【5709】風の森 ALPHA1 次章への扉 奈良酒 純米 無濾過無加水生酒(かぜのもり)【奈良県】

2024年12月13日 17時02分
奈良県御所市 油長酒造
奈良県御所市 油長酒造

【B居酒屋にて 全6回の⑤】

 2週間ほど前、B居酒屋で飲み会があった。そのとき冷蔵庫を見たら、まだ飲んだことがないお酒がいくつか鎮座していた。で、これらを飲むため後日、あらためてB居酒屋の暖簾をくぐった。

「紀土」「伝心」「飛鸞」「十四代」と飲み進め、次にいただいたのは「風の森 ALPHA1 次章への扉 奈良酒 純米 無濾過無加水生酒」だった。

「風の森」はわたくしの口に非常に合うブランドで、常にわたくしの「お気に入り蔵ベスト5」に入っている(あくまでも個人的嗜好です。あと「酔鯨」も常にベスト5に入っている)。必然的に当連載でこれまで24種類を取り上げている。もっとも、わたくし行きつけの複数の居酒屋は、「風の森」を好み、冷蔵庫に常駐させている。したがって、飲む機会が多いのは当然の帰結。さて、いただいてみる。

 上立ち香は梨系。含み香は梨、バナナ、シトラス、セメダイン(酢酸エチル)などさまざまな香り。中でもセメダイン香が一番出ている。含むと、みずみずしい甘酸っぱい味わいが口の中で膨らむ。おもわず「おおっ、コレハ旨い!!!」と口に出る。甘・旨・酸のバランスが非常に良くジューシー。中でも酸が一番はつらつとしており良く出ている。余韻は軽い苦み。

 ふくよかな口当たり。実にさわやか。日本酒というよりは甘めの白ワインを飲んでいるイメージ。モダンタイプのミディアムボディー酒。あるいは薫酒と醇酒が一緒になったようなタイプ。う~む、好きだな、このお酒。アルコール分が低めで白ワインのような味わいだから、海外でも受け入れられるか。

 瓶の裏ラベルは、この酒の副題「ALPHA」と「ALPHA1」について、以下のように説明している。

 まず「ALPHA」については、「従来の風の森の枠を超え、独創的な技術で日本酒の可能性を追求。寺院醸造の伝統技法菩提酛と現代技術の融合による風の森の深化型」。

 また、今回のお酒「ALPHA1」については、「14%と低アルコールに設計しながらも、一層の果実感や密度のある味わいを表現いたしました。このお酒がお客様にとって日本酒の世界への近道になるようにと、次章への扉と名づけました」と説明している。

 瓶の首に掛かっているタグは、この酒を醸した方式「菩提酛」について、「日本清酒発祥の地・奈良菩提山正暦寺で生まれた古の技 菩提酛と現代技術の融合で、ALPHAを深化」と説明している。

 裏ラベルのスペック表示は「米 奈良県都祁産秋津穂(栽培者/石田正春)、仕込水 超硬水 葛城山系深層地下水 硬度250mg/L前後、発酵日数 31日、2024BY夏仕込タンク70002、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分14度、奈良県産秋津穂100%使用、精米歩合70%、製造年月2024.10」。

 ラベルでは使用米を「秋津穂」と表示しているが、品種登録名は「アキツホ」。日本国の古い呼び名である「秋津島」の稲の穂、という意味だ。ちなみに「秋津」とは、トンボの古い呼び名。

「アキツホ」は農林水産省東海近畿農業試験場/水田作部作物第1研究室が1962年、母「ヤマビコ」と父「日本晴」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。1972年に命名された主食用米。現在、飯米用の需要は非常に少なくなったが、酒の原料米に利用されるようになってきている。

 酒名「風の森」の由来について、大和屋酒舗(広島市)のサイトは、以下のように説明している。

「『風の森』の酒名は同市内にある風の森峠から付けられました。峠付近は、日本で一番早く稲作が行われた地域だといわれ、金剛山麓から強く吹き抜ける風を避け五穀豊穣を祈願して、風の神である志那都彦神(しなつひこのかみ)を祭神とする『風の森神社』が近くの森に祀られています」

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