!?てな感じで熱烈に勧誘されてなし崩し的にマッチョ軍団の仲間入りさせられるホラー・・・じゃなくてギャグアニメ。

なにこれこわい。

私は毎日ではないですが、継続してトレーニングしています。
原作ゲームは人気声優の声に合わせてボクササイズするだけのゲームでストーリー性なんてないのでどんなアニメになるのか不明でしたが、2話くらい見ればどんな狙いのアニメなのかがわかります。

ゲームの宣伝というよりも、FITBOXING2でエクササイズしているプレイヤー向けに制作された気がします。
トレーナー達がどんなキャラクターなのか知ってより親しみを持ってもらうためのアニメだと思います。
トレーナー同士の掛け合い漫才が面白くて、好感度が上がるのではないでしょうか?

【声優】
ゲームそのままなので、5分ギャグアニメなのに声優が無駄に豪華。

【作画】
ゲームそのままなので、違和感はないです。
プレイヤーに違和感与えないように、あえてゲーム画面と同じようにしているんでしょうね。

【キャラクター】
エヴァンとかレオナルドとかガイとかヒロなど男性キャラクターがいい味出していて好きです。
女性キャラはイメージを崩したくなかったのか、無難すぎてキャラが薄い。
もうすこし思い切ったキャラ付けしても良かったと思う。

【シナリオ】
トレーナー達の日常を見せるだけなので、ストーリーの面白さは特にないですが、トレーナーのキャラ付けが結構良い感じ。

【総評】
完全にFitBoxingのプレイヤー向けアニメですが、このアニメ見てトレーナーへの愛着が増しました。
プレイヤー以外が見てもまあ面白いとは思うんですけど、ゲームプレイしている人なら、このアニメを見てトレーナーをもっと好きになればトレーニングもより捗ると思います!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 15

mimories さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

まあ気楽に

 
(5話視聴後)

知る人ぞ知る?「ノクターンブギ(現在も細々と発表中)」を観てるなら、ひと目で同じ人(森田と純平監督)でしょ?って分かるあるイミ個性的な作風。
原作ゲームは知らないが、こんな雰囲気なんだろうか? そもそも販促の意図があるのか疑問(笑)

1話あたり3分30秒の会話劇。繰り出されるしょーもないギャグに笑えるかどうかが評価の分かれ目。おそらく他に見どころなど無いだろう。

個人的にこのバカバカしさはワリと楽しめてる。
作画を不問にできる人なら気軽に試してみてはどうだろう?
評価はあらためて。

__________

(全話視聴後)

原作ゲームの発売は去年以前。昨今の販促アニメと違い、原作をイジって遊んでる感じのアニメ。

なんというか自由。濃いキャストたちの掛け合いは楽しい。話的に主人公の成長とかあるにはあるが、視聴者は真面目に考えず下らない会話劇に付き合えばよいかと。あとは好みの問題。

ゲーム画面のような見た目はともかく、音楽はいい感じ。
全12話だがキャストや監督の対談も配信されてるので興味があれば。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 3

56.9 25 ボクシングアニメランキング25位
リングにかけろ1(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (26)
101人が棚に入れました
『リングにかけろ』は、1977-1983年まで週刊少年ジャンプに掲載された車田正美のボクシング漫画。日本語の略称は「リンかけ」。TVアニメは「リングにかけろ1」として2004年秋にテレビ朝日にて放映。また2006年に続編の日米決戦篇が放映。
主人公の高嶺竜児が姉の菊に学んだテクニックにより、宿敵の剣崎順を倒し世界チャンピオンに輝くまでの軌跡を描いている。

声優・キャラクター
森田成一、田中理恵、置鮎龍太郎、草尾毅、石川英郎、神谷浩史

gkc さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

聖闘士星矢の元みたいな超有名だった作品

僕の中で原作者である車田正美の3大代表作というのがありまして、

「聖闘士星矢」、「風魔の小次郎」、そしてこの「リングにかけろ」であります。

車田正美は「セイヤ」で絶頂をむかえましたが、実はこの「リングにかけろ」が車田正美の最初の大出世作なんですね。

すごく古い作品です。
僕よりも少し年上のお兄さんたちにタイムリーだったようです。

年代順には「リンかけ」、「小次郎」、「セイヤ」の順です。

車田作品の源流みたいな、すごく重要な作品だと思います。

この作品が無ければ「セイヤ」もなかったのでは・・・
と思えるほどそっくりです。www

ですので、「聖闘士星矢」は空前絶後の大ヒットでしたが、
古い車田ファンには「車田正美といえばリンかけだろ!」

という人も多いと思います。

・・・ですがそれはまぁいいとして、

物語はボクシングを題材にしています。
そして、最初はライバルだった者同士が戦いを通じ、友情、固い絆で結ばれ、共に戦う仲間となっていきます。

5人の仲間。
セイヤ、小次郎も同じ、主な5人のメインキャラクター達。

必殺技にもそれぞれ斬新な名前があります。
「ブーメランフック」、「ペガサス流星拳」
これも同じwww

で、5人の仲間が、強敵たちと戦っていきます。
・・・同じwww

そしてこの作品では最終、最も手ごわい敵として
ギリシァチームと戦います。

昔からギリシャ神話を絡めるのが好きなんですねwww
また、それぞれの敵も個性的でかっこいいんですよ。

・・・これまた同じwww

スポ根になると思うのですが、車田作品には特有の個性があると思います。

その個性は明らかに他のスポ根ものとは別物に感じます。

じゃあどんな個性?

「聖闘士星矢」みたいな個性ですwww

こちらはボクシングが題材なだけに多少、現実的かもしれませんが、普通ではないですwww

フィニィッシュブローが炸裂すると相手は100mぐらい吹っ飛んだりします!

ファンタジー的な要素はセイヤに比べると少ないものの、
超絶感はさすが元祖です。

すごい爆発力や勢いを感じさせる戦闘シーンは昔からのものだったようです。

セイヤにせよ、このリンかけにせよ、いい意味で突っ込み所がいっぱいの非現実的な作品ですが、見ているといつの間にか夢中になっている作品でした。

単純明快で、変にこまじゃくれてないのがいいんでしょうかね。

このアニメ作品は中途で終わってしまったのかもしれませんが、原作はもう少し長くて、各話もう少し凝っていたと思います。
原作はもっと面白かったと思います。

今回、最強の敵、ギリシャが割りとあっさり倒されていたw

原作は、主人公の高嶺竜児と剣崎順の最大のライバルであり最大の友である2人の世界タイトルマッチ・・・などがあったと思います。

ですがまあ、良ければぜひ見てほしい作品です!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 2

テングタケ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

珠玉のスーパーボクシング漫画

私は原作が大好きで、漫画史上5本の指に数えられる傑作だと思っています。そして、本作も良くできているとは思いますが、レビューを見た感じ今の若者には響かないのでしょうか?
アニメはいきなり都大会の決勝から。まあそれまでの熱血根性下町人情路線はかったるいので、飛ばすのはアリでしょう。その影響で、大村のとっつぁんやロクさん、ラクダ親父やクラスメイトなどは存在を丸々カットされてます。都大会自体をスキップすると剣崎との因縁を描けないので、決勝から始まったのはこれで正解。ただ、辻本との試合はベストバウトの一つなので、アニメでも観たかった気もします。あと冒頭に、最終巻の1シーンを持ってきたのはナイス。
1期はチャンピオンカーニバル終了まで。十分尺を取れたので、原作ではあっさり目の準決勝2試合もたっぷり肉付けされていて、これも好印象。その分鬼島との絡みはすっぱりカットされてます。原作完了済みの長所を活かして、後々出てくるライバルたち、ヘルガやスコーピオン、ナポレオンや影道なんかが顔を見せているのもいい感じ。相変わらず天才ヘルガのコンピューターはポンコツでした。
ブーメランフック誕生の経緯も大幅に割愛されてます。なんか既にギリシャ十二神にも通用しそうなスーパーブローでした。対する河井のただのアッパーもスーパーブロー並みで、まあアニメだから派手なのは結構なことです。
キャラの声も皆合っていました。石松はちょっとイメージと違ったけど、すぐに慣れました。作画は思いっきり荒木絵で悪くないです。ただ、原作中最萌キャラの二葉にあんまり力が入ってないのは残念。
主題歌は、曲が「リ~ン〜グ〜に〜か~けろ〜」となんか間延びしてパンチが弱いです。歌詞は原作からカッコいい言葉を借りてきていますが。
私が観たのはU-NEXTの配信版ですが、コーデックが悪いのか、画面がスクロールするとき画像が必ずガタガタになります。エンジニアはちゃんと仕事してください。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 2

だわさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

…空気を裂くパンチはフォルテ…ッ!…フォルテを超えるのは……『スフォルツァンド』だッ!!行くぞッ!!じぇっとあっぱあああああああああああああああああ!

・20年以上前のボクシング漫画原作(車田正美)
・第1作全12話
・日米決戦編全12話
・影道編全6話
・世界大会編全6話。


以下感想
少年ボクシング漫画と聞いて、どう感じるだろうか。
・熱いんだろ?
・必殺技とかあんじゃね?
・どこにそんな体力が?の連続ぽいなー
・根性論とかあるっぽい

こんなところかなー!( ´ ▽ ` )ノ
そして、この作品はそのどの需要?wにも答えてくれるというなんとも王道な作品w
リアリティのあるボクシングという点ではジョーとかはじめの一歩にも遠く及ばない作品であるので、そこは逆に求めちゃいけない点。
でも逆に、熱い必殺技を
熱いセリフとともにドカーンとやってくれる様はもう
演歌のコブシを好む日本人としてのDNAが沸くねコリャv

期待を良い意味でも悪い意味でも裏切られずに済むというかw
「待ってましたーーーー!」
って出来るから、待ってましたー!をやりたい人にはぜひw

ちなみに個人的な名セリフは世界大会前の、
「三途の川で、また会おう!」
だな!(v`▽´)v 熱い!♪

でもとりあえず、世界大会編までなので原作を完結してなくて、かなり中途半端なところで終わってしまってる(;´Д`)
世界大会編の放送が2011の話だったので、今後完結までやる余地はあるんだろうけど、人気が…ね(;´Д`)
いやここは人気というか知名度としておこう!

2011放送に合わせてパチンコ台出してきたけど、人気はイマイチwこれの収益を見て完結決めるつもりだったんならキツイんだろーなーというのが正直なところだったり…w

投稿 : 2025/01/04
♥ : 13
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