〝個性〟に歓声 魅せるパラアスリート

2024年12月02日 00時00分
パリで開催中の夏季パラリンピック。障害と向き合い高みを目指すアスリートが「花の都」で連日しのぎを削っている。その姿を一目見ようと、競技会場には大勢の観客が詰めかけ、地鳴りのような大歓声が響き渡っていた。
「地上のカーリング」とも呼ばれるボッチャ。ギリシャ選手は頭に装着した棒状の器具を使い、ミリ単位で狙いを定めショットを放っていた。
競泳の視覚障害クラスでは、補助者が棒の先にスポンジのようなものがついた「タッピング棒」でスイマーの頭や体の一部をたたき、ターンやゴールの合図を送る。タイミングのずれは、タイムを左右する。
アーチェリーのマット・スタッツマン(米国)は生まれつき両腕がない。右足の指で弓を挟み、右肩付近の発射装置で矢を放つスタイルで、男子コンパウンド個人(車いす、立位など)で金メダルを獲得した。
障害の種類や程度はそれぞれ。そこから生まれる多様な技や戦術が見る者を魅了する。4年に1度の大舞台に立つパラアスリートの姿を追った。
共同通信写真部パラリンピック取材班
*写真・記事の内容は、2024年9月までの取材を基にしています。

陸上の男子400㍍(視覚障害T11)で「絆」とも呼ばれるロープを握る選手(右)とガイドランナーはともに高みを目指す=2024年9月1日、パリ郊外(共同)

ボッチャ男子(運動機能障害・脳性まひBC3)で頭に付けた棒状の器具を使いボールを押し出し、ショットを放つギリシャ選手=2024年8月30日、パリ(共同)(了)

競泳の男子400㍍自由形(視覚障害S11) 「タッピング棒」でターンの合図を受ける富田宇宙=2024年8月30日、パリ郊外(共同)

アーチェリーの男子コンパウンド個人(車いす、立位など)で、的を狙う米国のマット・スタッツマン=2024年8月30日、パリ(共同)

バドミントンの女子シングルス(上肢障害SU5)でプレーする豊田まみ子。シャトルを器用に扱いサーブを放つ=2024年8月31日、パリ(共同)